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2017-10

ウルトラ姉妹を超えて行け!  序章 ~First Contact~(前編)

空想巨大ヒロインシリーズ  ウルトラ戦姫】
「ウルトラ姉妹を超えて行け!  序章 ~First Contact~(前編)」

原  案:らすP
原  作:a-ru(「ウルトラ姉妹を超えて行け!」より)
イラスト:a-ru
文  章:新 京史朗


 太陽系のはずれに位置する慰霊惑星グレイヴヤード。
 ここは生命(いのち)を全うできなかった怪獣の霊を慰め弔って成仏させる場所であり、宇宙の霊域とも呼ばれている。
 かつては管理人不在の無法地帯であったが、不慮の死を遂げた怪獣達の残留思念が実体化し、偶然の事故から地球へ運ばれ大騒動になった「シーボーズ事件」を契機に管理人配置案が宇宙警備隊本部へ提出された。
 辺鄙な場所にある不気味な慰霊惑星という場所がらの為、誰一人として管理人役を立候補する者はおらず、最終的に「半年交代の当番制」という事で話がまとまろうとしていたところ、一人の女性が会議室に姿を現し自ら管理人業務を引き受けると言った。
 その女性とは誰あろう、ウルトラ族伝説の超人ウルトラクイーンである。
 光の国のプラズマスパーク建設に尽力し、数々の武勲と功績を残すウルトラ長老の一人としてウルトラ戦姫たちから神格化され、銀河の女帝とも呼ばれていた。
 宇宙警備隊長ウルトラレディ・シルフィーの話によれば、この時、シルフィーを始めとする首脳幹部一同は席から立ち上り彼女を最敬礼で迎えたと言う。
 これも後にシルフィーが妹たちに語った話だが、クイーンが宇宙警備隊本部を訪れたのは、資源豊富な地球を植民惑星にしようと企む凶悪宇宙人や知的宇宙怪獣が侵略作戦を画策している事が分かり、地球警備問題について相談する為だったそうだ。
 ウルトラ姉妹が揃って地球へ派遣されたのも、この時のクイーンの危惧が的中した結果なのである。
 それはともかく、伝説のウルトラ戦姫に墓守のような仕事を押し付けるのは申し訳ないと幹部たちは恐縮しながらも意見をしたが、結局は「前線で働くのは若い者の役目。自分のような引退者は影の仕事に徹するべきだ」と主張するクイーンの意思を汲み、彼女にグレイヴヤードの管理を一任する事となった。

 太陽系の果てにあるグレイブヤードは日照時間が極めて短く、一日の大半は夜の帳によって支配されている。
 それが慰霊惑星の不気味さを強調し、別名「怪獣墓場」とも呼ばれる所以となった。
 ある日の事。
 ギャゥオオオン。
 徐々に明るくなり始めた地平線の彼方から、突如として荒々しい獣の咆哮が聞こえてきた。
 「なにごとか」
 時ならぬ獣の咆哮に目を覚ましたクイーンは監視塔を飛び出した。
 周囲を見廻すと、僅かに明るい空の向こうから飛んでくる巨大な影が見える。
 「な、なんじゃ……あれは」
 この星には自分以外の生命体は存在しない筈。そう思っていたクイーンは目をこらして飛来する影を見つめたが、飛行物体の輪郭をハッキリと確認できた時、滅多な事では驚かない歴戦の戦姫ですら言葉を失った。
 暁の寒空を猛スピードで飛行するのは獰猛な顔つきの怪獣であった。側面に鋭い棘が植わった長い尾を垂らしながら、ものすごい早さでグレイヴヤード監視塔に近づいてくる。
 荒涼とした大地に聳え立つ唯一の人工物に興味を持ったのだろう。未知の物に関心を抱き近寄ってくる事から一応の知性はあるようだ。
 怪獣とクイーンの距離が見る見る縮まっていく。
 「来るなッ」
 次の瞬間、遂に怪獣が彼女の目の前に降りて来た。
 ズシン。
 怪獣の両足が大地にめり込み周囲を大きく揺らす。
 「こやつはシーゴラス。いやッ、違う。あの両腕はバラバのようじゃな。ボディはベムスターに似ておる。それに足はレッドキングそっくりじゃ」
 ギャゥオオオン。
 大きく口を開けて鋭い牙を見せながら甲高い鳴き声で相手を威嚇する怪獣。その姿を冷静に分析したクイーンは、ある結論に達した。
 「こやつ、もしかしたら」
 ギャゥオオオン。
 三度、怪獣の咆哮が響きわたる。
 「シャインたちに退治された怪獣達の残留思念が歪んだ形で実体化した合体怪獣か」

