FC2ブログ

2017-09

「ラブ☆MAGI」 第1話:放課後レッスン第一課

Part1.恋愛の達人?

 ひょんな事からマミの恋愛レッスンを手伝う事になった杏子。
 マ ミ「恋は出逢いからと言います。廊下の曲がり角で上手なぶつかり方を練習しましょう!」
 杏 子「ベタすぎて新鮮だな」
 マ ミ「それでは」
 そう言ってカットされた食パンを取り出すマミ。
 マ ミ「この食パンを咥(くわ)えながら全速力で走りますので……」
 杏 子「それは出逢いじゃねーよ。襲撃だよ!!」
 マ ミ「衝撃が強い方が印象に残るのではないでしょうか」
 杏 子「限度ってもんがあんだろー。別の意味で印象には残るけどさぁ」
 マ ミ「それでは、こういうのはどうでしょう?」
 杏 子「どういうの?」
 マ ミ「私の計画では、ぶつかった男性のボタンに髪がからまって……」
 杏 子「まあ、そのバネみてーな縦ロールならからまっても不自然じゃねーよな」
 マ ミ「彼が囁くのです。『君の髪はサラサラだね』って」
 杏 子「ボタンにからみついてるんじゃねーのかよ」
 マ ミ「ハッ。そうでしたわ」
 杏 子「過剰演出すんな! あんまり露骨に媚びると引かれるぞ」
 マ ミ「そ、そうですか」
 杏 子「自然にすりゃいいんだよ。だって、お前はキ……」
 マ ミ「キ?」
 杏 子「キ……キワモノだし」(あっぶねー。あやうく『キレイだから』って本音を言っちまうところだった。悔しくて言えねーよな、キレイだなんて)
 マ ミ「キワモノ!」
 杏子の胸中を知らないマミは軽いショックを受けた。

 杏 子「い、いや。これは……その……愛情表現の裏返しってやつだ。ほら、本当は好きなんだけど、わざと邪険にする男子っているだろう。あれとおんなじさ」
 マ ミ「佐倉さんのお言葉、勉強になります。もしや、恋愛の達人なのですか?」
 杏 子「え?」(あたしが恋愛の……達人?)
 杏子の脳裏を苦々しい過去の思い出がけ巡る。
 杏子6歳の時。同じクラスの男子に「右の子がスキー」と言われた。右側にいたのは内気で髪の長い幼馴染だった。
 杏子11歳の時。同じクラスの男子から恋の相談をされた。「オマエの友達がスキなんだけどさぁ……」。
 杏子13歳。芳文女子中学校への編入直後、通学途中で出会った元同級生から衝撃の一言。「佐倉ってさぁ、ホント女ってカンジしねーよな。好きとかそーゆーの一切なくてラクだ。近いうち、またカラオケでも行こーぜ」。
 男子との交際経験ゼロの杏子だったが、意地っ張りで見栄っ張りの性格が災いし、余計な言葉を口にしてしまった。
 杏 子「まーな。カ、カレシの1人や2人くらい余裕だよ」
 マ ミ「さすがですわね。尊敬しますわ!」

 次の日。
 杏 子「変な奴だったなー。マミって」
 生徒A「あッ、佐倉さん。コレ見た?」
 杏 子「ん? 何それ」
 掲示板に貼られた一枚の用紙。そこには『生徒会からのお知らせ』として、次のような告知が記されていた。
 『本日より以下の者を生徒会長補佐とします。 2年3組・佐倉杏子』
 杏 子「あ、あたしが生徒会長補佐ぁ?」
 マ ミ「はい❤」
 ア然とする杏子。その背後に素早く近寄り、彼女を憧れの眼差しで見つめるマミ。
 杏 子「お前の仕業か?」
 マ ミ「そーでーす」
 笑顔で答えるマミ。その両頬をつねりながら、呆れ半分怒り半分の杏子は問いただす。
 杏 子「なんで、あたしがこんなメンドーなコトしなきゃなんねーんだよ」
 マ ミ「いひゃいれす、佐倉ひゃん(訳:痛いです、佐倉さん)。ひごとはひなくていいでひゅから(訳:仕事はしなくていいですから)」
 杏 子「仕事はしなくていい? どー言う事さ」
 マ ミ「佐倉さんともっとお話ししたいんです。恋愛について。ダメですか」
 杏 子「……ダ、ダメじゃ……ねーけど。」(実はけっこう面白かったし)
 マ ミ「よかったー❤ それでは今日の放課後から練習開始です。今日は『グッとくる手のつなぎ方』の練習をしましょうね!」
 杏 子「わりぃ。やっぱ、やめてもいいかい?」
 マ ミ「却下しまーす」


Part2.恋愛レッスン第一課

 生徒会長。巴マミ。
 マ ミ「頼まれていた資料、できました」
 教 師「もう!? さすがねー」
 容姿端麗。成績優秀。
 生徒A「会長、こんにちはー」
 生徒B「こんにちはー」
 マ ミ「はい。こんにちは」
 公明正大な人格者。
 称する言葉は数あれど、生徒会執行部室へ入ってからの彼女に相応しい言葉はただ一つ。
 マ ミ「さあ、佐倉さん!! 恋人達の第一ステップ、手つなぎの練習です。いかにグッとこさせるかが課題ですよー」
 杏 子「お前、アホ過ぎ」

 部室のソファーに腰を下ろす杏子は、大張り切りのマミに向かって言った。
 杏 子「やっぱりさぁ、あたし、会長補佐なんてやりたくねーんだけど」
 マ ミ「え……。ダ、ダメですよ」
 杏 子「心配すんな。『恋の練習』とやらには付き合ってやるからさぁ」
 マ ミ「練習は基本的に執行部室でやるんです。役員じゃなきゃココは使えませんし、私は迂闊に外へ出ていけないのです」
 杏 子「どーしてさ」
 マ ミ「なぜなら……」
 杏 子「なぜなら?」
 マ ミ「誰かに見られたら、私のイメージが地に落ちます」 
 杏 子「ふーん。アホな事をしてる自覚はあるんだな。いい事だ」(そもそも練習なんて必要あんのかよ。マミは顔も頭もいい。他に何が足りないっつーんだか)
 マ ミ「も、もとはいえば、佐倉さんのせいでしょ」
 杏子の心の声を知らないマミは頬を膨らませながら言った。
 杏 子「あ、あたしのせい?」
 マ ミ「そうです。私が『ダッキー』とキスの練習をしているトコを見たりしたから……」
 杏 子「足りないのはネーミングセンスか」
 マ ミ「ちなみに私がペイントをしました。理想のインナモラート(註:innamorato。イタリア語で「彼氏のニュアンスを込めた恋人」の意味)を思い浮かべながら」
 杏 子「言葉遣いのセンスも足りねーな」

 一人で盛り上がるマミに冷静なツッコミを入れる杏子。しかし、その声はマミの耳に届いてはいない。
 杏 子「ノックしないで入ったのは悪かったけどさ、悪気はなかったんだ。あたしだって見たくなかったよ、あんなモン」
 マ ミ「あんなモン? ひ、ひどいですわ。それは佐倉さんならキスの経験くらい数えきれないほど……」
 杏 子「そんなん昔の話だよ」
 マ ミ「そうですよね! 恋愛の達人ですもの、ファーストキスぐらい小学生の頃に済ませていらっしゃいますわよね」
 杏 子「……」(やっべー、話がデカくなってきちまった)
 マ ミ「……」(佐倉さんのファーストキス、興味ありますわ。ドキドキ)
 杏 子「……あ、あたしのファーストキスは……小一の夏……だったな」
 マ ミ「スゴーイ。さすが佐倉さん。小学校へ入学した夏にファーストキスだなんて。尊敬しちゃいますわー」
 杏 子「ま、まーな」

 マ ミ「お願いします、達人! 私の手のつなぎ方を見て採点して下さい! 何度も何度も自主練したんです」
 杏 子「わ、わかったよ。見てやるから少し落ち着け」(あたしのアホー)
 マ ミ「それでは『付き合って二週間。友達から始まった恋。照れくさくて恋人っぽくなれない』感じで」
 杏 子「具体的だな」
 呆れ顔の杏子。そんな彼女の胸中を知らないマミはモジモジしながら近づき、照れた表情で相手の耳元に囁いた。
 マ ミ「まさか、私達が付き合うなんてねー」
 杏 子(おいおい、そんなとこから始まるのかよ)
 マ ミ「ねえ、覚えてる? あの日の海」
 杏 子「知るかよ」
 マ ミ「ひどい! あれから恋が芽生えたのに」
 杏 子「だから知るかよッ」
 マ ミ「ひどいわ! 手も握らず、私に気を使わせて。女の気持ち、全然わかってないじゃない! このヘタレ!!」
 杏 子「やかましー」
 ゴツン。
 杏子の鉄拳がマミの脳天を直撃した。怒りの一撃に撃沈するマミ。
 杏 子(女の感情に振り回される男の気持ち。よーくわかった気がする)
 マ ミ「い、痛いですわ」
 杏 子「余計な芝居はいらねーんだよ」
 マ ミ「私はただ、気分が盛り上がるかと……。ほら、ムードって大切でしょう?」
 杏 子「ムードだぁ? どーせ、やる事は同じだろう。グダグダ言ってねーでさっさとやれ!」
 マ ミ「……」
 杏 子「ハッ」(ま、また男の気持ちになっちまった)
 マ ミ「みょ、妙にショックですわ」
 杏 子「別の意味であたしもな」
 マ ミ「い、今のは忘れましょう……」
 杏 子「そうだな」(あたし、これでも乙女だよなぁ?)
 そういうわけで再挑戦スタート。

 なんだかんだで一時間が過ぎた。時計の針は午後五時直前を示している。
 杏 子「もう五時か。この辺で今日は終わりにしよーぜ」
 マ ミ「そうですね。今日はありがとうございました」
 杏 子「いいって事よ」
 マ ミ「ところで……佐倉さんが初めて彼氏と手をつないだ時はどうでした?」
 杏 子「えッ。あたし? あ、明日また来た時に教えるよ。今日はもう帰りたいし」
 マ ミ「そうですか。それでは明日、またココで会いましょう」
 杏 子「あッ……」
 自分の失言に気付いた杏子だが、すでに手遅れだった。
 杏 子「い、今のナシ。今のはナシだ」
 マ ミ「ダメです。明日です❤」
 佐倉杏子。生徒会長補佐就任。
スポンサーサイト
[PR]

FC2公認の男性用高額求人サイトが誕生!
稼ぎたい男子はここで仕事を探せ!

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://ryonablog475.blog2.fc2.com/tb.php/417-163fd346
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | ホーム |  »

FC2カウンター

プロフィール

新 京史朗

Author:新 京史朗
好きな技(1):バスター技
好きな技(2):股裂き関節技
好きなシチュエーション:リョナ

最新記事

カテゴリ

小説 (86)
アニメ (33)
ゲーム (31)
アメコミ (23)
フィギュア (5)
映像・写真 (16)
DOA・無双 (114)
イラスト企画 (43)
鉄拳・スト鉄 (92)
漫画・絵物語 (107)
イラスト・挿絵 (51)
映画・イベント (34)
ウルトラヒロイン (12)
MUGEN・ドット絵 (2)
オリジナルヒロイン (8)
御挨拶・お知らせ・交流 (133)
魔法少女まどか☆マギカ (59)

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

月別アーカイブ

最新コメント

リンク

このブログをリンクに追加する

最新トラックバック

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR