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2017-10

格闘令嬢の敗北(後編) 屈辱の敗北

 蜘蛛糸と赤い触手でリリの自由を奪ったジェイシーは淫らな微笑を浮かべ、もがき苦しむ獲物の顔を見ながら言った。
 「いい表情を見せてくれるじゃないの。ほ~ら、もっともっと苦しみなッ」
 ガシッ。ガシッ。
 「あぐぅん」
 横たわりながら関節技を極めているジェイシーは自分の右足の踵でリリの股ぐらを蹴った。
 触手の容赦ない突きに加え、追い討ちをかけるようなジェイシーの攻撃。敏感な急所を責められながら指一本すら動かせないリリは苦悶の表情で喘ぐしかなかった。
 「最後に教えてやるけどさぁ、あたいの本当の名前はスパイラスって言うんだ! そのままんだろう。ぶっちゃけて言やぁ、改造人間計画の関係者なのさ。この能力も自分の意思で得たんだよ」
 「な、なんで……す……って……」
 「サブミッションのセンスはウィリアム姉妹。パワーはキングとアーマーキング。スピードはレイヴン。格闘テクニックはセルゲイ・ドラグノフ。オフェンスのセンスは三島一八とラース・アンダーソン。ディフェンスのセンスはザフィーナとボブ。前回の「THE KING of IRON FIST TOURNAMENT」で得た戦闘データーを数値化して人工筋肉や電子頭脳へ記憶させている。これがどういう事か理解できるか?」
 「つまり……。うぐッ。10人……いえ、11人の格闘家を……相手に戦う……って事かしら」
 「そうさ。あたいをベースに格闘家10人の長所が集結している。どうだい、これでも勝てる自信があるかな~」
 「ふん。ロ、ロシュフォール家の人間として……あなたみたいな……バケモノに屈したりは……し、しないッ! うぅぅぅん」
 絶体絶命の状況になりながらもロシュフォール一族としてのプライドを失わないリリはジェイシー=スパイラスの顔を正面から見つめて言い、渾身の力で両腕を反対方向に引っ張りながら両手首の蜘蛛糸を引き千切ろうとする。
 「はぁぁぁぁぁッ」
 ブチッ。
 非力な少女とバカにしていたリリが力まかせに蜘蛛糸を千切った。この信じられない瞬間を見たスパイラスは思わず声を荒げた。
 「なにぃぃぃぃ。あたいの蜘蛛糸が引き千切られただと」
 「ど、どうかしら? 御自慢の蜘蛛糸も大した事ないわね。オ、オッホホホホホ」
 「チッ。どこまでも口の減らない小娘だ。それなら……」
 憎々し気な言葉とは反対にリリの右足を離したスパイラス。
 「うぐッ。ハア、ハア、ハア、ハア。あ、足首が……折れそう……だった……わ」
 「これで終わったと思うなよ。オラッ」
 ドスッ。
 「あうぅん」
 貧相な乳房を踏みつけられたリリの口から苦痛の声が洩れる。
 「これからが『地獄巡りアトラクション』の本番だ。屈辱技のフルコースを堪能しな」
 強者の余裕を見せつけるスパイラスはリリの両肩を掴んで強引に立ち上がらせた。それと同時に足と胴体を拘束していた蜘蛛糸が千切れる。
 ブチ。ブチ。ブチ。
 「くらえッ! ブラッド・デモリッション」
 「きゃあぁぁぁぁ」
 赤い触手が絡むリリの体を担ぎ上げたスパイラスは成長過程にある美少女の柔らかい太腿と脹脛(ふくらはぎ)を掴み、両足を左右に大きく開かせた。
 ガバッ。
 「いやぁぁぁぁ」
 体を宙に浮かせた「マングリ返り」のポーズを強制させられ、リリは顔を赤らめながら恥じらいの悲鳴をあげた。
 「ヒャッハハハァ~。どうだい、恥ずかしいだろうぉ。お嬢様の御開帳だぁぁぁい」

恥ずかしいポーズと不気味なゲルの異臭に耐えるリリ
(C)きてぃ

 「は、離しな……。あふぅぅん」
 「なんだって? 色っぽい声を出してねえで言いたい事があればハッキリ言えよ」
 「離し……なさい。ひゃぁぁぁん」
 「ケ~ッケケケケケ。勇ましい格闘セレブらしからぬ喋り方だなぁ。どうしたんだよ、いつもの凛とした口調で言ってみろよ。ヒャ~ッハハハハハ」
 リリの喋り方に迫力がないのも当然。彼女の足に絡みつく赤い触手が太腿を締めつけながら股間を弄んでいたのだ。
 その快楽に刺激されたリリは弱々しい声しか出す事ができない。
 「こいつはスペシャルオプションだ。やれぇ、テンタクル・トーン」
 赤い触手はスパイラスの命令を理解しているかのように先端から緑色をしたゲル状の臭い物体を発射させた。
 グジュル。グジュル。グジュル。
 「あうん。く、臭い。なによ……ゴフッ……これは。ゴフッ。ゴフッ」
 悪臭を放つゲルが口に入ってしまい、リリは刺激と気持ち悪さにむせて咳こむ。
 「これはラフレシアの匂い成分を含んだゼラチンさ。面倒な相手を手っ取り早く捕獲したい時に使う秘密兵器の一つだよ」
 「ラ、ラフレシアの……ゴフッ……匂い成分ですって」
 「そうさ。大きさと悪臭で知られる不気味な花だよ。悪臭研究の世界的権威であるクロイツェン博士が30年かけて作りあげた装置を使ってラフレシアの悪臭をゲル状にしたのさ」
 「そんな事を……ゴフッ……30年かけて……ゴフッ、ゴフッ……研究していたの? ひ、暇な男ね。ゴフッ」
 「あっはは~。こんな小娘に暇人扱いされちゃったよ。可哀相な博士。おっと、あたいも遊んでる時間はないんだ。こいつの他にも今日中に二体のサンプルを確保しなきゃいけなかったんだ。ヨイショ」
 ドスッ。
 「あうん」
 屈辱技を解除したスパイラスはリリの体を投げ捨て、リングの上に散乱するガラス片をブーツで四方に蹴散らした。
 ジャリン。ジャリン。パラパラ。ジャリン。パラパラ。
 小気味良い音を立てガラス片がリングの下へ落ちる。
 「さて、これなら安全だ。ほらほら、いつまでも股を触りながら横になってんじゃないよ。さっさと立ちな」
 「ハァ……。ハァ……。ハァ……。あうぅぅん」
 股裂きと急所責めのダメージで下半身に力が入らないリリは満足に立ち上がる事もできず、ビリビリと痛む股間を押さえながら仰向けでリングの上に倒れている。
 「まったく、世話の焼けるお嬢さんだねぇ」
 スパイラスは呆れたように言うとリリの体を半回転させ、うつ伏せの状態にした。
 「これが最後の仕上げだ。あんたの高慢なプライドをズタズタにしてやるよ。オラァァァ」
 「くあぁぁぁぁ」
 自分の両足を複雑に絡ませてリリの両足をロックしたスパイラス。そのままリリの両腕を掴んで大きく左右に開かせ、自分の体の重心を後方へ移動させた。
 グルン。
 「あぁぁぁぁん。か、肩の関節が外れそうだわ」
 スパイラスの得意技であるロメロ・スペシャルがリリに決まった。胸を反らす格好で吊り上げられた哀れな獲物は額に脂汗を浮かべながら悶え苦しむ。
 「これだけなら普通のロメロだろう。しかしなぁ、あたいのように優れた改造人間は追加攻撃もできるのさ」
 「な、なんですって……」
 「やれぇ、テンタクル・トーン」
 「な、なにを……。いやあぁぁん」
 今まで沈黙していたテンタクル・トーンが再び活性化した。リリの左腕、胴体、二本の太腿に絡んだかと思うと強い力で締めつける。
 「うぅぅぅん。い、痛いわッ! 離しなさい」
 「離せと言われて離すバカがいるかよ」
 正論である。
 「もっと刺激があってもいいかなぁ。追加だぁ」
 この言葉によって行き場を失くしていた残る二本の触手が動きだした。一本はリリの首をグルグル巻きにし、もう一本は先端を搾乳機のように広げて服の上からリリの右乳房を覆った。
 さらに左腕を締めつけている触手も乳房にまで伸び、先端を搾乳機のように広げて左乳房を覆う。
 「ちょ、ちょっと。なにをする気?」
 「その小さな胸を吸引でサイズアップしてやるよ」
 「なんですって」
 「安心しな。金は取らねえよ」
 「そう言う問題じゃ……。いやぁぁぁん」
 抵抗の言葉も虚しく二本の触手は強力な吸引力を発揮してリリの乳房を吸う。
 「うあぁぁぁぁん。や、やめ……な……さい。このバケモノ」

