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2017-10

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恐怖の地下プロレスに挑む盲目の女性拳士

 正義を嫌う孤独なアウトロー・美影義人の数奇な生き様を描いた「人間兇器」は、数多い空手漫画の中でも異色の一作だと思います。
 戦いの中に自分の死に場所を見つけるわけでもなく、極限の強さを求めるわけでもない。
 社会的地位と権力を勝ち取る為、己の欲望を成就させる道具として空手を習い、それを武器にする美影の人物造形は空手漫画の中で異彩を放つ存在です。
 この漫画の原作は梶原一騎氏、劇画は中野喜雄氏が担当されました。

 本作には、旭掌拳を極めた盲目の女性拳士・朝比奈薫子がメインヒロインとして登場します。
 彼女は美影の暴行が原因で子供を孕み、妊娠後は何度も裏切られますが、結果的には(自業自得と言える)夫の窮地を救う為に献身的な働きを見せました。
 過酷な運命に弄ばれるからこそ、強さと優しさを持ち合わせたヒロインに描かれたのかも知れません。
 薫子の強さは底知れず、数を頼りに襲いかかる三下の荒くれ者を難なく撃退し、女子プロレス界でも無傷のまま全戦全勝する程でした。

純情可憐でありながら、旭掌拳の達人である朝比奈薫子
(C)梶原一騎/中野喜雄/日本文芸社
目の見えない薫子ですが、その実力は美影義人も認める腕前です
(C)梶原一騎/中野喜雄/日本文芸社

 雑誌連載7年(単行本全23巻)の大長編にも関わらず、薫子の出番は全体の3割程度です。
 また、彼女自身が強すぎるせいもあり、夜道での襲撃、地下プロレスでの死合、女子プロレス界での戦い、全てにおいて優勢な立場で描かれました。
 特に終盤、女子プロレス界へデビューした薫子は覆面レスラーのミス・桜としてリングに立ちますが、前記のように無傷で全戦全勝してしまい、苦戦する場面は1コマも見られません。
 薫子の戦闘場面が極めて少ないだけに、女子プロレスラーとの戦いをノー・ダメージで勝ち進んでしまった事は非常に残念です。

 唯一、薫子の苦戦と敗北を見られるのが、中盤のエピソード「地下プロレス編」です。
 地下プロレスでの死合を強制させらせる夫=美影義人を救い出す為、意を決した薫子はツテを頼って関係者と接触し、ある条件と引き換えに美影の解放を約束させました。
 その条件とは、地下プロレス女子の部でチャンピオンになる事。
 この過酷な条件にもかかわらず、薫子は地獄の格闘技界へ自ら足を踏み入れます。

地下プロレスの世界に身を投じる覚悟を決めた薫子
(C)梶原一騎/中野喜雄/日本文芸社

 猛者揃いの地下プロレス世界でも薫子は順調に勝ち進み、二人の女子レスラーを華麗な蹴り技で倒します。
 破竹の勢いで勝ち進む薫子ですが、彼女が苦悶しながら辱められる姿を見たがる主催者は男女混合のタッグマッチをセッティングし、貧弱なカンフー青年と組ませました。
 薫子の相棒は瞬殺され、すぐに試合は2対1の変則タッグバトルとなりましたが、薫子の攻撃は対戦相手2人へ確実にダメージを与えていきます。
 このまま薫子の勝利と思われましたが、敵は盲目である彼女の弱点を利用した罠で形勢を逆転させ、激しい蹴りや関節技のラッシュで薫子を苦しめます。

2対1の戦いを余儀なくされても動じる事なく試合を進める薫子
(C)梶原一騎/中野喜雄/日本文芸社
胡椒を詰めた袋を投げつけ、薫子に隙を作らせる悪役レスラー達
(C)梶原一騎/中野喜雄/日本文芸社
二人がかりの猛攻に、さすがの薫子も苦戦させられます
(C)梶原一騎/中野喜雄/日本文芸社
呼吸が乱れて苦しむ薫子を関節技で容赦なく責めるロシア系プロレスラー
(C)梶原一騎/中野喜雄/日本文芸社

 一方的な試合展開の後、ニードロップパワーボムで失神させられた薫子は服を脱がされ、全裸の恥ずかしい姿を観客の前に晒されます。
 犯されるまでには至りませんが、薫子が苦戦の末に敗北し、裸体を見せる貴重な試合でした。

 アンモラルな言動とバイオレンス要素の強い「人間兇器」ですが、空手漫画として読んでも面白い作品です。
 残念ながら、日本文芸社から刊行されていた単行本は全て絶版となり、入手困難になってしまいました。
 復刊を強く望む作品ですが、この希望は叶いそうもありません……。
 なお、それなりの出費はかかりますが、インターネット古書店やネットオークションを利用すれば、単行本全23巻を揃える事は可能です。

 参考までに、薫子が登場するお薦めエピソードを収めたコミックスの巻数を以下に記しておきます。
 バラ売りされている単行本をピンポイントで集めたい方の指標となれば幸いです。

 ・美影義人と同棲し、子供を宿す(3巻) ※試合をする場面は無し。
 ・地下プロレスの世界へ身を投じる(11巻)
 ・ボートハウスの中での辱め(19巻) ※試合をする場面は無し。
 ・女子プロレス界デビュー(21巻~23巻) ※試合シーンは僅か。

 コミックス版『人間兇器』全23巻の大まかな内容を巻別に紹介しているブログも存在するので、そちらを利用して事前に内容確認するのも良いかと思います。
 各巻の詳細は、ぽてぽて氏のブログ「【埼玉・散歩・マンガ・独り言】」2009年5月分から8月分の記事で不定期に紹介されているレビューを御覧下さい。
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コメント

新さんへ。

前略。
黄昏タイムズの
新さん。
大阪の
『喜多村。』と言います。
超!御高名な
新さんのブログで『足4の字固め』拝められて
嬉しく思います。

コメント、ありがとうございます

 コメント、どうもありがとうございました。
 当ブログを「超!御高名な」と御評価頂き嬉しく思うと同時に、気恥かしさも感じております。

 掲載イラストの「足4の字固め」ですが、お気に召したようで何よりです。
 見た目は地味ですが足関節へのダメージが大きい技なので、受け手の苦悶顔も真に迫りますね。
 関節技イラストの紹介は稀ですが、よろしければ、また御訪問下さい。

新さんへ。

拝啓。
黄昏タイムスの
新さん。
大阪の
『喜多村。』です。
早々にお返事賜り
此方(電脳座敷ワラシ=喜多村聡)の方こそ
恐縮しています。
さて。
『受け手の苦悶顔』。
新さん。
プラレス3四郎の『桜姫』の苦痛顔
(VSリキオーの足四の字地獄に)
良いですよーっ。
ミミ萩原選手に影響を
受けました。

女性キャラクターの苦悶顔

 基本的に「女性キャラクターが技を受けて苦悶する表情」が好きですので、なるべく表情の見える画像を選んでおります。

 文庫本を手放してしまいましたが、「プラレス3四郎」の桜姫も良いキャラクターですね。
 確か、2回ほど柔王丸の為にリングへ上がったと思いますが、いずれも苦戦の末に敗れました。
 キャラクター造形は良かったのですが、絵になる場面が少なく、残念な漫画です。
 アニメ版に桜姫は出て来ませんでしたが、もし登場していれば……。

新さんへ。

拝啓。
黄昏タイムスの
新京史朗さん。
大阪の
『喜多村。』です。
さて。
新さん。
リョナか定かではないのですが
女性の苦痛顔。で
弓月光先生の『まじだよ!!』第2巻で
足四の字固め
(女VS女)のシーンが有り
四の字返し(攻守逆転)
良いですよ。

奥が深いです……

 作品情報、どうもありがとうございます。
 弓月光氏の作品はノー・マークでした。探せば、いろいろありますね。
 この分野は奥が深いです。

 関節技に限らず、今後も格闘リョナ漫画を探求・紹介していこうと思います。
 個人的好みから開脚系の技がメインになりますが……。

新さんへ。

拝啓。
黄昏タイムスの
新京四郎さん。
大阪の
『喜多村。』です。
唐突ですが新さん。
figmaと言う言葉にお聞き及び
有りませんか?
桜姫(プラレス3四郎)出て来ますよ。

figmaの桜姫

 MAC FACTRYの「figma」は存じております。桜姫のフィギュアも店頭で見た事がありました。

 桜姫が様々なシチュエーションで攻撃を受けているシーンを再現した画像も、ずいぶんとネット上に上がっているようです。
 興味があるものの、フィギュア系は集め始めると(いろいろな意味で)収拾がつかなくなりそうですので手を出しておりません。
 表情パーツが豊富なようですので、女性キャラクターが苦痛の表情でキン肉バスターを受けるシーンを楽しむには最高のフィギュアと言えますね。

 少し寸借が大きい海洋堂の「リボルテック」も可動箇所が多いらしく、こちらも注目のアイテムです。

新さんへ。

拝啓。
黄昏タイムスの
新京四郎さん。
大阪の
『喜多村。』です。
新さんへ。
実は明日『誕生日』なもんで
『新さんからバースデー』メールを
賜れれば
嬉しいです。

おめでとうございます

電脳座敷ワラシ(喜多村)様

 本日は誕生日との事。おめでとうございます。
 訳あってEメールは基本的に使用しておりませんので、お祝いのメッセージはコメントへの返信とさせて頂きました。
 事情お察しのうえ、御了承願います。

 当ブログも開設から半年を過ぎ、何とか人様に見て頂ける体裁が整いました。
 同じ趣向の方が運営されるWEBサイトやブログへのリンクも充実し始めましたので、今後もよろしく御愛顧下さい。

新さんへ。

拝啓。
黄昏タイムスの
新京史朗さんへ。
まぁ『40』も過ぎええ年扱いて
目出度くもくそもないんですが(苦笑)。
でも
素直に有りガトーショコラ。

どうもはじめまして、京史朗さん及び皆様。

梶原先生の青壮年分野における色んな意味での逸脱振りは
[紊�—]いったいあの人の内面の奥底に沈澱、滞積していたモノとは何だったのでしょうか?[/紊�—]と
われわれ読者に実に複雑な感慨を懐かせてしまいますね。少年向け分野での作風が印象的なだけにどうしても。

あと人間兇器は空手漫画としても面白いのですか……どうも美影義人の姿勢がアレなせいで
その辺りには余りいいイメージを懐きづらかったのでして(直接未読の身で言うのも何なのですが)。

コメント、どうもありがとうございます

 コメント、どうもありがとうございます。

 梶原一騎作品は数作しか読んでいないので「逸脱振り」や「内面の奥底に沈澱、滞積していたモノ」についての意見は書けませんが、そうした深読みができるとは知りませんでした。
 どうも「巨人の星」や「空手バカ一代」の作者と言う印象が強いせいか、少年向けスポ根漫画の作風しか思い浮かびません……。

 例外的に読んでいた「人間兇器」ですが、御指摘の通り、美影義人という人物のイメージを懐き難いですね。
 野心的な一面が強い「悪に徹したい空手家」なのか、政治家に取り入って身の安泰を図る「器用に立ち廻りたい小悪党」なのか、前半と終盤でキャラクターの印象がガラリと変化したように感じました。
 人物造型のブレ(甘さ?)が災いしたようです。
 純粋に格闘系漫画として、肩の力を抜いて読むのが正解かも知れません。

恐怖の地下プロレスに挑む盲目の女性拳士

おはようございます読んでませんよヒロイン仕置部屋とアニメヒロイン凌辱ピンチなんですよそれではさようなら

美女と関節技

 凌辱場面は個人的にNGなのですが、勇ましく戦いながらも卑怯な攻撃でピンチに陥るというシチュエーションは大好きです。
 この戦闘シーンは、そんな趣向を満足させてくれる貴重なシーンでした。

 コミックスは古書店を根気よく探せば入手できると思いますし、インターネットを利用すれば大した苦労もなく入手できると思います。
 是非、機会があれば読んでみて下さい。

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