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2011-07

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お嬢様の「リョナ顔」と「照れ顔」

 ファン待望のシュミレーションRPG「クイーンズゲイト スパイラルカオス」が発売してから早くも2日が経ちました。
 様々な作品から新たな美闘士が多数参戦し、激しい戦闘での脱衣やセクシーポーズ、苦悶顔を見せてくれます。
 今秋に最新作の登場が予定されている「鉄拳」シリーズからはパンモロお嬢様の異名を持つ(のでしょうか?)リリが参戦し、こちらでも長い足を駆使したパンモロ技を披露。相変わらずの豪快なアクションで新たなファンを獲得できそうな予感がします。

 YouTubeには早くもゲーム購入者によるプレイ動画がアップされ、リリの戦闘シーンも見る事ができました。
 華麗な蹴り技によるパンモロ描写が期待通りのクオリティだったうえ、スカートが捲れた恥ずかしさに赤面する様子まで描かれています。
 オリジナル作品(「鉄拳」シリーズ)では、スカート衣装にも関わらず足を高く掲げたり(デボーションキス)、大きく股を開いた蹴り技を繰り出したり(クロックキック)、羞恥心を感じさせない技を使うリリですが……どういう心境の変化でしょうか。

 2005年の秋に「鉄拳5 DARK RESURRECTION」で初登場してから6年、遂に2Dデビューを果たしたリリ。
 新たな舞台での活躍を願いながら、リリお嬢様の「リョナ顔」と(おまけの)「照れ顔」が見られる画像をタイトル別に纏めてみました。
 ドット絵、3Dモデル、イラストによるリリのエロチックな表情とポーズ、たっぷりと御覧下さい。


リリのパンモロ&リョナ画像【小】(「クイーンズブレイド スパイラルカオス」より) リリのパンモロ&リョナ画像【大】(「クイーンズブレイド スパイラルカオス」より)

リリのパンモロ&リョナ画像(「鉄拳5 DARK RESURRECTION」より) リリのパンモロ&リョナ画像(「鉄拳6」より)

リリのリョナ画像(『クイーンズゲイト 格闘令嬢 リリ』より)
(C)森田和明/バンダイナムコゲームス/ホビージャパン


 今回の記事で使用した「クイーンズブレイド スパイラルカオス」の画像は、2011年7月29日付でYouTubeへアップされた投稿動画からキャプチャーしました。動画をアップして下さった方に御礼申し上げます。
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PSP専用ソフト「クイーンズゲイト スパイラルカオス」発売

 ファン待望の新作ゲーム「クイーンズゲイト スパイラルカオス」がPlayStationPortable専用ソフトとして発売されました。
 商品に関するデーターは下記の通りです。


 【タイトル】クイーンズゲイト スパイラルカオス
 【対応機種】PlayStation Portable
 【発 売 日】2011年7月28日(木)
 【ジャンル】シミュレーションRPG
 【価  格】通常版:6,279円(税抜5,980円)
        数量限定生産版『激乱パック』:10,479円(税抜9,980円)
 【CERO規定】D(17才以上対象)
 【プレイヤー数】1人
 【特  典】激乱パック特製キラキラ仕様ビジュアルBOX
        1.figma まろん=まかろん
        2.描き下ろしイラストリキッド入りデザインパスケース
        3.激乱パック特別PKG仕様PSP®専用ソフト
        数量限定予約特典:リバーシブルバッグ
        ショップ別オリジナル特典(こちらを参照)
 【公式サイト】
 クイーンズゲイト スパイラルカオス ※バナーをクリックすると公式サイトへリンクできます。


 著名イラストレーターが描く原作イラストをドット絵で見事に再現し、滑らかなアニメーションで画面狭しと動き回る美闘士たち。
 ゲームブックでは物足りなかった興奮を味わえる事は間違いないと思います(未プレイなので想像でしか言えませんが……)。

通常版パッケージ 画面プレビュー 「激乱パック特製キラキラ仕様ビジュアルBOX」同梱アイテム
公式サイト配布「スペシャル・コンテンツ PC用壁紙」(イラスト:平田雄三) 800*600 限定版発売告知 公式サイト「クイーンズゲイト スパイラルカオス」トップ画像(イラスト:えぃわ) ※アクセスのたび、画像はランダムで変化します
(C)バンダイナムコゲームス

 公式発表されている参戦キャラクター数は全20名以上(敵キャラクターも含みます)。
 あの有名なパンチラヒロインがゲスト出演するほか、前作「クイーンズブレイド スパイラルカオス」では戦闘キャラクターとして登場しなかった4人(リスティ,アレイン,エキドナ,アルドラ)のバトル参戦も決定しています。
 レイナやトモエ、クローデット、エリナ……。歴戦の美闘士も全員再登場し、かつてないスケールの戦いになりそうです。
 登場キャラクターですが、「高貴なる戦士レイナ」(3Dモデリング:M-RS),「運命のくノ一 かすみ」(イラスト:さんば挿),「剣姫軍師 真田幸村」(イラスト:有馬啓太郎)の3名が参戦見送りとなっています。
 新規参戦のノエル=ヴァーミリオンですが、公式サイトの商品情報によれば2011年8月12日にゲームブック版が発売予定との事でした。


参戦美闘士1 クイーンズブレイド
参戦美闘士3 クイーンズブレイド スパイラルカオス 参戦美闘士2 クイーンズゲイト
参戦美闘士4 クイーンズゲイト スパイラルカオス(敵勢力) 参戦美闘士5 クイーンズゲイト スパイラルカオス(ギャル型モンスター)
(C)バンダイナムコゲームス/ホビージャパン


 登場キャラクターの声優情報、イラスト担当者は以下の通りです。
 ゲーム発売に先駆けて公開されたプロモーション映像でリリの声を聞きましたが、勇ましさと淑女らしさを併せ持った声で安心しました。極端にゴスロリお嬢様を意識した声優選びになるのではないかと心配していましたが杞憂でした。
 ディズィーの声も「ギルティギア」シリーズから藤田女史が引き継いで担当されており、こちらも一安心です。
 各情報は「クイーンズゲイト スパイラルカオス」公式サイトの情報を参照し、一部を「【PSP】クイーンズブレイド/ゲイト スパイラルカオス総合40」で補いました。


【クイーンズゲイト参戦組】

 ・門を開く者 アリス(CV:植田佳奈/イラスト:Niθ)
 ・魔法少女 虹原いんく(CV:田村ゆかり/イラスト:POP)
 ・紅の忍 不知火舞(CV:小清水亜美/イラスト:泉まひる)
  ※「THE KING OF FIGHTERS」シリーズ」での声優は曽木亜古弥(旧名・曽木康代)女史。
 ・恩を返すもの いろは(CV:新堂真弓/イラスト:唯々月たすく)
  ※「サムライスピリッツ 天下一剣客伝」での声優は高橋美佳子女史。
 ・聖弓の射手 真鏡名ミナ(CV:田中理恵/イラスト:しのづかあつと)
  ※「サムライスピリッツ 零」シリーズでの声優は雪野五月(旧名・雪乃五月)女史、「サムライスピリッツ 天下一剣客伝」での声優は大沢つむぎ女史。
 ・運命の子 ディズィー(CV:藤田佳寿恵/イラスト:井上巧)
  ※「ギルティギア」シリーズと同じ藤田佳寿恵女史がディズィーの声を担当。
 ・密林(ジャングル)の守護者 チャムチャム(CV:喜多村英梨/イラスト:BLADE)
  ※「サムライスピリッツ 天下一剣客伝」での声優は大沢つむぎ女史、それ以外のタイトルでは千葉麗子女史が声優。
 ・格闘令嬢 リリ(CV:佐藤利奈/イラスト:森田和明)
  ※「鉄拳」シリーズでの声優はJoy Jacobson(本編)、Rachel Hirschfield(シナリオキャンペーンモード)。
 ・一年A組委員長 服部絢子(CV:日笠陽子/イラスト:ズンダレぽん)
  ※アニメ版「一番うしろの大魔王」と同じく、日笠陽子女史が服部絢子の声を担当。
 ・赤銅の人形遣い カーチャ(CV:平野綾&日笠陽子/イラスト:フッズエンタテインメント)
  ※アニメ版「聖痕のクェイサー」と同じく、カーチャの声を平野綾女史、桂木華の声を日笠陽子女史が担当。
 ・覚醒せし剣姫 柳生十兵衛(CV:悠木碧/イラスト:泉まひる)
  ※アニメ版「百花繚乱サムライガールズ」と同じく、悠木碧女史が柳生十兵衛の声を担当。
 ・ペインキラー琴音ちゃん(CV:小島めぐみ/イラスト:井上純弌)
 ・絡みつく孤高の刃 アイヴィー(CV:冬馬由美/イラスト:2号)
  ※「ソウルキャリバー」シリーズと同じ冬馬由美女史がアイヴィーの声を担当。
 ・蒼の継承者 ノエル=ヴァーミリオン(CV:近藤佳奈子/イラスト:高槻ナギー)
  ※「BLAZBLUE」シリーズと同じ近藤佳奈子女史がノエルの声を担当。

【スペシャル参戦キャラクター】
 ・愛の戦士 ワンダーモモ(CV:桃井はるこ/イラスト:ぽよよん♥ろっく)

【オリジナルキャラクター】
 ・マジカルパティシエ まろん=まかろん(CV:中原麻衣/イラスト:ぽよよん♥ろっく)

【クイーンズゲイト スパイラルカオス参戦組】
 ・うさぎんアイドル ルーナ(CV:藤田咲/キャラクターデザイン&イラスト:石田敦子)
 ・グラビティガンナー アイネ(CV:金元寿子/キャラクターデザイン&イラスト:後藤圭二)
 ・戦場の死神 ヒュミナ(CV:水原薫/キャラクターデザイン&イラスト:古賀誠)
 ・ニャンダフルパティシエ アリュッタ=カトゥス(CV:下田麻美/イラスト:ぽよよん♥ろっく)

【ギャル型モンスター】
 ・オードリィ プラム(CV:松嵜麗/イラスト:Y人)
 ・ラブリラ アニー(CV:山本彩乃/イラスト:大塚真一郎)
 ・九尾の狐 天狐(CV:たなか久美/イラスト:古賀誠)
 ・剣竜鬼 ステラ(CV:阿久津加菜/イラスト:ムラナコ)
 ・照竜鬼 ティノ(CV:青木紀子/イラスト:ムラナコ)
 ・フェィアリー シャルロット(CV:五十嵐裕美/イラスト:後藤圭二)

【クイーンズブレイド参戦組】 ※音声は新規収録。イラスト担当者名は「クイーンズブレイド」公式サイトを参照。
 ・流浪の戦士 レイナ(CV:川澄綾子/デザイン:久行宏和/イラスト金子ひらく)
 ・荒野の義賊 リスティ(CV:甲斐田裕子/イラスト:えぃわ)
 ・牙の暗殺者 イルマ(CV:鹿野優以/イラスト:赤賀博隆)
 ・森の番人 ノワ(CV:高橋美佳子/イラスト:平田雄三)
 ・武者巫女 トモエ(CV:能登麻美子/イラスト:えぃわ)
 ・歴戦の傭兵 エキドナ(CV:甲斐田ゆき/イラスト:F.S)
 ・古代の女王 メナス(CV:後藤邑子/イラスト:F.S)
 ・近衛隊長 エリナ(CV:水橋かおり/イラスト:久行宏和)
 ・冥土へ誘う者 アイリ(CV:伊藤かな恵/イラスト:高村和宏)
 ・光明の天使 ナナエル(CV:平野綾/イラスト:空中幼彩)
 ・武器屋 カトレア(CV:柚木涼香/イラスト: 金子ひらく)
 ・炎の使い手 ニクス(CV:田中理恵/イラスト:黒木雅弘)
 ・帝都の聖女 メルファ(CV:大原さやか/イラスト:ズンダレぽん)
 ・千変の刺客 メローナ(CV:釘宮理恵/イラスト:F.S)
 ・雷雲の将 クローデット(CV:田中敦子/デザイン:久行宏和/イラスト:2号)
 ・鋼鉄姫 ユーミル(CV:齋藤彩夏/イラスト:みぶなつき)
 ・戦闘教官 アレイン(CV:喜多村英梨/イラスト:松竜)
 ・逢魔の女王 アルドラ(CV:竹内美優/イラスト:かんたか)

【クイーンズブレイド スパイラルカオス参戦組】
 ・見習い戦士 キュート?(CV:斎藤桃子/イラスト:ぽよよん♥ろっく)
 ・魔法使い ドーラ(CV:日笠陽子/イラスト:未詳)
 ・吸血姫 ラミカ(CV:矢作紗友里/イラスト:未詳)
 ・双角鬼 ケラット(CV:井口裕香/イラスト:未詳)
 ・女郎蜘蛛 アラネ(CV:佐藤聡美/イラスト:未詳)
 ・ハーピーピュイア(CV:藤村歩/イラスト:未詳)

 
 今回の記事で使用した画像は「クイーンゲイト スパイラルカオス」公式サイト、通販サイトamazonから採取し、一部を加工したうえで転載させて頂きました。
 また、キャラクター声優補遺については「【PSP】クイーンズブレイド/ゲイト スパイラルカオス総合40」(「2ch ゲースレまとめ@携帯型ゲーム」より)への6月3日付け投稿を参照しました。


クイーンズゲイト スパイラルカオス(通常版)クイーンズゲイト スパイラルカオス(通常版)
(2011/07/28)
Sony PSP

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 ※商品情報は通常版。

クイーンズゲイト スパイラルカオス オフィシャルガイドブッククイーンズゲイト スパイラルカオス オフィシャルガイドブック
(2011/07/29)
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 ※「クイーンズゲイト スパイラルカオス」公式ガイドブック。

クイーンズブレイド スパイラルカオス PSP the Bestクイーンズブレイド スパイラルカオス PSP the Best
(2011/05/19)
Sony PSP

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 ※前作「クイーンズブレイド スパイラルカオス」廉価版。

歴戦の勇士、再び戦地へ

 2011年7月6日、らすP氏の運営されるWEBサイト「らすとがーでぃあんP」は開設一周年を迎えました。
 らすP氏の「ウルトラレディ」シリーズは巨大ヒロイン物の同人作品として絶大なる人気を誇り、pixivには二次創作作品のイラストやSSが数多く発表されています。
 二次創作に理解ある原作者と「ウルトラレディ」シリーズを心から愛するファン。
 それぞれが相手の立場を尊重している為、本家によるオリジナル作品、ファンによるハイクオリティな二次創作作品を同時に楽しめる環境が成立していると言えるでしょう。

 8月1日と2日に予定している【夏の特別企画】では、この「ウルトラレディ」シリーズからウルトラマザー(ウルトラレディ・マリア)とウルトラクイーンの二人に御登場を頂き、前線に立って凶悪な怪獣や宇宙人と戦う姿をファンアートとして掲載します。
 もちろん、リョナやヒロピンを扱う当ブログの事。普通の戦闘シーンではなく、歴戦の勇士である女性ウルトラ戦士が手強い相手に苦戦させられピンチに陥るシーンとなります。
 今回もpixivユーザーである実力派絵師の方々に御協力頂き、ヒロピンの魅力を存分に引き立たせたイラストが揃いましたので、どうぞ御期待下さい。

 これに先駆け、作品を寄稿して下さった絵師9名の中から三神峰氏によるイラストを何点か紹介します。
 もちろん、これら以外に【夏の特別企画】用の作品を頂いており、8月には別のイラストをお見せする事ができます。
 計算された線画によるウルトラマザー&ウルトラクイーンの勇士とエロチックな姿、どうぞ心ゆくまで御堪能下さい。

伝説の戦姫らしい貫禄を見せるウルトラクイーン 永年の経験と冷静な判断力で敵の攻撃を回避 背後からの不意打ち! ウルトラクイーンに危機が迫る
(C)三神峰
ウルトラマザーの華麗なるハイキック 地球の平和を乱すカタン星人に怒りの攻撃
(C)三神峰

 上記のイラスト5点ですが、アップロードの都合により画像サイズを少し小さくしています。御了承下さい(フルサイズ版は三神峰氏のpixiv管理ページへ掲載されています)。
 また、ブログ管理人の判断によってイラストの余白部分をカットさせて頂いた作品もありますが、閲覧するうえで影響はありません。

 最後になりましたが、イラスト転載を御快諾下さった三神峰氏に厚く御礼申し上げます。

美女の喉首を絞めつける分銅縄(吉川英治「月笛日笛」より)

 角田喜久雄氏や山手樹一郎氏の時代小説には美しい娘の受難場面が頻繁に見られ、最近のリョナラーが読んでも楽しめる作品揃いです。
 残念ながら両者の著書は軒並み絶版状態となり、現在は極一部の代表作が文庫で読めるだけですが、新刊での入手可能本は古書店で目にする機会が多く、うまくすれば1冊数百円で入手できるタイトルもあります。

 角田氏や山手氏と同じ境遇にあるのが吉川英治氏であり、こちらも新刊で入手できるのは代表作の文庫本ばかり。しかも、戦前に多くの少年少女を熱狂させたと言われる少年小説系の長編は「神州天馬侠」を除き全て絶版となってしまいました。
 絶版になった少年小説の中には美しい娘の受難場面が描かれている長編もあり、「宮本武蔵」や「三国志」の影響から歴史作家の大御所とされる吉川氏の意外な(と言えるか分かりませんが)一面を窺う事ができます。
 これら少年小説のうち「朝顔夕顔」と「やまどり文庫」に見られる美少女の受難場面は過去に紹介したので、今回は「月笛日笛」の作中に見られるヒロピン場面を取り上げようと思います。

 二管一対となっている笛の独白から始まる「月笛日笛」は、馬術師範の鬼怒川粛白と彼に恨みを抱く人々が織りなす愛憎のドラマを中核にした波乱万丈の冒険絵巻です。
 かなり長い物語なので年少読者が最後まで読み通すのは大変だったかも知れませんが、あらゆる困難や逆境にもめげずに立ち向かっていく同年輩の少年少女を応援しながら貪り読んだ事でしょう。
 現代読者の視点からすれば、「一難去ってまた一難」のパターンが何度も繰り返され、ギリギリまで追い詰められた鬼怒川粛白が強運に味方されて逃げ延びる場面の多出にウンザリするかも知れませんが……。
 極端に退屈するような長編とも言い難く、吉川作品に読みなれた読者なら新規に読んでも楽しめると思います。

 本ブログの趣旨から外れる為、「月笛日笛」の作品論や読みどころの紹介は省き、忙しい現代読者の為と言っては高慢に聴こえるかも知れませんがリョナラー必読の美味しい場面だけを手早く紹介する事にします。
 この場面は雑誌掲載時に山口将吉郎氏が挿絵としてイラスト化しており、昭和40年以降に出版された一部の収録書籍で復刻されました。


『おや、いないじゃありませんか、伴左衛門親方は』
『へ。いませんか。おかしいな。……あ、この荷倉の下で』
『どこに』
 なんの気もなく、春実は、勘八の指さした荷倉の下をのぞきこんだ。
 ぴゅっ! と一本の分銅縄がその喉首へ飛びついた。あっとおどろいて手をやったとたんに、左源太が、物かげからおどって、いきなりその足をすくってぶったおした。

【中略】
 春実も一声、
『ざんねん……』と、くちびるをかんで、叫んだ。
 いかに彼女が敏捷で、また気丈であっても、蛇のような分銅縄に、のどをまかれてしまったので、どうすることもできなかった。伴左衛門は、じぶんのてぎわに快味を持ちながら、その縄をたぐりこんだ、彼女のひっしの反抗も、悲痛なもがきも、かれのゆがんだ笑いを買うにすぎなかった。――たちまち、源太と勘八の二人がかりで、ぎりぎり巻きに、しばりつけてしまった。

≪講談社『吉川英治全集別巻2 ひよどり草紙』P313~314≫


 余談ながら、昭和52年に講談社の「吉川英治文庫」から全2本として刊行された『月笛日笛』が一番新しい収録書籍であり、30年以上も絶版状態となっています。

究極のリアリティ(芥川龍之介「地獄変」より)

 芥川龍之介氏の王朝物は『宇治拾遺物語』や『今昔物語集』から材を求めた作品が多く、高慢な天才絵仏師が芸術の為に娘を死に追いやってしまう「地獄変」も『宇治拾遺物語』に収められた説話が出典となっています。
 この短編は大正7年に『大阪日日新聞』へ発表されましたが、その当時から高い評価を得ていたと言われ、芥川氏の代表作となりました。
 現在でも芥川作品を収録している複数の文庫本で読む事ができ、時代を超えて読み継がれる作品である事を実証しています。

 大殿に才能を買われた天才絵仏師の良秀は「地獄変」の屏風絵を描く大役を与えられましたが、自分の目で見た物しか描けない良秀の創作精神は狂気に近く、真夜中に弟子を鎖で縛りあげたり、獰猛な耳木兎(みみずく)をけしかけたり、常軌を逸した行動を取ります。
 弟子たちから恐れられながらも順調に絵を仕上げていく良秀でしたが、最後の仕上げに行き詰まり、遂に「檳榔毛の車の中で女が焼け死ぬ光景を見たい」と人命軽視の願いを大殿へ申し出ました。
 高慢な良秀の態度は大殿の心象を悪くしていき、この頃になると大殿も良秀を苦々しく思うようになっていましたが、何故か彼は異常な天才絵仏師の訴えに快く応じます。

 ある晩、大殿は洛北の山荘へ良秀を呼び出し、御庭に檳榔毛の車を引き据えました。
 準備万端に整った時、大殿は仕丁へ簾を上げるよう命じます。
 車の中に乗っていたのは良秀の愛する娘でした。彼女は鎖に縛られて自由を奪われた惨らしい姿で恐怖に怯えています。
 やがて大殿の命令で車に火が点けられ、美しい娘は生きながらにして火葬されました……。
 自分の娘を目の前で焼き殺された良秀ですが、この無残な光景に取り乱す事もなく、一ヶ月後に約束の絵を仕上げて大殿に献上しました。


 大殿様は又言を御止めになって、御側の者たちに眴(めくば)せをなさいました。それから急に苦々しい御調子で、「その内には罪人の女房が一人、縛めた儘、乗せてある。されば車に火をかけたら、必定その女めは肉を焼き骨を焦して、四苦八苦の最期を遂げるであろう。その方が屏風を仕上げるには、又とないよい手本ぢや。雪のような肌が燃え爛れるのを見のがすな。黒髪が火の粉になって、舞い上るさまもよう見て置け。」
【中略】
 仰を聞くと仕丁の一人は、片手に松明(まつ)の火を高くかざしながら、つかつかと車に近づくと、矢庭に片手をさし伸ばして、簾をさらりと揚げて見せました。けたたましく音を立てて燃える松明の光は、一しきり赤くゆらぎながら、忽ち狭い車非(※はこ)の中を鮮かに照し出しましたが、車因(※とこ)の上に惨らしく、鎖にかけられた女房は――ああ、誰か見違えを致しましょう。きらびやかな繍(ぬひ)のある桜の唐衣(からぎぬ)にすべらかし黒髪が艶やかに垂れて、うちかたむいた黄金の釵子(さいし)も美しく輝いて見えましたが、身なりこそ違え、小造りな体つきは、色の白い頸(うなじ)のあたりは、そうしてあの寂しい位つつましやかな横顔は、良秀の娘に相違ございません。【後略】
【中略】
 火は見る見る中に、車蓋(やかた)をつつみました。庇(ひさし)についた紫の流蘇(ふさ)が、煽られたやうにさっと靡くと、その下から濛々と夜目にも白い煙が渦を巻いて、或は簾(すだれ)、或は袖、或は棟の金物(かなもの)が、一時に砕けて飛んだかと思う程、火の粉が雨のように舞い上る――その凄じさと云ったらございません。いや、それよりもめらめらと舌を吐いて袖格子(そでがうし)に搦(から)みながら、半空(なかぞら)までも立ち昇る烈々とした炎の色は、まるで日輪が地に落ちて、天火(てんか)が迸(ほとばし)ったようだとでも申しましょうか。前に危く叫ばうとした私も、今は全く魂を消して、唯茫然と口を開きながら、この恐ろしい光景を見守るより外はございませんでした。しかし親の良秀は――
【中略】
【前略】そうしてその車の中には――ああ、私はその時、その車にどんな娘の姿を眺めたか、それを詳しく申し上げる勇気は、到底あろうとも思われません。あの煙に咽(むせ)んで仰向(あふむ)けた顔の白さ、焔を掃(はら)ってふり乱れた髪の長さ、それから又見る間に火と変って行く、桜の唐衣の美しさ、――何と云う惨たら(ママ)しい景色でございましたろう。殊に夜風が一下(ひとおろ)しして、煙が向うへ靡いた時、赤い上に金粉を撒いたような、焔の中から浮き上って、髪を口に噛みながら、縛の鎖も切れるばかり身悶えをした有様は、地獄の業苦を目のあたりへ写し出したかと疑われて、私始め強力の侍までおのずと身の毛がよだちました。
 するとその夜風が又一渡り、御庭の木々の梢にさっ通う――と誰でも、思いましたろう。そう云う音が暗い空を、どことも知らず走ったと思ふと、忽ち何か黒いものが、地にもつかず宙にも飛ばず、鞠のように躍りながら、御所の屋根から火の燃えさかる車の中へ、一文字にとびこみました。そうして朱塗のよな袖格子が、ばらばらと焼け落ちる中に、のけ反った娘の肩を抱いて、帛(きぬ)を裂くやうな鋭い声を、何とも云えず苦しそうに、長く煙の外へ飛ばせました。
【後略】
≪ランダムハウス講談社『王朝小説集』P256~260≫
(※)このシステムでは第4水準漢字を表示できない為、「偏+旁」で表記しました。


 この後、物語は急転直下し意外な結末を迎えますが、ネタバレになってしまうので触れません。
 ただ、究極のリアリティを求めた男が悲惨な末路を辿ったとだけ書いておきます。

 CGの普及と高性能化に伴い、現在は表現方法の過激化が進む一方です。
 そんな今こそ、表現方法の過激化が極端に描かれた「地獄変」を読み返してみるのも一興かも知れません。


地獄変・邪宗門・好色・薮の中 他七篇 (岩波文庫)地獄変・邪宗門・好色・薮の中 他七篇 (岩波文庫)
(1980/04/16)
芥川 龍之介

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地獄変 (集英社文庫)地獄変 (集英社文庫)
(1991/03/20)
芥川 龍之介

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 ※「ナツイチ2009」にて表紙を久保帯人氏のイラストへ変更。
王朝小説集 (ランダムハウス講談社文庫)王朝小説集 (ランダムハウス講談社文庫)
(2007/08/02)
芥川龍之介

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 ※「地獄変」収録。
地獄変 (ホーム社漫画文庫) (MANGA BUNGOシリーズ)地獄変 (ホーム社漫画文庫) (MANGA BUNGOシリーズ)
(2010/07/01)
芥川 龍之介、未浩 他

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 ※画=未浩。
青い文学シリーズ 地獄変/蜘蛛の糸 [DVD]青い文学シリーズ 地獄変/蜘蛛の糸 [DVD]
(2010/06/25)
不明

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【晩春の特別企画】  リリお嬢様の受難 ~最終回~

≪第4話 ある令嬢の日記≫

**月**日

 今朝、お父様はイギリス支社の視察へ出張されました。
 外は雨。只でさえ憂鬱な気分が、もっと憂鬱になります。
 お父様から外出禁止を厳命されてから二週間。
 虜囚も同じの生活に退屈しておりますが、セバスチャンの厳しい監視から逃れる事は至難の技ですし、お父様に心配をかけたのですから、しばらくは大人しくいる事に致しましょう。

 窓を打つ雨の音が強くなって参りました。このぶんでは、どうやら嵐になりそうです。
 お父様は無事に現地へ到着されたのでしょうか。
 イギリスの天気は分かりませんが、何事もなく宿泊先のホテルに着いたと信じたいです。

 ……イギリスへの出張。何と皮肉な事でしょう。
 わたくしが敗北の屈辱を味わった因縁の場所に、今度はお父様が商用で出掛ける事になろうとは。



 日記を書く手を休めたリリは机の引き出しを開け、その中から雑誌記事の切り抜きを取り出した。
 切り抜きは二枚あり、そのうちの一枚は拡大写真が全面を占領している。
 その写真には、二度と思い出したくない自分の恥ずかしい姿が写っていた。
 だらしない大股開きの格好でアンダースコートを露出させ、淑女にあるまじき表情をした姿。

20**年*月、イギリスにて撮影
(C)石井高森

 ロシュフォール家の黒歴史になるであろう、何とも屈辱的なショットを撮影した写真だった。
 リリは溜息を吐き、二枚の切り抜きを傍らに置くと再びペンを執った。


 それにしても何と言う忌々しい事でしょう。
 こんな……みっともない写真がイギリスの三流ゴシップ誌に掲載させるなど夢にも思っておりませんでしたわ。
 自分への戒めも含め、傍らにある雑誌記事の一部を引用してみます。

 リリは油断していた。明らかに格下の相手に一瞬の隙をつかれて辱め技の代表格、マスッルバスターを決められてしまった! おのずと観客の目線ははリリの純白パンティーに集まるのだった。

 アンダースコートも所詮は下着。それを知っていながら、あえて女性用下着の意味で「パンティー」と記者は書いたのでしょう。
 ああ、お父様。このような痴態を晒してしまった愚かな娘をお許し下さい。

<以下、省略>


**月○○日

 昨夜来の大雨はお昼過ぎにおさまり、今夜は美しい満月が夜空に顔を覗かせております。
 このような夜は月明かりで日記を書きたくなりますが、そのような気分になれませんので止めておきましょう。

 現実と向き合う為、昨日の夜は二週間ぶりに例の切り抜きを手に取りましたが、自分の痴態を見るたびに言いようのない屈辱が胸を込み上げて参ります。
 この写真は不特定多数の人の目にふれ、至る所へ下卑た話題を提供する事でしょう。

 名前を口にするのも汚らわしい三流ゴシップ誌がお父様の目に触れたのは偶然ですが、それにしても運命とは恐ろしいものです。
 よもや、このような形でわたしくのストリートファイト旅行が露呈するとは思ってもおりませんでしたわ。
 油断が招いた敗北、あられもない痴態、そしてゴシップ雑誌の餌食にされる醜聞(スキャンダル)
 温厚なお父様が激怒したのも無理はございません。

<以下、省略>


**月△△日

 午後、サンフランシスコ在住のマーシャル・ロウ氏から国際郵便が届きました。
 御子息の出演されるカンフー映画に出演してほしいとの事。役柄は「香港へ観光に来た財閥令嬢」でした。
 せっかくの打診に良い返事を差し上げられないのは心苦しいのですが、外出禁止の身ではお引き受けする訳には参りません。
 残念に思いながらも丁重にお断り致しました。

 ロウ氏と言えば、最近では「四川料理の鉄人」としての知名度が高くなり、『The King of Iron Fist Tournament』4回出場のベテラン格闘家である事は忘れられてきたようです。
 無理もございません。前々回は第3回戦敗退、前回では第1回戦敗退という結果しか残せなかったのですから。
 アメリカ国内だけでも五軒の中国料理チェーン店を展開されているロウ氏には、今後は実業家として頑張って頂きたいものです。
 格闘家としての絶頂期を越えた今、映画監督や料理人として第二の人生を歩いた方がよろしいでしょう。

 格闘家……。何と血沸き肉踊る言葉でしょうか。今となっては懐かしい響きです。
 鍛え上げた技と肉体だけを武器に、自分自身、そして目の前の敵と戦う孤独で刺激的な競技に全てを捧げる者。
 この魅力に取り憑かれたら最後、容易に抜け出す事は叶いません。
 戦って勝利する喜び、お父様に御理解頂けない事は甚だ残念です。

 叩かれば痛みを感じ、蹴られれば苦痛を覚え、負ければ悔しさが与えられます。
 関節技の影響で試合後もダメージが残る事もありますし、恥ずかしい恰好の技を極められる事もありますが、やはり格闘技は面白いものです。

<以下、省略>


**月××日

 今でも信じたくありませんが、『全英総合格闘大会 FIGHTING MASTER』決勝戦の動画がインターネット配信されているそうです。
 カナダで知り合ったポール・フェニック氏が電子メールで知らせて下さいました。
 早速、大手動画配信サイトで検索してみたところ、「全英総合格闘大会決勝 リリVSブラックマスク」としてアップロードされておりました。
 試合開始から決着までが録画されており、それが23分6秒の動画として誰でも自由に見られるよう設定されております。
 もちろん、あの忌わしいKOシーンもございました。御丁寧に正面アングルから撮影されて。

 一度でもインターネット上に出回った画像や映像は、その瞬間から全世界へ配信され、データの完全削除は不可能になると聞きました。
 あるまじき大失態を犯したわたくしの破廉恥な姿が収められた動画ファイルは見知らぬ方のコンピュータ内に保存され、そこから大量のコピーファイルが作られて世界中へ配信される。そう思っただけでもゾッと致します。
 わたくしの……はしたない姿と悲鳴に興奮しながら、今も誰かが動画をリピート再生されている事でしょう。

<以下、省略>



【あとがき】
 予定よりも1ヶ月遅れで「晩春の特別企画」が終了となりました。お忙しい中、力作を描き下ろして下さった皆様(ななコルァ氏,エロモンド氏,まてきち氏,石井高森氏)には感謝と御礼を申し上げます。
 最終回を飾る石井高森氏のイラストもリョナ度の高い一枚に仕上がっており、一目見た瞬間からSSのアイディアが浮かんできました。
 アンドレ・ジドの「狭き門」のラスト(「アリサの日記」の部分)を意識し、日記体形式を採用してみましたが……このような文章の書き方は経験がなく、多少なりともイラストの引き立て役になれたか不安な点もあります。
 飛び散る汗や大きく開かされた両足、そして苦痛の表情。どうしても煩悩に邪魔をされてしまい、客観的な視点から冷静になって文章が書けず今回も難産でした。
 余談ながら、日記の中で延々と第三者への説明文を書き綴るのは不自然ですので、ロシュフォール氏が娘の恥ずかしい写真の掲載された雑誌を手に入れた経緯については意図的に明記を避けました。この件については、読まれた方が御自身で想像して下さい。
 また、斜体フォントの箇所は石井高森氏による作品コメントの引用です。
 石井高森氏もWEBサイトやブログを運営されておりませんが、エロモンド氏やまてきち氏と同じくpixivへ様々なイラストを発表されています。
 pixivへ登録されている方はイラストの下に記されている作者名をクリックして下さい。石井高森氏の管理ページへアクセスする事ができます。

【晩春の特別企画】  リリお嬢様の受難 ~第3回~

≪第3話 【The King of Iron Fist Tournament】Bブロック決勝戦≫

 「The King of Iron Fist Tournament 5」Bブロックは注目の対戦カードこそ少なかったが、初出場となるモナコ出身の美少女ファイターの参戦が人々の話題を集めていた。
 彼女の名前はリリ。
 どこか幼さの残る容姿とは裏腹に、若干16歳で世界予選4位通過の好成績を記録して本戦進出を果たした実力派ファイターでもある。
 戦闘スタイルは我流と言うが、ダンスを踊るような動きと予測不能な攻撃パターンには少しの無駄も隙もない。
 第1回戦でポール・フェニックスを1ラウンドKOし、第2回戦ではマーシャル・ロウを複合関節技でTKOさせた。
 試合を見ていた観客によれば、「ポールは破壊力の大きな技を連発して短時間で決着させる戦い方を得意とするが、これらの大技は外した際の隙も大きく、そこを攻め込まれて無様なKO負けをした」そうであり、「ロウの攻撃は一発一発が軽く、相手の急所を攻めて確実にダメージを与える戦法しかない。格闘家としてのキャリアが長く戦闘経験は豊富だが、逆に試合映像の数も多く、対戦相手は対処方法を見つけ易い。リリは格闘センスが良いのかロウの攻撃を全て見切り、両足と首を極める複合関節技でタップを奪った」との事だ。

 陽光輝く真夏のリゾートホテル。果てしなく広がる巨大なプールを囲うプールサイドがBブロック代表決定戦のステージに選ばれた。
 逃げる気になればプールサイドの続く限り逃げる事ができ、プールにダイブして水中へ非難する事も許されている(ただし、20カウント以内にプールから出なければリングアウト負けとなってしまう)。
 格闘大会に不向きな場所ではあるが、主催者側の意向なので出場者は文句が言えない。
 地面を硬いコンクリートに固められ、午後の陽射しを照り返しながら熱を周囲に放出する試合会場にBGMが流れ、観客達はザワめくのを止めた。
 いよいよ、Bブロック代表決定戦に臨む選手2名の入場である。

 Bブロック代表の座を賭けた第3回戦はリリとキングの対戦に決まった。
 リリは華奢な体格の少女だが、「The King of Iron Fist Tournament」の常連出場者であるポール・フェニックスやマーシャル・ロウを相手に余裕の勝利を収めており、意外なダーク・ホースとして注目されている。
 一方のキングは豪快なプロレス技で対戦相手をKOさせるパワーファイター。ベテランのプロレスラーだった初代キングからマスクを引き継いだ2代目ではあるが、実戦経験が不足している以外、その実力は初代と比べても何ら遜色がないともファンの間で囁かれている。

 20**年7月15日。午後1時。
 東側のEast Entranceからリリ、西側のWest Entranceからキングが姿を現わした。
 炎天下、両者はステージ中央に向かって歩を進める。
 あまりの暑さに辟易したのか、それともプールサイドでの試合という事を考慮したのか、彼女はグリーンの水着を着用していた。
 豊満な胸を下から覆い被せるように隠しているトップス、際どいVラインを見せるビキニパンツ。そして、腕には丸い金属製のリング。
 肌の色は健康的に日焼けしており、白蝋のような肌とは違った色気を醸し出している。
 ファッションモデルが新作水着をアピールしに来たのかと思われるリリの入場に、男性ギャラリーは思い思いのヤジを飛ばした。
 「おお~。これは何の出し物だ? 試合前にファッションショーが見られるなんて粋な演出をしてくれるぜ」
 「対戦ステージに合わせてコスチュームもコーディネイトするとは、さすがオシャレなお嬢様」
 「あの肌の色、たまらないねぇ。健康的に日焼けしたリリも悪くないな」
 「Bブロック最後の試合でリリちゃんの水着を拝めるとはラッキーだよなぁ」
 「あの衣装で関節技を仕掛けられたら……」
 「キングゥ~。今回もバシッと大技で極めてくれぇ。できれば、マッスルバスターでなぁ~」
 しかし、リリは外野のヤジに動じた様子も見せず、逆に挑発するような歩き方でプールサイド中央まで歩ききった。

 炎天下、初めて顔を合わせたリリとキング。
 レフェリーが二人に注意事項を説明するが、毎度の事なのでリリは耳を貸さなかった。
 「……以上です。それでは両者、定位置まで離れて下さい」
 「ガウ(分かった)」
 「分かったわ」
 ステージ中央に設定された位置から数歩下がるリリとキング。
 ギャラリーに向かって何やら説明しているレフェリーを見つめるキングに向かい、リリは人さし指を向けながら自身満々に言い放った。
 「How Long Can You Stand My Attacks?(あなたは何発で倒れてくれるのかしら?)」

リリ「あなたは何発で倒れてくれるのかしら?」
(C)まてきち

 しばらくするとスピーカーから流れていたBGMがピタリと止み、ギャラリーに何か言っていたレフェリーが二人の方に向き直った。
 いよいよ試合開始である。
 「それでは第1ラウンド、Ready……Fight!」



 Aブロック代表決定戦 キング選手に軍配!
  お嬢様ファイター、屈辱のKO☆  1Rのスピード決着

 10日間にわたる「The King of Iron Fist Tournament 5」Bブロックの全試合が昨日の午後2時をもって終了した。
 最後までコマを進めたのは、モナコ出身のリリ選手(初出場)とキング選手(出身地非公開・出場3回目)。
 この試合はBブロック(総勢8名)代表決定戦であり、勝者はAブロック代表と決勝進出を賭けて戦う権利を得る事ができる。
 破竹の勢いで勝ちを拾ってきたリリ選手だが、やはり実戦経験不足と基本体力の差は如何ともし難(がた)く、2分19秒でキング選手に屈辱のKO負けを喫してしまった。

 炎天下のプールサイドを舞台に繰り広げられた代表決定戦はキング選手の一方的な試合運びで幕を閉じたのだが、不謹慎を承知で書かせてもらえば、この試合展開に喜んだのは私一人ではなかったように思う。
 それと言うのも、リリ選手は肌の露出が多い水着スタイルで試合に臨み、結果として破廉恥な姿をギャラリーの前で晒す結果になったからである(試合中のヴィジョンが目に焼き付いて離れず、今も興奮を引きずっている。客観的なレポートにならず、文章がおかしくなってしまったら許して欲しい)。

 当日のギャラリーは男性が圧倒的に多く、しかも壁やフェンスなどの視界を遮る障害物のない開かれた対戦ステージという事もあり、これまでの観戦で最もよく試合を見る事ができた。
 この好条件に加え、リリ選手への注目度が高まっている事も作用してか、この試合の観戦チケット入手は困難を極めたと聞く。
 運よくチケットが手に入った私は幸運に恵まれていたと言えるだろうが、それ以上にリリ選手の凄い恰好を真っ正面アングルで見られた事の方が嬉しい。

 こう先走った事を書いても試合を見られなかった方には意味不明だと思うので、順を追って説明しよう。
 試合開始直後、リリ選手が先制攻撃を仕掛けた。
 得意の足技で相手を翻弄しながらも的確に1発1発をヒットさせる実力は「The King of Iron Fist Tournament 5」初出場者に思えず、さすがBブロック代表決定戦へ進出しただけの事はある。

 しかし、体が資本のプロレスラーだけあってキング選手は強かった。リリ選手の理想の打点を紙一重でズラしていたのだろう、大したダメージは受けていなかったらしい。
 右足を軸にして体を回転させ、スピードをのせたリリ選手のスピンキックを難なく両手で捕えたキング選手。そのままリリ選手の左足首を捻りながら、同時に軸となっている右足を払って転倒させた。
 硬いコンクリートの地面に体を叩きつけられたリリ選手は苦悶の表情で呻いていたが、そこへ容赦ないキング選手の追い打ちが炸裂。
 なんと……仰向けにダウンしたリリ選手の両足を大きく開かせ、股間にヘッドバッドをくらわせたのだ!!!

 これは見ている側も痛かった。ギャラリーの9割が男性だったので、私以外にも想像を絶する痛みを頭の中で思い描いた方もいた事だろう。
 ましては股間は女性にとっても急所。そこにヘッドバッドをくらったのでは勝負は見えたも同然だった。
 実際、この攻撃でリリ選手は立ちあがる気力さえも失ったらしく、股間を押さえながら苦しそうに呻いていたのだから。

 この時点でリリ選手の負けは確定していたが、念には念をと思ったのか、キング選手はトドメの駄目押しにうつった。
 キング選手は脂汗を浮かべながら悶絶するリリ選手の体を大股開きの格好で担ぎ上げ、両膝のバネを利用して勢いよく飛び上がった。
 常人離れした大技に誰もが茫然とするなか、キング選手が尻から着地する形で空から降ってきた(大袈裟ではなく、本当に「降ってきた」という表現がピッタリな技だった)。
 あまりの衝撃に耐えかねたのか硬いコンクリートの地面に亀裂が入り、ひどい所では地面を覆っていたコンクリートが大破して破片を周囲に飛び散らしている。

 もう、お分かりだろう。先に述べた「リリ選手の凄い恰好を真っ正面アングルで見られた」とは、マッスルバスターをくらった姿なのだ。
 暑さに蒸れたのか、それとも脂汗か、ジットリとしめった股間を覆う緑色のビキニが網膜に記録され、今も目を閉じれば当時の映像が鮮明に蘇るが……その事をクドクド述べるとキリがなくなるので止めておこう。

 いずれにしろ、か弱い乙女が股間攻撃とマッスルバスターのコンビネーションに耐えられる筈がなく、着地の衝撃で気を失ったリリ選手のKO負けで試合は終了した。
 TV中継が危ぶまれる試合内容だけに結果報告しか放送されないと思うが、ネット番組のプレミア映像として配信される事を強く希望したい。

 最後に特別プレゼント画像をブログ閲覧者へ配布しよう。
 あるルートから手に入れた、マッスルバスターによる試合決着の瞬間を捉えた写真である。
 写真提供者のM氏は多くを語らず、どのような経緯で撮られた写真かは不明だが、上から見下ろすアングルという事を考えると一般ギャラリーが撮影したのではなさそうだ。
 撮影者が誰であれ貴重な写真には違いない。M氏に感謝しつつ、この画像をアップする。

キングの得意技、マッスルバスターがリリに炸裂【写真撮影:M氏】
(C)まてきち

 おかげ様で「The King of Iron Fist Tournament 5」観戦レポートも4回目となった。拙い観戦記録を読みにブログへアクセスしてくれる方々に感謝しながら、この辺で筆を置かせて頂く。
 次回の観戦はCブロックの第2試合、日本出身!の風間飛鳥選手(初出場)とブラジル出身のクリスティ・モンテイロ選手(出場3回目)となる。
 レポートのアップは試合翌日の**日になると思うので、それまで御機嫌よう。

<ある格闘技ファンのブログ記事「レポート 『The King of Iron Fist Tournament』速報(4)」より>



【あとがき】
 猛暑続きの夏本番にも関わらず、タイトルが「晩春の特別企画」となっているのは変かも知れませんが……諸事情による企画遅延という事で御了承下さい。
 今回のSSは「三人称視点で始まり、一人称視点の「The King of Iron Fist Tournament」観戦記で終わらせる」構成にしてみました。
 書き始めた当初、この構成は難易度が高過ぎて自分の手には余るかと思っていたのですが、まてきち氏に描いて頂いた刺激的なイラストを見ていると不思議に道が開け、予想よりもスムーズに書けました。
 健康的に日焼けした肉感的なボディと際どい水着。この組み合わせによるマッスルバスターの技絵は(いろいろな意味で)破壊力抜群のイラストと言えるでしょう。
 御自身の予定を調節してまで御寄稿下さったまてきち氏に改めて御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
 マッスルバスターで大ダメージを負ったリリの描写がアッサリし過ぎてしまい、リョナっぽい感じが文字では伝わり辛かった点が心残りですが、下手に書き加えると無駄に話が長くなってしまいそうなので加筆は止めておきます。
 まてきち氏はWEBサイトやブログを運営されておりませんが、pixivへ様々なイラストを発表されています。
 pixivへ登録されている方はイラストの下に記されている作者名をクリックして下さい。まてきち氏の管理ページへアクセスする事ができます。

南国のヌードビーチ?(西村京太郎「鬼女面殺人事件」より)

 昭和48年に単行本書下ろし作品として発表された西村京太郎氏の「鬼女面殺人事件」は、南国の孤島を舞台にした伝奇ミステリーです。
 新幹線「ひかり76号」車中での殺人事件に端を発する連続殺人事件を描いた本作では、公害問題を扱った「汚染海域」に登場した中原正弘弁護士が探偵役として続投されました。
 徳川幕府の叱咤を受けた喜多川秀高が流された恩根島に展開される陰惨な物語は、西村氏のトラベルミステリーしか読んだ事のない読者に新鮮な驚きを与える事でしょう。

 ひょんな事から「ひかり76号」での殺人事件に関わってしまった中原弁護士は、秘書の高島京子と一緒に恩根島へ渡り、排他的な孤島に隠された秘密を探ろうと孤軍奮闘します。
 情報収集に苦労しながらも、中原弁護士は20年前の密通事件や血族結婚の悲劇に辿りつき、島の平和を願う勤行の為に山籠りした住職の秘密を探り当てました。
 江戸時代からの因習を今に残す閉鎖された環境下での問題点を浮き彫りにした物語の描き方は社会派ミステリー出身作家らしく、古典的な孤島物の本格ミステリーに現代的なスパイスを追加しています。

 全編に陰惨な雰囲気を漂わせる本作ですが、物語後半に中年男性読者を喜ばせるようなサービスショットが容易されていました。
 中原弁護士が見ているにも関わらず、風光明美な海岸で開放的になった高島京子は服を脱ぎ捨て、全裸で海に飛び込むのです(もちろん、この二人は雇主と秘書の関係から一線を越えた事はありません)。


「泳ぎたくなっちゃった」
 と、ふいに京子がいい、いきなり着ているものを脱ぎ出した。下に水着をつけていないので、生まれたままの姿になると、大きく一つ伸びをしてから海に飛び込んだ。
 ぴょこんと、海面に首を出した京子に、「大丈夫か?」と声をかけると、彼女は悠々と泳ぎ回ってから、裸のまま岩へ這いあがってきた。
 ポタポタと水滴のたれる、濡れた頭に麦ワラ帽子をのせたが、下着はつけようとせず、丸裸で、岩の上にあぐらをかいた。コバルトブルーの海と、真っ青な海のせいで、そんな、いたずらっ子のような格好が、ひどく可愛らしく見え、中原は何の照れもなく、真正面から彼女のヌードを見ることができた。
「いい身体をしているんだね」
「バスト八八。ウエスト五九、ヒップ九十。易者がいうことには、安産型ですって」
 と、京子は笑った。

【中略】
 京子は、首をかしげていってから、岩の上に立ち上がり、もう一度、海に向かって、見事なダイビングを見せた。【後略】
≪徳間ノベルス『鬼女面殺人事件』P167~168≫


 ヌードで海水浴を楽しむ京子に対し、中原弁護士は「いい身体(からだ)をしているんだね」と言いますが、不思議にも卑猥な印象は感じられず、父親が娘の成長を喜ぶようなニュアンスが感じられます。


鬼女面殺人事件 〈新装版〉 (徳間文庫)鬼女面殺人事件 〈新装版〉 (徳間文庫)
(2011/03/04)
西村 京太郎

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小悪魔女優の危機(吉村達也「トワイライトエクスプレスの惨劇」より)

 吉村達也氏は1990年代に凝った趣向の推理小説を数多く発表し、玄人向けのアイディアを惜しげもなく自作に投入していました。
 分冊形式による大長編ミステリー「時の杜殺人事件」、読む順番で事件の真相が変化する「金閣寺の惨劇」及び「銀閣寺の惨劇」、5部作の大河ミステリー「惨劇の村」シリーズ、どの巻からでも読める連作「三色の悲劇」、ナイトキャップの感覚で楽しめる「ワンナイトミステリー」シリーズ……。
 ラジオディレクターや編集者の経験を持つ吉村氏らしい読者の意表を突く展開は、当時の推理小説愛好者に強烈なインパクトを与えました(おそらく……)。
 自己改革計画を行った1998年以降は執筆量が少なくなり、その翌年からスタートした「魔界百物語」と2003年からスタートした「新・惨劇の村」五部作は未完のまま数年も放置されていますが、それでもコンスタンスに新作は発表しており、ホラー作品や温泉殺人事件シリーズの新刊を次々と書下ろしています。

 上記のような新趣向作品のネタが打ち止めに近づいてきた1995年、吉村氏は『トワイライトエクスプレスの惨劇』を角川ノベルスの一冊として刊行しました。
 大阪と札幌を約21時間(1995年当時)かけて走る豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」の車内に展開される連続殺人事件を描いた本作では、スプラッター映画も顔負けの残虐描写が見られます。
 もちろん、本格ミステリーとしての骨格もしっかりしており、クセのある人物を何名も登場させて物語を複雑化させながら、最後に意外な真犯人とトリック、そして犯行動機を読者に明かしています。

 スプラッター要素の強い「トワイライトエクスプレスの惨劇」には、僅かなお色気描写すら入り込む余地がないと思っていたのですが、悪魔的な美貌の若い女優が緊縛&猿轡で自由を奪われ殺されそうになるシーンを久しぶりの再読で見つけました。
 あまり扇情的な描写ではありませんが、殺人者の持つ出刃包丁を目前にした女優が両腕両足を縛られたまま恐怖する姿を描いた場面にリョナっぽい匂いを感じたのも事実です。


 稲垣景子が女優としてデビューしたのはわずか四年前、十九のときだったが、小悪魔的な美貌でたちまち中年男性のファンを獲得――【後略】
≪角川ノベルス『トワイライトエクスプレスの惨劇』P47≫

 稲垣景子はピンクのトレーナー姿で両腕両足を浴衣の紐で縛られ、タオルで猿轡を咬まされていた。
 その美しい顔は恐怖に凍りついている。
 しかし、死に直面してもなお、若き美しき女優の稲垣景子は、誰にも真似のできない魅惑的なオーラを発散させていた。
【後略】
≪角川ノベルス『トワイライトエクスプレスの惨劇』P326≫

浴室の未亡人(高木彬光「魔笛」より)

 明智小五郎やジョジフ・フレンチ警部、十津川省三警部。国内外を問わず、ミステリーの世界では既婚者の探偵役が数えきれないくらい存在します。
 その一方で、金田一耕助やエルキュール・ポワロ、シャーロック・ホームズのように独身のまま活躍するシリーズ探偵も多く、家庭よりも探偵活動を優先させるキャラクターも目立ちます。
 中立的立場にはアルセーヌ・ルパンがおり、彼は三回の結婚を経験しながら、いずれも相手が生涯の伴侶となる事はありませんでした。

 学生時代から天才の誉れ高かった神津恭介も独身貴族組のキャラクターですが、彼の結婚を予感させるエピソードも存在し、もしかしたら作者の高木彬光氏は神津恭介が良き伴侶を得るようになる作品を密かに構想していたのかも知れません。
 神津の親友である作家の松下研三は結婚して家庭をもっており、その親戚も神津恭介シリーズ後期の作品に姿を見せます。
 探偵役に家庭を持たせるより、インパクトのある脇役を結婚させ、その家族や親族を事件に絡ませた方がストーリーの幅が広がると高木氏は考えたのでしょうか……。深く考えすぎかも知れませんが、考察する価値はありそうなテーマです。

 閑話休題。
 生涯を独身で通した神津恭介(少なくとも高木氏の書いた作品では結婚の事実が明記されていません)は女性に対して奥手な人物でしたが、昭和25年に発表された短編「魔笛」では、そんな彼の意外な一面が垣間見れました。
 冷酷な殺人者の罠から逃れる為、柏木雪代は浴室の窓から外に脱出し、その彼女を屋外にいた神津が抱きとめます。
 神津の協力で雪代は命を落さずに済みましたが、事件解決後、雪代から「裸でお風呂の窓から飛び出したりして……さぞご迷惑なことだったでしょうね」と言われた神津は彼らしからぬ冗談を言うのでした。


 あの山腹の墓地の中には、恭介と雪代の二人が立っていた。柏木良一の墓の前に……。
「神津さん。わたくしもずいぶん、あきれたまねをしたものですわ。良人の仇をとるためとはいいながら、裸でお風呂の窓から飛び出したりして……さぞご迷惑なことだったでしょうね」
 「それはね……僕も裸の女の人を、両手で抱き上げたことは生まれてはじめての経験でした。僕はあのとき、殺された良一さんが、つくづくうらやましくなりました……」

≪角川文庫『死美人劇場』P183≫


 良人を殺された美しい未亡人に向かって「殺された良一さんが、つくづくうらやましくなりました」と冗談を言う神津恭介。普段の彼からは想像もできない、ある意味では貴重な場面です。

 全裸で浴室から逃げ出した雪代ですが、彼女が入浴するシーンも作中に描かれています。
 読者サービスのつもりだったのでしょうか。かなり細かく入浴シーンが書き込まれていました。


 雪代は黒い喪服に包んだ、美しい身を湯殿に運んだ。
 浴槽いっぱいにあふれて、なおも滾々(こんこん)と湧き出して来る温泉から、立ちのぼるやわらかな湯気はまるでこの夜の空の霧のように、雪代の全身を包んでいた。
 するすると帯を解き、さらりと肩から着物を落として、脱衣場の籠におさめると、そこには大理石の彫刻のような、女の裸像が浮かび上がった。
 名は体をあらわすというが、文字どおり雪のような、きず一つ、しみ一つない肌であった。しかも白磁のように、ふしぎな光を持っていた。いやそればかりか、まるで西洋の婦人のような、均整のとれた肉付きのよい下半身の曲線だった。子供がまだ生まれないので、胸のあたりの曲線も処女のときとちっとも変わっていない。

≪角川文庫『死美人劇場』P178≫


 余談になりますが、本作は1985年にドラマ化されており、近藤正臣氏が神津恭介を演じた「探偵神津恭介の殺人推理」シリーズの第3作「魔笛に魅せられた女」として放送されました。
 もちろん入浴シーンも映像化されており、雪代役の佳那晃子女史がセクシーな半裸姿を披露しています。
 セルDVDは廃盤となってしまいましたが、大手レンタルショップならばレンタルDVDが棚に常備されていると思います。

デーモンと戦う戦乙女(ヴァルキリー)

『POWER OF THE VALKYRIE』カヴァー(2011年発行)

 上の画像は、アメコミ『POWER OF THE VALKYRIE』のカヴァーです。
 北欧神話でも有名なヴァルキリー(VALKYRIE)を主役にした全4話構成の中編コミックスとなっており、今年の5月にソフトカバーで発売されました。

 残念ながら、この画像をスキャンした直後に現物を手放した為、どのようなストーリーだったか覚えていない(会話や説明文を理解できなかったとも言いますが……)ので内容紹介はできませんが、かなりクセのある絵柄も混じっているのでイラスト目当てに買うのは控えたほうが無難なコミックスだと思います。
 営業妨害をする訳ではありませんが、アメコミにおいて表紙と本編のイラストが全くタッチで描かれているという事は日常茶飯事。「ジャケット(=カヴァーのイラスト)が気に入ったから買おう」とネット通販やアメコミ専門店で購入し、本を開いてからガッカリする事は多々あります。
 経験者が言うのですから間違いありません!

 アメコミの制作過程は日本の漫画と異なり、この為に前述のような悲劇が発生するのです。
 アメリカにおけるコミック制作の分担システムについてはこちらで詳しく紹介されているので、興味のある方はリンク先の記事を読んでみて下さい。

 最後になりましたが、デーモン(DEMON)を相手に苦戦するヴァルキリーが描かれたシーンを紹介します。
 ヴァルキリーが苦痛に顔を歪ませながらダウンする場面が第1話の終盤に描かれており、なかなかのヒロピンぶりを読者に見せてくれました。
 この回を担当したペンシラー(PENCILER) &インカー(INKER)のコンビが収録エピソード全ての作画を担当してくれればよかったのですが……。

デーモンの攻撃で壁に叩きつけられ、強烈な一撃にダウン絶体絶命のヴァルキリー


Power of the ValkyriePower of the Valkyrie
(2011/05/31)
Darren G. Davis、Chad Rebmann 他

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Author:新 京史朗
好きな技(1):バスター技
好きな技(2):股裂き関節技
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