FC2ブログ

2017-10

【冬の連続企画】  連載SS「レスラー軍団大抗争!  王者の剣編」 ~第2話~

【前回まで】
 我無羅神皇三神器の一つ【王者の剣】を狙い、国際プロレス協会を脱会した新興勢力・面魔軍団の刺客がラーメン島へ上陸した。銀河プロレス剛腕軍リーダーのTHE・魔ッスルを苦戦の末に倒したクイーン火美子は国際プロレス協会本部のドン・ゴッドと連絡を取り、【王者の剣】を守る為の戦いに身を投じる。

ラーメン島俯瞰図(部分)
(C)おうたごさく/講談社



「うくッ」
 通信指令室から出ようと一歩足を踏み出したとたん、火美子は背中をさすりながら呻いた。THE・魔ッスルの攻撃で痛めた背骨に激痛が走る。
「ど、どうなさいました。火美子様」
「うむ。どうやら先程のダメージが残っておるようじゃ」
「それでは医務室へ……」
「いや、愚図愚図して【王者の剣】を奪われたらドン・ゴッドに申し訳がたたぬ。大丈夫じゃ。これしきの事で不覚を取るワシではない」
「しかし……」
「心配するな。それより見張りの方を頼むぞ」
「は、はい」
 痛みをこらえながら神殿を出た火美子は再び海岸まで降り、隠しトンネルを開けて暗い坑道の向こうへ姿を消した。
 数分後。
 ラーメン神殿とは反対側に位置する勇者の碑の下に火美子があった。周囲に怪しい人影は見られない。
「どうやら間に合ったようじゃ。うッ。やはり先程のダメージが残っておるようじゃ……」
 雷門杖に縋って休憩する火美子。そんな彼女に森の向こう側から何者かが声をかけてきた。
「おや、先客がいらっしゃいましたか。途中で追い抜かれた覚えはないのですが」
「な、何奴!」
「私は銀河プロレス仮面紳士軍団のアイアン魔スク。どうぞお見知りおきを」
「銀河プロレス。すると、先程の奴と同じ穴のムジナか」
「先程の奴? ああ、THE・魔ッスルの事ですか。ほほう。彼を知っていると言う事は手合わせしたのですね」
「やめろ。その丁寧な言葉づかい、貴様の本心ではあるまい。聞いていてイライラする」
「はははは。この話し方は生まれつき、急には直せません。それより、THE・魔ッスルの姿が見えないようですが、彼はどうしたのですか」
「貴様が知る必要はない。すぐに奴のあとを追わせてやるわ」
「愚かな。この私に勝つつもりですか。寝言は寝てから言う事ですね」
 言い終わると同時にアイアン魔スクは素早いタックルで火美子に迫ってきた。
 強襲に不意をつかれた火美子だが脇に飛び退いてタックルをかわし、アイアン魔スクの足を払って豪快に転ばせると、間髪入れずに腕挫十字固めを左腕に極めた。
「大口を叩いたわりには大した事がないな。この腕一本、頂戴するぞ」
「こ、これくらいの技……。ムン」
「何だと!」
 アイアン魔スクは腕挫十字固めが極まったままの状態で強引に立ちあがると、思いきり体を半回転させた。
 バコッ。
「ぐあぁぁ」
 腕を抱える格好で技を掛けていた火美子の体が勢いよく巨木の幹に激突。苦痛の呻きをもらしながら華奢な体が地面に落ちる。
「さあ、今度は私の番ですよ。幾人ものレスラーを地獄に葬り去った本物の必殺技を御覧に入れましょう」
 戦闘態勢の整っていない火美子の体を自分の肩の上へ仰向けに乗せ、素早く顎と太股を掴んで全身をロックさせた。
「ううッ。こ、この技は……」
アルゼンチンバックブリーカー。私が最も得意とする技です」
 メキ。メキ。メキ。メキ。
「うぐッ。うあぁぁぁ」
(さ、先程の技で痛めた背骨が……。このままではマズイ)

