FC2ブログ

2017-08

「魔法少女まどか☆マギカ Another」  絶対に胸キュンしてはいけない会議室(後編)

<中間結果(省略シーンまでの累計ポイント)>

 残り3時間となり、ゲームも終盤へ突入。
 永らく最下位を独走していた暁美ほむらだったが、驚異の追い上げ(?)で巴マミが迫り、その差を10点に縮めた。
 さすがに安易な胸キュンを連発する者はいなくなり、誰一人としてポイントに変動は見られない。
 ゲーム終盤らしい白熱の展開が繰り広げられているが、まだまだ勝負の行方は分からず、残り時間でのポイント加算が勝敗の分け目となる。

 ・佐倉杏子(+90)
 ・美樹さやか(+90)
 ・鹿目まどか(+100)
 ・巴マミ(+110)
 ・暁美ほむら(+120)


☆残り時間…3時間☆

 さやか「あ~あ、座りっぱなしだったせいか腰が痛くなってきたよぉ」
 杏 子「あと何時間あるんだ?」
 Qべえ「残り約4時間だよ」
 マ ミ「20時間経過したのね」
 まどか「長かったですね」
 杏 子「なんか腹がへってきたな~。このゲームが終わったらさぁ、ファミレスへ飯でも食いに行こうぜ」
 さやか「あんた……部屋に閉じこもったままなのに食欲があるわけ? どういう胃袋してんのよ」
 杏 子「どういう胃袋って……。普通じゃねえか?」
 さやか「普通じゃないわよ。この中でお腹をすかせてるのは杏子ぐらいよ」
 杏 子「そんな事あるかよ」
 まどか「わ、わたしも少しお腹すいてるなぁ」
 ほむら「わたしも」
 マ ミ「う~ん、ちょっと食べたりないかしら」
 杏 子「ほらみろ。さやかが小食なだけじゃねえか?」
 さやか「脳天気ねぇ。みんなは杏子を気遣ってるだけよ。そうでしょ、まどか?」
 まどか「そんな事ないよ。ねぇ、ほむらちゃん」
 ほむら「その通りよ。そうでしょう、巴マミ」
 マ ミ「ええ」
 さやか「んもう、みんなで杏子の味方して……」
 Qべえ「きみたちくらいの年頃は育ちざかりだからね。杏子だけが大食漢ってわけじゃないと思うよ」
 マ ミ「Qべえの言う通りよ」
 Qべえ「だからマミは胸が大き……きゅぷいッ」
 マ ミ「わたしの胸がどうしたの?」
 Qべえ「いや、なんでもない。なんでもないから、笑顔で顔を握り締めるのはやめてくれないかなぁ」
 マ ミ「口は災いのもとよ。気をつけましょうね❤」

 Qべえ「……気を取り直してッと。次の映像を流すよ。みんな、画面に注目してッ!」

 杏 子『美樹さやか、助けたいと思わない?』
 まどか『た、助けられる…の?』
 杏 子『助けられないとしたら、放っとくか?』
 まどか『どういう事?』
 杏 子『妙な訊き方しちゃったね。バカと思うかもしれないけど、あたしは本当に助けられないのかどうか、それを確かめるまで諦めたくないんだ』
 まどか『……』
 杏 子『さやかは魔女になっちまったけど、友達の声ぐらいは覚えてるかもしれない。呼びかけたら、人間だった頃の記憶を取り戻すかもしれない。それができるとしたら……たぶん、あんただけだ』
 まどか『う、うまくいくかな?』
 杏 子『わかんねぇよ。でも、わかんないからやってみるんだ。もしかしたらさぁ、あの魔女を真ッ二つにしてやれば、その中からさやかのソウルジェムがポロッと落ちてくるかもしれない。そういうもんじゃない? 最後に愛と勇気が勝つストーリーってのは。あたしだってさぁ、考えてみたらそういうのに憧れて魔法少女になったんだよね。すっかり忘れてたけど……さやかはそれを思い出させてくれた。あいつは見てる方が恥ずかしいくらい正義のヒロインしてただろう。でも、その優しさが仇になっちまった。魔女になっちまった魔法少女を助けられる可能性はゼロかもしれないけどさぁ、やれるだけの事をやってから諦めたいんだ』
 まどか『やれるだけの事……』
 杏 子『さやかはあたしが見失ってたものを思い出させてくれた。あの娘(こ)の為なら……あたしは命だって惜しくない』
 まどか『……』
 杏 子『付き合いきれねぇッてんなら無理強いはしない。結構、危ない橋を渡るわけだしね。あたしも絶対に守ってやるなんて約束はできねぇし』
 まどか『わたしで力になれるなら手伝う。ううん、わたしにも手伝わせてほしい』
 手を差し伸べて自己紹介する。
 まどか『わたし、鹿目まどか』
 杏 子『……。まったくもう、調子狂うよな。ホント』
 まどか『え?』
 杏 子『佐倉杏子だ。よろしくね』


