FC2ブログ

2017-10

拉致される錦華

 古代インカ帝国の末裔を主人公にした高垣眸氏の代表作「豹(ジャガー)の眼」は、『少年倶楽部』昭和2年1月号~12月号にかけて連載されました。
 雄大なスケールと波乱万丈に富んだストーリー展開。まさに「血わき肉躍る」と言う文句がピッタリの冒険小説で、読み応え満点の長編です。
 時代設定が昭和初期なので作品全体に古さが感じられますが、作品の完成度は高く、新しい世代の読者に読み継がれないのが惜しまれます。

 この作品には、錦華という美少女が紅一点のヒロインとして登場します。
 知恵と勇気はあるものの、敵方に誘拐されて監禁されるシーンが長く、残念ながら作中での活躍は皆無でした。
 身軽さを活かし、古代インカ帝国の遺産を狙う『豹(ジャガー)』の一団と戦って欲しかったのですが……。

 そんな錦華の数少ないヒロピン(=ヒロイン・ピンチ)場面として挙げられるのが、物語序盤の誘拐シーンです。
 盲目の音楽師に変装した『豹(ジャガー)』の追手の罠にかかった錦華は、数人の男によって誘拐されてしまいます。
 錦華が誘拐される場面には挿絵があり、複数の画家によって、その場面が描かれました(初出誌、児童書、名作集、それぞれ画家は異なります)。

『豹(ジャガー)』の追手に見つかり、捕まってしまった錦華(『少年倶楽部』連載版)
(C)高垣眸/伊藤彦造/講談社
『豹(ジャガー)』の追手に見つかり、捕まってしまった錦華(ポプラ社『豹(ジャガー)の眼』版)
(C)高垣眸/澤田重隆/ポプラ社
『豹(ジャガー)』の追手に見つかり、捕まってしまった錦華(普通社「名作リバイバル」版)
(C)高垣眸/嶺田弘/普通社

 スキャン画像の底本には、以下の書籍を使用しました。

【少年倶楽部版】
 『少年倶楽部文庫10 豹(ジャガー)の眼』昭和50年12月・2刷(伊藤彦造・画)
【ポプラ社版】
 『高垣眸全集 豹の眼』昭和26年5月・刊(澤田重隆・画)
【名作選】
 『名作リバイバル⑫ 豹(ジャガー)の眼』昭和37年6月・発行(嶺田弘・画)

 伊藤氏が描く成人女性のような美貌の錦華、澤田氏が描く大陸的な容姿の錦華、嶺田氏が描くスリムな体型の錦華。
 三人とも異なったタッチの錦華ですが、いずれも魅力的な少女として描かれています。
 現代のようにストーリー性の高い漫画が皆無だった頃、当時の少年読者は、こうした挿絵にも性的興奮を感じていたのかも知れません。
スポンサーサイト
[PR]

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://ryonablog475.blog2.fc2.com/tb.php/108-c365eae9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | ホーム |  »

FC2カウンター

プロフィール

新 京史朗

Author:新 京史朗
好きな技(1):バスター技
好きな技(2):股裂き関節技
好きなシチュエーション:リョナ

最新記事

カテゴリ

小説 (86)
アニメ (33)
ゲーム (31)
アメコミ (23)
フィギュア (5)
映像・写真 (16)
DOA・無双 (114)
イラスト企画 (43)
鉄拳・スト鉄 (92)
漫画・絵物語 (107)
イラスト・挿絵 (51)
映画・イベント (35)
ウルトラヒロイン (12)
MUGEN・ドット絵 (2)
オリジナルヒロイン (8)
御挨拶・お知らせ・交流 (134)
魔法少女まどか☆マギカ (59)

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

月別アーカイブ

最新コメント

リンク

このブログをリンクに追加する

最新トラックバック

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR