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2017-06

「魔法少女まどか☆マギカ Another」  幸せポッキーDAY

【はじめに】
 11月11日は『ポッキー&プリッツの日』です。その由来は数字の「11」がポッキーやプリッツを立てた形に見える為だと言われています。
 せっかくの記念日なので「魔法少女まどか☆マギカ」のSSの題材にしたく、無い知恵を絞ってネタを捻り出しながらも辛うじて書きあげる事ができました。
 構想から完成まで2時間程度だった為、前説すべき事柄は特にありません。軽く読み流して頂ければ幸いです。
 手作りポッキーのレシピについては、こちらを参照させて頂きました。レシピ発表者のtakaya氏には記して感謝致します。


 シャフト・スカイハイツの15階。
 巴マミと佐倉杏子が一緒に暮らす1506号を目指し、四人の女子中学生がお喋りしながら通路を歩いている。
 四人とも見滝原中学校の制服を着た可愛らしい少女だった。
 杏 子「マミが帰ってくるのは午後5時頃だ。それまでにソッコウで作業するぞ」
 手にした鍵をドアノブの下にある鍵穴へ差し込みながら、杏子は背後で待機する三人に声をかけた。
 今日は三年生を対象にした希望校別の進路相談会があり、年明けに高校受験を控えた若き家主の帰りは遅くなる。
 彼女が帰るまでのタイムラグを利用し、マミを慕う四人の後輩はサプライズを用意する計画を立てていたのだ。
 そのサプライズとは……。

 杏 子「もしもし、まどか? 佐倉杏子だけど」
 まどか「あッ、杏子ちゃん。こんばんは」
 杏 子「こんな時間に電話しちゃってごめんね。ちょっと頼みがあるんだけど、時間は大丈夫かい?」
 まどか「頼み? なんだろう。わたしで力になれる事なら協力するよ」
 杏 子「ありがとう。実はさぁ、学校で言おうと持って忘れてたんだけど……」
 11月10日の午後9時過ぎ。鹿目まどかの携帯電話に杏子から着信があった。
 こんな時間に杏子から電話があるのも珍しい。
 明日の小テストに向けて苦手な数学の計算問題を復習していたまどかは勉強の手を休め、携帯電話を左手で持ちながら杏子の頼みに耳を傾ける。
 杏 子「ネットでポッキーの作り方を調べてほしいんだ」
 まどか「ポ、ポッキー?」
 杏 子「棒状の焼き菓子にチョコレートをコーティングした定番お菓子だよ」
 まどか「ああ、そのポッキーの事なんだね。へえ、あれって自分でも作れるんだ」
 杏 子「もちろんだよ。売り物みたいには無理だけどさぁ、似たような感じのお菓子として再現できる。一時間半くらいで作れるって聞いた事があったけど詳しい作り方を忘れちゃったんだ」
 まどか「杏子ちゃんもマミさんに影響されてお菓子作りに目覚めちゃったみたいだね」
 杏 子「そんなんじゃないよ。明日はさぁ、11月11日だろう。立てたポッキーを四つ並べた格好の数字並びから『ポッキー&プリッツの日』って言われてるんだ。知らなかったのか」
 まどか「うん。初めて聞いたよ」
 杏 子「そうか……。まあ、お菓子メーカーが制定した記念日だからなぁ」
 まどか「お菓子作りならマミさんに聞いてみたら? その方が分かり易いと思うよ」
 杏 子「それが駄目なんだ」
 まどか「駄目って……どう言う事?」
 杏 子「いつも世話になってるマミに手作りポッキーで感謝の気持ちを伝えたくてさぁ、内緒で作りたいんだよ。明日は進路相談会があって三年生の帰りは遅くなるんだ。先に帰って大急ぎで調理を始めればギリギリで間に合うかも知れない。できればさぁ、帰ってきたマミをビックリさせたいんだ」
 まどか「杏子ちゃんって優しいんだね。てぃひひ」
 杏 子「か、勘違いするなよ。あたしはマミに少しでも借りを返したくて……(モゴモゴ)」
 照れ隠しの強引な理由と思いながらも杏子は必死に弁解し、その慌てる様子が電話口の向こうからリアルに伝わってくる。
 杏 子「いつもマミはケーキやクッキーを作ってくれるけどさぁ、たまには人に作って貰ったら嬉しいだろうなぁって思ったんだ。でも、あたしって不器用だろう。一夜漬けの知識や技術じゃ手の込んだスイーツなんか作れっこない。そこでポッキーの日に手作りポッキーをプレゼントしようと思ったわけだよ」
 まどか「そうなんだ」
 杏 子「急な事で悪いけどさぁ、レシピを調べてプリントアウトしてくれないかなぁ」
 まどか「いいよ、まかせておいて。今夜中に調べて印刷しておくね」
 杏 子「ありがとう、まどか。助かるよ」
 まどか「ねえ、杏子ちゃん」
 杏 子「ん? なんだい?」
 まどか「お菓子作り、わたし達にも手伝わせてくれないかなぁ」
 杏 子「わたし達って?」
 まどか「さやかちゃんとほむらちゃんも誘って四人で作ろうよ。わたし達も日頃からマミさんにはお世話になっているし、みんなで作れば時間も短縮できると思うんだ」
 杏 子「それもそうだな。明日にでも声をかけてみよう。あッ、マミが風呂から出たようだ。それじゃ電話を切るよ。ありがとう。おやすみ」
 まどか「おやすみ、杏子ちゃん」

 このような経緯があり、佐倉杏子、鹿目まどか、暁美ほむら、美樹さやかの四人は巴マミに感謝の意を込めて手作りポッキーをプレゼントすべく、90分クッキングを開始したのである。
 杏子達はブレザーを脱ぎ、白いYシャッツの上からエプロンを着用した。料理が好きなマミは気分と作る物によってエプロンを替えているので、予備エプロンが何枚もタンスの中に入っていたのだ。
 杏 子「さて、これが材料だ」
 昼休みに学校を抜け出して買い集めた材料をテーブルの上に並べた杏子はまどかがプリントアウトしてくれたレシピを見ながら指示を出す。
 杏 子「ほむらまどかは協力して粉類を篩(ふるい)にかけてくれ。さやかは板チョコを砕いて湯煎(ゆせん)して。あたしはオーブンを暖めながら、必要な道具を集めてくる」
 さやか「オッケー」
 ほむら「了解よ」
 まどか「まっかせて~」
 各自は与えられた作業を黙々とこなし、慣れないながらも手際よくレシピ通りに調理過程をこなしていく。
 杏子の事前シュミレートが功を成したのか、面倒な生地作りも大して時間をかけずに終了できた。
 30分後。
 ビニール袋から取り出した生地を5ミリ幅の棒状に切り分け、170℃の高温に熱されたオーブンの中へ入れる。
 杏 子「ふぅ。これで15分待てば完成だ。どうにか間に合いそうだな。チョコレートの溶け具合はどうだ、さやか
 さやか「バッチリよ。余熱を利用して固まらないように注意しているわ」
 杏 子「たまに弱火で温めるのを忘れるなよ」
 さやか「心配御無用。さやかちゃんにまかせておきなさい」
 杏 子「まどかほむら。あたし達は片付け作業だ」
 まどか「うん」
 ほむら「わかったわ」
 完成まで後一歩。四人は安堵の表情を浮かべながらマミの喜ぶ顔を脳裏に思い描いている。

 エレン「じゃあね、マミ。良い週末を」
 マ ミ「ええ。あなたも良い週末を。エレン」
 交通量の激しい大通りで黒川エレンと別れの挨拶をかわしたマミは歩道橋を渡って道路を横断し、小走りで杏子の待つマンションへと向かう。
 腕時計を見ると午後5時少し前だった。
 マ ミ(思ったよりも遅くなってしまったわ。早く帰って夕食の支度をしないと)
 そんな事を思いながら帰路を急ぐが、あまり運動が得意ではないマミは数分で息切れしてしまい、荒々しく呼吸しながら歩くハメになった。
 マ ミ「ハア、ハア、ハア」(だ、駄目ねぇ。この程度の運動で……息がきれるなんて……。魔法少女として……し、失格だわ)
 しばらく歩いているうちに呼吸も落ち着き、疲労も僅かだが回復した。
 マ ミ「よしッ。もう一頑張りだわ」
 自分を励ましながら両手で頬を軽く叩いて気合を入れ直した時、その目に魅力的な文字が飛び込んできた。
 そこは個人が経営するスーパーマーケットの前だったが、軒下に『11月11日はポッキーとプリッツの日! セール対象商品30%オフ』と書かれた横断幕が展開されていたのだ。
 この店では毎年11月11日になるとポッキーとプリッツが30%オフで販売される。
 噂によると店主の息子が販売元のE社に勤めており、記念日を広める意味から『ポッキー&プリッツの日』には関連商品を安く売っているのだと言う。
 ところが店主のアイディアも虚しく30%オフばかりが有名になってしまい、その理由については右から左に忘れられているらしい……。
 マ ミ「そうだ。今日は『ポッキー&プリッツの日』だったんだわ」
 横断幕の文字に魅かれ、マミの足は帰路から外れてスーパーマーケットの入口に向かっていた。
 マ ミ「お腹をすかせて待っている杏子の為にジャンボポッキーを買っていってあげましょう」

 リビングの壁掛け時計を見ながら、四人は生地の焼き上がりを今や遅しと待っている。
 さやか「まだ焼けないの?」
 杏 子「もう少しだ」
 まどか「焼き時間は15分だったよね。それなら残り5分ちょっとだよ」
 さやか「待ち遠しいなぁ」
 ほむら「こうして四人でお菓子作りというのも悪くないわね。楽しかったわ、杏子」
 まどか「うん。わたしも楽しかったよ」
 さやか「マミさん、喜んでくれるかなぁ」
 そんな会話をしている間に5分が経過。焼きあがりを告げるオーブンの電子音がキッチンから聞こえてきた。
 杏 子「よしッ、完成だ」
 さやか「なんとか間に合ったわね」
 杏 子「そうだな」

 同じ頃。
 エレベーターから降りたマミは1506号室に向かって歩を進めていた。
 マ ミ「どうにか五時半前に帰れたわ」
 塞がっている両手を器用に使ってドアノブを廻し、ドアを開けて玄関へ足を踏み入れる。
 マ ミ「あら、この靴は……」
 玄関に並ぶ四足の靴を見たマミは来客の存在を知り、リビングへ向かって声をかけた。
 マ ミ「ただいまぁ。杏子、鹿目さん達が来ているの~?」
 杏 子「おかえり、マミ。みんな揃ってるんだ。早く来いよ」
 姿を見せない杏子の声だけが奥から聞こえてくる。
 マ ミ「みんな揃ってる? どうかしたのかしら、こんな時間に」
 不思議に思いながらも靴を脱いでスリッパに履き替え、ジャンボポッキーの大きな箱が入った紙袋と鞄を持ったままリビングへ足を運ぶ。
 杏 子「お帰り、マミ」
 さやか「お邪魔してま~す」
 ほむら「こんばんは」
 まどか「お疲れ様です、マミさん」
 マ ミ「ただいま。こんな時間に集まるなんて珍しいわね。なにかあったの?」
 杏 子「今夜はマミにプレゼントがあるんだ。それを作るのに集まってたんだよ」
 マ ミ「わたしに……プレゼント?」
 杏 子「ああ。キッチンへ来てくれよ。そこに用意してあるんだ」
 マ ミ「そう言えば甘い匂いがするわね。お菓子を作ったの?」
 杏 子「詮索は後廻し。ほらほら、キッチンへ来てよ」
 マ ミ「?」
 杏子に促されたマミは状況が把握できないまま、まどか達の後についてキッチンへ向かう。
 杏 子「さあ、どうぞ」
 マ ミ「こ、これは……」
 杏 子「あたし達から日頃の感謝を込めたプレゼントだ。今日は11月11日。『ポッキー&プリッツの日』を記念した手作りポッキーさ」
 さやか「形は今二つかも知れませんが味は保証しますよ」
 マ ミ「……」
 まどか「いつも御馳走になってばかりですから、たまには食べる側になってもらいたくて」
 ほむら「杏子が中心になって四人で協力して作ったのよ」
 杏 子「本当は日頃の御礼にケーキやクッキーでも作りたかったんだけどハードルが高過ぎる。それにお菓子作りの経験もない。ちょうど今日は『ポッキー&プリッツの日』だからさぁ、まどかにネットでレシピを調べてもらい、四人で力を合わせて作ってみたんだ」
 マ ミ「あ、ありがとう。みんな、本当にありがとう。とっても嬉しいわ」
 それだけ言うのが精一杯だった。感激の涙で目は潤み、大皿に乗せられた棒状の焼き菓子が滲(にじ)んで見える。
 マ ミ(あのジャンボポッキーは日を改めて出す事にしましょう。優しい仲間……ううん、仲間じゃなくて友達ね。優しい友達の好意に水をさしては申し訳ないもの)
 湯煎で溶けたチョコレートの甘い匂いがキッチンに漂い、笑顔の四人と感動の涙を流す家主を包み込んだ。


【あとがき】
 余韻を残す終わり方にしようと考えた末、このような結末となりました。物語の途中で中断したように受け取れるかも知れませんが未完ではありません。
 心のこもった手作りポッキーをマミさんが食べるシーンも描こうと考えましたが、「先輩を慕う後輩」と「後輩の優しさに感動する先輩」というテーマを強調したく、あえて食事シーンはカットしました。
 細部の作り込みに甘さが目立つかと思いますが、「ポッキー&プリッツの日」を記念したSSとしてキャラクターよりもポッキーをメインにした構成を追求した結果なので御容赦下さい。
 全体的に短い話のせいか、今回は【あとがき】まで短くなってしまいました……。
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