「STREET FIGHTER×鉄拳」発売記念のイラスト特集
ブログ開設当初から四季毎(ごと)にテーマを決めて有志より御寄稿頂いたイラストの紹介を行ってきた【四季の企画】ですが、以前に予告した通り、昨夏の「大ピンチ! ウルトラマザー&ウルトラクイーン」をもって終了となりました。
今後は新しく【特集】としてテーマ別イラスト紹介を行う事になりましたので、引き続きの御声援をよろしくお願い申し上げます。
記念すべき【特集】シリーズ第一弾ですが、当ブログの看板リョナ娘と勝手に命名しているエミリ・ロシュフォール(=リリ)お嬢様が統一テーマとなります。
どのようなシチュエーションによるイラスト紹介かはギリギリまで明かせませんが……あえて書かなくても御想像頂ける事でしょう。
何しろワンパーンな事ばかりしているブログですから(苦笑)。
今回もpixivを中心に活躍されている豪華メンバーから新作の御寄稿が叶い、充実したイラスト紹介になると自負しております。
時間的な問題から返答保留の方もいらっしゃり、残念ながら現時点では作品執筆者のお名前を全て明かす事はできませんがポツポツとイラストが届き始めており、今月末には初の【特集】シリーズ記事をアップできそうです。どうぞ御期待下さい。
事前予告として、寄稿メンバーの一人である鍋島ろょ氏が描かれたリリのイラスト2点を御紹介します。
リョナっぽい描写はありませんが、ゴスロリ衣装を着た可愛らしい淑女が恥ずかしい姿でピンチに陥るショットを想像しながら御覧下さい。
イラスト転載を御快諾下さった鍋島ろょ氏には記して感謝致します。

(C)鍋島ろょ
なお、鍋島ろょ氏は真紅が水銀燈にキン肉バスターをかけている技絵もpixivへ投稿された事があります。
そちらのイラストについては転載許可を得ていないので掲載はしません。こちらからイラスト掲載ページへアクセスし、御自身の目で御確認下さい(フルサイズを見るにはサイトへの登録が必要となります)。
説明不要かも知れませんが念の為に解説をすると、真紅と水銀燈はPEACH-PIT氏の漫画「ローゼンメイデン」に登場するキャラクターです。
今日から約3週間、諸事情によりブログ更新が行えません。ブログ記事へコメントを頂いた場合、返信するまでに時間がかかりますが御了承下さい。
基本的にコメントを頂戴した際はレスポンスをつけますがブログへのアクセス状況によってタイムラグの生じる事もあります(返信は出来ませんが拍手コメントも全て拝読しており、御意見や御感想に感謝しながら目を通しています)。
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今後は新しく【特集】としてテーマ別イラスト紹介を行う事になりましたので、引き続きの御声援をよろしくお願い申し上げます。
記念すべき【特集】シリーズ第一弾ですが、当ブログの看板リョナ娘と勝手に命名しているエミリ・ロシュフォール(=リリ)お嬢様が統一テーマとなります。
どのようなシチュエーションによるイラスト紹介かはギリギリまで明かせませんが……あえて書かなくても御想像頂ける事でしょう。
何しろワンパーンな事ばかりしているブログですから(苦笑)。
今回もpixivを中心に活躍されている豪華メンバーから新作の御寄稿が叶い、充実したイラスト紹介になると自負しております。
時間的な問題から返答保留の方もいらっしゃり、残念ながら現時点では作品執筆者のお名前を全て明かす事はできませんがポツポツとイラストが届き始めており、今月末には初の【特集】シリーズ記事をアップできそうです。どうぞ御期待下さい。
事前予告として、寄稿メンバーの一人である鍋島ろょ氏が描かれたリリのイラスト2点を御紹介します。
リョナっぽい描写はありませんが、ゴスロリ衣装を着た可愛らしい淑女が恥ずかしい姿でピンチに陥るショットを想像しながら御覧下さい。
イラスト転載を御快諾下さった鍋島ろょ氏には記して感謝致します。


(C)鍋島ろょ
なお、鍋島ろょ氏は真紅が水銀燈にキン肉バスターをかけている技絵もpixivへ投稿された事があります。
そちらのイラストについては転載許可を得ていないので掲載はしません。こちらからイラスト掲載ページへアクセスし、御自身の目で御確認下さい(フルサイズを見るにはサイトへの登録が必要となります)。
説明不要かも知れませんが念の為に解説をすると、真紅と水銀燈はPEACH-PIT氏の漫画「ローゼンメイデン」に登場するキャラクターです。
今日から約3週間、諸事情によりブログ更新が行えません。ブログ記事へコメントを頂いた場合、返信するまでに時間がかかりますが御了承下さい。
基本的にコメントを頂戴した際はレスポンスをつけますがブログへのアクセス状況によってタイムラグの生じる事もあります(返信は出来ませんが拍手コメントも全て拝読しており、御意見や御感想に感謝しながら目を通しています)。

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オリジナル巨大ヒロインの漫画同人誌『うるとらななこ絶体絶命』
ファンの間で永らく完成が待たれていたヒロピン漫画『うるとらななこ絶体絶命』が2011年12月に発売されました。
作者は新居こじろ氏。
サークル「階辰区」に所属され、過去に『魔界天使 ジブリール』や『ダーティペア』の同人誌を発行されています(新居氏が運営される「階辰区」のWEBサイトへはこちらからアクセス可能)。

(C)新居こじろ
凶悪な怪獣や宇宙人から地球を守る正義のヒロイン・うるとらななこは、狡猾な宇宙人の罠によって十字架に架けられ、自由を奪われたまま窮地に陥ります。
誤解を受けそうな物語の要約ですが、実際には生々しい凌辱描写よりも怪獣軍団の猛攻に苦戦するうるとらななこのピンチシーン描写に重点が置かれており、ハードな残虐描写は見られません。
どこまでも「ヒロピンの美学」を追求した内容となっており、らすP氏の名作漫画「ウルトラレディ」で巨大ヒロインの魅力を知った方には是非とも読んで頂きたい作品です(趣向の特殊性から物語の概要を示すのは難しく、あえて詳しい内容説明は避けました)。
新居氏の御厚意によって本誌のサンプル画像掲載が叶った為、以下にうるとらななこのピンチシーンが描かれた場面を紹介します。

(C)新居こじろ
諸事情から同人誌即売会イベントでは販売されず、本誌の流通ルートは「コミックとらのあな」での店頭販売、または、委託販売先の「コミックとらのあな」が運営するネット通販サイトでの通販のみとなっています。
通販ページへはこちらからアクセスして下さい。
売行き好調により早期の在庫切れが予想される為、確実に入手された方は在庫状況を確認されたうえ、迷わず購入する事をお勧めします(2011年12月29日入荷分は店頭販売前に予約本だけで売り切れたようですから)。
最後に蛇足となりますが……。
店頭販売分の商品紹介コメントによれば「ウルトラセブン女人化の本で 内容はヒロピンメインで露出は低めになってます。コミケット落選のため現在イベント売りが設定されていません。」との事でした。
作者は新居こじろ氏。
サークル「階辰区」に所属され、過去に『魔界天使 ジブリール』や『ダーティペア』の同人誌を発行されています(新居氏が運営される「階辰区」のWEBサイトへはこちらからアクセス可能)。


(C)新居こじろ
凶悪な怪獣や宇宙人から地球を守る正義のヒロイン・うるとらななこは、狡猾な宇宙人の罠によって十字架に架けられ、自由を奪われたまま窮地に陥ります。
誤解を受けそうな物語の要約ですが、実際には生々しい凌辱描写よりも怪獣軍団の猛攻に苦戦するうるとらななこのピンチシーン描写に重点が置かれており、ハードな残虐描写は見られません。
どこまでも「ヒロピンの美学」を追求した内容となっており、らすP氏の名作漫画「ウルトラレディ」で巨大ヒロインの魅力を知った方には是非とも読んで頂きたい作品です(趣向の特殊性から物語の概要を示すのは難しく、あえて詳しい内容説明は避けました)。
新居氏の御厚意によって本誌のサンプル画像掲載が叶った為、以下にうるとらななこのピンチシーンが描かれた場面を紹介します。


(C)新居こじろ
諸事情から同人誌即売会イベントでは販売されず、本誌の流通ルートは「コミックとらのあな」での店頭販売、または、委託販売先の「コミックとらのあな」が運営するネット通販サイトでの通販のみとなっています。
通販ページへはこちらからアクセスして下さい。
売行き好調により早期の在庫切れが予想される為、確実に入手された方は在庫状況を確認されたうえ、迷わず購入する事をお勧めします(2011年12月29日入荷分は店頭販売前に予約本だけで売り切れたようですから)。
最後に蛇足となりますが……。
店頭販売分の商品紹介コメントによれば「ウルトラセブン女人化の本で 内容はヒロピンメインで露出は低めになってます。コミケット落選のため現在イベント売りが設定されていません。」との事でした。
間違いの悲劇(山田風太郎「恋罪」より)
山田風太郎氏は医学的解釈に裏打ちされた奇想天外な忍法を描く【忍法帖】シリーズの作者として知られ、没後10年を過ぎた現在でも高い人気のある作家です。
探偵小説「達磨峠の事件」で作家デビューを果たしたのは戦後間もない昭和22年の事ですが、学生時代から創作活動に勤(いそ)しんでおり、受験雑誌の懸賞小説へ投稿した短編のほとんどが入選作として掲載されました。
これら受験雑誌への投稿作品は出版芸術社の短編集『山田風太郎初期作品集 橘伝来記』へまとめられ、単行本未収録作品が多い少年少女向け探偵小説は論創社から「山田風太郎少年小説コレクション」として復刻が進んでいます(後者は2巻本となるらしく、関係者の話では1月に第1巻が配本される予定との事)。
風太郎作品は今も様々な出版社から単行本が定期的に出版され、一定の供給が確保されています。
角川書店は自社文庫で「山田風太郎ベストコレクション」の刊行を2010年7月からスタートさせ、全31冊を2012年12月まで配本すると発表しました。
私は熱心な風太郎ファンではありませんが、表紙イラストに魅かれて何冊か購入して読んでいるところです。
読了作品の中に被虐趣味を持つ女性が登場する短編を見つけたので、あまり興奮できる描写ではないかも知れませんが紹介に踏み切りました。
作品のタイトルは「恋罪」。昭和27年に『探偵実話』へ全2回連載されました。
六通の手紙だけで構成されており、見事な技巧を編者の日下三蔵氏は「得意の書簡体を活したサスペンス」であり「作者の視線はトリックの解明ではなく、ヒロインの心の動きに当てられている。だからこそ、終盤でのたった一行の彼女のセリフが、恐ろしい重みをもって読者の胸を切り裂くのである」と解説しています。
奇抜な刺殺トリックはユニークであり、人間心理の描写に力を入れた探偵小説としての完成度も非常に高く、シンプルな内容の探偵小説が好きな方には一読をお勧めします。
「いえ――いわないか――黎子!」
そして何ともいえない苦痛にみちた呻きがながれて来た。
僕ははっとしてしばらく息をのんでいたが、ふと玄関の横手の方に、なかば壊れた枝折戸(しおりど)があるのを見て、そっと庭のなかへ入っていった。
そして僕は見たのだ。窓から、裸にされた黎子が後ろ手に箪笥(たんす)の環にくくりつけられて、夫の伊皿子十郎に鞭打たれているのを。――。
【中略】
ばさばさの髪をふりたて、痩せた腕があがると、鞭がうなって、凄惨な肉を打つ音が鳴り、のけぞりかえった黎子の白い胴に、紫のみみず腫れがはしった。
≪角川文庫『山田風太郎ベストコレクション 虚像淫楽』P267≫
「そして、その虐待が、ほとんど変態性を帯びていたことは、伊皿子が描いていたあの醜怪な絵からも想像して下さい。その怪奇なサジスムスのきわまるところ――ついに伊皿子は、死んでまでも、架空の姦夫を利用して、貞淑な妻を無実の罪に泣かせようとしたのです」
≪角川文庫『山田風太郎ベストコレクション 虚像淫楽』P280≫
これ以下の引用箇所にはネタバレを含んでいます。未読の方はご注意下さい。
「――ぶって! ぶって! あたしをぶって!」
と、彼女は突然身もだえしてさけんだ。僕は蒼白になっていた。おお、僕はなんたることをしたのだ。サジストは伊皿子十郎ばかりではなかったのだ。黎子もまたマゾヒストだったのだ。世にこれほど貞節な夫と妻があろうか。甘美にして戦慄すべき鍵と鍵穴。
≪角川文庫『山田風太郎ベストコレクション 虚像淫楽』P293≫
※「恋罪」収録。
探偵小説「達磨峠の事件」で作家デビューを果たしたのは戦後間もない昭和22年の事ですが、学生時代から創作活動に勤(いそ)しんでおり、受験雑誌の懸賞小説へ投稿した短編のほとんどが入選作として掲載されました。
これら受験雑誌への投稿作品は出版芸術社の短編集『山田風太郎初期作品集 橘伝来記』へまとめられ、単行本未収録作品が多い少年少女向け探偵小説は論創社から「山田風太郎少年小説コレクション」として復刻が進んでいます(後者は2巻本となるらしく、関係者の話では1月に第1巻が配本される予定との事)。
風太郎作品は今も様々な出版社から単行本が定期的に出版され、一定の供給が確保されています。
角川書店は自社文庫で「山田風太郎ベストコレクション」の刊行を2010年7月からスタートさせ、全31冊を2012年12月まで配本すると発表しました。
私は熱心な風太郎ファンではありませんが、表紙イラストに魅かれて何冊か購入して読んでいるところです。
読了作品の中に被虐趣味を持つ女性が登場する短編を見つけたので、あまり興奮できる描写ではないかも知れませんが紹介に踏み切りました。
作品のタイトルは「恋罪」。昭和27年に『探偵実話』へ全2回連載されました。
六通の手紙だけで構成されており、見事な技巧を編者の日下三蔵氏は「得意の書簡体を活したサスペンス」であり「作者の視線はトリックの解明ではなく、ヒロインの心の動きに当てられている。だからこそ、終盤でのたった一行の彼女のセリフが、恐ろしい重みをもって読者の胸を切り裂くのである」と解説しています。
奇抜な刺殺トリックはユニークであり、人間心理の描写に力を入れた探偵小説としての完成度も非常に高く、シンプルな内容の探偵小説が好きな方には一読をお勧めします。
「いえ――いわないか――黎子!」
そして何ともいえない苦痛にみちた呻きがながれて来た。
僕ははっとしてしばらく息をのんでいたが、ふと玄関の横手の方に、なかば壊れた枝折戸(しおりど)があるのを見て、そっと庭のなかへ入っていった。
そして僕は見たのだ。窓から、裸にされた黎子が後ろ手に箪笥(たんす)の環にくくりつけられて、夫の伊皿子十郎に鞭打たれているのを。――。
【中略】
ばさばさの髪をふりたて、痩せた腕があがると、鞭がうなって、凄惨な肉を打つ音が鳴り、のけぞりかえった黎子の白い胴に、紫のみみず腫れがはしった。
≪角川文庫『山田風太郎ベストコレクション 虚像淫楽』P267≫
「そして、その虐待が、ほとんど変態性を帯びていたことは、伊皿子が描いていたあの醜怪な絵からも想像して下さい。その怪奇なサジスムスのきわまるところ――ついに伊皿子は、死んでまでも、架空の姦夫を利用して、貞淑な妻を無実の罪に泣かせようとしたのです」
≪角川文庫『山田風太郎ベストコレクション 虚像淫楽』P280≫
これ以下の引用箇所にはネタバレを含んでいます。未読の方はご注意下さい。
「――ぶって! ぶって! あたしをぶって!」
と、彼女は突然身もだえしてさけんだ。僕は蒼白になっていた。おお、僕はなんたることをしたのだ。サジストは伊皿子十郎ばかりではなかったのだ。黎子もまたマゾヒストだったのだ。世にこれほど貞節な夫と妻があろうか。甘美にして戦慄すべき鍵と鍵穴。
≪角川文庫『山田風太郎ベストコレクション 虚像淫楽』P293≫
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有村京子の受難
探偵小説界の大御所である江戸川乱歩氏は少年少女を読者対象とした【少年探偵団】シリーズの執筆にも力を入れており、遺作「超人ニコラ」(現題「黄金の怪獣」)まで三十編以上のジュブナイル作品を書きました。
中断時期があるものの「怪人二十面相」を第一作とする同シリーズは昭和11年から昭和37年まで書き継がれ、作品総数は全三十五作を数えます。
これら諸作には含まれませんが、一般向けの長編小説を【少年探偵団】シリーズへ書き直した作品も数多く存在し、それらは別作家によるリライト物としてポプラ社の単行本へ収録されました。
リライト物の一編である「大暗室」(原作は昭和11年から昭和12年にかけて『講談倶楽部』へ連載された同題作品)は武田武彦氏の脚色によって『小学三年生』へ連載され、連載完結前に『日本名探偵文庫』第21巻として刊行されました(雑誌連載完結前に単行本が発行された理由は『別冊宝島1447 僕たちの好きな明智小五郎』で紹介されています。興味がある方は同書を御覧下さい)。
原作版「大暗室」は残虐性の強い陰惨な復讐譚ですが、読者層が子供である事を考慮したリライト版では少年少女の活躍を前面にクローズアップした冒険活劇に仕上がっています。
武田リライトの初出である『小学三先生』連載版は絵物語形式であり、伊勢良夫氏による挿絵が豊富に用いられています。
国立国会図書館の蔵書で連載全文を確認したところ、ヒロイン役の有村京子が絶体絶命の危機に晒される受難場面の挿絵を何点か確認しました。
残虐描写を抑えたリライトとは言いながらもリョナラーをドキドキさせるような際どいシーンが続出する為、今回は該当部分のテキストではなく挿絵を紹介しようと思います。
原作とリライト単行本版におけるヒロイン受難場面のテキストは過去に当ブログで取り上げました。詳細についてはこちらを御覧下さい。
なお、武田氏がリライトした「大暗室」は『小学三年生』昭和31年4月号から昭和32年3月号まで全12回に亙って連載されており、国立国会図書館の近代デジタルライブラリー(館内限定公開データー)で閲覧可能です。

(C)江戸川乱歩/武田武彦/伊勢良夫/小学館

(C)江戸川乱歩/武田武彦/伊勢良夫/小学館

(C)江戸川乱歩/武田武彦/伊勢良夫/小学館
ポプラ社の単行本は絶版となって久しく、版元の社内事情を考えると今後の復刊は絶望的です。
今回の挿絵紹介がリライト版「大暗室」を読めない方の喝を癒す一助になれば言う事ありません。
※リライト版「大暗室」紹介記事を掲載。
中断時期があるものの「怪人二十面相」を第一作とする同シリーズは昭和11年から昭和37年まで書き継がれ、作品総数は全三十五作を数えます。
これら諸作には含まれませんが、一般向けの長編小説を【少年探偵団】シリーズへ書き直した作品も数多く存在し、それらは別作家によるリライト物としてポプラ社の単行本へ収録されました。
リライト物の一編である「大暗室」(原作は昭和11年から昭和12年にかけて『講談倶楽部』へ連載された同題作品)は武田武彦氏の脚色によって『小学三年生』へ連載され、連載完結前に『日本名探偵文庫』第21巻として刊行されました(雑誌連載完結前に単行本が発行された理由は『別冊宝島1447 僕たちの好きな明智小五郎』で紹介されています。興味がある方は同書を御覧下さい)。
原作版「大暗室」は残虐性の強い陰惨な復讐譚ですが、読者層が子供である事を考慮したリライト版では少年少女の活躍を前面にクローズアップした冒険活劇に仕上がっています。
武田リライトの初出である『小学三先生』連載版は絵物語形式であり、伊勢良夫氏による挿絵が豊富に用いられています。
国立国会図書館の蔵書で連載全文を確認したところ、ヒロイン役の有村京子が絶体絶命の危機に晒される受難場面の挿絵を何点か確認しました。
残虐描写を抑えたリライトとは言いながらもリョナラーをドキドキさせるような際どいシーンが続出する為、今回は該当部分のテキストではなく挿絵を紹介しようと思います。
原作とリライト単行本版におけるヒロイン受難場面のテキストは過去に当ブログで取り上げました。詳細についてはこちらを御覧下さい。
なお、武田氏がリライトした「大暗室」は『小学三年生』昭和31年4月号から昭和32年3月号まで全12回に亙って連載されており、国立国会図書館の近代デジタルライブラリー(館内限定公開データー)で閲覧可能です。



(C)江戸川乱歩/武田武彦/伊勢良夫/小学館

(C)江戸川乱歩/武田武彦/伊勢良夫/小学館



(C)江戸川乱歩/武田武彦/伊勢良夫/小学館
ポプラ社の単行本は絶版となって久しく、版元の社内事情を考えると今後の復刊は絶望的です。
今回の挿絵紹介がリライト版「大暗室」を読めない方の喝を癒す一助になれば言う事ありません。
![]() | 僕たちの好きな明智小五郎―The Super Mystery Guide Tribute to Kogor (別冊宝島 1447) (2007/06) 不明 商品詳細を見る |
※リライト版「大暗室」紹介記事を掲載。
夢の共演! 不知火舞VSテムジン
SNK公認の月刊ゲーム雑誌『ネオジオフリーク』はネオジオ専門誌として芸文社から1995年に創刊されました。
格闘ゲーム黄金期が過ぎ去った後も熱心なファンの支えで発行が続けられたものの、SNKが倒産する直前の2000年末に惜しまれつつ廃刊しています。
メーカー公認の専門誌でありながら某週刊ゲーム雑誌よりも情報掲示が遅く、その事を指摘した投書が某ゲーム雑誌に載った事もあったとか……。
奥付を欠いているので掲載号は不詳ですが、かつて『ネオジオフリーク』に以下のような読者投稿が掲載されました。
内容から察するに1996年春頃の投稿だと思われます。投稿者は愛知県の嵐を呼ぶ男氏。
バスター技の魅力と必要性が熱く語られており、その熱意を汲んで全文転載させて頂きます。
KOF'96に希望するテムジンの復活!!
今思えば『龍虎の拳2』のテムジンは、男の野望だ!!
それは、あの技「蒙古雷撃弾」(キ○肉バスター)である!!
あの技のおかげで、全国のスケベなやからは、ユリちゃんはキング様の大股開き…いや、もとい、開脚をおがむことができたのだ。
だからもし、KOF'96にテムジンが出るながらば、アテナちゃんや舞ちゃんのも…!!
うお~っ、舞ちゃんの開脚には、たまらないものがありますなぁ…。
全国のスケベな男たちよ、KOF'96では、ぜひテムジン復活を願おう!!
SNK様、ダメ~?
行間から蒙古雷撃弾への愛着が感じられ、その愛着は時を経た現在でも全く色褪せていません。
編集部からは「(前略)テムジンさんの出演はどうでしょうかねぇ?(中略)それにしても動機がちょっと…というかすんごく、ふ・じゅ・ん(笑)。小学生の読者の方もいるのだから、もう少し自粛気味の意見を求むぞー。っていっても、選んだのは私ダス!」とのレスポンスがあり、不純な動機を諌(いさ)めながらも同調したい本心が垣間見えます。
この投稿を読むまでは「蒙古雷撃弾」や「キ○肉バスター」に開脚のエロスを感じた事はありませんでしたが、「大股開き…いや、もとい、開脚をおがむことができた」との指摘によって開脚技のエロスに目覚めました。
個人的カミングアウトとなりますが、バスター技リョナの美学を追求するようになった(と言うのは大袈裟ですが)のは上記の投稿を読んだのがキッカケだったのです。
それくらい、嵐を呼ぶ男氏の言葉は心に響くものがありました!
自分の黒歴史を披露するようで恐縮ですが、「THE KING OF FIGHTERS'96」の稼動後、生足アテナや神楽ちづるが蒙古雷撃弾を喰らう姿を見られない鬱憤を晴らそうと鷹岬涼先生の「ザ・キング・オブ・ファイターズ’94外伝」を参考に自己流のKOF漫画を描いた事があります。
一応のストーリーはあるものの、三人の女性キャラクター(ちづる、マチュア、アテナ)がルガールとゲーニッツを合体させたようなボスキャラと戦って一方的にボコられるだけのリョナ漫画でした……。
当時のノートは10年近く前に処分してしまったので現存しませんが、一人一回は必ず股裂き関節技かバスター技で恥ずかしいポーズをさせた事を今でもハッキリ覚えています。
嵐を呼ぶ男氏の願望はシリーズ第13作目「THE KING OF FIGHTERS XIII」でも叶わず、基本ストーリーと密接な関わりのあるキャラクターが優遇されるようになってしまった現在、テムジンの参戦は絶望的と言えるでしょう(そもそも、テムジン自身が一作限りで消えた不遇のキャラクターでしたから……)。
このような絶望的状況下、不知火舞が蒙古雷撃弾を喰らうイラストがpixivへアップされました。
イラストの作者はY.F.氏。
稀代のバスター技絵師として知られるYOSHITORA(旧名・モンコレ)氏の大ファンだけあって技絵の完成度は高く、開脚ショットとリョナの美学が存分に発揮されています。
幸いにもY.F.氏からイラスト転載の許可を頂けたので以下に技絵3点を掲載します。
蒙古雷撃弾に苦しむ舞の姿、存分に御堪能下さい。

(C)Y.F.

(C)Y.F.
格闘ゲーム黄金期が過ぎ去った後も熱心なファンの支えで発行が続けられたものの、SNKが倒産する直前の2000年末に惜しまれつつ廃刊しています。
メーカー公認の専門誌でありながら某週刊ゲーム雑誌よりも情報掲示が遅く、その事を指摘した投書が某ゲーム雑誌に載った事もあったとか……。
奥付を欠いているので掲載号は不詳ですが、かつて『ネオジオフリーク』に以下のような読者投稿が掲載されました。
内容から察するに1996年春頃の投稿だと思われます。投稿者は愛知県の嵐を呼ぶ男氏。
バスター技の魅力と必要性が熱く語られており、その熱意を汲んで全文転載させて頂きます。
KOF'96に希望するテムジンの復活!!
今思えば『龍虎の拳2』のテムジンは、男の野望だ!!
それは、あの技「蒙古雷撃弾」(キ○肉バスター)である!!
あの技のおかげで、全国のスケベなやからは、ユリちゃんはキング様の大股開き…いや、もとい、開脚をおがむことができたのだ。
だからもし、KOF'96にテムジンが出るながらば、アテナちゃんや舞ちゃんのも…!!
うお~っ、舞ちゃんの開脚には、たまらないものがありますなぁ…。
全国のスケベな男たちよ、KOF'96では、ぜひテムジン復活を願おう!!
SNK様、ダメ~?
行間から蒙古雷撃弾への愛着が感じられ、その愛着は時を経た現在でも全く色褪せていません。
編集部からは「(前略)テムジンさんの出演はどうでしょうかねぇ?(中略)それにしても動機がちょっと…というかすんごく、ふ・じゅ・ん(笑)。小学生の読者の方もいるのだから、もう少し自粛気味の意見を求むぞー。っていっても、選んだのは私ダス!」とのレスポンスがあり、不純な動機を諌(いさ)めながらも同調したい本心が垣間見えます。
この投稿を読むまでは「蒙古雷撃弾」や「キ○肉バスター」に開脚のエロスを感じた事はありませんでしたが、「大股開き…いや、もとい、開脚をおがむことができた」との指摘によって開脚技のエロスに目覚めました。
個人的カミングアウトとなりますが、バスター技リョナの美学を追求するようになった(と言うのは大袈裟ですが)のは上記の投稿を読んだのがキッカケだったのです。
それくらい、嵐を呼ぶ男氏の言葉は心に響くものがありました!
自分の黒歴史を披露するようで恐縮ですが、「THE KING OF FIGHTERS'96」の稼動後、生足アテナや神楽ちづるが蒙古雷撃弾を喰らう姿を見られない鬱憤を晴らそうと鷹岬涼先生の「ザ・キング・オブ・ファイターズ’94外伝」を参考に自己流のKOF漫画を描いた事があります。
一応のストーリーはあるものの、三人の女性キャラクター(ちづる、マチュア、アテナ)がルガールとゲーニッツを合体させたようなボスキャラと戦って一方的にボコられるだけのリョナ漫画でした……。
当時のノートは10年近く前に処分してしまったので現存しませんが、一人一回は必ず股裂き関節技かバスター技で恥ずかしいポーズをさせた事を今でもハッキリ覚えています。
嵐を呼ぶ男氏の願望はシリーズ第13作目「THE KING OF FIGHTERS XIII」でも叶わず、基本ストーリーと密接な関わりのあるキャラクターが優遇されるようになってしまった現在、テムジンの参戦は絶望的と言えるでしょう(そもそも、テムジン自身が一作限りで消えた不遇のキャラクターでしたから……)。
このような絶望的状況下、不知火舞が蒙古雷撃弾を喰らうイラストがpixivへアップされました。
イラストの作者はY.F.氏。
稀代のバスター技絵師として知られるYOSHITORA(旧名・モンコレ)氏の大ファンだけあって技絵の完成度は高く、開脚ショットとリョナの美学が存分に発揮されています。
幸いにもY.F.氏からイラスト転載の許可を頂けたので以下に技絵3点を掲載します。
蒙古雷撃弾に苦しむ舞の姿、存分に御堪能下さい。


(C)Y.F.


(C)Y.F.
「魔法少女まどか☆マギカ Another」 正月風景
【はじめに】
2012年になったかと思えば、早くも正月三ヶ日が終わろうとしています。まさに「光陰矢の如し」。昔の人は上手い事を言いました。
明日から慌ただしい日常が戻り、のんびりした楽しい正月ともお別れです。そこで今さらながら「正月」をテーマにしたコント三編を書いてみました。
思ったよりも正月らしい内容には仕上がりませんでしたが……気軽に読み流して頂ければ幸いです。
≪黒ヒゲ危機一髪≫
ザクッ。
Qべえ「鹿目まどか、セーフ」
ザクッ。
Qべえ「美国織莉子、セーフ」
ザクッ。
Qべえ「暁美ほむら、セーフ」
ザクッ。
Qべえ「呉キリカ、セーフ」
ザクッ。
Qべえ「千歳ゆま、セーフ」
ザクッ。
Qべえ「佐倉杏子、セーフ」
樽を突き刺す玩具のナイフが増えるにしたがい、徐々に一座の緊張が高まってくる。
Qべえ「次は君の番だ、美樹さやか。どこを刺すんだい?」
さやか「う~ん。悩むなあ」
ほむら「早くしなさい、美樹さやか」
さやか「よしッ、ここだ。えい」
ザクッ。
Qべえ「美樹さやか、セーフ」
さやか「ふぅ。本当に危機一髪だったわぁ」
Qべえ「次は君の番だよ、マミ」
マ ミ「わかっているわ」
手元の箱からナイフを取ったマミは自分の直感を信じ、正面の穴にナイフを刺した。
マ ミ「えいッ」
ザクッ。ビヨ~ン。
樽の中から黒ヒゲの首が勢いよく呼び出した。
マ ミ「そ、そんな……」
Qべえ「巴マミ、アウト~」
マ ミ「……」
Qべえ「まさかシャルロッテに首をもがれた君が黒ひげの首を飛ばすとはビックリしたよ」
まどか「マ、マミさん……」
さやか「こ、このゲームってさぁ……。黒ヒゲが飛び出すんじゃなかったの?」
杏 子「どういうことだ。おいッ、首が飛んでるじゃねえか」
Qべえ「ああ、これは『黒ヒゲ危機一髪』のパチモノだよ。その名も『マミマミ危機一髪』。黒ヒゲの首だけが吹ッ飛ぶんだ」
杏 子「テメェは……何てことを……」
Qべえ「まさかマミが「アタリ」を引くとはねぇ。僕も予想していなかったよ」
キリカ(『マミマミ危機一髪』って……センスのない商品名だなぁ。『黒ひゲイ危機一髪』みたいな凝った商品名にできなかったのかなぁ?)
≪双六≫
さやか「えいッ」
盤上を転がるサイコロの目は六。
Qべえ「美樹さやか、六マス進む」
トン、トン、トン、トン、トン、トン。
Qべえ「え~と。このマスは『淡い恋心を抱いていた幼馴染に告白するも失恋。親友に恋人を寝取られた絶望から魔女化する。10回休み』だって」
さやか「……。あたしって、ほんとバカ」
杏 子「それッ」
盤上を転がるサイコロの目は四。
Qべえ「佐倉杏子、四マス進む」
トン、トン、トン、トン。
Qべえ「え~と。このマスは『魔法少女の契約を結んだ事で魂をソウルジェムに変えられる。肉体はマリオネットの人形と同じ役目になり人間としての尊厳を奪われた。10回休み』だって」
さやか「チッ、なんて事だ。それじゃゾンビにされたようなもんじゃないか」
ゆ ま「それ~」
盤上を転がるサイコロの目は一。
Qべえ「千歳ゆま、一マス進む」
トン、。
Qべえ「え~と。このマスは『泥棒風呂に失敗。警察に補導される。5回休み』だって」
ゆ ま「ふえ~ん。ごめんなさい、おまわりさ~ん」
ほむら「ほむッ」
盤上を転がるサイコロの目は三。
Qべえ「暁美ほむら、三マス進む」
トン、トン、トン。
Qべえ「え~と。このマスは『一緒に戦う魔法少女のソウルジェムの穢れが限界に達した。自分のソウルジェムも濁りきる寸前。残った一つのグリーフシードを誰の為に使うか決めろ。自分か、相手か。選ばれなかった者は魔女となり10回休みとなる。なお、この場合の相手とは右隣に座るプレイヤーを指す』だって。どうするんだい?」
ほむら(右隣に座っているのは……まどか! それならば考えるまでもないわ)
Qべえ「さあ、君の答えを聞かせてくれないか?」
ほむら「もちろん相手のソウルジェムを浄化するわ」
まどか「ほ、ほむらちゃん……」
ほむら「そんな顔をしないで。わたしは10回休みになってしまったけれど、貴女を助ける事はできた。まどかが救われただけで満足よ」
織莉子「それッ」
盤上を転がるサイコロの目は六。
Qべえ「美国織莉子、六マス進む」
トン、トン、トン、トン、トン、トン。
Qべえ「え~と。このマスは『父親が収賄罪により逮捕。汚職役人の娘として世間から後指をさされ、学校でもクラスメイトから嘲笑される。高潔だと思っていた父親の本当の姿を知り、精神的ダメージを受けた影響で10回休み』だって」
織莉子「う、裏切られた……お父様に」
キリカ「そぉれ」
盤上を転がるサイコロの目は五。
Qべえ「呉キリカ、五マス進む」
トン、トン、トン、トン、トン。
Qべえ「え~と。このマスは『大好きな人に叱られてショックを受け自己嫌悪に陥る。5回休み』だって」
キリカ「大好きな織莉子があたしを叱る筈がない。愛は無限に有限だよ」
マ ミ「ティロッ」
盤上を転がるサイコロの目は二。
Qべえ「巴マミ、三マス進む」
トン、トン、トン。
Qべえ「え~と。このマスは『ソウルジェムが魔女の卵だと知り発狂し、仲間を射殺してから自分のソウルジェムを破壊して自害。ゲームオーバーになる』だって」
マ ミ「ソウルジェムが魔女を産むなら……みんな死ぬしかないじゃない! わたしも……みんなも…」
まどか「ていッ」
盤上を転がるサイコロの目は六。
Qべえ「鹿目まどか、六マス進む」
トン、トン、トン、トン、トン、トン。
Qべえ「え~と。このマスは『インキュベーターでさえ測定できない魔力と因果律を持った少女として「魔法少女の契約」を迫られる。その資質=サイコロの目に応じた願い事を一つだけ叶えられる』だって」
まどか「わたしの願い。それは……」
Qべえ「それは?」
まどか「過去のトラウマを思い出させたり、心の傷を抉ったりするようなマスを全て消し去りたい。ゴールを目指すみんなを泣かせたくない、最後まで笑顔でいてほしい。それを邪魔するマスなんて壊してみせる、変えてみせる。これがわたしの願い。さあ、叶えてよ。インキュベーター!」
≪カルタ≫
Qべえ「それじゃ詠むよ。『まどかを守る時間遡行者』」
まどか「はいッ」
ほむら(わたしの事を詠んだ札だわ。ま、まどかに取ってもらえるなんて……本望だわ)
Qべえ「それじゃ次の札を詠むよ。『変わりたい! 優しい織莉子を守る為』」
織莉子「はいッ」
キリカ(やった。織莉子が取ってくれた!)
Qべえ「それじゃ次の札を詠むよ。『露悪なツンデレ杏子ちゃん』」
さやか「はいッ」
杏 子(あたしの札を取ってくれた。さすが未来の嫁だな、さやか)
Qべえ「それじゃ次の札を詠むよ。『失恋して泣く早乙女先生』」
まどか「……」
さやか「……」
ほむら「……」
杏 子「……」
織莉子「……」
キリカ「……」
ゆ ま「……」
マ ミ「……。は、はいッ」
Qべえ「それじゃ次の札を詠むよ。『キリカの欠片(かけら)で最後の一撃』」
キリカ「はいッ」
織莉子「わたしを詠んだ札はキリカが取ってくれたのね。嬉しいわ」
Qべえ「それじゃ次の札を詠むよ。『強くて優しいマミ先輩』」
ゆ ま「は~い」
マ ミ「うふふふふ。ゆまちゃんに取ってもらえるなんて光栄だわ」
Qべえ「それじゃ次の札を詠むよ。『許さない! 杏子をイジめる悪いヤツ』」
杏 子「はいッ」
ゆ ま「うわ~い。杏子が取ってくれたぁ」
Qべえ「それじゃ次の札を詠むよ。『親友に幼馴染を寝取られた 悲劇のヒロイン・美樹さやか』」
さやか「……」
まどか「……」
マ ミ「……」
ほむら「……」
織莉子「……」
キリカ「……」
ゆ ま「……」
杏 子(チッ、なんて札だ。……しかたねえ、空気を読んであたしが取るか)「は、はいッ」
Qべえ「それじゃ最後の札を詠むよ。『絶望を希望に変える奇跡の女神』」
さやか「は……いぃぃぃ」
ほむら「……はいッ」
まどか「うぇひひ。わたしの札はほむらちゃんが取ってくれたんだ。お互いに札が取れて良かったね」
ほむら「ええ。そうね」
さやか(小声で)「怖かったぁ。マジで殺(や)られるかと思ったよ」
杏 子(小声で)「あっはははは。札を取る直前で手を止めるなんて、KYなさやかにしちゃ賢い選択だったな」
【あとがき】
新年最初の「魔法少女まどか☆マギカ」のSSはコント仕立ての掌編集となりました。
2011年内に完結させられなかった「加音町クリスマス大音楽祭」は大まかなストーリーが出来上がっているので時期を逸したものの、最後まで書き続けたいと思います。
ただ、時間の都合もあって完結は2月にまで延びてしまいそうですが……。
予定は未定とも言いますので、この場を借りて2012年上半期に於ける当ブログの更新内容を幾つか予告させて頂きます。
現時点では、中世ヨーロッパを舞台にしたロマンホラー「シュバリエ」(作=冲方丁/画=夢路キリコ),「SHADOW LADY」(柱正和),「PIECES(6) HELLCAT」(士郎正宗)の紹介、「ウルトラクイーン」のSS、「ゴージャス・アイリン」の二次創作SS、「ストリートファイター×鉄拳」発売記念イラスト特集を6月までに完了させる予定となっています。
諸事情から今年も不定期更新になりますが、上記のリストに興味ある作品があれば、当ブログの事を思い出した時にでも御訪問下さい。
2012年になったかと思えば、早くも正月三ヶ日が終わろうとしています。まさに「光陰矢の如し」。昔の人は上手い事を言いました。
明日から慌ただしい日常が戻り、のんびりした楽しい正月ともお別れです。そこで今さらながら「正月」をテーマにしたコント三編を書いてみました。
思ったよりも正月らしい内容には仕上がりませんでしたが……気軽に読み流して頂ければ幸いです。
≪黒ヒゲ危機一髪≫
ザクッ。
Qべえ「鹿目まどか、セーフ」
ザクッ。
Qべえ「美国織莉子、セーフ」
ザクッ。
Qべえ「暁美ほむら、セーフ」
ザクッ。
Qべえ「呉キリカ、セーフ」
ザクッ。
Qべえ「千歳ゆま、セーフ」
ザクッ。
Qべえ「佐倉杏子、セーフ」
樽を突き刺す玩具のナイフが増えるにしたがい、徐々に一座の緊張が高まってくる。
Qべえ「次は君の番だ、美樹さやか。どこを刺すんだい?」
さやか「う~ん。悩むなあ」
ほむら「早くしなさい、美樹さやか」
さやか「よしッ、ここだ。えい」
ザクッ。
Qべえ「美樹さやか、セーフ」
さやか「ふぅ。本当に危機一髪だったわぁ」
Qべえ「次は君の番だよ、マミ」
マ ミ「わかっているわ」
手元の箱からナイフを取ったマミは自分の直感を信じ、正面の穴にナイフを刺した。
マ ミ「えいッ」
ザクッ。ビヨ~ン。
樽の中から黒ヒゲの首が勢いよく呼び出した。
マ ミ「そ、そんな……」
Qべえ「巴マミ、アウト~」
マ ミ「……」
Qべえ「まさかシャルロッテに首をもがれた君が黒ひげの首を飛ばすとはビックリしたよ」
まどか「マ、マミさん……」
さやか「こ、このゲームってさぁ……。黒ヒゲが飛び出すんじゃなかったの?」
杏 子「どういうことだ。おいッ、首が飛んでるじゃねえか」
Qべえ「ああ、これは『黒ヒゲ危機一髪』のパチモノだよ。その名も『マミマミ危機一髪』。黒ヒゲの首だけが吹ッ飛ぶんだ」
杏 子「テメェは……何てことを……」
Qべえ「まさかマミが「アタリ」を引くとはねぇ。僕も予想していなかったよ」
キリカ(『マミマミ危機一髪』って……センスのない商品名だなぁ。『黒ひゲイ危機一髪』みたいな凝った商品名にできなかったのかなぁ?)
≪双六≫
さやか「えいッ」
盤上を転がるサイコロの目は六。
Qべえ「美樹さやか、六マス進む」
トン、トン、トン、トン、トン、トン。
Qべえ「え~と。このマスは『淡い恋心を抱いていた幼馴染に告白するも失恋。親友に恋人を寝取られた絶望から魔女化する。10回休み』だって」
さやか「……。あたしって、ほんとバカ」
杏 子「それッ」
盤上を転がるサイコロの目は四。
Qべえ「佐倉杏子、四マス進む」
トン、トン、トン、トン。
Qべえ「え~と。このマスは『魔法少女の契約を結んだ事で魂をソウルジェムに変えられる。肉体はマリオネットの人形と同じ役目になり人間としての尊厳を奪われた。10回休み』だって」
さやか「チッ、なんて事だ。それじゃゾンビにされたようなもんじゃないか」
ゆ ま「それ~」
盤上を転がるサイコロの目は一。
Qべえ「千歳ゆま、一マス進む」
トン、。
Qべえ「え~と。このマスは『泥棒風呂に失敗。警察に補導される。5回休み』だって」
ゆ ま「ふえ~ん。ごめんなさい、おまわりさ~ん」
ほむら「ほむッ」
盤上を転がるサイコロの目は三。
Qべえ「暁美ほむら、三マス進む」
トン、トン、トン。
Qべえ「え~と。このマスは『一緒に戦う魔法少女のソウルジェムの穢れが限界に達した。自分のソウルジェムも濁りきる寸前。残った一つのグリーフシードを誰の為に使うか決めろ。自分か、相手か。選ばれなかった者は魔女となり10回休みとなる。なお、この場合の相手とは右隣に座るプレイヤーを指す』だって。どうするんだい?」
ほむら(右隣に座っているのは……まどか! それならば考えるまでもないわ)
Qべえ「さあ、君の答えを聞かせてくれないか?」
ほむら「もちろん相手のソウルジェムを浄化するわ」
まどか「ほ、ほむらちゃん……」
ほむら「そんな顔をしないで。わたしは10回休みになってしまったけれど、貴女を助ける事はできた。まどかが救われただけで満足よ」
織莉子「それッ」
盤上を転がるサイコロの目は六。
Qべえ「美国織莉子、六マス進む」
トン、トン、トン、トン、トン、トン。
Qべえ「え~と。このマスは『父親が収賄罪により逮捕。汚職役人の娘として世間から後指をさされ、学校でもクラスメイトから嘲笑される。高潔だと思っていた父親の本当の姿を知り、精神的ダメージを受けた影響で10回休み』だって」
織莉子「う、裏切られた……お父様に」
キリカ「そぉれ」
盤上を転がるサイコロの目は五。
Qべえ「呉キリカ、五マス進む」
トン、トン、トン、トン、トン。
Qべえ「え~と。このマスは『大好きな人に叱られてショックを受け自己嫌悪に陥る。5回休み』だって」
キリカ「大好きな織莉子があたしを叱る筈がない。愛は無限に有限だよ」
マ ミ「ティロッ」
盤上を転がるサイコロの目は二。
Qべえ「巴マミ、三マス進む」
トン、トン、トン。
Qべえ「え~と。このマスは『ソウルジェムが魔女の卵だと知り発狂し、仲間を射殺してから自分のソウルジェムを破壊して自害。ゲームオーバーになる』だって」
マ ミ「ソウルジェムが魔女を産むなら……みんな死ぬしかないじゃない! わたしも……みんなも…」
まどか「ていッ」
盤上を転がるサイコロの目は六。
Qべえ「鹿目まどか、六マス進む」
トン、トン、トン、トン、トン、トン。
Qべえ「え~と。このマスは『インキュベーターでさえ測定できない魔力と因果律を持った少女として「魔法少女の契約」を迫られる。その資質=サイコロの目に応じた願い事を一つだけ叶えられる』だって」
まどか「わたしの願い。それは……」
Qべえ「それは?」
まどか「過去のトラウマを思い出させたり、心の傷を抉ったりするようなマスを全て消し去りたい。ゴールを目指すみんなを泣かせたくない、最後まで笑顔でいてほしい。それを邪魔するマスなんて壊してみせる、変えてみせる。これがわたしの願い。さあ、叶えてよ。インキュベーター!」
≪カルタ≫
Qべえ「それじゃ詠むよ。『まどかを守る時間遡行者』」
まどか「はいッ」
ほむら(わたしの事を詠んだ札だわ。ま、まどかに取ってもらえるなんて……本望だわ)
Qべえ「それじゃ次の札を詠むよ。『変わりたい! 優しい織莉子を守る為』」
織莉子「はいッ」
キリカ(やった。織莉子が取ってくれた!)
Qべえ「それじゃ次の札を詠むよ。『露悪なツンデレ杏子ちゃん』」
さやか「はいッ」
杏 子(あたしの札を取ってくれた。さすが未来の嫁だな、さやか)
Qべえ「それじゃ次の札を詠むよ。『失恋して泣く早乙女先生』」
まどか「……」
さやか「……」
ほむら「……」
杏 子「……」
織莉子「……」
キリカ「……」
ゆ ま「……」
マ ミ「……。は、はいッ」
Qべえ「それじゃ次の札を詠むよ。『キリカの欠片(かけら)で最後の一撃』」
キリカ「はいッ」
織莉子「わたしを詠んだ札はキリカが取ってくれたのね。嬉しいわ」
Qべえ「それじゃ次の札を詠むよ。『強くて優しいマミ先輩』」
ゆ ま「は~い」
マ ミ「うふふふふ。ゆまちゃんに取ってもらえるなんて光栄だわ」
Qべえ「それじゃ次の札を詠むよ。『許さない! 杏子をイジめる悪いヤツ』」
杏 子「はいッ」
ゆ ま「うわ~い。杏子が取ってくれたぁ」
Qべえ「それじゃ次の札を詠むよ。『親友に幼馴染を寝取られた 悲劇のヒロイン・美樹さやか』」
さやか「……」
まどか「……」
マ ミ「……」
ほむら「……」
織莉子「……」
キリカ「……」
ゆ ま「……」
杏 子(チッ、なんて札だ。……しかたねえ、空気を読んであたしが取るか)「は、はいッ」
Qべえ「それじゃ最後の札を詠むよ。『絶望を希望に変える奇跡の女神』」
さやか「は……いぃぃぃ」
ほむら「……はいッ」
まどか「うぇひひ。わたしの札はほむらちゃんが取ってくれたんだ。お互いに札が取れて良かったね」
ほむら「ええ。そうね」
さやか(小声で)「怖かったぁ。マジで殺(や)られるかと思ったよ」
杏 子(小声で)「あっはははは。札を取る直前で手を止めるなんて、KYなさやかにしちゃ賢い選択だったな」
【あとがき】
新年最初の「魔法少女まどか☆マギカ」のSSはコント仕立ての掌編集となりました。
2011年内に完結させられなかった「加音町クリスマス大音楽祭」は大まかなストーリーが出来上がっているので時期を逸したものの、最後まで書き続けたいと思います。
ただ、時間の都合もあって完結は2月にまで延びてしまいそうですが……。
予定は未定とも言いますので、この場を借りて2012年上半期に於ける当ブログの更新内容を幾つか予告させて頂きます。
現時点では、中世ヨーロッパを舞台にしたロマンホラー「シュバリエ」(作=冲方丁/画=夢路キリコ),「SHADOW LADY」(柱正和),「PIECES(6) HELLCAT」(士郎正宗)の紹介、「ウルトラクイーン」のSS、「ゴージャス・アイリン」の二次創作SS、「ストリートファイター×鉄拳」発売記念イラスト特集を6月までに完了させる予定となっています。
諸事情から今年も不定期更新になりますが、上記のリストに興味ある作品があれば、当ブログの事を思い出した時にでも御訪問下さい。
謹賀新年 2012年元日
激動の2011年も過ぎ去り、西暦2012年となりました。
元旦の終わりを目前に控えながらの御挨拶となりますが、明けましておめでとうございます。
文才と構成力のある方ならば気の効いた挨拶を述べてから今年の抱負を語り、読み応えがある記事を書けるのでしょうが……。そっち方面の才能に恵まれていない為、僅か数行の御挨拶で新年最初の更新とさせて頂きます。
こんなブログ管理人(=運営者)ですが、 本年も変わらぬ御愛顧の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。
文字だけでは寂しいので、昨年末からの予定通り、「魔法少女まどか☆マギカ」及び「魔法少女おりこ☆マギカ」のメンバーに御登場願い、殺風景な画面に華を添えて頂こうと思います。
イラスト執筆者は尾洲屋与之助氏。パリパリみょうが氏、パリジャン氏と同じく年末の多忙な合間を縫って新作を描いて下さいました。
尾洲屋与之助氏には厚く御礼申し上げます。
加えて、正月から自分の描いた絵を晒すようで恐縮ですが「魔法少女おりこ☆マギカ」の主要メンバー3人の集合ショットを下手ながら仕上げてみました。
尾洲屋与之助氏の作品に便乗する形となりましたが、こちらも御笑覧頂ければ幸いです……(汗)。

(C)尾洲屋与之助

(C)新京史朗
元旦の終わりを目前に控えながらの御挨拶となりますが、明けましておめでとうございます。
文才と構成力のある方ならば気の効いた挨拶を述べてから今年の抱負を語り、読み応えがある記事を書けるのでしょうが……。そっち方面の才能に恵まれていない為、僅か数行の御挨拶で新年最初の更新とさせて頂きます。
こんなブログ管理人(=運営者)ですが、 本年も変わらぬ御愛顧の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。
文字だけでは寂しいので、昨年末からの予定通り、「魔法少女まどか☆マギカ」及び「魔法少女おりこ☆マギカ」のメンバーに御登場願い、殺風景な画面に華を添えて頂こうと思います。
イラスト執筆者は尾洲屋与之助氏。パリパリみょうが氏、パリジャン氏と同じく年末の多忙な合間を縫って新作を描いて下さいました。
尾洲屋与之助氏には厚く御礼申し上げます。
加えて、正月から自分の描いた絵を晒すようで恐縮ですが「魔法少女おりこ☆マギカ」の主要メンバー3人の集合ショットを下手ながら仕上げてみました。
尾洲屋与之助氏の作品に便乗する形となりましたが、こちらも御笑覧頂ければ幸いです……(汗)。


(C)尾洲屋与之助

(C)新京史朗