FC2ブログ

2017-10

恋スル乙女ノ恋心?(山中恒「恋ワスレ鯉太郎」より)

 中学生ながら鯉の研究家でもある村雨鯉太郎。容姿端麗で男女どちらからも好かれる転校生の田口恵子。
 山中恒氏の長編「恋ワスレ鯉太郎」は、最悪な出会いによって不倶戴天の間柄となった二人が様々な誤解を乗り越え、互いを理解しようになるまでを描いたライトノベル感覚の青春小説です。
 この作品は昭和49年の暮れに秋元文庫の一冊として刊行されました。

 現代の感覚で見れば大した事はありませんが、本作中には恵子の色っぽい描写が幾つかみられます。
 意気投合した先輩と着替えをする場面。水で濡れた服越しに大切な部分が透けて恥じらう場面。スカートの中へ手を突っ込んで蚊に刺された内股を掻く場面。
 数日前の再読時にチェックできた「お色気描写」を以下に抜き出してみました。
 古き良き時代のジュニア向け小説が漂わせる「エロスの雰囲気」をお楽しみいただければ幸いです。

 まずは恵子と鯉太郎が初めて出会う場面から。
 満員電車の中、前の座席に座る男子中学生が持っていたレコードのカートン・ケースに太腿を撫でられ、思うように動けない恵子は焦ります。


 そんなことを考えている恵子のミニのワンピースのふとももの、それも内側をなにかが、すうっと、なでていった。恵子は、ぎょっとなって、下半身に目をやった。それはレコードのカートン・ケースだった。恵子の前の座席に腰をおろしている、中学生の男子がいねむりしていて、カートン・ケースをたてたまま、すべらせてしまったのである。
 【中略】
 恵子の前の中学生は、いっこうに目をさますけはいがなかった。いや、そればかりではなく、夢うつつに、たったいま恵子が立てかけてやったレコードのカートン・ケースを、ぐいと前へおしだした。そのカートン・ケースのかどが、恵子のミニのワンピースのすそのフレヤーをめくって、とんでもないところへ、ぐいぐいと突進してきたのである。
≪秋元文庫『恋ワスレ鯉太郎』P8~9≫


 あるキッカケから田口家へ出入りするようになった鯉太郎。そんな彼を快く思わない恵子は、池掘り作業で汚れた体を風呂で洗い流そうとする鯉太郎に色仕掛けのイタズラをします。 
 可愛い後輩の自宅を訪問した稲村京子も加わり、年頃の乙女たちは朴訥な少年に牙を剥きました。
 結局、お湯にのぼせた鯉太郎が風呂から出た事で二人の作戦は失敗に終わりますが……水着の美少女と混浴(?)する機会を逸した鯉太郎に同情よりも「ざまぁみろ」と思った少年読者も当時は多かった事でしょう。


「いいわよ。ふふふ、さ、おじいちゃん、出て、出て!」
 そういうと恵子は祖父をへやから追い出し、やおら、ワンピースをぬぎすて、洋服ダンスの奥から、水着をひっぱりだし、着用におよんだのである。

【中略】
 さて、三年生の稲村京子アネゴもけっこう田口恵子に負けず劣らずのエッチないたずら好きとみえた。もっとも、恵子と京子アネゴも、自分たちはエッチだなんて、つめの先ほども思っちゃいない。【後略】
【中略】
 そういうと、京子アネゴはスリップをぬぎすてた。その下にはブルーのブラジャーとブルーのビキニのパンティをつけていた。
「あ、あの、おねえさま」
「なに?」
「うちのおふろ、プールじゃないんですけど……」

≪秋元文庫『恋ワスレ鯉太郎』P48~54≫


 頻繁な鯉太郎の訪問に嫌気を覚えた恵子は静かに勉強できる環境を探し、帰宅途中にある昌念寺(しょうねんじ)の境内を見つけました。
 木陰に立ちながら教科書を読む恵子。そんな彼女の肉付き豊かな内股が蚊に刺され、あられもなくスカートに手を入れてポリポリと掻きますが、そんな姿を望遠カメラで撮影されてしまいます。
 鯉太郎の活躍で恥ずかしい写真の流出は防がれ、事なきを得ました。


 このアイディアは悪くなかった。鯉太郎の声がきこえないから、いらいらすることもないし、つまらない用事をいいつけられることもない。祖母のせなかをさすりながら、そのぐち話につきあわないでもすむ。ときどき、スカートの下へもぐりこんで、恵子のやわらかいところの血を吸いにくるやぶっカに気をつけさえすればいい。
 さもないと、だれもいないお寺の境内のすみっこでスカートの下へ手を入れて、いちばんやわらかな、またの内側をかいてたりしているところを、だれかに見つかったりしたら、なにをいわれるか、わからないからだ。

【中略】
 つまり昌念寺には、この和尚のせがれになる高校生壺坂令治がいる。彼はめっぽうカメラにこっていた。その彼がついさきごろ、望遠レンズを手に入れた。
 彼がその望遠レンズの効果をためそうと思っているところへ、たまたま絶好の被写体があらわれた。田口恵子である。恵子は早く家へもどって、祖父や鯉太郎にこき使われたり、いやな気分にされるのをきらって、昌念寺の境内を期末テストの学習の場に選んだ。
 壺坂令治はこのおあつらえむきのモデルを望遠でねらった。一方、恵子は植えこみにかくれた令治のへやの窓から二〇〇ミリの望遠レンズがねらっているとも知らず、けんめいに教科書をひろげていた。そして、ときどき、やぶっ蚊にスカートの中のやわらかい部分をおそわれ、周囲にだれもいないのをさいわい、スカートをめくって、ぽりぽりぽり……。これは令治にとってはまたとないシャッターチャンスとなった。

≪秋元文庫『恋ワスレ鯉太郎』P60~78≫


 少し時間は戻り、境内での盗撮が暴かれる数日前。
 自宅の庭に鯉専用の池を作られて不機嫌な恵子は、鯉太郎や祖父への嫌がらせとして池に飛び込みました。
 ところが、水に濡れた服はスケスケとなり、恵子の大事な部分をクッキリと浮かびあがらせたのです。


 【前略】だが、池から出ることはできなかった。というのは、恵子は水着でとびこんだわけではなかったから、ナイロンのパンティは水分をふくんでじつにもって素通(すどお)しのガラスのように、恵子のシークレット・ポイントをスケスケに見せていたのである。
≪秋元文庫『恋ワスレ鯉太郎』P66≫


 この後、嫌々ながらも鯉太郎と顔を合わせるうち、徐々に相手への不快感がなくなり、正月をすぎる頃には「お互いに相手を意識する」間柄となります。
 二度にわたって全裸姿を見られた(P94~95,P139~140)屈辱も忘れ、鯉太郎へ「あたしとコイの恵子と、どっちに関心があるの?」と問い詰めるまで心を開いた恵子。
 昔から「雨降って地固まる」と言いますが、それは恋愛にも当てはまるようです。

 絶版になって久しい文庫なので簡単には読めませんが、秋元文庫は(リサイクル本屋でない)古書店で見かける機会の多いレーベルです。
 もし『恋ワスレ鯉太郎』が安価で入手できるようならば、古き良き時代の青春物語を紐解いてみるのも悪くないと思います。
スポンサーサイト
[PR]

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://ryonablog475.blog2.fc2.com/tb.php/600-e56c9b51
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | ホーム |  »

FC2カウンター

プロフィール

新 京史朗

Author:新 京史朗
好きな技(1):バスター技
好きな技(2):股裂き関節技
好きなシチュエーション:リョナ

最新記事

カテゴリ

小説 (86)
アニメ (33)
ゲーム (31)
アメコミ (23)
フィギュア (5)
映像・写真 (16)
DOA・無双 (114)
イラスト企画 (43)
鉄拳・スト鉄 (92)
漫画・絵物語 (107)
イラスト・挿絵 (51)
映画・イベント (35)
ウルトラヒロイン (12)
MUGEN・ドット絵 (2)
オリジナルヒロイン (8)
御挨拶・お知らせ・交流 (134)
魔法少女まどか☆マギカ (59)

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

月別アーカイブ

最新コメント

リンク

このブログをリンクに追加する

最新トラックバック

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR