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2017-08

「魔法少女まどか☆マギカ Another」  まどかの素敵な誕生日(後編)

【10月3日(土) 午後6時】

 ダミーのケーキが片付けられ、改めて本物のケーキが運ばれてきた。
 マ ミ「これが本物のケーキよ。さっきの偽物と比べたら大きさは劣るけど味には自信があるわ」
 まどか「うわ~。美味しそう」
 さやか「今度のケーキには仕掛けがないから安心して頂戴」
 まどか「うん」
 杏 子「ほら。ナイフとサーバーだ。切り分けを頼むよ」
 まどか「え~、本当にわたしが切り分けるの? 杏子ちゃん、代わりに切ってくれないかなぁ」
 杏 子「あたし? 悪いけど勘弁してくれ。こういう分割作業ってのは苦手なんだ」
 さやか「ほらほら、人に押し付けない。失敗するなんて考えは捨てて気楽にナイフを入れなよ」
 マ ミ「そうよ。今日は鹿目さんが主役なんだから、あなたの思う通りに切ってみて」
 ほむら「大丈夫。まどかならできるわ」
 まどか「わかった。やってみる」
 全神経を集中させ、まどかはホールケーキを六等分した。大きさに多少の差はあるが微々たる誤差である。
 さやか「あれ? 一つ多くない?」
 まどか「どうして? わたし。マミさん。さやかちゃん。ほむらちゃん。杏子ちゃん。Qべえ。ピッタリだよ」
 さやか「そうだ。Qべえを忘れてた」
 Qべえ「ひどいなぁ、僕の事を忘れるなんて」
 ほむら「どこへ行っていたの? さっきまで姿が見えなかったようだけれど」 
 Qべえ「ちょっとね」
 ほむら「それではわからないわ、ハッキリ言いなさい。わたしはあなたの事を全面的に信用している訳ではないのよ。まどかの誕生日を台無しにするような事を企んでいるのなら容赦しないわ」
 マ ミ「まあまあ、暁美さん。落ち着いて」
 ほむら「……」
 マ ミ「Qべえ、暁美さんの言う通りよ。どこへ行っていたのかハッキリ言いなさい。言えないような場所で言えないような事をしていたのであれば……わたしにも考えがあるわ」
 ほむら「どうなの、インキュベーター」
 さやか「ハッキリ言いなさいよ」
 杏 子「どこへ行ってたんだ」
 Qべえ「まどかの家だよ」
 まどか「わ、わたしの家?」
 Qべえ「君は雨戸を閉めずに家を出てきただろう。もうすぐ日が暮れる。だから雨戸を閉めてきたんだ。こんな手だから戸閉まりに時間がかかってしまってね。予定よりも戻るのが遅くなってしまったんだ」
 マ ミ「なかなか気がきくわね」
 まどか「ありがとう、Qべえ」
 ほむら「そう言う事だったのね。疑って悪かったわ」
 さやか「ごめん」
 杏 子「すまねえ」
 Qべえ「別に気にしていないよ、今までが今までだったんだから。君たちが疑うのも当然さ」


【10月3日(土) 午後6時20分】

 アイスティーを満たしたグラスとカットされたショートケーキが全員に配られ、いよいよ誕生日パーティの幕開けである。
 マ ミ「みんな、グラスは行き亙ったかしら?」
 杏 子「おう」
 さやか「持ってま~す」
 ほむら「廻ってきたわ」
 まどか「大丈夫です」
 Qべえ「僕も持っている」
 マ ミ「それでは鹿目さんのお誕生日を祝って乾杯しましょう。かんぱ~い」
 さやか「かんぱ~い。お誕生日おめでとう」
 ほむら「乾杯。まどか、おめでとう」
 杏 子「かんぱ~い。14歳の誕生日、おめでとう」
 Qべえ「乾杯。誕生日おめでとう、まどか
 まどか「ありがとう……。みんな……どうもありがとう」


