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2017-10

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浴室の緊縛折檻(横溝正史「幻の女」より)

 横溝正史氏が昭和10年代に発表した探偵小説で活躍していた由利麟太郎は、警視庁捜査一課長から私立探偵へ転身した異色のキャラクターで、新日報社の記者・三津木俊助を相棒に数多くの事件を解決してきました。
 昭和21年に発表された長編「本陣殺人事件」でデビューした金田一耕助の人気が作者の予想以上に高まった事もあり、由利麟太郎は昭和25年発表の中編「カルメンの死」を最後に横溝作品の表舞台から姿を消します。
 由利麟太郎シリーズはスリラー調の作品が多く、論理的な謎解きよりも場面ごとの見せ場を重視した構成で書かれました。
 前記のように活動期間は昭和10年代に集中しており、戦時中に書かれた作品にも登場しています。

 全米を震撼させた女性殺人鬼と由利・三津木コンビの対決を描いた「幻の女」は、日比谷に建つ豪奢なホテルへ投宿するジャズ歌手が怪青年に襲われる場面から幕を開けます。
 ジャズ歌手の八重樫麗子が入浴している所へ及川隆哉と名乗る青年が乱入し、従者に命令して縄で麗子を縛り、拷問させます。


「あ、何をしやがる!」
 もがいたところで男と女の力の相違だ。麗子は見る見るうちに裸体のうえからタオルで巻かれ、その上から太い縄でぐるぐる巻きにされてしまった。
「どうだね、これでも手紙のありかを言わないか?」
「畜生!」
 簀巻きにされて、白いタイル張りの床に投げ出された麗子、満面に朱をそそぎながら、
「誰がいうもんか。こんな事で驚く麗子さんたァ、麗子さんが違うんだよ」
「よしその言葉を忘れるな。アリ、構わないから少し痛めつけておやり」
「はい」
 黒ん坊のアリが、太い角棒をとりあげて、こいつを縄目のあいだに突込んできりきりと、揉むようにこじるその痛さ。
「あ、ああ!」
 と、麗子は唇をかみしめて、
「痛ッ、タ、タ!」
 唇が破れてたらたらと血が流れた。
「どうだ、それでもまだ言わないか。アリ、少し手ぬるい。もっと強くやっておやり」
「おお」
 黒ん坊が力をこめたから耐らない。タオルの下からはみ出した麗子の筋肉が、柘榴のように真っ赤にふくれあがった。

≪ポピュラーブックス『双仮面』P163~164≫
 
 引用文の中には、現在では使用を控えるべき単語が含まれていますが、原文通りとしました。
 また、ネタバレを避ける為、内容紹介文では、あえて事実と反する書き方をした箇所があります。併せて、御了承下さい。
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