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2017-06

地下室に監禁された美女(江戸川乱歩『少年探偵37 暗黒星』より)

 富豪・伊志田家への復讐に燃えて跳梁跋扈する怪人に明智小五郎が挑む「暗黒星」は、江戸川乱歩氏が昭和14年に『講談倶楽部』へ発表した長編です。
 昭和4年に同誌へ「蜘蛛男」を発表して以来、乱歩氏は「魔術師」や「人間豹」等の大衆向けスリラー探偵小説を次々と発表して一気に大流行作家となりました。
 この「暗黒星」は『講談倶楽部』へ発表された最後の長編であり、その意味では通俗物の総決算的作品とも言えるでしょう。

 先に紹介した「人間豹」や「地獄の仮面」のようなエロスあふれる描写こそありませんが、物語終盤、屋敷の地下室へ磔刑状態で監禁された富豪令嬢が発見される場面には微リョナ要素を含んだ独特の雰囲気が感じられました。
 口に猿轡をかまされた美しいお嬢様が手足を鎖で束縛されている姿。想像するだけで果てしない妄想が浮かんできます。

 令嬢の容貌描写と併せ、この監禁シーンを引用してみようと思います。
 今回も子供向けにリライトされた作品をテキストにしていますが、大人向けの原作と表現的には大差ありません。
 正直に言えば、ポプラ社の単行本しか手許に用意できなかっただけですが……。前述のように監禁場面の描写に大差ありませんので、どうか御容赦下さい。
 また、最後にネタバレをする記述があるので本作を未読の方は御注意願います。


 家族らしい人たちのすがたが、つぎつぎに画面の上をゆききしている。やがてまた大写しの画面があらわれた。こんどは、美しい二十一、二歳の令嬢の顔だ。
 桃色のぼたんの花が開いたようにあでやかな顔。令嬢は、スクリーンから人びとに笑いかけている。

≪ポプラ社『少年探偵37 暗黒星』P10≫

 その女は、一郎の姉あや子だったのだ!
 かの女は、ばらのように美しい明かるい顔をじっと窓の外にむけて、たたずんでいた。

≪ポプラ社『少年探偵37 暗黒星』P54≫


 監禁場面ですが、どのような衣装だったか具体的な描写がされていないので分かりません。
 ただ、失踪直前に「白い服を着た女」(P54)と書かれており、拉致・監禁されたのは夜だと思われる事も含めて考えると、ネグリジェ姿のまま磔刑の格好で地下室に閉じ込められていたと思われます。
 木村正志氏による挿絵からのイメージでは、伊志田あや子が着ていたネグリジェは、腰の部分を細長い紐で留めた、裾が足首まである長袖のワンピースでした。そして、その両手には白いレースの手袋を着用しています(加えて言えば、ネグリジェは胸の部分を大きく開いたデザインになっていて両乳の谷間が見えていました。あくまで私が挿絵から受けた印象ですが……)。


 伊志田氏のしばられていた反対側のかべに、もうひとり、人がはりつけにされていたのだ!
【中略】
 それは、若い女だった。
 伊志田氏とおなじように、サルぐつわをはめられ、両手両足を鉄のくさりでしめつけられていた。みだれた髪が顔にかかり、死人のようにぐったりと身動きもしない。

【中略】
やっぱりそうだ! これはあや子さんだ。あや子さんは、ゆくえ不明になったはじめからここにいたのだ」
【中略】
 三人はまた大いそぎで、あや子をかべからおろした。
 かの女は、父の伊志田氏より、なおいっそうよわりはてていた。
 むりもない。かの女が家出したと思われる日から、ここにとじこめられていたとすると、もう一週間にもなるのだ。

≪ポプラ社『少年探偵37 暗黒星』P173~176≫


 危機一髪のところで地下室に監禁されていた父娘は救助されましたが、犯人は残酷な水責めの拷問でジワジワと二人を死の恐怖に怯えさせながら殺そうと企んでいた事が明智によって暴露されます。
 怪人にピストルで撃たれた傷が全快した明智の推理は冴えわたり、ついに事件の真相と犯人が明かにされました。
 明智の謎解きによって様々な謎と犯人のトリックが関係者全員に伝えられ、あや子を殺人者に仕立てようと目論むが犯人が女装して麻布K町の伊志田家と品川駅前の旅館を往復していた事も分かります。
 犯人の伊志田一郎は「まるで女かと思うほど美しい二十歳ほどの青年」なので、彼が女装しても本当の女性にしか見えなかった事でしょう。
 女装する美青年。
 陰惨な事件に背徳的な彩りを添えるアクセントとして相応しいトリックだと思うのは私一人だけでしょうか……。


 それからきみは、あや子さんにばけた。そして、家出をしてみせたのだ。きみは、からだもほっそりとしているし、女のように美しい顔をしている。女装をしても、夜なら、人目をあざむくくらいなんでもない。当のあや子さんは秘密の地下室へとじこめてしまった。
 きみは、女装をすると、なるべく人の注意をひくようにして、品川駅まえの旅館にとまり、そのまま裏口から逃げだして、大急ぎでここへかえってきた。
【後略】
≪ポプラ社『少年探偵37 暗黒星』P205≫
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コメント

色付きの文字v-441おはようございます最後作品
なんですねルパン三世パート2度もヌーディストビーチにっ迷い込むんですよ
新京史朗さん

「ルパン三世」のヌードビーチ

 乱歩氏の「暗黒星」は厳密に言えば最後の作品ではありません。ただ、太平洋戦争勃発から終戦までの江戸川乱歩作品リストを見る限りでは「通俗物を含む探偵小説の集大成」と言ってよいでしょう(同時に「地獄の道化師」を講談社系列の雑誌へ連載していますが……)。
 この辺の考え方は人それぞれですので、あくまで一個人の意見としてお聞き流し下さい。

 アニメの「ルパン三世」ですが、パート2とは、1977年から1980年まで放送された「新ルパン三世」と呼ばれるシリーズでしょうか。
 第50話以降は見ていない話が多いので「ヌードビーチに迷い込む」シーンは覚えておりませんでした。
 こんなシーンもあったのですね。

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