 さやか「杏子、まどか。わたしを助ける為に……」キュン
 杏 子「な、なんか恥ずかしいところを見られちまった。なあ、まどか
 まどか「そうかなぁ。さやかちゃんを助けたいって願う杏子ちゃん、頼もしくって素敵だったよ(⌒-⌒)」
 ほむら(うッ。まどかの女神スマイル……)キュン
 杏 子「バ、バカな事を言うんじゃねえよ」
 まどか「でも、杏子ちゃんの予想通りだったね。本当に魔女の体内からソウルジェムが出てきたもん」
 杏 子「一か八かの賭けだったけどね。成功してよかったよ。笑われるかもしれないけどさぁ、親不孝な娘へ親父が一度だけ奇跡を起こしてくれたんじゃねえかって思うんだ」
 さやか「杏子……」キュン
 マ ミ「魔法が存在するのだから、奇跡だって存在するのよ。杏子」
 ほむら「そうよ、佐倉杏子。美樹さやかも言っていたでしょう。奇跡も魔法もあるんだって」
 Qべえ「綺麗に話を纏めたね。巴マミ、暁美ほむら
 さやか「杏子、まどか……。ほんとに、ほんとにありがとう」
 杏 子「どうしたんだよ、改まって」
 まどか「そうだよ。さやかちゃんが元気でいてくれれば、それだけで幸せなんだから。ねッ、頭をあげて」
 さやか「う~、その笑顔と思いやり。やっぱり……まどかはわたしの嫁になるのだ~」
 杏 子「あ、あたしじゃないのかよ」
 ほむら「くッ。美樹さや……」
 マ ミ(ほむらに向かって小声で)「暁美さん、今だけは二人の世界を邪魔しちゃ駄目よ。ここは美樹さんに譲ってあげてね」
 ほむら(マミに対して小声で)「わ、わかったわ」

【総合『萌えポイント』発表】
 ・佐倉杏子(+90)
 ・鹿目まどか(+100)
 ・巴マミ(+110)
 ・美樹さやか(+110)
 ・暁美ほむら(+130)


☆残り時間…2時間☆

 さやか「……」
 杏 子「な、なんだよ。そんなに見つめるんじゃねえよ。あたしのポイントを加算させるつもりか」
 さやか「ご、ごめん。そんなつもりはないの。ただ……」
 杏 子「ん?」
 さやか「あの映像を見てたらさぁ、あんたの勇気と優しさに改めて感謝したくなったのよ。でも……どうやって感謝の気持ちを表したらいいかわかんなくて」
 杏 子「気にすんなよ、さやか。もう過ぎた事じゃねえか。あんたが無事でいてくれただけで満足さ、あたしは」
 さやか「杏子……」キュン
 杏 子「よ、よせ。そんな……表情されたら……て、照れるじゃねえか……」キュンキュンキュン
 ほむら(このカップルも堕ちる速度にターボがかかってきたわね)
 マ ミ(杏子も美樹さんも危ないわね。このままだと最下位まで転落してしまうわ。でも、今の状態では暁美さんが最下位になってしまう。誰かが犠牲になる事はあまり気分の良いものではないわね)
 まどか(一人ぼっちになるのは嫌だなぁ。でも、ほむらちゃんたちの誰かが一人ぼっちにされちゃうのも嫌だし……。どうしたらいいんだろう)
 Qべえ「残り3時間をきったよ。みんな、もう少しだ。頑張って!」
 マ ミ「そうだ。ねえ、美樹さん」
 さやか「なんですか?」
 マ ミ「あなたが持ってきたDVDでも見ない? アニメ作品でも映画版なら2時間くらいつぶせるでしょう。せっかくだから最後くらい映画鑑賞でポイントの事は忘れましょう」
 さやか「そ、そうですね」(ほむらとの点差が10点になって最下位の危険性が出てきたし、これ以上のポイント加算は絶対に防がなきゃいけないもんね。DVDを見て時間をつぶすのも悪くないわ)

 Qべえ「ちょっと待って。DVDを見るものいいけど、まずは次の映像を流すよ。みんな、画面に注目してッ!」

 さやか『文武両道で才色兼備。それに加えてサイコな電波さん。どこまでキャラを立てれば気が済むんだ、あの転校生は。萌えか? そこが萌えなのかぁ?』
 仁 美『まどかさん。本当に暁美さんとは初対面ですの?』
 まどか『うん。常識的にはそうなんだけど……』
 さやか『なにそれ? 非常識なところだと心当たりがあるの?』
 まどか『あのね、昨夜あの子と夢の中で会った……ような気がするの』
 さやか『あっはははは。すげぇ、まどかまでキャラが立ち始めたよ』
 まどか『ひどいよぅ。真面目に悩んでるのに』
 さやか『もう決まりだ。それって前世の因果だよ。あんたたち、時空を超えて巡り合った運命の仲間なんじゃないの?』
 仁 美『まどかさん。夢って、どんな夢でしたの?』
 まどか『それがさぁ、ハッキリと思い出せないんだ。変な夢だったって事は覚えてるんだけど……』
 仁 美『もしかしたら、本当は暁美さんと会ったことがあるのかもしれませんわね』
 まどか『え?』
 仁 美『まどかさん自身は覚えていないつもりでも、深層心理には彼女の印象が残っていて、それが夢に出てきたのかもしれません』
 さやか『それ出来過ぎてない? どんな偶然よ?』
 仁 美『うまく言葉にはできないけれど……』
 思い出したように腕時計を見ながら仁美が慌てた口調で言う。
 仁 美『あらッ、もうこんな時間。ごめんなさい、お先に失礼しますわ』
 さやか『今日はピアノ? 日本舞踊? 茶道? 華道? 習字?』
 仁 美『琴のお稽古ですの。もうすぐ受験だっていうのにお稽古ばかりで滅入ってしまうわ』
 さやか『仁美も大変だねぇ。わたしは小市民に生まれて良かったよ』
 仁 美『それでは、また明日』
 さやか『じゃあね』
 まどか『バイバ~イ』
 さやか『さて、わたしたちも行こうか』
 まどか『うん』
 さやか『そうだ。ねえ、まどか。帰りにCD屋へ寄ってもいいかなぁ?』
 まどか『いいよ。上条君のお見舞いに持っていくCDを選ぶんでしょう』
 さやか『えへへ。まあね』


 さやか「仁美と恭介……幸せにカップルしてるかなぁ」
 まどか「さやかちゃん」
 杏 子(Qべえに向かって小声で)「おいッ。失恋したばかりのさやかにこんな映像を見せるなよ。落ち込んじまったじゃねえか」
 Qべえ「やれやれ。この程度で落ち込むなんて、美樹さやかは思ったよりも打たれ弱いんだなぁ」
 杏 子「そういう問題じゃねえだろう」
 さやか「大丈夫だよ、杏子。あたしは気にしていないから。ただ……あの二人の事が気になっちゃっただけ」
 杏 子「さやか……」
 ほむら「わたしみたいに元気だけが取り柄な子、恭介には不釣り合いだったんだよ。それが分かってたからさぁ、仁美が恭介に告白するって言った時、わたしは恭介に自分の気持ちを伝える勇気が出せなかったの」
 まどか「もっと自分に自信を持ちなよ、さやかちゃん」
 ほむら「あなたは自分自身の魅力を過小評価しすぎているわ、美樹さやか
 マ ミ「そうよ、美樹さん。あまり自分を卑下しないで」
 杏 子「ナルシストになれとは言わないけどさぁ、まどかの言う通り、もっと自分に自信を持てよ」
 さやか「マミさん、まどかほむら、杏子……」
 杏 子「恋人が欲しかったらさぁ、いつでもなってなるぜ」
 さやか「バ、バ、バカ言うじゃないわよ。あんた正気? 徹夜で頭のネジが緩んできたんじゃないの?」
 杏 子「アッハハハ。それだけ言えれば心配いらねえや」
 さやか「まったく、杏子ったら。……でも、ありがとう。心配してくれて」
 マ ミ「ねえ、Qべえ。美樹さんが持ってきてくれたDVDを再生してくれるかしら。せっかくですもの、みんなで見ましょうよ」
 まどか「そうですね」
 杏 子「まあ、たまにはアニメ映画の鑑賞も悪くないかもな」
 Qべえ「再生してもいいけれど……」
 杏 子「どうしたんだよ」
 Qべえ「誰かDVDをケースから取り出してくれないかなぁ? 僕の手だと肉球が邪魔して取り出せないんだ」
 杏 子「へぇ、お前にも肉球があるのか。気付かなかったよ。なんで今まで黙ってたんだ。ちょっと触らせろ」
 Qべえ「なにをするんだ、佐倉杏子。やめてくれないか」
 マ ミ「うふふふ、杏子は無類の肉球フェチなのよ。満足するまで触らせてあげてね。ディスクの再生は私がやるから心配しないで」
 Qべえ「DVDよりも僕の心配をしてほしいなぁ」

