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2017-07

天才学生の本性(高木彬光「白昼の死角」より)

 松本清張氏の代表作「点と線」が火付け役となって社会派推理小説のブームが到来した時、高木彬光氏は大胆な創作活動の路線変更を行い、経済犯罪や企業犯罪を扱った作品の執筆に力を入れ始めました。
 そんな社会派物の初期作品であり、巧妙な心理トリックと法律の盲点を利用しながら遂行される大規模な金融犯罪を描いた高木氏の代表作にも挙げられるのが「白昼の死角」です。この大長編は昭和34年5月から約1年間にわたって『週刊スリラー』へ連載されました。
 本作は数多い高木作品の中でも上位に数えられるベストセラーとなり、最近では2005年に光文社文庫の「高木彬光コレクション」へ採録されています。

 終戦直後の経済混乱に乗じて巨万の富を得ようという野望をもった一人の天才学生が同級生と金融企業を興すも失敗し、自社ビルで壮絶な焼身自殺を遂げてから「白昼の死角」は本格的な物語の幕を開けます。
 自ら命を捨てた男の名前は隅田光一。東京大学に在籍しており、その天才ぶりは教授たちが折紙をつける程でした。
 隅田は優れた頭脳を持つ一方、自己中心的な性格で性欲にも飢えており、最終的にはメンタル面の弱さも含む自身の欠点によって身を滅ぼします。
 隅田の死後、主人公は彼の友人である鶴岡七郎へとバトンタッチされますが、主役交代劇の直前、鶴岡は重要書類に紛れていた隅田の手記を見つけ、彼の本性を知ってしまいました。
 その手記に書かれていた内容とは、実に恐るべき事実だったのです。


 そこには常人ならばとうてい筆にはできないような、赤裸々な性交の描写があった。性交、手淫の回数までが克明に記録されていた。一人の女の肉体を、ほかの女の肉体と比較し、自分のそれに対する反応を、精細に描写していくその文章には科学者のように冷静な客観もなく、文学者のように情熱的な主観もなく、ただ恐ろしい悪魔的な自己陶酔があるだけだった。
 「暴力で女の体を征服する味はたまらない。そして一方、暴力は女を傷つけ、彼女は私から離れていくであろう。
 嫌いになった女はこうして厄介払いするに限る。一挙両得の強姦である……」

【中略】
 「いちばん厄介なことは、彼女が僕に惚れているらしいことだ。どうして、女というものは、性慾の処理と恋愛の感情を、はっきり分離できないのだろう……」
【中略】
 この狂える天才の全貌――とはいえないまでも、かくされた恐ろしい一面は、光一自身がこのノートの中ではっきりとあばいて見せていたのである。
 九鬼善司も、想いは同じだったのであろう。自分の手にしたノートをばたりと閉じて、
 「鶴岡、彼は、隅田という男は、世にもおそろしい怪物だね」
 と、溜息をつきながら言いだした。
 「うむ……。頭は天才、体は悪魔、これを一口に言うならば怪物には違いないだろうね」

≪角川文庫『白昼の死角』P105~107≫


 鶴岡が「頭は天才、体は悪魔」と評した男の末路。そして、鶴岡自身による犯罪の記録。
 それが気になる方は是非とも原作を読んでみて下さい。
 非常に長い物語ではありますが、波乱万丈に富んだストーリー展開のおかげで長さを全く感じさせない作品に仕上がっています。


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 ・TOEI COMPANY「白昼の死角」 ※1979年公開映画のDVD。
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