【10月3日(土) 午後7時】

 マ ミ「さあ、ケーキの次はディナーよ。杏子、お料理を運ぶの手伝って」
 杏 子「了解ッ」
 マ ミ「暁美さんはケーキ用小皿を片付けて頂戴ね。美樹さんはテーブルの掃除をお願いするわ」
 ほむら「わかったわ」
 さやか「はい」
 マミの手際良い指示でテーブルの上が片付けれ、数分後には豪華な料理が卓上へ並べられた。
 マ ミ「どう? 四人で作った『鹿目まどか BIRTHDAY DINNER COURSE』よ。気に入ってもらえたかしら」
 さやか「ほとんどマミさんが作ったようなもんだけどね」
 杏 子「まあ、味の方は保証するよ」
 ほむら「あなたの笑顔を思い浮かべながら、心を込めて作ったわ」
 まどか「とっても……とっても美味しそう」
 下を向きながら肩を振るわせ、呟く様な声で答えるまどか
 さやか「どうしたの、まどか
 マ ミ「お気に召さなかったかしら」
 まどか「ち、違うん……です……」
 マ ミ「違うって?」
 まどか「わたし……。わたし……。うわぁぁぁぁん」
 杏 子「ど、どうしたんだよ。急に泣き出して」
 ほむら「まどか?」
 マ ミ「か、鹿目さん。どうしたの?」
 さやか「もうサプライズは終わったんだよ、まどか
 まどか「ううん。違う……の。嬉しい事が……重なって……が、我慢……できなく……なっちゃったの……」
 したたる涙に頬を濡らしながら、まどかは顔を上げた。その表情に悲しみの色は見られず、逆に歓喜の色が見て取れる。
 まどか「今年は……一人ぼっちの……誕生日だって……思ってた。で、でも……こうやって……みんなが……お、お祝い……してくれて……嬉し……かったの」
 さやか「まどか……」
 まどか「本当は寂しかった。一人ぼっちの誕生日になるの……本当は寂しかった……。うわぁぁぁん」
 心に秘めていた本音を吐露し、まどかは再び泣き出した。
 誰も口に出す言葉が見つからず、さやかたちは泣きじゃくるまどかを見守るしかなかった。
 マ ミ「鹿目さん……」
 年長者のマミはまどかに近寄ると、その小さな体を背後から優しく抱きかかえた。
 マ ミ「あなたは一人じゃないわ」
 まどか「マ、マミ……さん」
 さやか「そうだよ、まどか。あんたを一人ぼっちになんかさせない」
 杏 子「あたしたちは友達だろう。一人で寂しかったらさぁ、いつでも訪ねて来てくれよ」
 まどか「さや……か……ちゃん。杏子……ちゃん」
 ほむら「あなたを驚かせようとして、逆に寂しい思いをさせてしまったわね。ごめんなんさい、まどか
 まどか「ほむ……ら……ちゃん」
 Qべえ「良い友達に恵まれたね、まどか
 まどか「Q……べえ。みんな……本当に……ほ、本当に……あり……が……とう……。うわぁぁぁん」
 マ ミ「鹿目さん……」
 まどかの体を後ろから抱き締め、マミは優しく頭を撫でてやった。
 さやか「大丈夫。誰もまどかを一人ぼっちにさせたりしないよ」
 杏 子「ああ。一人ぼっちは寂しいもんな」
 ほむら「いつでも見守っているわ。まどか


【10月3日(土) 午後8時30分】

 嬉しさに号泣していたまどかが落ち着きを取り戻した後、誕生日の夕食会が再開された。
 五人+一匹による楽しい夕餉(ゆうげ)の一時(ひととき)はアッと言う間に過ぎ去り、秋の夜空には満月が煌々と輝いている。
 食後のレモンティーを飲みながら、マミはまどかに向かって言った。
 マ ミ「鹿目さん。よかったら今夜は泊まっていかない? 歓迎するわよ」
 まどか「え? 今夜ですか?」
 さやか「いいじゃん、家には誰もいないんでしょう。泊っていきなよ」
 杏 子「せっかくの誕生日だろう。明日は日曜だしさぁ、今夜は遅くまで盛り上がろうよ」
 ほむら「そうなさい、まどか
 まどか「でもぉ……」
 さやか「あ~、もういいや。バラしちゃうけどね、今日の誕生日パーティは宿泊プランになってるの。もちろん、まどかママの許可を得てるわ」
 杏 子「夕食の材料費もまどかのママが出してくれたんだってさ」
 ほむら「家族に代わって娘の誕生日を盛大に祝ってくれ。そう仰っていたそうよ」
 マ ミ「どうかしら、鹿目さん。今夜は泊っていってくれないかしら?」
 まどか「マミさんの御迷惑でなければ……。今夜はお世話になります」
 マ ミ「うふ、よかった。今夜は楽しい夜になりそうだわ」
 まどか「それじゃ着替えを取ってきますね。すぐに戻ります」
 立ちあがろうとするまどかに向かい、ドヤ顔のさやかが待ったをかけた。
 さやか「その必要はないわ」
 ほむら「ほむッ! それはわたしの決めゼリフ……」
 さやか「まどかママから着替え一式を預かってるの。だから帰る必要はないよ」
 まどか「用意周到だね。さすが、さやかちゃん」
 さやか「当たり前じゃない。誕生日パーティの責任者は美樹さやかちゃんですからねぇ。万事抜かりはありません」
 杏 子「自分で言ってりゃ世話ないよ」


【10月3日(土) 午後9時】

 食休みの時間をおいた後、五人揃って入浴する事になった。
 五人での入浴はスペース的に厳しいが、まどかの強い希望をマミが聞きいれたのだ。
 浴槽には最高でも三人しか入れず、残る二人は洗い場で待機する事になる。
 いろいろ不自由はあるものの、反対意見を述べる者もおらず、殺風景な浴室は麗しき乙女の園へと早変わりした。
 まず最初にまどかさやかほむらが浴室へ入り、掛け湯をしてから浴槽に身を沈める。
 まどか「はふぅ。温か~い」
 ほむら「最近は夜も冷えてきたものね。体が芯から温まるわ」
 さやか「あれッ。まどかの胸」
 まどか「ん? なぁに」
 さやか「一年前と比べてさぁ、ずいぶんと成長したんじゃない?」
 まどか「そ、そんな事ないよ」
 さやか「いや、わたしの目はごまかせないぞ。嫁の成長は一目でわかるのだぁぁぁ」
 そう言いながら、さやかまどかの胸を揉み出した。
 まどか「いやぁぁ。さやかちゃんのエッチ~。助けてぇ、ほむらちゃ~ん」
 まどかは苦笑いしながらほむらに助けを求める。
 ほむら「ま、まどか……」
 さやか「今がチャンスよ。あんたもまどかの成長ぶりを自分の手で確かめてみたら?」
 さやかにとっては何気ない一言のつもりだったが、ほむらにとっては天の声とも言うべき一言だった。
 互いの体が密着する狭い浴槽の中、まどかの裸体を間近に見て興奮しているほむらは分別を忘れた暴走モードに突入した。
 ほむら「ま、まどかぁぁぁぁ」
 まどか「ええぇぇ。ほむらちゃんまで……」
 ほむら(この世界を……全ての魔法少女を救ってくれたまどか。円環の女神として魔女の呪縛を断ち切ってくれた心優しいまどか……。あなたはわたしの女神様よ。この小さな胸から伝わる生命の鼓動。あなたが生きていてくれて……本当に嬉しい。何度も時間遡行した努力が遂に報われたわ)
 まどか「あはははは。く、くすぐったいよ。あはははは。もう駄目ぇぇぇ」
 前後から小さな乳房を揉まれたまどかは洗い場へ脱出。湯の中には二人の腐女子が取り残された。
 服を脱ぎ終えた杏子とマミが脱衣所から入って来たのは、まさにこの瞬間だった。
 杏 子「ど、どうしたんだ、まどか。顔が真っ赤じゃないか」
 マ ミ「お風呂のお湯が熱かったのかしら? いつもと同じ温度の筈なんだけれど」
 まどか「い、いえ。違うんです。のぼせたんじゃありません」
 杏 子「ははあん。さては……」
 さやか「ギクッ」
 ほむら「……」
 杏 子「まあ、同業者のよしみだ。深い追求はやめといてやるよ」
 ほむら「賢明な判断ね。その賢さに免じて美樹さやかと二人きりで入浴する権利を与えるわ」
 そう言いながらほむらは浴槽を出た。
 杏 子「なんか偉そうな言い方だが……。ありがたく権利を頂くよ」
 さやか「ちょっと。二人で勝手に話を進めてるんじゃないわよ」
 杏 子「いいじゃねえか。一人ぼっちは……」
 さやか「寂しくなぁぁい。そのセリフは聞きあきたわ」
 さやかが立ちあがろうとした時、杏子は目にも止まらぬ早さで掛け湯を済ませ、浴槽へ身を躍らせた。
 ザパーン。
 さやか「キャッ。乱暴な入り方ねぇ」
 杏 子「まあまあ、あんまりツンツンするなよ」
 頭の上にタオルを乗せた杏子は湯の中に身を沈めながら笑顔で言った。
 浴槽から出るタイミングを逸したさやかも再び湯の中に身を沈める。
 洗い場では残る三人がシャワーのお湯を使って体を濡らし、縦一列になってお互いの体を流し合っている。
 杏 子「はぁぁぁぁ。いい湯だ。温もりが五臓六腑にしみわたる」
 さやか「親父っぽい事を言うわね」
 杏 子「そうか?」
 さやか「五臓六腑にしみわたるって言葉も使い方が間違ってるわよ」
 杏 子「いいじゃねえか、細かい事は気にするなよ。なあ、マミ」
 マ ミ「うふふふ。そうね。楽しければいいじゃない」
 まどか「うぇひひ。そうだよ、楽しいのが一番だよ」
 ほむら「……。なんだか話が噛み合っていないわね、あなたたち」
 冷静にツッコミを入れるほむら。暴走モードが解除され、いつもの調子に戻ったようだ。


【10月3日(土) 午後11時】

 マ ミ「それじゃ電気を消すわよ」
 まどか「は~い」
 さやか「OKで~す」
 ほむら「大丈夫よ」
 杏 子「おう」
 Qべえ「うん」
 マミの問いかけに四人+一匹が同時に返事をした。
 マ ミ「うふふふふ。見事なハーモニーね。エレンたちも驚くわ」
 杏 子「なんの事だ?」
 マ ミ「なんでもないわ。さあ、電気を消すわね」
 カチッ。
 電気が消され、マミの部屋は烏羽玉(うばたま)の闇に包まれた。
 主賓のまどかほむらさやかの三人がマミのベッドを使っている為、消灯を済ませたマミは杏子の布団に潜り込む。
 Qべえはベッドの足元でうずくまり、すでに休息の体勢をとっている。
 マ ミ「おやすみなさい、鹿目さん。ゆっくり休んでね」
 まどか「はい。ありがとうございます」
 さやか「おやすみ、まどか
 ほむら「おやすみなさい、まどか
 杏 子「おやすみ~、まどか
 Qべえ「おやすみ、まどか
 まどか「うん。おやすみなさい」


【鹿目まどかの日記 10月4日分より抜粋】

 今年のお誕生日は最高の一日でした。
 さやかちゃんが中心になり、みんなでお祝いをしてくれたからです。
 マミさんの家にお泊まりもしました。
 一人きりの誕生日だと思っていたのに……。こんな嬉しいお誕生日を過ごせた事、みんなに感謝しています。


The End


【あとがき】
 遅まきながら、鹿目まどかバースティ記念のSSを完成させる事ができしました。
 お泊まり会というキモになる趣向が活かしきれず、その点は反省しています。
 サプライズ・パーティーに感動するまどかの姿を描きたかったので、その様子が多少なりとも表現できていればよいのですが……。
 寝る前の雑談シーンも挿入する予定でしたが、どう言う会話をさせようか迷いに迷った挙句、ここをカットして消灯~就寝の流れへ強引に持ちこみました。唐突に秋の夜長が終わるのは、こうした理由によるものです。
 物語の細部まで構想が固まる前に書き始めた為、後半部分は内容が薄く話の展開も急ぎ足となってしまい自分自身で消化不良に思う箇所があるものの、一応は纏まりのあるストーリーに仕上がったと思います。



【追記】マミさんの「うふふふふ。見事なハーモニーね。エレンたちも驚くわ」と言うセリフについての補足です。彼女と黒川エレン(「スイートプリキュア」より)は同級生という裏設定があり、音楽をテーマにした「スイートプリキュア」における変身後の決めゼリフ「届け! *人の組曲」を意識した楽屋オチ的な意味になります。説明不足なネタだった為、この場を借りて解説させて頂きました。(2011年10月31日・記)
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