暴君怪獣タイラント
(C)a-ru

 そう言えば、クイーンには思い当たる事があった。 
 怨念を持った怪獣たちの霊魂を一ヶ所に集め、各怪獣の強い部分(パーツ)だけを合体させた新生物を実体化させる禁断の黒魔術。
 ここには彷徨える霊魂を呼び集めて供養する慰霊区域があり、惑星自体も墓場化している影響で霊が集まりやすくなっている。
 (何者か慰霊区域の神殿を使ってウルトラ姉妹に倒された怪獣達の霊魂を呼び集め、このような合体の秘術を行ったに違いあるまい。それにしても不覚じゃ。ワシがおりながら無法者の侵入を許すとは……。やはり年かのう)
 自嘲気味に心の中で独ち言ちた時、背後から何者かが声をかけてきた。
 「フフフフ。久しぶりよのぁ、ウルトラクイーン」
 「何者じゃ」
 「フオッフオッフオ。我らの顔、よもや忘れたとは言わさぬぞ」
 「お、お主らは……」
 「・・・キサマにつけられたヒタイのキズのイタミ、イマもオレをクルシめる。コンドはオレがキサマのカラダにイタみをキザんでやろう」
 振り返ると、そこには三人の宇宙人が佇んでいた。そのうち二人は不敵な笑みを浮かべている。
 「テンペラー星人にヒッポリト星人にアルファキラー。お歴々の極悪宇宙人御一行の侵入を許すとは一生の不覚じゃ」
 「お主が老いたわけではない。筋肉弛緩効果と神経麻痺効果を多様に含む毒ガスを星全体に撒き散らしたのだ。その影響で我らの気配を察知する事もできなかっただけの事」
 「何ッ!」
 「試しに体を動かしてみるがよい。いつもより強い倦怠感を感じ、思うように動かせぬ筈だ」
 「なるほど。どうも体がダルいと思っておったら、そのような小細工をしておったのか」
 「ウルトラ戦姫として絶頂期だったお主に敗北の屈辱を喫してから幾星霜。我がヒッポリト星の最新化学兵器、テンペラー星人の魔力、アルファキラーの戦闘分析能力を一つにし、今ここに積年の恨みを晴らさんと参上したのだ」
 得意気になって話すヒッポリト星人。彼の長口上を脇で聞いていたテンペラー星人は苦笑しながら口をはさんだ。
 「その大時代なセリフ、何とかならんのか。まるで仇打ちみたいな言い方ではないか」
 「おマエがイうな。マッタく、ここでまともなのはオレだけのようだな」
 無表情なアルファキラーが馬鹿にしたような口調で言った。
 「口のきき方に気をつけろ、この若造が」
 「自分に自信を持つのは結構だが、謙虚さを忘れてはならぬ。お主に足りぬ事は忍耐と謙虚の二文字のようだ」
 「トシヨりのセッキョウはキきアキた。ダイイチ、カコのシリョウからウルトラクイーンのセントウノウリョクをブンセキしたのはオレだ。イチバンのコウロウシャはオレだぞ」
 「だが、タイラントを生み出したのは私だ」
 「そのタイラントを誕生させる舞台を用意したのは誰あろう私である。彼女の敏感な危機察知能力を鈍らせたのも私であり、だからこそ怪獣墓場へ侵入できたのだ」
 目の前でコントのような会話を繰り広げる三人を見て、クイーンは一瞬、彼らが幾つのも惑星を征服、壊滅させてきた極悪宇宙人である事を忘れてしまった。
 (こやつら、漫才トリオでも結成した方がよいのではないか)
 一方の怪獣は退屈そうに首を揺らし、三白眼の両目でクイーンたちを見ている。
 「まあいい。お前の口の悪さは承知のうえだ、ここでくだらん言い争いをしている余裕はない」
 「左様」
 「そうだな。まずはクイーンのカラダにオレとオナじイタミをアジわわせるコトがサキだ」

 これまでとは雰囲気を一転させ、テンペラー星人たちはクイーンを睨みつけた。
 「さあ、どうするね。ウルトラ族最強の女王様。我々三人とタイラントを相手にしては、さすがのウルトラクイーンでも勝ち目はないぞ」
 「スウヒャクネンマエのオレイ、タップリとノシをツけてカエしてやる。カクゴするんだな」
 「この慰霊惑星を墓所に永遠(とわ)の眠りにつくがよい」
 「フッ。一人では勝てぬと分かり徒党を組んでの襲撃か。こんな化け物まで作りだし、女一人をリンチにかけようとは見下げた悪党どもじゃ。卑怯な臆病者が何人集まろうと臆するワシではない」
 「言いたい事はそれだけか」
 「ああ、これだけじゃ」
 「それでは遠慮なく行くぞ。まずはタイラント、お前の出番だ」
 ギャゥオオオン。
 テンペラー星人が命令すると、それまで茫然と佇んでいたタイラントが激しく一声鳴いてクイーンに襲いかかってきた。
 「たわけがッ」
 振り下ろされる左手のハンマーを軽やかなステップでかわし、クイーンはタイラントのボディに強烈なパンチをくらわせた。
 グモォォォ。
 少女のような容姿からは考えられないスピードとパワー。全盛期を過ぎたとはいえ、パワーを抑えての戦闘力でさえ現役ウルトラ戦姫の誰よりも遥かに高い。
 自分の二倍はあるタイラントの巨体に臆せずオフェンスを仕掛けるクイーン。パンチの一発、キックの一発が確実にダメージを与えていく。
 ギシェェェ。
 遂にタイラントの声が断末魔に近くなった。このままでは倒されるのも時間の問題だ。
 「やはり生まれたてのタイラントでは百戦錬磨のクイーンには勝てぬようだな」
 「知性も戦闘能力も未熟な状態だ、仕方なかろう」
 「では、オレがテダスけしてやるか。フタリとも、イゾンなナいな」
 「その言い方が気にくわんが、まあいい」
 「お主の好きにするがよい」
 (クックックッ。このトキをマちわびたぞ。ウルトラクイーン、キサマのセントウデーターはスベてカイセキしてある。ブザマにハイボクするスガタ、コンドはキサマがミせるバンだ)

 (くッ。だんだん体が重くなってくる。どうやらヒッポリトの散布した毒ガスが効いてきたようじゃ……。このまま戦いを長引かせては不利になる。仕方がない。今の状態では体力の消耗が激しそうじゃがバトルフォームに変身して一気にカタをつけるしかないようじゃの)
 長期戦を避ける為、ウルトラクイーンはバトルフォームに変身する事を決めた。
 「はッ」
 グゲァァァ。
 強烈なキックでタイラントの体を数十メートル先まで蹴り飛ばしたクイーンは僅かな時間を利用し、普段は体内に封じているエネルギーを全開放した。
 次の瞬間、クイーンの全身が金色(こんじき)の光に包まれ、周囲は目も開けられない明るさになる。
 「な、何事だ」
 「どうやら秘めていた力を解放させたようだ」
 「・・・・・・」
 まばゆい光が消え去った時、小柄な少女にしか見えなかったクイーンに代わって、グラマラスな肉体の美しい女性が姿を現した。
 豊満な乳房は小さな胸当てによって辛うじて乳首周辺が隠され、レオタード衣装は長身化によって破けてしまったのか股間部分を僅かに隠す程度の布切れと化している。
 「ふうっ。この姿になるのは百年ぶりじゃのう」
 バトルフォームとなったクイーンは軽く肩を動かしながら、
 「あやつを倒した後は主たちの番じゃ。今度は容赦せぬぞ、覚悟しておれ」
 テンペラー星人たちを一睨みした後、クイーンは怒りの形相で迫り来るタイラントに視線を戻した。
 ギャゥオオオン。
 クイーンの容赦ない猛攻撃によって手負いとなったタイラントは威嚇するような荒々しい鳴き声を発した後、口を大きく開いて灼熱の炎を吐き出した。
 ゴオォォォ~。
 「フッ。こんな炎に驚くワシではない」
 パッと大地を蹴って飛び上がり、クイーンはタイラントの吐き出す業火を避ける。
 「馬鹿め。空に逃げ道を求めるとは狙ってくれと言っているようなものだ」
 テンペラー星人は笑いながら言うが、傍らのアルファキラーは苦笑しながら心の中で嘲った。
 (オロかモノはキサマだ。クイーンがジョウクウにノガれたのはサクセンなのだ。ムボウビなトコロをミギテのクサリガマでネラわせ、オソいくるクサリをトラえてタイラントのウゴきをフウじ、キュウショのノウテンへコウゲキするサンダンにチガいない。あのコウゲキリョクであればカタいヒフゴしでもノウシントウをオこさせるのはゾウサないコトだろう)
 クイーンが上空へ逃がれたのはアルファキラーの考えた通りだった。彼女は鋭いカマを捌いて鎖を腕に絡ませタイラントの動きを封じ、ウルトラレディ・レオナに伝授してやったダイナマイト・キックで脳天を砕こうと計算していたのだ。
 (さあ、右手の鎖ガマでワシを狙ってこい)
 (クックック。ハカるつもりがハカられる。どうやら、ヒッポリトのコザイクはムダではナかったようだ。あのオンナのイシキはメのマエのタイラントにだけシュチュウし、ワレワレのソンザイをカンゼンにワスれている。チュウイリョクとシコウノウリョクがイチジルしくテイカしたウルトラクイーン、オソるるにタらずだ)


~後編に続く~


【あとがき】
 a-ru氏がpixivへ発表されたSS「ウルトラ姉妹を超えて行け!」のプロローグを書かせて頂きました。
 オリジナルSSの二次創作を許可して下さったa-ru氏には厚く御礼申し上げます。
 当初の予定では、第2話の本文中で僅かに記述のあった「ウルトラクイーンがタイラントに敗北した」場面を詳しく描く予定だったのですが、あれこれ細かい所を書き込んでいるうちに内容が大きく膨らみ過ぎてしまい、遂にはテンペラー星人たちまで登場させてしまいました……。
 ヒロピンシーンへの導入部にあたる前編が書き終ったので、いよいよ後編では最強のウルトラ戦姫が大ピンチに陥る場面を書く事ができます。
 一人の女性を大勢で痛めつけるリンチは好きではないので、アルファキラーとタイラントが二人がかりでクイーンを襲うような戦闘シーンにしようと思います(イメージ的には「ブラックキング&ナックル星人VS新マン」のシチュエーションです)。
 らすP氏の「ウルトラレディ」シリーズには熱烈なファンが多く、優れた二次創作作品も多数あるので、目の肥えたファンの方々から「原作レイプだ」と言われないよう精一杯努力します。
 もっとも、このSSを読んで下さる方がいればの話ですが……。


【謝辞】
 らすP氏とa-ru氏の御二人より、二次創作許可とイラスト転載の許可を頂きました。記して感謝致します。
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