ロメロ・スペシャルによってリリは全身の関節をガッシリと極められてしまった
(C)きてぃ

 「ま、またバケモノって言いやがったな。ケッ。その生意気な口に栓をしてやらなきゃね」
 「むぐぅ」
 胴体を締めていた赤い触手が次のターゲットに選んだのはリリの口だった。胴体を締めつけたまま先端を目にも止まらぬスピードで口内へ向かって進ませた。
 「むぐッ。むぐぅ。むぐぅ。もごッ」
 「あ~ん、何を言ってんだ? 聞こえねえよ」
 「もごッ。むぐッ。むぐッ。むぐぅ」
 「なんだって? あの臭いゲルを食ってみたい? あんたもゲテモノ好きだねぇ。美食に飽きたお嬢様の考える事はわからないよ。ほ~ら、腹いっぱい食べな」
 「んん~。むぐッ。むぐぅ。ゴフッ。ゴフッ」
 口内に入り込む悪臭を放つゲル。両手両足の動きを封じられたリリは飲み込まないよう抵抗するのが精一杯であった。
 しかし無尽蔵に流れ込むゲルの濁流は口の中を徐々に浸食していき、リリの小さな口はキャパシティの限界を迎えようとしている。
 (まずいわ。このままだと口の中が臭いゲルで一杯になっちゃう……。こんな物を飲み込むなんて冗談じゃないわ。でも……。もう……。口の中が……。げ……ん……か……い。ゴホッ、ゴホッ。おえッ。く、臭いッ。飲み込んでしまったわ。もう……駄目。悪臭と……刺激……で……意識……が……)
 溢れ出るゲルで口の周りを汚しつつ、リリは悪臭と刺激によって意識を失ってしまった。バケモノと罵った相手に屈辱の敗北を喫したのである。
 「ヒャ~ッハハハハハ。ちょろいもんだねぇ。さぁて、こいつは終了。次のターゲットを捕えに行くとするか」
 リリが気絶した事を確認したスパイラスは技を解き、赤い触手をプロテクターの中へ格納した。
 真昼の太陽が差し込むドーム型の天井を見上げながらスパイラスは呟いた。
 「天井を派手にブッ壊しちまったけど……。まあ、いいか。どうせ幽霊会社名義でレンタルした施設だ。修理費の代わりに大道具のプロレス用リングをくれてやれば相手も損得ゼロだろう」
 自分で破壊したガラス張りのドームを苦笑しながら見ていたが、やがて我に帰ると一分一秒を惜しむように横たわるリリの体を軽々と持ち上げた。
 「んしょ。さ~て、次の行き先はスペインか。ターゲットを確保したらパエリヤでも食うかなぁ。ほい、ポチッとな」
 ガシャン。
 プロテクターの腕部分に内蔵されたコントローラのボタンを押すとドアの施錠が解除され、重い金属音がホール全体に響き渡った。
 謎の改造人間はリリの体を肩に乗せ、解錠されたドアに向かって歩き出した。
 秘密結社クラウンによる世界征服の野望はスパイラルの歩みと共に第一歩を踏み出したのである。


The End


【あとがき】
 今回は特撮番組から出張してきた改造人間が対戦相手である為、どのような設定で「鉄拳」の世界とリンクさせるか頭を悩ませました。自分でも納得できる冒頭を書くのに何回書き直しをした事か……。
 幸いにもきてぃ氏に御力添えを頂いたおかげで物語中盤からは順調に書き進める事ができ、無事にリリとスパイラスの戦いを描けてホッとしています。
 筆の立つ方が書けば蜘蛛糸や触手の描写をエロチックに見せられたかも知れませんが、自分の筆力では本編のように書くのが限界でした。きてぃ氏のイラストの魅力を引き立てる事にも成功したとは言い難たく、もっともっと精進が必要です。
 そうは言っても最後まで楽しみながら書けたのも事実なので、佳作レベルの仕上がりが見られるSSだと自己採点させて下さい……。
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格闘令嬢の敗北(後編)屈辱の敗北

色付きの文字v-10おはようございます
バスターとロメロ・スペシャルでやられてますねえ

パンモロ&苦悶顔

 バスター技とロメロの組み合わせ、如何だったでしょうか。
 きてぃ氏にお願いしてパンモロと苦悶顔を強調する構図に仕上げて頂きました。

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