【総合『萌えポイント』発表】
 ・鹿目まどか(+100)
 ・巴マミ(+110)
 ・佐倉杏子(+120)
 ・美樹さやか(+120)
 ・暁美ほむら(+130)


☆残り時間…35分☆

 杏 子「さ、さやか~」
 さやか「ん? なぁに」
 杏 子「あんた、このアニメを見てさぁ、なんとも感じなかったのかよ」
 さやか「別になんとも感じないけど」
 マ ミ「わたしには……ちょっと刺激が強かったわ」
 まどか「うん。わたしたちが見るようなものではなかった……って思うなぁ」
 ほむら「あなたの神経を疑うわ。よほどゲテモノが好きなようね」
 さやか「なによ~、なんか不満でもあるの?」
 ほむら「ハッキリ言って」
 杏 子「あれは多感な乙女が見るようなもんじゃねえよ」
 Qべえ「三人入り乱れてのガチホモ描写、あれはキツかったよ。かなり強烈な場面だったね。直接の性交シーンがなかったのは不幸中の幸いだった」
 杏 子「そんなシーンがあったら18禁だろう」
 ほむら「思い出しただけでも気分が悪くなるわ」
 杏 子「なんか……憂鬱になってきた」
 ほむら「同感よ、佐倉杏子」
 まどか「で、でもさぁ、ああいうアニメって普段は見ないでしょう。だから新鮮な内容ではあったよね」
 ほむら「まどか、無理をしなくてもいいのよ」
 杏 子「そうそう。あんな趣味が悪いアニメを見せられたんだぜ、遠慮する事ないって」
 さやか「すみませんでしたね~、趣味が悪くって」
 マ ミ「まあまあ、美樹さん。感性の違いだから仕方がないわ。禁断の愛の形に目覚められるかどうか、それは人それぞれよ」
 さやか「……」

 Qべえ「それじゃ気分直しにLet's play video(レッツ・プレイ・ビデオ)。いよいよ最後の映像だよ。みんな、画面に注目してッ!」

 まどか『あの……マミさん』
 マ ミ『なぁに?』
 まどか『昨日の夜、願い事について考えてみたんですけど』
 マ ミ『決まりそうなの?』
 まどか『はい』
 マ ミ『どんな夢を叶えるつもり?』
 まどか『もしかしたら、マミさんには考え方が甘いって怒られるかも知れませんけど……。わたし、マミさんみたいにカッコよくて素敵な魔法少女になれたら、それだけで充分かもって思うんです』
 マ ミ『……』
 まどか『わたしは小さい頃から鈍くさくて、要領が悪くて、人に自慢できる才能もありませんでした。これから先、誰の役にも立てないまま迷惑ばかりかけていくのが嫌でしょうがなかったんです。だから……マミさんと出会えて、誰かを助けるために戦ってるの見せてもらって、同じ事が自分にもできるかも知れないって言われた時は嬉しかったです』
 マ ミ『鹿目さん……』
 まどか『わたしの願い事は魔法少女になれれば叶っちゃうんです。こんな自分でも誰かの役に立ちながら胸を張って生きていける。それが一番の夢だったから』
 マ ミ『大変だよ。魔女と戦いは死の危険と隣り合わせだし、怪我もする、恋したり遊んだりしてる暇もなくなっちゃうわよ』
 まどか『それでもマミさんは頑張っています。そんなマミさんに……わたしは憧れているんです』
 マ ミ『憧れるほどのものじゃないわよ、わたしなんて。怖いのを無理してカッコつけてるだけだし、落ち込んでも辛くても相談する相手がいないから一人ぼっちで泣いてばかり。いいものじゃないわ、魔法少女なんて』
 まどか『マミさんはもう一人ぼっちなんかじゃありません。わたしも、さやかちゃんもいます。相談相手にはなれないかもしれませんが、それでもマミさんの事を応援しています』
 マ ミ『そうね。そうだったわね。わたしには鹿目さん、美樹さんという頼もしいお友達がいたのよね』
 まどか『はいッ』
 マ ミ『これからもわたしと一緒に戦ってくれる? 傍にいてくれる?』
 まどか『わたしなんかでよかったら、いつまでも』
 マ ミ『うふふふ。参ったなぁ。まだまだちゃんと先輩ぶってなきゃいけないのに……。やっぱりダメな子だわ』
 まどか『そ、そんな事ありません。マミさんは素敵な先輩です』
 マ ミ『ありがとう、鹿目さん。でもね、せっかくなんだから願いごとは考えておいた方がいいわ。契約は契約なんだから、ものはついでと思っておきましょうよ。億万長者とか、素敵な彼氏とか、どんな事だっていいじゃないの』
 まどか『う~ん。そうですねぇ……。なにがいいかなぁ』
 マ ミ『すぐに考えろって言っても無理よね。それじゃあ、こうしましょう。この魔女をやっつけるまでに願いごとが決まらなかったら、その時はQべえに美味しいケーキを頼みましょう』
 まどか『ケーキ……ですか?』
 マ ミ『そう。最高に大きくて美味しい贅沢なお祝いのケーキ。魔女を倒したら、美樹さんも誘ってパーティをしましょう。私と鹿目さんの魔法少女コンビ結成記念のね』
 まどか『ハイッ(⌒-⌒)』


 ほむら(うッ。ま、まどかの女神スマイル……)キュン
 さやか「まどかも欲がないよねぇ。見知らぬ他人の役に立ちたくて魔法少女の契約を結ぼうとしたんでしょう?」
 まどか「う、うん」
 ほむら「寛容な心と自己犠牲の精神も結構だけれど、ソウルジェムの呪縛があった頃の魔法少女にとっては致命的な欠点だわ」
 まどか「ご、ごめん……」
 ほむら「でも、そんな優しいまどかが大好きよ」
 まどか「え?」
 ほむら「無垢で純真な心。あなたが「円環の女神」に選ばれたのも納得できるわ」
 まどか「うぇひひ。ほむらちゃんにそう言われると嬉しいなぁ」
 ほむら(まどか……)キュンキュンキュン
 Qべえ「おやおや、凄い勢いで胸キュンしているね。暁美ほむら、最下位はきみで決まりのようだ」
 ほむら「これだけまどかの笑顔が見られたのだから、最下位でも悔いはないわ」
 まどか「ほ、ほむらちゃん……」
 杏 子「それにしてもさぁ、契約の見返りがケーキとはマミらしい発想だな」
 マ ミ「そうかしら?」
 さやか「Qべえの用意するケーキって怪しくないですか?」
 Qべえ「ひどい事を言うね、美樹さやか
 杏 子「なんか変な材料を使ってそうだし、あたしならマミの手作りケーキを選ぶけどなぁ」
 さやか「そうよね」
 マ ミ「ありがとう、二人とも。嬉しい事を言ってくれるわね」
 まどか「あの時、わたしはマミさんの嬉しそうな顔を見られただけで幸せでした」
 マ ミ「か、鹿目さん」
 まどか「わたしには弟しかいないから、なんでも安心して相談できるマミさんが優しいお姉さんみたいに感じられたんです。マミさんと知り合えて、本当に嬉しかったです」
 マ ミ「……」
 まどか「怖くても辛くても笑顔で頑張るマミさん、わたしは心から尊敬していました。だから、嬉しそうな笑顔を見られただけで魔法少女になる見返りはあったんです」
 マ ミ「こんな……わたしを……尊敬してくれるなんて……。そんな事が……契約の……見返りでよかったなんて……。あ、あり……がとう……。か……鹿目……さ……ん。うわぁぁぁん」キュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュン
 さやか「うわッ。マミさん、凄い勢いで胸キュンしてる」
 ほむら「彼女は自分への「褒め言葉」に過剰な反応を示すのよ。それが可愛い後輩からの言葉であれば尚更だわ。緊張の糸が切れて耐えられなくなったんでしょう。最後の最後で奇跡の逆転劇がおこったようね」
 杏 子「泣きながら胸キュンするなんて……。なかなか器用な奴だな」
 さやか「変なところに感心するのね、あんたって」
 マ ミ「うわあぁぁぁぁん(≧Д≦)」キュンキュンキュン
 杏 子(ま、まだ胸キュンしてやがる……)

【総合『萌えポイント』最終結果発表】
 ・鹿目まどか(+100)
 ・佐倉杏子(+120)
 ・美樹さやか(+120)
 ・暁美ほむら(+170)
 ・巴マミ(+230)


☆ゲーム終了☆

 Qべえ「みんな、お疲れ様。24時間のゲームは終了だ」
 さやか「あ~あ、長い一日だったわ」
 まどか「そうだね」
 ほむら「まどかの笑顔を近くで何度も見られたのだから、有意義な一日だったわ」
 杏 子「アッハハハ。ほむららしい感想だな」
 まどか「ほむらちゃんに喜んでもらえるなら、いくらでも笑顔を見せちゃうよ」
 さやか「そう言う杏子はどうだったの?」
 杏 子「あたし? そうだなぁ。退屈しなかったって言えば嘘になるけど、五人揃って土日を過ごすのも悪くない経験だったよ。それなりに楽しかったってとこだ」
 Qべえ「さて、総合ポイントの発表だけど……改めて発表する必要はないよね。そこの得点表の通りだ。優勝は鹿目まどか」
 まどか「ほ、ほんとに優勝しちゃったんだ。なんか……自分でも信じられないや」
 Qべえ「きみの優勝は間違いない事実だ。おめでとう、まどか
 ほむら「おめでとう、まどか
 さやか「おめでと~、まどか
 杏 子「おめでとう、まどか
 マ ミ「おめでとう、鹿目さん」
 Qべえ「そして、罰ゲームを受けるのは……。言うまでもなく、巴マミだ」
 マ ミ「……」
 Qべえ「こんな結果になってしまい残念だがルールはルールだ、あきらめてくれ。きみは一ヶ月間、鹿目まどか、美樹さやか、暁美ほむら、佐倉杏子の四人と交流する事が禁じられる。この会議室を出てからね」
 マ ミ「わかっているわ。ルールは守る。みんな、また会う日まで元気でね」
 さやか「マ、マミさん……」
 杏 子「マミ……」
 ほむら「……」
 まどか「……」
 Qべえ「次は優勝特典の授与だ。鹿目まどか、君の願いはなんだい」
 まどか「わたしの願いは……」
 さやか「……」
 ほむら「……」
 杏 子「……」
 マ ミ「……」
 Qべえ「きみの願いは?」
 まどか「わたしの願い。それはマミさんの罰ゲームを取り消す事」
 Qべえ「え?」
 杏 子「マジかよ」
 マ ミ「か、鹿目さん……」
 まどか「簡単な事でしょう。さあ、わたしの願いを叶えて。Qべえ」
 Qべえ「まどかの願いを叶えてあげる事は簡単だ。でも、この願いが叶えられた場合、苦労して終わらせたゲーム自体が無意味なものになってしまうんだよ。誰も損をしないが誰も得をしない。まったくもってナンセンスじゃないか。きみたちは願いを叶える為、または想い人と相思相愛になりたくてゲームへ参加したんだろう。罰ゲームの無効化を願いにしてしまっては今までの24時間が無駄になるじゃないか」
 マ ミ「その通りよ、鹿目さん。わたしの事は気にせず本当に叶えて欲しい願い事を言いなさい」
 まどか「いいえ、これがわたしの願い事です。心の底からの願い事なんです」
 マ ミ「か、鹿目さん」
 Qべえ「まあ、きみが望むのであれば「罰ゲームの取り消し」くらいは簡単な事だけど……。本当にそれでいいのかい? 鹿目まどか
 まどか「うん」
 さやか「……」
 ほむら「……」
 杏 子「……」
 まどか「来月のお誕生日、マミさんにも祝ってほしいんです。美味しいケーキも食べたいし、この中の誰が欠けても嫌なんです」
 マ ミ「か、鹿目……さん……。ヒック。あり……がとう……。ヒック。わたし……なんか……の為に……。ヒック」
 まどか「泣かないで下さい、マミさん。本当は……わたしがビリになると思ってたんです。だから、願い事なんて考えていませんでした」
 Qべえ「それじゃ、どうしてゲームへの参加を希望したんだい? 一ヶ月とはいえ、最下位になれば孤独な日々を強いられる事になるんだよ。これは事前に説明した筈だ」
 まどか「お泊まり会に参加する……みたいな感じかなぁ。いろいろ制限されるのはわかっていたけど、みんなと一緒に特殊な環境で過ごす一日を経験してみたかったんだ」
 さやか「あははは。そういう考え、まどからしいや」
 杏 子「いいじゃねえか、そういう考え方。あたしは嫌いじゃないよ」
 さやか「まあね。実を言えば、あたしも同じようなノリだったんだ。ビリになるとは最初から思っていなかったから、優勝できればラッキーって感じで参加を決めたわけ」
 杏 子「意見が合うな。あたしもだよ」
 Qべえ「大事な事だから確認をとるよ。鹿目まどかの願いは「巴マミへの罰ゲームを取り消す事」で間違いないね?」
 まどか「うん。間違いないよ」
 Qべえ「ゲーム参加者の四人にも確認をとるよ。まどかの願いを叶える事に反対する人はいるかな?」
 さやか「まどかが考えた末に出した答えなら、わたしは反対しない」
 杏 子「あたしもだ」
 ほむら「わたしもよ」
 マ ミ「鹿目さんの好意、ヒック、ありがたく受けさせて、ヒック、もうらうわ」
 Qべえ「わかった。それじゃ願いを叶えよう」


☆ゲーム終了後☆

 マ ミ「ゴミ捨て、使ったティーカップの洗浄と片付け、テレビの消灯、テーブルと床の掃除。全部OKね」
 さやか「はい」
 まどか「忘れ物もないみたいだし……。帰りましょうか」
 杏 子「帰る前にさぁ、ファミレスへ寄って昼飯を食おうぜ。腹がへって我慢できねえんだよ」
 マ ミ「たまには五人で外食するのも悪くないわね。美樹さん、鹿目さん、暁美さん、予定がなければ近くの『ロイヤル・コスト』で食事をしていかない? わたしが御馳走するわよ」
 さやか「別に予定はありませんが……」
 まどか「御馳走になるのは申し訳ないですよ」
 ほむら「一番安いランチセットでも五人分なら五千円以上するわ。あなただって中学生でしょう、そんな金銭的負担をかけるわけにはいかないわ」
 マ ミ「優待食事券があるから心配無用よ」
 杏 子「なんで優待食事券なんか持ってんだ?」
 マ ミ「わたしの叔母は「ロイヤル・コスト」の大株主なのよ。それで年に一回、株主優待で先方から十万円分の優待食事券が届くの」
 杏 子「あんたの親戚が大株主とは知らなかったなぁ。でも、その優待券がなんでマミの手許にあるんだよ」
 マ ミ「叔母には子供がいないし、わたしの両親とも仲がよかったから、少しでも食費の足しになればって毎年送ってくれるの」
 さやか「そう言う事なら……マミさんの好意に甘えちゃう?」
 まどか「う、うん。そうだね」
 マ ミ「暁美さんはどうかしら?」
 ほむら「金銭的負担がかからないのであれば、御厚意に甘えさせて頂くわ」
 マ ミ「話は決まったわね。さあ、それじゃ行きましょう」
 さやか「は~い」
 まどか「御馳走になります」
 Qべえ「……」
 ほむら「どうしたの、佐倉杏子。行くわよ」
 杏 子「Qべえ」
 Qべえ「なんだい?」
 杏 子「お前も一緒に来いよ」
 ほむら「な、なにを言うの。あなた……正気?」
 杏 子「あたしたちだけワイワイ騒ぎながら飯を食ってるのにさぁ、こいつだけ置き去りってのは可哀相じゃねえか。どうせ一般人には姿が見えねえんだろう、スープくらい飲ませてやろうぜ」
 ほむら「こんなケダモノに同情する事ないわ」
 杏 子「確かに同情の余地はない。まどかが『円環の女神』の能力(ちから)でソウルジェムの永久浄化を実現してくれなかったら、あたしたちはゾンビのままだったし、いずれ魔女になっちまう運命だった。それを考えれば殺しても殺し足りないヤツだ」
 ほむら「それなら……」
 杏 子「だけどさぁ、こいつにも「宇宙の寿命を延ばす」っていう役目があったわけだろう。極端な考え方かもしれないけど、こいつだって宇宙の寿命っていう概念の為に働いてる。そう考えると一方的に憎めなくなってきたんだ」
 ほむら「巴マミのマンションで同居しているうちに情(じょう)がうつったの?」
 杏 子「そうかもな」
 ほむら「……」
 さやか「杏子ぉ、ほむらぁ、どうしたの~」
 Qべえ「みんなが待ってるよ。早く行ったらどうだい?」
 ほむら「……」
 杏 子「……」
 ほむら「あなたも変わったわね。美樹さやかの影響かしら」
 杏 子「さぁてね、どうだろう」
 ほむら「好きなようになさい。わたしは先に行ってるわ」
 杏 子「わかった。すぐに追いかけるよ」
 ほむら「インキュベーター。佐倉杏子の優しさをアダで返すような事があれば……容赦しないわよ」
 Qべえ「……」
 杏 子「どうだい? あたしたちと一緒に来ないか?」
 Qべえ「杏子……」
 杏 子「遠慮するなよ、Qべえ。一人ぼっちになるのは……寂しいだろ?」


The End


【あとがき】
 原作アニメの抜粋シーンを文中に組み込んでストーリーと絡ませる方法は思った以上に苦労しましたが、人間関係を扱った会話と原作アニメをネタにした会話の二段構えで物語を作るという初めての経験は楽しくもありました。
 前掲「魔女の使いやあらへんで - 絶対に笑ってはいけない魔法少女 -」の完成度には及びませんが、閉ざされた空間で展開される喜劇を描く事によって発想の柔軟性が多少なりとも得られたと思っています。
 それにしても、奇抜なシチュエーションを設定しながら原作ネタを巧みに盛り込んだコメディで読み応えある作品に仕上げる九十九氏の筆力&画力には感服されられました。こういう創作センスに自分も目覚めたいです……。
 自画自賛するようで恥ずかしいのですが、基本的に会話だけで進行(=成立)する構造は気に入っており、その点も含めて過去最高の異色作と言えるかもしれません。
 纏まりのない「自作解説」もどきとなりましたが、貴重な時間を費やして最後まで目を通して下さった皆様には感謝の意を込めて厚く御礼申し上げます。
 本作を書くにあたり、「魔法少女まどか☆マギカ WIKI」より劇中会話のテキスト情報を頂き、「(。゚ω゚) 。.顔文字倉庫.。(゚∀゚*) 」より一部の顔文字を拝借しました。管理様or運営者様に記して感謝致します。
スポンサーサイト
[PR]

FC2公認の男性用高額求人サイトが誕生!
稼ぎたい男子はここで仕事を探せ!

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://ryonablog475.blog2.fc2.com/tb.php/290-93f768e6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | ホーム |  »

FC2カウンター

プロフィール

新 京史朗

Author:新 京史朗
好きな技(1):バスター技
好きな技(2):股裂き関節技
好きなシチュエーション:リョナ

最新記事

カテゴリ

小説 (86)
アニメ (33)
ゲーム (31)
アメコミ (23)
フィギュア (5)
映像・写真 (16)
DOA・無双 (114)
イラスト企画 (43)
鉄拳・スト鉄 (92)
漫画・絵物語 (107)
イラスト・挿絵 (51)
映画・イベント (34)
ウルトラヒロイン (12)
MUGEN・ドット絵 (2)
オリジナルヒロイン (8)
御挨拶・お知らせ・交流 (132)
魔法少女まどか☆マギカ (59)

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

月別アーカイブ

最新コメント

リンク

このブログをリンクに追加する

最新トラックバック

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR