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2017-08

「魔法少女まどか☆マギカ Another」  絶対に胸キュンしてはいけない会議室【後日談】

【はじめに】
 これまでに書いた「魔法少女まどか☆マギカ」の二次創作SSで最大の異色作となった「24 in The locked room  ~絶対に胸キュンしてはいけない会議室~」ですが、pixivで交流のあるロギー氏より頂戴した丁寧な感想メッセージの中に興味深い意見が記されており、そこから本作のアイディアが生まれました。
 会議室へ軟禁されて理不尽なゲームに挑む(彼女達は自分の意思で参加しており、一応の見返りも用意されているので理不尽とは言い切れませんが)五人の魔法少女。このゲームについて、Qべえの意図やゲームに秘められた真実が明らかになります。
 正当な続編となる為、前作「24 in The locked room  ~絶対に胸キュンしてはいけない会議室~」にシリーズタイトルを冠して「「魔法少女まどか☆マギカ Another」  絶対に胸キュンしてはいけない会議室」へと改題しました。
 消化不良気味だと感じていた点がフォローできる後付け設定を御提案頂いたロギー氏には記して感謝致します。
 なお、キュウべえの性格設定が原作アニメと全く違いますので、キュウべえを憎んでいる方の溜飲を下げるような描写はありません。物分かりのいいキュウべえが嫌いな方は閲覧を控えるのが無難である事、あらかじめ書き添えておきます。


 マ ミ「ねえ、Qべえ」
 Qべえ「なんだい、マミ」
 ベッドに腰かけたマミは、枕の脇で毛づくろいしているQべえに声をかけた。
 マ ミ「間違っていたら謝るわね。今日のお昼まで続いた会議室でのゲーム、あれは……わたしたちとスキンシップが取りたくて思いついたゲームなんじゃないの?」
 Qべえ「言っている事の意味が理解できないな」
 マ ミ「魔女化寸前の鹿目さんが「女神の理力」に目覚め、それこそエントロピーを凌駕する魔力で世界を改変させた。おかげで魔法少女はソウルジェムの呪縛から解放され、あなた方が必要とするエネルギーの源も「魔法少女が生み出すエネルギー」から「魔獣を消滅させる事で得られるキューブ」に換わったわ」
 Qべえ「うん、その通りだ」
 マ ミ「キューブを手に入れる為、あなたは今まで以上に魔法少女から離れられなくなったでしょう。一緒に行動しながら魔獣退治を続けるうち、あなたにも仲間意識が芽生え始めたのではないかしら」
 Qべえ「……」
 マ ミ「改変前の世界で険悪だった関係を少しでも修復しようと、あなたは今まで撮り溜めた映像を使い、わたしたちとゲームを楽しみながら距離を縮めようと考えた」
 Qべえ「なかなか興味深い考察だね」
 マ ミ「精神状態とソウルジェムの関係、つまり、興奮や感情の高ぶりによってソウルジェムが光り輝く特質に着目したのでしょうね。架空のポイントによるランキングと願いが叶う優勝特典を用意し、本心を隠しながらゲームに巻き込んだ。これがわたしの考えだけど……どうかしら? 間違ってる?」
 Qべえ「……」
 マ ミ「……」
 Qべえ「……」
 マ ミ「……」
 Qべえ「やっぱりマミに嘘はつけないようだね。きみの言う通りだよ」
 マ ミ「え?」
 Qべえ「過去数百年にわたって僕らは世界中の魔法少女にひどい事をしてきた。もちろん、そうするだけの理由があったわけだけれどね」
 Qべえはマミの膝の上へ飛び乗り、優しく澄んだ目元を見ながら話を続ける。
 Qべえ「世界が改変された事によって僕らの必要とするエネルギーも生体エネルギーの一種からキューブという物質に換わった。キューブは魔獣の消滅と同時に生み落とされるから、それを回収するにはきみたち魔法少女と常に行動を取る必要がある。皮肉なものだよね。以前は使い捨て扱いしていた少女たちの協力がなくては必要なエネルギーが手に入らなくなったんだから」

 部屋の壁掛け時計が午後11時を示し、蒸し暑い夏の夜は静かに深けていく。
 強制的に徹夜をさせられたにも関わらず、マミは眠そうな表情をしないでQべえの話に耳を傾ける。
 Qべえ「最初はキューブを回収する為、きみたちについて廻っていた。それなのに……」
 マ ミ「それなのに?」
 Qべえ「僕はきみたちに仲間意識を持つようになった。いや、この表現は正確じゃないな。キューブの回収とは関係なく、仲良く付き合っていきたいと思うようになったと言うべきかな」
 マ ミ「そうだったの……」
 Qべえ「僕には喜怒哀楽の感情がないし、きみたちを騙していた負い目がある。因縁の深い美樹さやかや暁美ほむらに向かって「仲良くしたい」と言おうものなら一刀両断されるかハチの巣にされるだろう」
 マ ミ「その可能性は大いにあり得るわね。うふふふふ」
 苦笑しながらマミはQべえの頭をなでてやる。
 Qべえ「そこで考えたのが今回の一件なんだ。最初から仲良くなれるとは思っていなかったから、まずは人間観察のつもりで「自分の嫌われ度」と「どういう言動が嫌われるか」をテストする事が目的だった」
 マ ミ「そうだったのね。それじゃ、罰ゲームや優勝特典も嘘だったの?」
 Qべえ「もちろんだよ」
 マ ミ「ずいぶんと大胆な設定を思いついたわね。嘘がバレた時の事は考えなかったの?」
 Qべえ「その時の事も考えていたさ。でも、無欲なまどかが優勝してくれたんで奥の手は不要になったよ」
 マ ミ「なんだったの、奥の手って?」
 Qべえ「別にいいじゃないか。今となっては言う必要もないし、きみも知る必要はない」
 マ ミ「そう言われると気になるわ……」

 二人の話が一段落ついた時、杏子がマミの部屋に入ってきた。
 杏 子「なるほど。それが徹夜ゲームの裏ってわけか」
 マ ミ「きょ、杏子」
 杏 子「わりぃ。部屋の前を通ったら話し声が聞こえてきてさぁ、なんとなく立ち聞きしちゃったんだ」
 マ ミ「うふふふ。杏子にもバレちゃったわね」
 Qべえ「そのようだ」
 杏 子「なんか変だとは思ってたんだ。魔力が抑制される会議室だの、胸キュンポイントだの、どうも信用できないゲームだったからな」
 Qべえ「やはり杏子は鋭いね。物事の本質を見抜く観察眼には敬服するよ」
 杏 子「煽てたってなにも出ねえぞ」
 Qべえ「素直に褒めているんだよ。どうして素直に受け止めてくれないかなぁ……」
 杏 子「今までが今までだからだろ」
 マ ミ「あらあら、一本取られてしまったわね」
 Qべえ「そのようだ」
 杏 子「あたしらと仲良くしたいんならさぁ、いくらでも相談にのってやるよ。なあ、マミ」
 マ ミ「そうよ、Qべえ。遠慮しなくてもいいのよ」
 Qべえ「僕の事を憎んでいないのかい? きみたちをゾンビにしたうえ、使い捨ての道具として利用していたのに」
 マ ミ「過去の事は過去の事よ」
 杏 子「ああ。本気で改心するんだったら前世界での恨み辛みは忘れてやる」
 Qべえ「ありがとう。マミ、杏子」
 杏 子「しっかしさぁ、Qべえも変わったよな。喜怒哀楽の感情がないとか言いながら、感謝する事を覚えたじゃないの」
 Qべえ「どうやら世界の改変が僕らの生体構造にも影響を与えたようだ」
 マ ミ「そうやって少しずつ変わっていけばいいのよ。ゆっくりとね」 
 杏 子「そういう事だ。それじゃ、あたしは部屋に帰るよ」
 マ ミ「あら、もう戻るの?」
 杏 子「うん。明日は学校だからさ、いつまでも起きてられないよ」
 マ ミ「ねえ、杏子。よかったら……」
 杏 子「ん?」
 マ ミ「わたしたち三人で寝ない?」
 Qべえ「マミ……」
 杏 子「はぁ? 三人って誰だよ」
 マ ミ「決まってるでしょう。わたし、杏子、Qべえよ」
 杏 子「なるほど、それで三人か」
 マ ミ「そうよ。『川』の字になって寝ましょう。杏子だって一人ぼっちで寝るのは寂しいでしょう」
 そう言いながら、マミは杏子に向かってウィンクした。この言葉の含みを察してくれという意味だろう。
 それに気付いた杏子はマミが望む返事を返した。
 杏 子「そうだな。一人ぼっちは寂しいし、三人で寝ようぜ」
 Qべえ「二人とも、どうもありがとう。漠然とだけど喜怒哀楽の一つである喜びの感情が分かり始めてきたよ」
 マ ミ「それはよかったわ」
 杏 子「ふぁ~あ。明日から学業と魔獣狩りの日々が待ってるし、早く寝ようぜ」
 マ ミ「そうね。さあ、電気を消すわよ」
 杏 子「おう」
 カチッ。
 電気が消え、ビロードの闇が部屋を覆う。
 Qべえ「おやすみ。杏子、マミ」
 杏 子「いい夢を見ろよ」
 マ ミ「おやすみなさい」

 SPECIAL THANKS:ロギー氏


【あとがき】
 高木彬光氏は未知の読者から届いた手紙によって「成吉思汗の秘密」を完成(昭和35年刊行の新書で最終章部分を加筆)させたそうですが、これと似たような経緯によって本作も完成しました。
 本筋とは別の時間・場所で展開する続編的物語という事で「~【後日談】」のタイトルをつけましたが、もう少し内容に見合ったタイトルをつけたかったというのが本音です……。
 原作アニメのファンからは評判の悪いキュウべえですが、世界の改変によって悪役を卒業させ、魔法少女のマスコット的存在にしてみました。あまり支持されない設定かも知れませんが、こうした扱いを受ける作品があってもユニークだと考えて思い切りました(意外と善玉キュウべえは描き易く、定期的にレギュラー化させるつもりです)。
 いろいろなアイディアがあるものの、それを文章にする時間が取れず供給過剰(?)状態にあります。アイディア倒れにならないよう、創作メモとして概要くらい纏めておかなくてはなりません。
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