アイアン魔スクのアルゼンチンバックブリーカーが火美子の背骨を痛めつける
(C)カエル

 いつもの火美子ならばアルゼンチンバックブリーカーからの脱出くらい訳ない事だが、背骨の痛みで思うように体を動かせず脱出がかなわない。
「まだまだ、これでは終わりませんよ」
「あぁぁぁぁん」
 アイアン魔スクが力を入れて顎と太股を引くたび、火美子の背中が弓のように反りあがる。
 メキ。メキ。メキ。
 背骨が鈍い音を立て軋み、全身からは脂汗が流れ出した。
「さぞ苦しいでしょう。でも、御安心下さい。もう苦痛も終わりです。背骨をへし折ってさしあげましょう」
「そ、そうはさせるか」
「これで終わりです。フン!」
 トドメの一撃とばかりに気合を入れながらアイアン魔スクが力を込めた瞬間……。
 ツルッ。
「なにぃぃ」
「!」
 火美子の顎と太股をガッシリ掴んでいたアイアン魔スクの指が脂汗で滑り、うまい具合に技のロックが解けた。
「今だ」
 全身が自由になった火美子は地面に落下する直前、アイアン魔スクの首を両足で挟み、そのままフランケンシュタイナーを喰らわせた。
「ゴフッ」
「まだ未完成の技じゃが、特別に披露してやろう。光栄に思うがよいぞ」
「ぐむぅ」
「形勢逆転じゃな。くらえ。シナチク吊り天井
 うつ伏せに倒れているアイアン魔スクの腿を外側から巻き込むようにして挟みんだ火美子は、その状態で相手の両手を掴むと体を後方に反しせた。
「こんな古典的な技が未完成とは。地球のレスラーも程度が知れますね」
「ふふふふ。何を言っておる、このワシが普通のロメロスペシャルを仕掛けるわけなかろう。これからが本番じゃ」
 よく見ると、縦ロールに結ってある火美子の長い髪がほどけ、まるで意志ある生物のように蠢いている。髪の毛は吊り天井技で全身を極められているアイアン魔スクの首・両肩・両膝に絡みつき、きつく絞めつけ始めた。
 ギュッ。ギュッ。ギュッ。
「ゴフ。く、苦しい……。息が……息が……」
 グキッ。グキッ。グキッ。
「ぐああぁぁぁ。肩の骨が……。お、折れてしまう」
「どうじゃ。これでも地球のレスラーはレベルが低いか」
「い、いいえ」
「そうか。見た目に似合わず素直な奴じゃ。素直ついでに聞くが、この島には何名でやって来た。貴様らの親玉は誰じゃ。なにゆえ【王者の剣】を必要とする」
「く、苦しい……。こ、応えますから……技を……ゆるめて下さい」
「駄目じゃ。息が出来る程度に加減しているだけありがたく思え。さあ、早よう言わねば窒息するぞ」
「わ、分かりました」
 アイアン魔スクは苦しげな声で次のように語った。
「わ、私たちは……面魔軍団のシャドーXに雇われた……だけです。や、雇われたのは……私とTHE・マッスル、そしてホワイト苦陰……の3人です。シャドーXは……う、宇宙を支配できる力を……ひ、秘めた我無羅神皇の三神器を揃える為……我々と共にラーメン島へやって来たのです。御自身も島へ上陸され……勇者の碑を目指している筈です……。私とTHE・マッスルは先兵……。もっとも、方向音痴のマッスルとは……と、途中ではぐれてしまい……ましたが……」
「そうか。そこまで聞けば十分じゃ。すぐ楽にしてやろう」
「そんな。それでは話が違……ゴフッ」
 ボキッ。ボキッ。バキッ。バキッ。
 最後まで言い終える前、咽喉を絞められたアイアン魔スクは口から泡を吐きながら失神してしまった。同時に鈍い音をたてながら両肩と両膝の骨が砕けた。
「安心せい。命までは奪っておらぬ」
 技を解いた火美子は、意識不明の状態で横たわるアイアン魔スクを見下し、髪の毛をセットし直しながら言った。
「面魔軍団か。プロレス協会内の不穏分子が新団体を結成したとは聞いておったが……。銀河プロレスとの関係は分からぬが、いずれ戦わねばならぬようじゃ。その様子見として、黒幕と一戦交えるのも悪くはなかろう」
 決意を新たにした火美子は、聖理力(セイント・フォース)で作った光の玉の中へアイアン魔スクを封じ込め、【王者の剣】が安置されている勇者の碑の扉を開けた。


~第3話へ続く~
スポンサーサイト
[PR]

コメント

やられ顔えっちです

今晩はシナチク火美子
やられ顔えっちです

やられ顔のエロス

 タワーブリッジで背骨を痛めつけられるクイーン火美子、やられ顔が色っぽいですね。

 以前、カエル氏には「鉄拳6」のリリがゴールデン・ヘッドバットを股間に受けて苦悶するイラストを御寄稿頂きましたが、そちらの表情もエロチックでした。
 よろしければ、リリの股間攻撃悶絶ショットも御覧下さい。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://ryonablog475.blog2.fc2.com/tb.php/166-7e8f9b3a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | ホーム |  »

FC2カウンター

プロフィール

新 京史朗

Author:新 京史朗
好きな技(1):バスター技
好きな技(2):股裂き関節技
好きなシチュエーション:リョナ

最新記事

カテゴリ

小説 (86)
アニメ (33)
ゲーム (31)
アメコミ (23)
フィギュア (5)
映像・写真 (16)
DOA・無双 (114)
イラスト企画 (43)
鉄拳・スト鉄 (92)
漫画・絵物語 (107)
イラスト・挿絵 (51)
映画・イベント (35)
ウルトラヒロイン (12)
MUGEN・ドット絵 (2)
オリジナルヒロイン (8)
御挨拶・お知らせ・交流 (134)
魔法少女まどか☆マギカ (59)

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

月別アーカイブ

最新コメント

リンク

このブログをリンクに追加する

最新トラックバック

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR