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2017-10

【パイロット版】ウルトラレディ・シャイン 「怪奇怪絶! 飛来の円盤生物」

【秋の連続企画】麗しき巨大ヒロイン「ウルトラレディ」≪1≫≪2≫≪3≫  開催中
麗しきウルトラレディが勢揃い
(C)らすP/a-ru/桜光刃/dis/中島至誠/二次剣/モルデンデン
(C)新居こじろ/L85A1/静有希/Shade/バラピ/MAXやすひろ/無論

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告知用イラスト
★現在の通知状況:5名様から御連絡あり★



空想巨大ヒロインシリーズ  ウルトラレディ・シャイン(パイロット版)
「怪奇怪絶! 飛来の円盤生物」

原案:らすP(「ウルトラレディ・シャイン」より)
文章:新 京史朗
挿絵:中島 至誠


 ジリリリリリ。
 目覚まし時計の無機質なベルの音が室内に鳴り響く。
「はいはい。いま起きますってば」
 柚本紗希は布団の中から手を伸ばし、枕元で鳴り続ける目覚まし時計のベルを止めた。
「あ~、よく寝た。久しぶりの休暇だと思うと快眠できるわ」
 紗希はベッドから降りると大きく背伸びをし、窓のカーテンを開けた。外は雲一つない快晴。
 風薫る五月の陽光を全身に浴び、しばらく日光浴を楽しむと、そのまま紗希はキッチンへ向かった。
 トーストとサラダ、ミルクティーを手早く用意してトレーに乗せると、そのままリビングへ。
 ソファーに腰を落ち着け、テレビの電源を入れる。
 地球防衛組織の一員である紗希は、殺伐とした激務に勤しむ毎日から解放される休暇が大好きだった。
 一人の女性として、ありふれた生活を送れるのだから。

 地球では「柚本紗希」と名乗っているが、彼女の正体は宇宙連邦警備軍に所属するウルトラレディ・シャインであった。
 太陽系の中でも恵まれた星である地球を新たな植民惑星として狙う宇宙人が増え、その侵攻を防ぐため、数年前に警備軍から派遣されたのである。
 警備軍の予想は当たり、シャインが地球へ派遣されたのと時を同じくして侵略者たちが次々と地球に現れた。
 シャインの活躍によって侵略者は撃退され、今のところは大事に至らないが、彼女の手におえない強敵が来ないとも言い切れない。
 そこで国連が中心となり「地球防衛組織 L.A.S.P」が設立され、地球人自身も自己防衛に力を入れ始めた。
 紗希は日本支部の一員であり、入隊二年目ながら数々の功績をあげ、本部から何度も表彰されている。
 防衛隊員としても、ウルトラ戦士としても、紗希は大活躍しているのであった。

「次のニュースです。今朝早く、東京都**区**町の上空に巨大な円盤型の飛行物体が現れ、大きな騒動がもちあがっています。御覧の映像は飛行物体の現在の様子です。中央より下の逆三角形部分からムチ状の触手が4本生えた形状である事が確認できます」
 アナウンサーの言葉に反応した紗希は、トーストを食べる手を止めてテレビの画面に目をやった。
 画面には晴れわたった空に浮かぶ巨大な円盤が映っており、アナウンサーの言う気味悪く蠢く4本の触手も確認できる。
「こ、これは……」
 しばらくして画面はニューススタジオに切り替わり、アナウンサーがニュースを読み続ける。
「日本時間の昨夜未明には『衛星観測基地M.A.C』より「巨大な触手が基地内に侵入。円盤型飛行物体より攻撃を受けている」との通信がケネディ宇宙センターの通信指令室へ入電されており、M.A.Cを襲った飛行物体の襲来である事は間違いないと思われます。現在、特に変わった動きは見られませんが、防衛省とL.A.S.Pの精鋭チームは円盤迎撃の準備を進め、円盤を破壊する方針との事です。詳しい情報が入り次第、速報でお知らせ致しますので、東京都内にお住まいの方は続報に御注意下さい」
 なんとなく歯切れの悪いニュースだったが、断片的な情報しか入っていなかったのだろう。アナウンサーは早くも次のニュースを報じている。
 我に返った紗希はテレビの電源を消し、すぐに出掛ける支度を始めた。
 そして、テレビ画面に映った不気味な円盤の姿を思い出しながら呟いた。
「間違いないわ。あれは、円盤生物シルバーブルーメ……」

 ララーララ、ララーララ、ラーララララーラー。
 紗希が玄関のドアを閉めると同時に携帯電話の着信メロディが鳴った。
「はい、柚本です」
「紗希君か、俺だ。嵐山だ。ニュースを見たか」
「見ました。巨大な円盤型飛行物体の事ですね」
「ああ。今、早田隊長から連絡があってな。俺と井出が出動する事になった」
「それでは……」
「いや、君は休暇中だから自宅待機で構わん。ただ、一つ頼まれてくれんか」
「何でしょう」
「万が一、あの円盤が攻撃を開始した場合、付近の住民を安全な場所まで誘導して欲しいんだ。警察だけでは手が足りんだろうからな」
「了解です。これから**町へ急行し、現場付近で待機します」
「休み中、すまんな」
「いいえ、大した事ではありません。それより、嵐山さんも井出さんも気をつけて下さい」
「ははは、ありがとう。紗希君は優しいなぁ。それじゃ」
 通話を終えた紗希が腕時計を見ると7時40分前だった。
(今から**町まで車をとばせば30分程度で着ける)
 愛車に乗り込んだ紗希はアクセルを踏み込み、猛スピードで**町へ急ぐ。
(太陽光をエネルギーにするシルバーブルーメが動き出す前に……エネルギーの充電が終わる前に宇宙へ運んで破壊しないと)

 人々の感心を集める円盤生物シルバーブルーメは特に動き出す様子も見せず、その巨体を宙に浮かせている。
 真下のビルは大きな影に覆われ、まるで夜のような暗さだ。
 道路が込み合い、紗希が現場に到着したのは午前8時30分を過ぎていた。
 裏道に車を停め、ビルの陰に身を隠した紗希はジャケットの内ポケットから小型電燈のような物を取り出し、それを空高く掲げた。
 先端のクリアな球体部分に光が集まり、光の採取量を表す側面のメモリが凄い勢いで上昇する。
 メモリが「FULL」になった時、紗希はスイッチを押しながら声高に叫んだ。
「トランスフォーメイション」
 次の瞬間、紗希の全身がまばゆい光に包まれた。
 シルバーブルーメの一挙一動に集中していた人々の視線が光源に向けられた時、そこに紗希の姿はなかった。
「あ、見ろ。シャインだ」
「本当だ」
「シャイン。気をつけてぇ」
 ビル群の中に颯爽と現れたウルトラレディ・シャイン。不気味な円盤の脅威から地球を救ってくれる事を期待し、人々は彼女の勇姿に声援を送った。

柚本沙希、ウルトラレディ・シャインに変身
(C)中島至誠

 空高く飛び上がったシャインは、シルバーブルーメ目指して飛行する。
 向こうに浮かぶ円盤のボディが銀色に輝き、太陽光を反射するのが遠目にもハッキリと見えた。
「シルバーブルーメの全身が銀色に輝き始めたわ。エネルギーの充電が完了しかけているようね」
 シルバーブルーメは宇宙怪獣の中でも非常に珍しい金属生物である。つまり、金属であると同時に生物でもあるのだ。
 円盤状の姿から宇宙警備隊の間では「円盤生物」とも呼ばれている。
 シャイン自身は人伝手に聞いただけだが、数百年前、銀十字軍隊本部を襲った際にウルトラマザーが苦戦の末に辛うじて撃退したと言う。
 今でこそ第一線から身を引いて久しいマザーだが、かつては銀十字隊の防衛部隊を率いる勇将として名を知られた女性ウルトラ戦士だった。
 最悪の場合、全盛期の銀十字隊防衛部隊長すら苦戦させた強敵と戦わなければならない。
 シャインの心臓は鼓動を早め、全身から汗が噴き出る。
(でも、逃げるわけにはいかない。私には地球を守る義務がある。例え、この戦いで命を落とす事になっても……逃げるわけにはいかない)
 自らに言い聞かせ、シャインは覚悟をきめた。

 遂にシャインはシルバーブルーメの姿を目前に捕えた。
(これだけ近づいても無反応という事は、まだエネルギーチャージが終わっていないようね。今なら……)
 そう思った瞬間、シルバーブルーメのボディーから耳障りな電子音が聞こえてきた。
 ピピピピ……ピピピピ……ピピピピピピピピ。
「しまった。間に合わなかった」
 これが充電完了の合図だったのか、今まで沈黙を守っていたシルバーブルーメが活動を開始した。
 円形に膨らんだボディ中央部分、そこにある横に長い菱形の赤いランプが激しく点滅したかと思うと、だらしなく垂れ下がっていた四本の触手がシャインに向かって伸びてきた。
「くッ」
 あまりのスピードに避ける暇もなく、シャインは両腕を触手に絡め取られてしまった。
「円盤が動き出したぞ」
「シャイン、気をつけてぇ」
「防衛軍は何をやってるんだ」
 地上の人々が活動を開始したシルバーブルーメと、それに立ち向かうシャインの姿を見ながら口々に自分の思いを述べる。

 両手の自由を奪われたシャイン、彼女めがけて残る2本の触手が向かってきた。
 ビシッ。ビシッ。ビシッ。
「キャアァァ」
 2本の触手はシャインの全身を容赦なく打ちつける。まるで鞭のような攻撃だ。
 ビシッ。ビシッ。ビシッ。
 ビリッ。ビリリッ。ビリッ。
 打たれれば打たれる程、シャインの体を覆う赤いコスチュームが破けていく。
(このままじゃ、全裸にされちゃう。うッ、うぅぅ。駄目だわ、両腕が動かない……)
 容赦ないシルバーブルーメの攻撃は休む事を知らず、あらゆる方向からシャインの体を打ち続ける。
 ビシッ。ビシッ。ビシッ。
 ビリビリッ。ビリッ。
 胸部、腹部、臀部の衣装も面積を狭め続け、どんどん肌が露わになる。

「おい、あれを見ろ」
「防衛軍の戦闘機だ」
「頼むぞぉ、防衛軍」
 シャインの危機を助けるようなタイミングで2機の戦闘機が現れた。これぞ、L.A.S.Pが誇る最新鋭の戦闘機【ファントム・ブラッド】である。
「見ろ、嵐山。シャインちゃんが苦戦してるぞ」
「言われなくても分かってるよ。俺にだって目はついてるんだから」
「そりゃそうだ。目がついてなかったら飛行機の操縦なんて出来ないもんな」
「馬鹿野郎。下らねえ揚げ足を取るな」
「へいへい」
「キャップ、キャップ。こちら嵐山。応答願います」
「早田だ。どうした」
「円盤の姿を捉えましたが、シャインが触手攻撃を受けて苦戦しています。1号機搭載のワイルドミサイルの目標を円盤本体から2本の触手へ変更してもよろしいでしょうか」
「援護が必要な状況か?」
「はい。両手を束縛され、思うように戦えないようです」
「分かった。2号機へは私が連絡を入れておく。君たちはシャインの援護を優先させろ」
「了解」

(あれは防衛軍の戦闘機)
 激痛に耐えながら、シャインは近づいてくる機影に気がついた。
 そう思うと同時に2発のミサイルが発射され、寸分の狂いもなくシャインの両腕を束縛する触手を破壊した。
 ブチ。ブチ。
 鈍い音と共に2本の触手が切断された。
 両腕が自由になったシャインは腕に触手の破片を絡ませたまま、ボディめがけて迫りくる残った2本の触手を捕え、そのまま体を回転させてシルバーブルーメを遠くにみえる山の方へ投げ飛ばした。
 勢いよく飛んでいくシルバーブルーメの巨体。その後をシャインも追う。
 山の上空で戦えば地上への被害が最小限ですむと考慮したシャインだが、敵も彼女の考えを察知したのか、それとも破壊本能のなせるわざか、スピードが弱まり始めたところで再び進行方向を都市上空へ定め、その巨体を勢いよく逆方向へ向けて進ませる。
「そうはさせないわ」
 跡を追っていたシャインは、反対側から猛スピードで迫りくるシルバーブルーメを渾身の力を込めて受け止めた。
 バシッ。
「うぐッ」
 あまりの衝撃に苦悶の表情を浮かべるシャイン。だが、その両腕はシルバーブルーメの巨体をガッシリと受け手目、都市上空への進行を遮っている。

「うぅぅ。な、なんてパワー。ここままじゃ押し負けちゃう」
 シャインが渾身の力を込めてて受け止めているにも関わらず、前進しようとするシルバーブルーメのパワーの方が強く、ゆっくりとだが都市部へ進行している。
「くぅぅぅぅ」
 持てる全ての力を出し切ってもシルバーブルーメの進行は止められない。
 その時、背後から防衛軍の戦闘機が追いつき、シャインの脇を通り抜けてシルバーブルーメに攻撃を始めた。
 ミサイル、小型バルカン砲、レーザー光線。
 搭載している武器を駆使しながら休む暇もなく攻撃を続ける。
 だが、シルバーブルーメのボディーには傷一つ付けられなかった。

「化け物め。なんて体してやがる」
「宇宙から飛んでくる奴だ、化け物に決まってるさ」
「うるせぇ。お前は一言多いんだよ。無駄口を叩く暇があれば何か対策を考えろ」
「そう言われても……」
「くそぉ」
「こちら1号機。2号機、応答せよ」
「こちら2号機。どうした」
「見ての通り、我々の科学力では円盤に傷一つ付けられん」
「そのようだな。今も井出と同じ事を話し合っていたところだ」
「このまま攻撃を続けるにしても武器のストックがなくなる。一度退却しようと思うのだが」
「しかし、シャインを置いて俺達が逃げるわけには」
「だが、俺達が邪魔でシャインが思うように戦えないのかも知れない。どっちにしろ、武器が使えなくなれば帰還するしかない」
「分かった。キャップの指示を仰ごう」
「うむ」

(防衛軍の戦闘機が帰って行く。武器が尽きたのね)
 攻撃を止めた2機の戦闘機が帰還する様子をみながら、シャインは心の中で思った。
(でも、私は逃げるわけにはいかないわ。なんとかシルバーブルーメを倒さないと)
 全力でシルバーブルーメを受け止めながら、必死にシャインは考える。
(強靭なボディーは攻めても無駄だわ。私の力でも傷一つ付けられない。可能性としては、頂上にあるエネルギー吸収装置ね。クリアブルーのドームで覆われているけど、あそこが弱点に違いないと思うけど……)
 意識が別の事に集中している為か、シャインはシルバーブルーメの千切れた触手が再生している事にも、足元から4本の触手が迫ってきている事にも気づいていない。

 何か嫌な予感を覚えたシャインが足元を見た時には、もう遅かった。
 物凄い勢いで4本の触手がシャインの両手両足に絡みつき、彼女から四肢の自由を完全に奪った。
「し、しまった」
 先程と違い今度は両足も動かせない。シャインは万歳をした格好で空中に磔られてしまった。
「んもぅ。これだから触手は嫌いなのよ」
 シャインは絡みつく触手から逃れる為、猛スピードで都市上空に向かって飛び立った。
 不意をつかれたシルバーブルーメは彼女の跡を追うタイミングを逃したうえ、勢いよく飛び立ったシャインによって4本の触手を引き千切られてしまった。
 細長いゴムの一片を重い物に固定し、もう一片の先端を持って勢いよく引っ張るとゴムが千切れる。この現象をシャインは応用したのだ。

 触手の破片が手足に絡んだままシャインは飛行を続ける。
 もちろん、シルバーブルーメから逃げるのではなく、彼女なりの算段があった。
 シャインの考えでは、このままシルバーブルーメに自分の跡を追わせ、距離が縮まった所で不意に方向転換し、円形に膨らんだボディ中央部分を利用して天井部の真上からゼスペリオル光線で頭脳部分を破壊しようというのだ。
 危険な賭けには違いないが、唯一の弱点らしい場所を狙う意外にシルバーブルーメを倒す方法は思い当たらない。
「追って来なさい、シルバーブルーメ」
 後ろを振り返りながらシャインは飛び続ける。
 シャインの計算通り、数秒の出遅れを取り戻すかのようにシルバーブルーメは物凄い早さで迫って来た。
 そして、耳障りな警告音を発した赤いランプの部分から光線を発射してきた。
「キャッ」
 予想外の反撃に焦せるシャインだが、体をかすめる光線に傷つきながらも飛行を続ける。

円盤生物シルバーブルーメの触手がシャインの体を締めつける
(C)中島至誠

(今だわ)
 頃合いと判断したシャインは体を90度回転させると、逆立ちする恰好で円形の出っ張りに体を着地させ、そのまま両腕の屈伸する力を利用してシルバーブルーメの真上まで飛び上がった。
 予期せぬ相手の行動に驚いて急ブレーキをかける形で動きを止めたのがシルバーブルーメの運の尽き。この一瞬が命取りとなったのだ。
 シャインは腕をL字に組み合わせ、そこへエネルギーを集中させた。
 まばゆい光がシャインの組み合わせた腕に集まる。
「ゼスペリオル光線!」
 クリアブルーのドームに狙いを定め、集中させたエネルギーを一気に放出させた。
 七色に輝く光線は見事にドムーを貫通し、シルバーブルーメの頭脳とも言える制御装置をも破壊する。
「ビビビビー・・・・・・・ピピピピピー・・・・・・ピリピリピリピリ・・・・・・ピッ・・・」
 ブザーのような音を断続的に発した後、弱々しいアラーム音となり、最後に音が止んだ。
 ボディの至る所に設置された全てのランプが消灯し、シルバーブルーメは巨大な鉄の塊となって高層ビル群の中へ落ちていく。
「あ、いけない」
 大急ぎで落下するシルバーブルーメに追いつくと、高層マンションの屋上ギリギリで命を失った鉄塊を受け止めた。
「うぅぅ。お、重い。死んでからも迷惑かけないでよね」
 巨大なシルバーブルーメの死骸を抱え、シャインは空の彼方へと飛び去った。

 シルバーブルーメの襲来から一夜が明け、再び太陽が空に昇った。
 シャインに変身して戦ったのは久しぶりだった沙希は、夕方になって**町から帰宅すると同時にソファーへ倒れ込み、そのまま朝まで熟睡してしまった。
 いつもより1時間早く起床し、シャワーを浴びようと脱衣所で服を脱ぎ全裸になった瞬間、沙希は悲鳴を挙げた。
「いやぁぁ。なによ、この傷痕」
 シルバーブルーメの触手で叩かれた部分が赤く腫れあがっており、まるで鞭で打たれたような痕跡を淑女の肌に残していたのだ。
 変身時は肉体が強化されているので傷痕は目立たなかったが、肉体強度が劣る人間体にはハッキリとダメージの痕跡が刻まれている。
「よりによって、今日は体力測定の日なのよねぇ。こんな体じゃタンクトップやホットパンツに着替えられないわ」
 傷痕をさすりながら沙希は呟いた。
「ウルトラウーマンも楽じゃないわね」

 その後、宇宙連邦警備軍の後輩であるティアナ(彼女の実母が、あのウルトラマザーなのである)から、近年の研究によってシルバーブルーメの生態が明らかにされた事を聞いた。
 ボディを形成する金属物質が個体によって異なり、その強さはボディを形成する金属物質の硬度と比例するらしく、数百年前にウルトラマザーが倒したのは最強高度のシルバーブルーメ・ジュラルミンだと言う。
 さらに数日後、シャインが死骸処理の為に宇宙連邦警備軍科学技術部門へ預けたボディーの分析結果から、彼女が倒したのシルバーブルーメは、ボディーの強度は強いが知能は今一つとされるシルバーブルーメ・ブロンズである事が分かった。
 この事実を知ったシャインは、自分が倒した円盤生物シルバーブルーメは強かったのか弱かったのか、どうもハッキリせずモヤモヤした気分に陥ったのであった……。


【あとがき】
 らすP氏の「ウルトラレディ」シリーズを原作とした二次創作作品です。優れたイラスト作品と接しているうちに創作意欲が刺激され、短編小説として仕上げてみました。
 後半の展開は急ぎ足となってしまい、やや龍頭尾蛇の感がありますが、最後まで読んで頂けましたら幸いです。

 いろいろツッコミ所があると思いますが、そこは目をつぶって読み流して下さい……。
 一点だけ告白させて頂きますが、「シルバーブルーメは個体によって強さが違う」というオリジナル設定は、ウルトラマザーが苦戦した相手をシャインが簡単に倒してしまった事に整合性をもたせようとした結果の後付け設定です。その為、前半と後半ではシルバーブルーメのキャラクターが全く違ってしまいました。

 なお、キャラクターの基礎設定は「ウルトラマンレオ」(製作:円谷プロ)及び「ウルトラレディ・シャイン」(原作:らすP)より借りていますが、大幅なアレンジを加えた点もあります。
 イメージを崩さないように努力したつもりですが、「これは違うんじゃないか」と違和感を覚えられる箇所があった場合は、どうか御海容下さい。

 蛇足ながら、本作のタイトルは三津木春影氏の短編「奇絶怪絶 飛来の短剣」を元ネタとしている事を述べておきます。


【謝辞】
 らすP氏と中島至誠氏の御二人より、二次創作許可とイラスト転載の許可を頂きました。記して感謝致します。
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好きな技(1):バスター技
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