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2017-09

氷上に踊る天使(大坂圭吉「赤いスケート服の娘」より)

 氷の上を自在に滑りながら華麗なダンスを見せる女子フィギュアスケート。
 現在の女子選手はタイツで肌の直接的な露出を控えているようですが、私の記憶にある女性フィギュアスケート選手は「長袖の衣装に生足」という刺激的な外見です。
 1960年代生まれの方であれば、札幌オリンピックに出場したジャネット・リン選手が演技の途中で尻もちをついてしまった姿に見覚えある方も多いと思いますが、この時の格好は赤い長袖の衣装に生足でした。
 性的な目的による盗撮や転倒による怪我の防止、あるいは選手の羞恥心を少なくする配慮なのかも知れませんが、艶やかな生足を見せながら演技に集中する女子選手の姿が見られなくなったのは(個人的に)残念でなりません。

 氷上を滑るスケートの起源については諸説あるらしく、私のように浅学非才な者が聞きかじりの知識による蘊蓄を語る愚は控えますが、日本では明治時代初期に伝わったとされています。
 国内でも100年以上の歴史を持つスケートだけに小説の題材になっても不思議はありませんが、探偵小説の暗号トリックにスケートを利用した短編を見つけた時は驚きました。

 スケートと暗号を巧みに融合させたの探偵小説とは、大坂圭吉氏の「赤いスケート服を着た娘」です。
 大坂氏は昭和7年に「デパートの絞刑吏」で作家デビューし、終戦間際の昭和20年にルソン島で戦病死しました。
 本作の初出発表は『新青年』昭和16年1月号。軍事探偵・横川禎介シリーズの一編です。
 軽快なリズムに乗って氷滑場(リンク)を滑るスケーターの描写から始まる「赤いスケート服を着た娘」事件では、フィギュアー・スケーチング(原文ママ)による暗号通信のトリックを暴き、国家機密の漏洩防止に貢献しました。

 冒頭のスケート場面には華やかなスケート服を着た娘たちの描写があり、続けて、物語のキーパーソンとなる女性が艶やかなスケーティング技術を見せる描写もあります。
 現在の読者から見れば物足りない描写かも知れませんが、激しい戦争の足音が近づきつつある不穏な時代、肌を見せながらスカートをひらめかせて氷上を滑る女性の姿は男性読者に絶大な刺激を与えたように思えます。
 以下が「赤いスケート服を着た娘」における女性スケーターの描写です。


 【前略】学生服もあればサラリーマンや、オフィスガールらしいのもある。時どき、まわりの手摺(てすり)から、人々の流れにさらわれるようにして滑り出しては、すぐまた手摺につかまるのは初心者であろう。かと思うと、円い大きな流れのまん中では、颯爽として、五六人の華やかなスケート服の娘たちが、短いスカートの下から、寒さで淡紅色(ときいろ)になったむき出しの可憐な股をのぞかせながら、レコードに合せて曲滑走(フィギュアー)の練習に余念がない。
 氷は張っていても、風がないので吹きッさらしの戸外よりは、却って暖かなのであろう、みんなハチ切れるような元気さである。

≪論創社『論創ミステリ叢書45 大坂圭吉探偵小説選』P40≫

 「でも、こうして同じ眺めるんでしたら、フィギュア―・スケーチングのほうが、遥かに楽しめますね。ご覧なさいな。あの娘たちのおはね振りを……」
 【中略】
 なるほど、銀盤の向うでは、五六人の娘たちに混って、ひと際目立つまっ赤なスケート服の娘が、白皮の編上靴にスケートを光らせながら、ワルツに乗って縦横無尽に鮮やかなフィギュア―を見せている。いまも、若鮎のような素速さで、大きく弧を描きながら左側の流れの前まで、迫り寄った彼女はいきなり、右脚を高くはねてキリキリッとターンすると、襞の多いスカートをまっ赤な花のように開きながら、そのまま左曲き(インカーヴ)に、高く、低く、寄せ行く浪のように滑りはじめた。
≪論創社『論創ミステリ叢書45 大坂圭吉探偵小説選』P42≫

 【中略】あのイレーネ嬢の、素晴しいフィギュアーにあるんです。残念ながら、先生いまはもう、仕事をすましたと見えて、自分だけの滑走を楽しんでいるらしいですが、ついさっきまでは、あの素敵な体型(フォーム)で男たちの眼を奪いながら、その実、彼女の脚の、白皮編上の靴先についたスケートは、巧みなフィギュアーを装いつつも、鋭いタッチで、ABCの所要の一文字ずつを、銀晩の上に描き出していたんです。【後略】
≪論創社『論創ミステリ叢書45 大坂圭吉探偵小説選』P44≫


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コメント

 「短いスカートの下から、寒さで淡紅色(ときいろ)になったむき出しの可憐な股をのぞかせながら」と「右脚を高くはねてキリキリッとターンすると、襞の多いスカートをまっ赤な花のように開きながら」この2つの描写にグッときました。華やかなスケート服に身を包んだ美女たちの艶やかな姿が想像でき、非常に刺激的でした!

 女子フィギュアスケート選手、以前は生足だったんですね!私が少年時代テレビで観た時には既に女性フィギュアスケート選手はタイツ脚でした。当時、綺麗なお姉さん達が刺激的な衣装とタイツに包まれた美脚を見せながら華麗に演技する姿は子供ながらドキドキしたものです(笑)

フィギュアスケートのエロス

 太平戦争開戦直前とはいえ、なかなか煽情的な描写があって驚きました。
 本書を読む前から「大坂圭吉の軍事探偵物」というフィルターがかかっていたせいもあるでしょうが……少女たちのスケート場面、かなりエロチシズムを感じ、ブログで紹介しようと思ったのです!
 「非常に刺激的でした」とコメントを頂けて嬉しいです。

 なお、「寒さで淡紅色(ときいろ)になったむき出しの可憐な股をのぞかせながら」の部分、『股』は『また』ではなく、『もも』と読ませるのかも知れません。
 もっとも、これを『また』と読めば、さらにエロチックな印象でしょうが(笑)。

 私が覚えている限り、女子フィギュアスケート選手は生足という印象です。
 ただ、ジャネット選手の開脚尻もちはリアルタイムではなく、当時のオリンピック特集雑誌かネット上の画像で見ました。
 金髪ボブカットの少女が尻もちをつき、はみかんだ微笑を見せる写真、コケティッシュなエロスを感じさせます。
 googleで検索し、是非とも、御自身の目で御確認を!!

 「股」確かにどう読むのでしょうか?やはりここは「もも」でしょうか。「また」と読んでしまうと、かなりエロチックかつ衝撃的な文になりますね(笑)小説の方も面白そうなので、本屋で探してみることにします。

 開脚尻もち画像を早速検索した所、YOUTUBEの方に当時の演技映像がアップされていました。仰る通りミニスカの赤い衣装で尻もちをつきながらも、はにかんだ笑顔を見せながら演技する姿は可愛らしさとエロスを感じます。タイツ脚に慣れ親しんでいる(汗)為、生足というのも非常に新鮮でした。
 
 

「もも」か、「また」か

 難しいところですね、「股」の読み方。
 もしかしたらルビがふってあるかも知れませんので、掲載誌を確認すればよいのでしょうが……そこまで手間をかける情熱がありません(無責任な管理人で申し訳ないです)。
 ここは各自で読み方を決め、エロスを求めたい方は「また」と読む、としておきましょう!

 本作を収録している『大坂圭吉探偵小説選』ですが、よほどの大型店舗でなければ、書店に並んでいないかと思います(学術書がメインのお堅い出版社が出しているシリーズなので)。
 購入されるのならば書店注文が便利ですよ。

 余談ながら、過去に書いた「才能ある絵師と古き良き名画」(2010年12月13日付のブログ記事)でも、美少女とアイススケートが絡むネタを紹介していました。よろしければ、そちらもお目通し下さい。

 ジャネット選手の演技映像はYouTubeにアップされていましたか。情報、どうもありがとうございます。
 近いうち、チェックしておきます!

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