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2017-08

【冬の連続企画】  連載SS「レスラー軍団大抗争!  王者の剣編」 ~第5話~

【前回まで】
 勇者の碑に安置される我無羅神皇三神器の一つ【王者の剣】の強奪をもくろむ面魔軍団。ラーメン島を統治するクイーン火美子は聖闘神(アバンメーラ)の巫女として神器を狙う刺客と一人で戦い続けたが、遂に力尽き、ホワイト苦陰の必殺技「花と蛇」によって意識を失ってしまった……。

ラーメン島俯瞰図(部分)
(C)おうたごさく/講談社



「うッ……うぅぅぅ」
 どれくらいの時間が過ぎただろう。意識を取り戻した火美子はゆっくりと起き上がった。
 貧血状態のように体がフラフラする。
「し、しまった。奴は……ホワイト苦陰は」
 記憶が寸断される直前まで、自分は面魔軍団の刺客と戦っていた事を思い出した火美子は敵の姿を求めて辺りに視線をはしらせた。
(ま、まさか。手遅れか)
 気を失っている間に【王者の剣】を奪われたのではないかと危惧した火美子はマントを脱ぎ捨て、疲労困憊の体に鞭打って走り出した。
 前にも述べたように、碑の内部は人の手によって加工され空洞になっている。
 入口から数メートルの位置には1000段以上ある長い階段が作られ、それを登りきった頂上には小さな縦穴が削られている。面魔軍団が狙う【王者の剣】は縦穴の中に安置されており、そこへの足掛かりとして10メートル四方の神聖なるリングがあった。
 このリングは奉納プロレスを行う為に設置され、年に一度、ラーメン軍団の若手レスラーが【王者の剣】の前で試合をする事になっている。
 普段ならば何ともなしに階段を登る火美子だが、今日は連戦による疲労と背中のダメージ、意識不明の状態から目覚めたばかりというハンディキャップがあるせいか思うように足が動かない。
 どうにか800段近くまで到達した時、断末魔に近い悲鳴が頭の上から聞こえてきた。続いて、黒い物体が地面に向かって落ちていく。
「何かリングから落ちたようじゃが……。まさか!」
 嫌な予感を覚えた火美子は渾身の力を振り絞り、残る階段を一気に駆け登った。
「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ」
 やっとの思いで階段を登りきり、リングの上に降り立った火美子。肩で息をしながら広いリングを隅から隅まで見回す。
「あれは!」
 彼女が見たのは、今まさにリングを渡りきって【王者の剣】を手に取ろうとする人影だった。
 リングには新しい血痕が花弁を散らした牡丹のように付着しており、少し前まで激しい戦いが繰り広げられていた事をものがたっている。
 採光用に穿たれた思われる格子状の穴から差し込む陽光が陰惨な試合の痕跡を照らす。
「その剣に手を触れるでない」
「ふん。もう目が覚めたか。思ったよりも早い回復だったな」
 背後の声に反応した黒い影は溜息をつきながら、こちらへ振り向いた。
「お主が面魔軍団とかいう新団体の親玉じゃな」
「そうだ。面魔軍団を束ねるシャドーXとは俺の事だ」
「我無羅神皇三神器を狙っておるようじゃが、聖闘神(アバンメーラ)の巫女として、ワシの目が黒い限り【王者の剣】は渡さぬ」
「ホワイト苦陰ごときに敗れながら随分と大口を叩くじゃないか」
 嘲るような口調で火美子を馬鹿にしながら、シャドーXは言葉を続けた。
「貴様が手も足も出なかったホワイト苦陰は俺が始末した」
「すると、さっき地面へ落下して行ったのは……」
「ホワイト苦陰だ。我が軍団へ接触してきた時から信用できなかったが、思った通り下心があったようなんでな。俺が自ら制裁を加えたまでよ」
「奴の一人語りから【覇王の鎧】と【神のベルト】の所在地が分かった今、獅子身中の虫に用はないと言う事か」
「そうだ。三つの神器に秘められた我無羅殿八人衆の叡智・理力・腕力が手に入れば、我が面魔軍団は銀河を支配する事もできる。国際プロレス協会、銀河プロレス、ビーナトロン、宇宙プロレス連合。どんな団体だろうと敵ではない」
「お主の野望を知ったからには、なおさら【王者の剣】を渡すわけにはいかぬ」
「ケッ。そんな状態で俺と戦おうとは身の程を知らぬ奴だ」
「どんな状況であろうとも、決して悪しき者に背を向ける事を許さず。それが聖闘神(アバンメーラ)の教えじゃ」
「こざかしい。弱り切った貴様なんぞ俺の敵ではない。くらえ! 邪眼光(デビルライト)
 突然、シャドーXの額から太陽光よりも明るい光線が発射され、火美子の両目から視力を奪った。
「くッ……。小細工を」
「正統派レスラー軍のシンボルだった女戦士のシナチクQUEEN。【王者の剣】への生贄にはピッタリだ」
 言い終わると同時にシャドーXは火美子の右手を蹴り上げた。
「あぐッ」
 雷門杖が手から離れ、遥か地面に向かって落ちて行く。
 右手を押さえながら見えざる敵に警戒する相手の背後へ廻り込んだシャドーXは、くびれた腰を両腕で素早くクラッチした。
「しまった」
「くらえぇぇ」
 シャドーXは火美子の体を後方に反り投げると同時にクラッチを解いて太股を抱え上げ、自分の全体重をかけてマットに激突させた。
 ドスン。

シャドーXの開脚スープレックスが炸裂
(C)バラピ

「ぐはぁ」
 開脚スープレックスが見事にきまった。
 技の衝撃でリングが揺れる。
 肩甲骨と頸椎激痛に大ダメージを受けた火美子は視力が戻らない目を大きく見開いた。目の前に迫る大きな胸と股間がボンヤリと見える。
(な、何と屈辱的な恰好だ。現役から遠ざかったとは言え、このような痴態を日に二度も晒す事になるとは……)
「まだまだ、これで終わりではない」
 シャドーXは恥ずかし恰好から立ち直れない火美子の急所を上から踏みつけた。
「あぁぁぁん」
 容赦ない一撃に大きく口を開けて喘ぐ火美子。

女性の急所へ容赦ない一撃を加えるシャドーX
(C)バラピ

「どうだ。ホワイト苦陰に蹴られた急所を追加攻撃された感想は」
「うッ……うぅぅ。な、なんて所を攻撃するのじゃ。この卑劣漢め」
「あらゆる戦闘において相手の弱点を攻める事は初歩の初歩。傷つくのが嫌ならばリングにあがる資格はない」
「うぐッ……」
「そして、もう一つ。チャンスがあれば一気呵成に攻め続ける」
 グロッキーな火美子の体を肩に抱え上げたシャドーXは、そのまま両足を強引に開かせた。
(こ、この態勢は……。まずい。なんとか技から逃れねば)
 必死に技からの脱出を試みる火美子。だが、首・肩・背中に受けたダメージによって体が思うように動かない。
「面魔地獄巡り、お次は五所蹂躙絡み(マッスルバスター)だ」

五所蹂躙絡み(マッスルバスター)によって各関節へ大ダメージを受ける
(C)バラピ

 大股開きの状態で火美子を担ぎ上げたシャドーXは、そのままロープの反動を利用して可能な限り高い所まで飛び上がった。
「いやぁぁぁ」
 火美子の悲鳴が響く。
 ドシィィィン。
「ぐはァァァ」
 技の着地と同時に再びリングが大きく揺れ、火美子は全身が千切れそうな衝撃を受けた。
「他愛ない」
 一言つぶやき、シャドーXは相手の体を不用品を投げ捨てるように放り投げた。
 リングの上に仰向けとなって横たわる火美子は弱々しく呼吸しながら、咳と一緒に透明な液体を吐き出した。
「ゴフッ。ゴフッ。ゲホッ」
(そ、想像以上の威力じゃ。体中の骨がバラバラになりそうな衝撃だ。ゆ、指一本すら動かせぬ)
「さて、そろそろ勝負を決めるとするか。この後には、国際プロレス協会本部と我無羅殿の襲撃も控えている事だしな」
 髪の毛を掴んで強引の火美子の体を引きずり起こしたシャドーXは鋼のような腕を鍛え上げられた火美子の首に巻きつけ、頸動脈を絞めあげる。
「くあぁぁぁ」
 可能な限りの力で体を動かし抵抗する火美子。だが、ガッシリと首に巻きついた腕は微塵も動かない。

疲労困憊の火美子はチョークスリーパーから脱出ができない
(C)バラピ

 ミシ。ミシ。ミシ。ミシ。
 チョークスリーパーで気管を絞められた火美子は呼吸困難に陥る。
 思考回路は鈍り、心身ともに限界へ達して半死半生の態である。
「このまま首の骨を砕いてやるぜ」
(くはぁぁぁ……。息が……苦しい)
 絶体絶命の窮地に立たされた火美子は敗北を覚悟し、優勢のシャドーXは勝利を確信した。
 この瞬間、火美子の大きな胸の谷間に埋まっていた【St.アバンメーラの紋章】が輝き始め、まばゆい光が勇者の碑を包み込んだ。


~最終話へ続く~
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コメント

股間踏まれてますよ

今晩は新京史朗さん
シナチク火美子股間を踏まれてますよ

ピンチの連続です

 この企画を思いつくキッカケとなったのは、バラピ氏の描かれる豊満なボディのクイーン火美子を目にした事です。
 いろいろな技で攻められる火美子、お楽しみ頂ければ何よりです。

 1枚目の股間を踏まれたショットは、クイーン火美子のファンアートが少ない事を考えると、かなり貴重なイラストだと思います。

喜んでいるんですか?やられ顔

今晩は喜んでいるんですか?シナチク火美子のやられ顔
下からですねひとコマ目と2コマ目新京史朗さんおやすみなさい

クイーン火美子の表情

 表情の捉え方は人それぞれですので、どのように見えるかは何とも申せません。
 私は「ダメージを受けて苦しむ顔」として見ておりますが、他の方にまで「やられ顔だ」と強制は致しませんので、それぞれの視点で御覧下さい。

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