女王は凛々しく優しく勇ましく
勇者ロトと聖戦士が大魔王ゾーマを倒してから100年後の世界を舞台にした「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章」は、1991年から1997年にかけて『月刊少年ガンガン』へ連載されました。
時系列と一部の設定を共有していますが、ゲーム版「ドラゴンクエストⅢ ~そして伝説へ~」や「ドラゴンクエスト」とは無関係のオリジナル作品です(本文中の描写から、両作品の中間に位置する物語である事が分かります)。
川又千秋氏が原作と設定、小柳順治氏が脚本、藤原カムイ氏が漫画を担当。
掲載誌の『月刊少年ガンガン』は1991年に創刊された漫画雑誌(1996年から1998年の一時期は月2回刊行)で、少年達がバケツを叩き「ガンガン」と言いながら行進する創刊告知CMに覚えるのある方も多いと思います。
物語中盤、勇者アルスの一行は神の金属【オリハルコン】を求めて黄金の国ジパングへ向かいました。
この国にはロトと戦った怪物ヤマタノオロチが仮死状態のまま眠っており、錬金術師リハクはオリハルコンを剣に鍛える交換条件としてアルス達にオロチ討伐を言い渡します。
岩の巨兵ゴーレムを一瞬で葬り去り、受けたダメージも自己再生機能で回復させるヤマタノオロチ。
ただえさえ強大な敵が【オリハルコン】を呑みこんでしまい、進化と自己再生を繰り返した果てにエネルギーが暴走して醜悪な怪物へと姿を変えます。
外部からの攻撃では倒せない不死身のモンスターに人々は絶望を覚悟しますが、アルスは妖精ティーエと共に【オリハルコン】が秘める聖なる力を解放させ、ようやく暴走したヤマタノオロチを完全消滅させました。

(C)川又千秋/小柳順治/藤原カムイ/スクウェア・エニックス
コミックス第12巻の内容は上記の通りですが、このジパング編には国の統治者として女王イヨが登場します(この後、冥王ゴルゴナや異魔神との最終決戦でも再登場)。
気品に満ちた容姿、国民や家臣を思いやる心、自ら戦地に赴く勇ましさ。これらの要素を兼ね備えた女性キャラクターとして人気もあるようですが、残念ながら本編での出番は少ないです。
また、モンスターや怪物との直接戦闘シーンは描かれず、ルナフレアや拳王ヤオのように強敵との戦闘で傷つく姿は見られません(辛うじて、ヤマタノオロチの火炎攻撃を防ぐシーンに焦りと疲労が入り混じった表情を見る事ができる程度です)。

(C)川又千秋/小柳順治/藤原カムイ/スクウェア・エニックス

(C)川又千秋/小柳順治/藤原カムイ/スクウェア・エニックス
気が強く活発な描写の目立つイヨですが、自国兵士を傷つけたモンスターを自らの手で葬り去ったり、国民と国を守ろる為に危険を顧みずヤマタノオロチに立ち向かったり、瀕死の重傷を負ったリハクの回復を願って涙を流したり、勝気な性格ながら責任感が強く優しい一面も持ち合わせている事を伺わせるシーンも用意されています。
登場エピソードが少ないものの、こうした心の奥底に見られる責任感や優しさが男性読者の支持を得ている理由かもしれません。
今さらではありますが、女王キャラクターの基本設定である「我儘で勝気な性格」に依存しないキャラクター造型の上手さに拍手を送りたいです。
余談ですが、イヨの家臣でもあるリハクは「本当に恐ろしいのはヤマタノオロチではない」とアルスに告げます。
その理由は言わずもがな。
苦労の尽きないポジションから、つい愚痴をこぼしてしまったのかも知れません。

(C)川又千秋/小柳順治/藤原カムイ/スクウェア・エニックス
元版のガンガンコミックス全21巻は絶版になっていますが、雑誌連載中のカラーページも再現されている完全版コミックスが全15巻で刊行されています。
ジパング編はガンガンコミックス第11巻と第12巻(女王イヨの初登場は第12巻)に収録されていますが、完全版コミックスは持っていないので、こちらの収録巻数は分かりません。
※ジパング編が収録されていると思われる『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章(完全版)』第8巻。
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時系列と一部の設定を共有していますが、ゲーム版「ドラゴンクエストⅢ ~そして伝説へ~」や「ドラゴンクエスト」とは無関係のオリジナル作品です(本文中の描写から、両作品の中間に位置する物語である事が分かります)。
川又千秋氏が原作と設定、小柳順治氏が脚本、藤原カムイ氏が漫画を担当。
掲載誌の『月刊少年ガンガン』は1991年に創刊された漫画雑誌(1996年から1998年の一時期は月2回刊行)で、少年達がバケツを叩き「ガンガン」と言いながら行進する創刊告知CMに覚えるのある方も多いと思います。
物語中盤、勇者アルスの一行は神の金属【オリハルコン】を求めて黄金の国ジパングへ向かいました。
この国にはロトと戦った怪物ヤマタノオロチが仮死状態のまま眠っており、錬金術師リハクはオリハルコンを剣に鍛える交換条件としてアルス達にオロチ討伐を言い渡します。
岩の巨兵ゴーレムを一瞬で葬り去り、受けたダメージも自己再生機能で回復させるヤマタノオロチ。
ただえさえ強大な敵が【オリハルコン】を呑みこんでしまい、進化と自己再生を繰り返した果てにエネルギーが暴走して醜悪な怪物へと姿を変えます。
外部からの攻撃では倒せない不死身のモンスターに人々は絶望を覚悟しますが、アルスは妖精ティーエと共に【オリハルコン】が秘める聖なる力を解放させ、ようやく暴走したヤマタノオロチを完全消滅させました。


(C)川又千秋/小柳順治/藤原カムイ/スクウェア・エニックス
コミックス第12巻の内容は上記の通りですが、このジパング編には国の統治者として女王イヨが登場します(この後、冥王ゴルゴナや異魔神との最終決戦でも再登場)。
気品に満ちた容姿、国民や家臣を思いやる心、自ら戦地に赴く勇ましさ。これらの要素を兼ね備えた女性キャラクターとして人気もあるようですが、残念ながら本編での出番は少ないです。
また、モンスターや怪物との直接戦闘シーンは描かれず、ルナフレアや拳王ヤオのように強敵との戦闘で傷つく姿は見られません(辛うじて、ヤマタノオロチの火炎攻撃を防ぐシーンに焦りと疲労が入り混じった表情を見る事ができる程度です)。



(C)川又千秋/小柳順治/藤原カムイ/スクウェア・エニックス

(C)川又千秋/小柳順治/藤原カムイ/スクウェア・エニックス
気が強く活発な描写の目立つイヨですが、自国兵士を傷つけたモンスターを自らの手で葬り去ったり、国民と国を守ろる為に危険を顧みずヤマタノオロチに立ち向かったり、瀕死の重傷を負ったリハクの回復を願って涙を流したり、勝気な性格ながら責任感が強く優しい一面も持ち合わせている事を伺わせるシーンも用意されています。
登場エピソードが少ないものの、こうした心の奥底に見られる責任感や優しさが男性読者の支持を得ている理由かもしれません。
今さらではありますが、女王キャラクターの基本設定である「我儘で勝気な性格」に依存しないキャラクター造型の上手さに拍手を送りたいです。
余談ですが、イヨの家臣でもあるリハクは「本当に恐ろしいのはヤマタノオロチではない」とアルスに告げます。
その理由は言わずもがな。
苦労の尽きないポジションから、つい愚痴をこぼしてしまったのかも知れません。

(C)川又千秋/小柳順治/藤原カムイ/スクウェア・エニックス
元版のガンガンコミックス全21巻は絶版になっていますが、雑誌連載中のカラーページも再現されている完全版コミックスが全15巻で刊行されています。
ジパング編はガンガンコミックス第11巻と第12巻(女王イヨの初登場は第12巻)に収録されていますが、完全版コミックスは持っていないので、こちらの収録巻数は分かりません。
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黒タイツの清楚な美少女
出版不況で次々と老舗雑誌が廃刊に追い込まれる中、1998年に創刊された『COMIC天魔』(現『COMIC TENMA(コミック テンマ)』)は現在も発行が続き、堅実な編集作業で順調に巻号数を重ねています。
多数の実力派作家を主要執筆メンバーに揃えつつ、誌上通販や読者全員プレゼントに力を入れた+αの内容も充実している点が固定愛読者を獲得している秘訣かも知れません。
アダルト漫画雑誌の定番であるB5判の平綴じ製本となっており、ここ数年はうるし原智志氏の美麗なイラストが表紙を飾っています。
あどけない容姿の巨乳美少女に定評のあるヌクヌクオレンジ氏も同誌で活躍される漫画家であり、2008年8月号へ掲載された「いや~ん はりこみ会長!」で『COMIC TENMA』へデビューされました。
同誌へは既に10編を越す漫画を発表しており、近刊の2010年11月号には最新作「グッとおねだり」がカラーで掲載されています。

(C)ヌクヌクオレンジ/茜新社【画像は、えろまんがかんそうぶんより】
この最新作ですが、来月17日に茜新社から刊行予定のコミックス『グッとおねだり』へ表題作として収録される事が決定しています。
雑誌の発行が2010年10月。非常にスピーディーなコミックス化と言えるでしょう(アダルト系漫画の編集事情には疎い為、雑誌掲載から間をおかないコミックス化は珍しい事ではないのかも分かりません。この辺の事情に詳しい方、事実誤認であれば御指摘下さい)。
amazonでも予約受付が開始されているので、確実に購入されたい方には予約をお薦めします。
コミックスの刊行に先駆け、作者のヌクヌクオレンジ氏より素晴らしいイラストを頂戴しました。
黒タイツの眼鏡お嬢様・椿 絵李沙(つばき えりさ)嬢がキン肉バスターを掛けられ、あられもない痴態を晒す垂涎のショットです(辱めを受けている椿 絵李沙は『COMIC TENMA』2010年6月号掲載の「蒼碧の少女」に登場します)。
このイラストはpixivへの投稿作品として描き下ろされ、2010年11月20日付の「イラストデイリーランキング R-18」の第100位へランクインされました。
掲載誌では見る事のできない椿お嬢様の恥ずかしい姿、目の保養として存分にお楽しみ下さい。
なお、ヌクヌクオレンジ氏がpixivへ投稿された作品を御覧になりたい方は、こちらから管理ページへアクセスできます(閲覧するにはサイトへの登録が必要となります)。

(C)ヌクヌクオレンジ
この描き下ろし作品に加え、漫画本編で描かれている椿お嬢様のベストショットも紹介します。
男性教師へ足コキサービスを行いながら、大きく股を開いてタイツ越しのパンモロを披露。清楚な外見とエロチックな行為のギャップには神々しさが感じられます。

(C)ヌクヌクオレンジ/茜新社【画像は、えろまんがかんそうぶんより】

(C)ヌクヌクオレンジ
大判振る舞いとも言える今回のイラスト掲載については、原作者のヌクヌクオレンジ氏より掲載許可を頂けた事で実現しました。
この場を借り、イラスト掲載を快諾して下さったヌクヌクオレンジ氏に厚く御礼申し上げます。
多数の実力派作家を主要執筆メンバーに揃えつつ、誌上通販や読者全員プレゼントに力を入れた+αの内容も充実している点が固定愛読者を獲得している秘訣かも知れません。
アダルト漫画雑誌の定番であるB5判の平綴じ製本となっており、ここ数年はうるし原智志氏の美麗なイラストが表紙を飾っています。
あどけない容姿の巨乳美少女に定評のあるヌクヌクオレンジ氏も同誌で活躍される漫画家であり、2008年8月号へ掲載された「いや~ん はりこみ会長!」で『COMIC TENMA』へデビューされました。
同誌へは既に10編を越す漫画を発表しており、近刊の2010年11月号には最新作「グッとおねだり」がカラーで掲載されています。


(C)ヌクヌクオレンジ/茜新社【画像は、えろまんがかんそうぶんより】
この最新作ですが、来月17日に茜新社から刊行予定のコミックス『グッとおねだり』へ表題作として収録される事が決定しています。
雑誌の発行が2010年10月。非常にスピーディーなコミックス化と言えるでしょう(アダルト系漫画の編集事情には疎い為、雑誌掲載から間をおかないコミックス化は珍しい事ではないのかも分かりません。この辺の事情に詳しい方、事実誤認であれば御指摘下さい)。
amazonでも予約受付が開始されているので、確実に購入されたい方には予約をお薦めします。
コミックスの刊行に先駆け、作者のヌクヌクオレンジ氏より素晴らしいイラストを頂戴しました。
黒タイツの眼鏡お嬢様・椿 絵李沙(つばき えりさ)嬢がキン肉バスターを掛けられ、あられもない痴態を晒す垂涎のショットです(辱めを受けている椿 絵李沙は『COMIC TENMA』2010年6月号掲載の「蒼碧の少女」に登場します)。
このイラストはpixivへの投稿作品として描き下ろされ、2010年11月20日付の「イラストデイリーランキング R-18」の第100位へランクインされました。
掲載誌では見る事のできない椿お嬢様の恥ずかしい姿、目の保養として存分にお楽しみ下さい。
なお、ヌクヌクオレンジ氏がpixivへ投稿された作品を御覧になりたい方は、こちらから管理ページへアクセスできます(閲覧するにはサイトへの登録が必要となります)。

(C)ヌクヌクオレンジ
この描き下ろし作品に加え、漫画本編で描かれている椿お嬢様のベストショットも紹介します。
男性教師へ足コキサービスを行いながら、大きく股を開いてタイツ越しのパンモロを披露。清楚な外見とエロチックな行為のギャップには神々しさが感じられます。

(C)ヌクヌクオレンジ/茜新社【画像は、えろまんがかんそうぶんより】

(C)ヌクヌクオレンジ
大判振る舞いとも言える今回のイラスト掲載については、原作者のヌクヌクオレンジ氏より掲載許可を頂けた事で実現しました。
この場を借り、イラスト掲載を快諾して下さったヌクヌクオレンジ氏に厚く御礼申し上げます。
命短カシ 気高キ人妻(高木彬光「血どくろ組」より)
高木彬光氏の「魔風恋風」は、同氏の長編時代小説第4作目として書かれました。
昭和31年に東京文藝社から初刊本が出版された際に「血髑髏組」と改題され、さらに「血どくろ組」とタイトルを改めて現在に至ります。
幕府転覆の大陰謀を目論む蛇神一派を倒し、艱難辛苦の末に結ばれた桐島伊織と長島真琴。しかし、開国派の人々が署名した連判状【血髑髏文】を巡る新たな戦いの果てに二人を待ち受けていたのは悲劇的な運命でした。
長島真琴は桐島伊織と結婚した後、本来ならば幸せな新婚生活を送る筈でしたが、イタズラな運命によって夫と離れた生活を余儀なくされます。
その事情については省きますが、真琴は子供を育てながら悲しみの3年間を乳母と一緒に過ごしました。
今度の騒動でも真琴は事件の渦中に巻き込まれます。
義弟に騙されて連れ込まれた屋敷へ監禁され、その体を汚されそうになりましたが、覚えのある剣技で難を逃れました。
襲いかかる三下を相手にチャンバラを演じる真琴の姿には、誇り高く凛々しい淑女の美しさと戦うヒロインの魅力が見られます。
「武士の妻たるこの身として、万一はずかしめをうけた時の覚悟は出来ておりまする。一歩でも近づいたなら、この胸を……」
人々は思わず、その場に立ちすくんだ。懐剣の切先を左の乳房の下にあてて、真琴はつめたい笑いを浮べた。
だがその時、頭の上の松の木の枝から、ばさりと音をたてて、落ちて来た大きな投網があった。あッと叫びをあげる間もなく、真琴の体は、そのまま地上を転がって、魚のように身動きも出来ず、襲いかかって来た、男たちの組しかれてしまった。
≪ポピュラーブックス『血どくろ組』P225~226≫
「なあ、真琴、こう見えても、この孫兵衛は女にはいたってやさしい男なのだ。どんな美人の女でもわしにかかると他愛もなく……ははははは、たとえ二世を契った夫でも……ずっと家を開けつづけだった伊織のこと、まだお前には、女としての生き甲斐を十分には味わせてくれなんだろう。それをこれからこのわしが、たっぷりふるまってもやろうが」
≪ポピュラーブックス『血どくろ組』P245≫
どのような方法で、媚薬ともいうべき阿片を体内に注ぎこまれたのか、真琴は知らない。ただ、夢かこの世の出来ごとかわからない状態から眼ざめてわれに帰ったとき、真琴は自分のまわりを見まわして、ぞっと震え上らずにはおられなかった。
枕もとの金屏風、絹の夜具、そして肌もあらわな自分の姿――人妻として、武士の妻として他人に見せてはならない姿。
知らず知らずに襟口をあわせて、真琴はきりりと唇をかみしめた。夢ではない。幻ではない。もう二度と、生きて伊織の前には出られぬ――という悲痛な悔恨の情が、血の出るように、その真白な胸の中を噛んでいた。――あなた許して下さいまし、わたくしがあさはかでございました。もう二度と、お目にはかかりませぬ。どうぞお体をお大事に。
【中略】
「あッ、あれは!」
「あの女を逃がしては、後のたたりも恐ろしいぞ」
【中略】
「しまった。刀をとられたぞ」
「なに、たかが女の剣法だ。何ほどのこともあるまい」
「いや、万一のことがあっては、あとで、おとがめも、うけよう。遠まきにして、刀を落させ、傷をおわせずにからめとるのだ」
【中略】
「ええッ」
自分でも知らないうちに刀が動いて、左の男の肩先へ――生あたたかい血しぶきが、さっと顔へかえって来たときに、真琴は自分でも眼を見はった。
【中略】
叫びとともに輪は乱れ、真琴は逆に攻勢に出た。刀の重さも気にならず、またたくうちにいま一人を切りすてたとき、ピピーッと闇をやぶって、響きわたったのは呼子の笛・そして、塀の上に無数のほうづきをならべたように浮び上って来たものは、御用提灯の波だった。
【中略】
「あッ! そなたは真琴殿ではないか!」
左衛門の声も、驚きのあまりにふるえている。
「どうしてここに……この屋敷に……」
「面目次第もございませぬ。敵に、あざむかれまして……夫の危難を救おうものと……」
「うむ」
左衛門は一瞬に、何かの秘密を見やぶったようだった。火事場羽織をぬいで、真琴の背中に着せかけ、
「真琴殿。死ぬな。死のうなどと、つまらぬ考えを起こすではない。後のことは、わしが何とでもはからってとらせる」
【中略】
「真琴殿……」
左衛門丞は後をふりかえって、いたわるように、
「さ、そなたもいろいろと疲れたであろう。誰かにともをさせるゆえ、帰って休息されてはどうじゃ」
「いえ、わたくしも……おともを」
「何をいわれる・女の身で……」
「いえ、或はこれが、夫と今生の別れとなるかも知れませぬ。せめて一目を、一目なりとも……」
左衛門丞はしばらく腕を組んで考えこんでいたがやがて一人の同心に、
「其方、この屋敷の中を探して、女物の衣類を一枚見つけて参れ。真琴殿としても、この姿で道行きはなるまい……」
≪ポピュラーブックス『血どくろ組』P255~263≫
蛇神騒動が勃発した時から苦しみの多い日々を暮らしてきた美貌の人妻。
多くの人が血を流した【血髑髏文】争奪戦が終わった後、不幸続きの真琴にはハッピーエンドが訪れると思いきや、作者は信じられない結末を用意していました。
その結末とは……ネタバレを含むので書く事は控えますが、大衆娯楽小説とは思えない残酷な末路です。
気になる方は図書館で春陽文庫『血どくろ組』を借り、最後まで読んでみて下さい。驚かれる事は請け合いです。
昭和31年に東京文藝社から初刊本が出版された際に「血髑髏組」と改題され、さらに「血どくろ組」とタイトルを改めて現在に至ります。
幕府転覆の大陰謀を目論む蛇神一派を倒し、艱難辛苦の末に結ばれた桐島伊織と長島真琴。しかし、開国派の人々が署名した連判状【血髑髏文】を巡る新たな戦いの果てに二人を待ち受けていたのは悲劇的な運命でした。
長島真琴は桐島伊織と結婚した後、本来ならば幸せな新婚生活を送る筈でしたが、イタズラな運命によって夫と離れた生活を余儀なくされます。
その事情については省きますが、真琴は子供を育てながら悲しみの3年間を乳母と一緒に過ごしました。
今度の騒動でも真琴は事件の渦中に巻き込まれます。
義弟に騙されて連れ込まれた屋敷へ監禁され、その体を汚されそうになりましたが、覚えのある剣技で難を逃れました。
襲いかかる三下を相手にチャンバラを演じる真琴の姿には、誇り高く凛々しい淑女の美しさと戦うヒロインの魅力が見られます。
「武士の妻たるこの身として、万一はずかしめをうけた時の覚悟は出来ておりまする。一歩でも近づいたなら、この胸を……」
人々は思わず、その場に立ちすくんだ。懐剣の切先を左の乳房の下にあてて、真琴はつめたい笑いを浮べた。
だがその時、頭の上の松の木の枝から、ばさりと音をたてて、落ちて来た大きな投網があった。あッと叫びをあげる間もなく、真琴の体は、そのまま地上を転がって、魚のように身動きも出来ず、襲いかかって来た、男たちの組しかれてしまった。
≪ポピュラーブックス『血どくろ組』P225~226≫
「なあ、真琴、こう見えても、この孫兵衛は女にはいたってやさしい男なのだ。どんな美人の女でもわしにかかると他愛もなく……ははははは、たとえ二世を契った夫でも……ずっと家を開けつづけだった伊織のこと、まだお前には、女としての生き甲斐を十分には味わせてくれなんだろう。それをこれからこのわしが、たっぷりふるまってもやろうが」
≪ポピュラーブックス『血どくろ組』P245≫
どのような方法で、媚薬ともいうべき阿片を体内に注ぎこまれたのか、真琴は知らない。ただ、夢かこの世の出来ごとかわからない状態から眼ざめてわれに帰ったとき、真琴は自分のまわりを見まわして、ぞっと震え上らずにはおられなかった。
枕もとの金屏風、絹の夜具、そして肌もあらわな自分の姿――人妻として、武士の妻として他人に見せてはならない姿。
知らず知らずに襟口をあわせて、真琴はきりりと唇をかみしめた。夢ではない。幻ではない。もう二度と、生きて伊織の前には出られぬ――という悲痛な悔恨の情が、血の出るように、その真白な胸の中を噛んでいた。――あなた許して下さいまし、わたくしがあさはかでございました。もう二度と、お目にはかかりませぬ。どうぞお体をお大事に。
【中略】
「あッ、あれは!」
「あの女を逃がしては、後のたたりも恐ろしいぞ」
【中略】
「しまった。刀をとられたぞ」
「なに、たかが女の剣法だ。何ほどのこともあるまい」
「いや、万一のことがあっては、あとで、おとがめも、うけよう。遠まきにして、刀を落させ、傷をおわせずにからめとるのだ」
【中略】
「ええッ」
自分でも知らないうちに刀が動いて、左の男の肩先へ――生あたたかい血しぶきが、さっと顔へかえって来たときに、真琴は自分でも眼を見はった。
【中略】
叫びとともに輪は乱れ、真琴は逆に攻勢に出た。刀の重さも気にならず、またたくうちにいま一人を切りすてたとき、ピピーッと闇をやぶって、響きわたったのは呼子の笛・そして、塀の上に無数のほうづきをならべたように浮び上って来たものは、御用提灯の波だった。
【中略】
「あッ! そなたは真琴殿ではないか!」
左衛門の声も、驚きのあまりにふるえている。
「どうしてここに……この屋敷に……」
「面目次第もございませぬ。敵に、あざむかれまして……夫の危難を救おうものと……」
「うむ」
左衛門は一瞬に、何かの秘密を見やぶったようだった。火事場羽織をぬいで、真琴の背中に着せかけ、
「真琴殿。死ぬな。死のうなどと、つまらぬ考えを起こすではない。後のことは、わしが何とでもはからってとらせる」
【中略】
「真琴殿……」
左衛門丞は後をふりかえって、いたわるように、
「さ、そなたもいろいろと疲れたであろう。誰かにともをさせるゆえ、帰って休息されてはどうじゃ」
「いえ、わたくしも……おともを」
「何をいわれる・女の身で……」
「いえ、或はこれが、夫と今生の別れとなるかも知れませぬ。せめて一目を、一目なりとも……」
左衛門丞はしばらく腕を組んで考えこんでいたがやがて一人の同心に、
「其方、この屋敷の中を探して、女物の衣類を一枚見つけて参れ。真琴殿としても、この姿で道行きはなるまい……」
≪ポピュラーブックス『血どくろ組』P255~263≫
蛇神騒動が勃発した時から苦しみの多い日々を暮らしてきた美貌の人妻。
多くの人が血を流した【血髑髏文】争奪戦が終わった後、不幸続きの真琴にはハッピーエンドが訪れると思いきや、作者は信じられない結末を用意していました。
その結末とは……ネタバレを含むので書く事は控えますが、大衆娯楽小説とは思えない残酷な末路です。
気になる方は図書館で春陽文庫『血どくろ組』を借り、最後まで読んでみて下さい。驚かれる事は請け合いです。
破かれるセーラー服と傷つく美少女
官能小説の愛読者であれば、館淳一氏の名前を知らない方はいないでしょう。
独特のフェチシズム描写と格調高い文体で綴られる凌辱場面に定評があり、官能小説に対する「男女の性交を描くエロ小説」という偏見を払拭する作品群には女性ファンも多くついています。
昭和22年創刊の『奇譚クラブ』を源流とするSM小説の書き手でもあり、暗く妖しい情緒溢れる世界を描きだす筆致は偉大な先駆者たちの技術をしっかりと受け継いでいます。
インタビュー回答によれば、館氏は少年時代に「少年ケニア」(山川惣治氏の絵物語)や江戸川乱歩作品を読み、そこで描かれる美少年趣味や緊縛趣味に胸をドキドキさせたそうです。
この時、館氏は印象に残る乱歩作品として「人間豹」「湖畔亭事件」「陰獣」「人間椅子」のタイトルを挙げて各作品への思いを語られました。
特に思い出深いのは「人間豹」だったらしく、この作品を読んだ当時の事を次のように回想しています。
出典は、「館淳一インタビュー 『新青年』、乱歩、そしてミステリ……。」(『『新青年』趣味』第12号所収)。インタビュアーは八本正幸氏です。
『人間豹』っていうのは『譚海』(引用者註:1 以下同)で読んでるんですよ。その時の挿絵がね、セーラー服を着た少女が人間豹にズタズタにされて、スカートが捲れてスリップがひろがって、黒いストッキングの腿のところがガーターで留められててってのがね、そういう挿絵があったんですよ。その挿絵がもう一度見てみたいですね。一応、記録では『譚海』に載ったってことになってる(註:2)んだけど、戦後のものはほとんど残ってないみたいですね。昭和二八年か九年くらい(註:3)の『譚海』ですね。
【註1】原作は『講談倶楽部』昭和9年1月号~昭和10年5月号。挿絵は嶺田弘画伯。作品リライトは武田武彦氏が担当。単行本未収録。
【註2】連載期間は昭和27年9月号~昭和28年8月号。挿絵は成瀬一富画伯。
【註3】少年雑誌に詳しいマキ・イチロー氏の調査によれば、『譚海』は昭和29年3月号で終刊となったそうです。
インタビューの中で「もう一度見てみたい」と語られている館氏は八方手を尽くして掲載誌を探しておられましたが、昭和27年度の『少年少女譚海』は現存数が少ないのかバックナンバーのほとんどが所蔵機関不明となっており、探求作業は困難を極めたそうです。
人的ネットワークと永年の努力が実を結び、昨年の夏、遂に館氏は「もう一度見てみたい」と探し求めていた挿絵と再会されました。
再会までの経緯については館氏が御自身の運営されるブログ「館淳一の「いろ艶筆」」の中で詳しく書かれている(「懐かしのセーラー服美少女」参照)ので省きますが、記憶の彼方に残る挿絵を再び見られた嬉しさが文章の端々から伺えます。

(C)江戸川乱歩/武田武彦/成瀬一富/文京出版
該当挿絵の一部は記事中に白黒コピー画像として掲載されていますが、もともとは単色カラーで描かれていました。
原本の紙質が悪い事もあり、コピー画像では幼い頃の館氏が興奮したイラストの魅力が伝わりにくいかも知れませんので、当ブログにて「セーラー服を着た少女が人間豹にズタズタにされて、スカートが捲れてスリップがひろがって、黒いストッキングの腿のところがガーターで留められて」いる挿絵3点を単色カラー版のスキャン画像で再掲します。
本作が単行本化される事があったとしても挿絵までは復刻されないと思うので、これを機会に官能小説の巨匠を虜にしたイラストを多くの方に見て頂ければと思います。

(C)江戸川乱歩/武田武彦/成瀬一富/文京出版

(C)江戸川乱歩/武田武彦/成瀬一富/文京出版

(C)江戸川乱歩/武田武彦/成瀬一富/文京出版
参考資料として、リライト版「人間豹」連載の『少年少女譚海』及び『譚海』の所蔵機関を以下に記しますので資料探求の一助となれば幸いです。
【大阪府立図書館】
昭和28年3月号(連載第7回)
昭和28年4月号(連載第8回)
昭和28年夏季特別月号(連載第9回)
昭和28年8月号(連載最終回)
【神奈川近代文学館】
昭和27年11月号(連載第3回)
昭和27年12月号(連載第4回)
【都立多摩図書館】
昭和28年1月号(連載第5回)
昭和28年2月号(連載第6回)
昭和28年3月号(連載第7回)
昭和28年4月号(連載第8回)
昭和28年夏季特別月号(連載第9回)
昭和28年8月号(連載最終回)
各施設のオンラインデーターベース検索結果をリスト化した資料なので、確実に所蔵しているという保証はできません。その点、御了承願います。
蔵書状況(閲覧の可否)や複写に関しては各施設へ問い合わせて下さい。
※館淳一氏の新著。
※館淳一氏の新著。
独特のフェチシズム描写と格調高い文体で綴られる凌辱場面に定評があり、官能小説に対する「男女の性交を描くエロ小説」という偏見を払拭する作品群には女性ファンも多くついています。
昭和22年創刊の『奇譚クラブ』を源流とするSM小説の書き手でもあり、暗く妖しい情緒溢れる世界を描きだす筆致は偉大な先駆者たちの技術をしっかりと受け継いでいます。
インタビュー回答によれば、館氏は少年時代に「少年ケニア」(山川惣治氏の絵物語)や江戸川乱歩作品を読み、そこで描かれる美少年趣味や緊縛趣味に胸をドキドキさせたそうです。
この時、館氏は印象に残る乱歩作品として「人間豹」「湖畔亭事件」「陰獣」「人間椅子」のタイトルを挙げて各作品への思いを語られました。
特に思い出深いのは「人間豹」だったらしく、この作品を読んだ当時の事を次のように回想しています。
出典は、「館淳一インタビュー 『新青年』、乱歩、そしてミステリ……。」(『『新青年』趣味』第12号所収)。インタビュアーは八本正幸氏です。
『人間豹』っていうのは『譚海』(引用者註:1 以下同)で読んでるんですよ。その時の挿絵がね、セーラー服を着た少女が人間豹にズタズタにされて、スカートが捲れてスリップがひろがって、黒いストッキングの腿のところがガーターで留められててってのがね、そういう挿絵があったんですよ。その挿絵がもう一度見てみたいですね。一応、記録では『譚海』に載ったってことになってる(註:2)んだけど、戦後のものはほとんど残ってないみたいですね。昭和二八年か九年くらい(註:3)の『譚海』ですね。
【註1】原作は『講談倶楽部』昭和9年1月号~昭和10年5月号。挿絵は嶺田弘画伯。作品リライトは武田武彦氏が担当。単行本未収録。
【註2】連載期間は昭和27年9月号~昭和28年8月号。挿絵は成瀬一富画伯。
【註3】少年雑誌に詳しいマキ・イチロー氏の調査によれば、『譚海』は昭和29年3月号で終刊となったそうです。
インタビューの中で「もう一度見てみたい」と語られている館氏は八方手を尽くして掲載誌を探しておられましたが、昭和27年度の『少年少女譚海』は現存数が少ないのかバックナンバーのほとんどが所蔵機関不明となっており、探求作業は困難を極めたそうです。
人的ネットワークと永年の努力が実を結び、昨年の夏、遂に館氏は「もう一度見てみたい」と探し求めていた挿絵と再会されました。
再会までの経緯については館氏が御自身の運営されるブログ「館淳一の「いろ艶筆」」の中で詳しく書かれている(「懐かしのセーラー服美少女」参照)ので省きますが、記憶の彼方に残る挿絵を再び見られた嬉しさが文章の端々から伺えます。

(C)江戸川乱歩/武田武彦/成瀬一富/文京出版
該当挿絵の一部は記事中に白黒コピー画像として掲載されていますが、もともとは単色カラーで描かれていました。
原本の紙質が悪い事もあり、コピー画像では幼い頃の館氏が興奮したイラストの魅力が伝わりにくいかも知れませんので、当ブログにて「セーラー服を着た少女が人間豹にズタズタにされて、スカートが捲れてスリップがひろがって、黒いストッキングの腿のところがガーターで留められて」いる挿絵3点を単色カラー版のスキャン画像で再掲します。
本作が単行本化される事があったとしても挿絵までは復刻されないと思うので、これを機会に官能小説の巨匠を虜にしたイラストを多くの方に見て頂ければと思います。

(C)江戸川乱歩/武田武彦/成瀬一富/文京出版

(C)江戸川乱歩/武田武彦/成瀬一富/文京出版

(C)江戸川乱歩/武田武彦/成瀬一富/文京出版
参考資料として、リライト版「人間豹」連載の『少年少女譚海』及び『譚海』の所蔵機関を以下に記しますので資料探求の一助となれば幸いです。
【大阪府立図書館】
昭和28年3月号(連載第7回)
昭和28年4月号(連載第8回)
昭和28年夏季特別月号(連載第9回)
昭和28年8月号(連載最終回)
【神奈川近代文学館】
昭和27年11月号(連載第3回)
昭和27年12月号(連載第4回)
【都立多摩図書館】
昭和28年1月号(連載第5回)
昭和28年2月号(連載第6回)
昭和28年3月号(連載第7回)
昭和28年4月号(連載第8回)
昭和28年夏季特別月号(連載第9回)
昭和28年8月号(連載最終回)
各施設のオンラインデーターベース検索結果をリスト化した資料なので、確実に所蔵しているという保証はできません。その点、御了承願います。
蔵書状況(閲覧の可否)や複写に関しては各施設へ問い合わせて下さい。
![]() | 煽情マーメイド (双葉文庫) (2010/08/11) 館 淳一 商品詳細を見る |
※館淳一氏の新著。
![]() | ロリータの鞭 (無双舎文庫) (2010/08/19) 館 淳一 商品詳細を見る |
※館淳一氏の新著。
魅惑の女性忍者
優れた身体能力と明晰な頭脳を兼ね備えた美貌の女性忍者・蘭が様々な陰謀を暴き、関わった者たちを殲滅させていく官能アクション劇画「女忍者蘭」を読みました。
作画は武本サブロー氏。
さいとう・プロダクションに所属しており、「ゴルゴ31」の作画スタッフとしても活躍されていました(各メディアでは訃報が報じられませんでしたが、2008年の春頃に亡くなられたようです)。
コミックスの扉ページによれば、本作は『週刊実話』へ連載されたとの事です。

(C)武本サブロー/さいとう・プロダクション/リイド社
クセのあるタッチなので最初は絵柄に抵抗があるかも知れませんが、相性が良ければ徐々に慣れてくるでしょう。
官能描写を巧みに織り交ぜながら話を進ませる手法はうまく、ストーリー性の高い劇画としても読めます。
全裸や乳房の露出だけでなく、蘭が敵に捕まって拷問されたり、媚薬の効果による性的快感をグッと耐える場面もあり、今で言うヒロピンやリョナの要素も見られました。
どのエピソードも非常に完成度が高いので純粋に物語を楽しみたい読者も満足すると思いますが、残念ながらコミックス全3巻は絶版となっています(漫画を扱う古書店を利用すれば全巻セットで入手できるかも知れません)。
もっと普及して欲しい劇画作品ですが、復刊される見込みは低いかも知れません……。
絶版書籍という事で、僅かではありますが「女忍者蘭」に見られるヒロピン要素やリョナ要素を含む場面を以下に御紹介します。
≪第1巻「蘭-惑ウ!!」より≫

(C)武本サブロー/さいとう・プロダクション/リイド社
≪第2巻「蘭-南行ス!!」より≫

(C)武本サブロー/さいとう・プロダクション/リイド社
≪第3巻「蘭-カラクラル!!」より≫

(C)武本サブロー/さいとう・プロダクション/リイド社
作画は武本サブロー氏。
さいとう・プロダクションに所属しており、「ゴルゴ31」の作画スタッフとしても活躍されていました(各メディアでは訃報が報じられませんでしたが、2008年の春頃に亡くなられたようです)。
コミックスの扉ページによれば、本作は『週刊実話』へ連載されたとの事です。


(C)武本サブロー/さいとう・プロダクション/リイド社
クセのあるタッチなので最初は絵柄に抵抗があるかも知れませんが、相性が良ければ徐々に慣れてくるでしょう。
官能描写を巧みに織り交ぜながら話を進ませる手法はうまく、ストーリー性の高い劇画としても読めます。
全裸や乳房の露出だけでなく、蘭が敵に捕まって拷問されたり、媚薬の効果による性的快感をグッと耐える場面もあり、今で言うヒロピンやリョナの要素も見られました。
どのエピソードも非常に完成度が高いので純粋に物語を楽しみたい読者も満足すると思いますが、残念ながらコミックス全3巻は絶版となっています(漫画を扱う古書店を利用すれば全巻セットで入手できるかも知れません)。
もっと普及して欲しい劇画作品ですが、復刊される見込みは低いかも知れません……。
絶版書籍という事で、僅かではありますが「女忍者蘭」に見られるヒロピン要素やリョナ要素を含む場面を以下に御紹介します。
≪第1巻「蘭-惑ウ!!」より≫


(C)武本サブロー/さいとう・プロダクション/リイド社
≪第2巻「蘭-南行ス!!」より≫


(C)武本サブロー/さいとう・プロダクション/リイド社
≪第3巻「蘭-カラクラル!!」より≫



(C)武本サブロー/さいとう・プロダクション/リイド社
捕えられた少女探偵(キャロリン・キーン「少女探偵ナンシー」より)
少女探偵ナンシー・ドルーの事件簿が日本で初めて紹介されたのは、今から半世紀以上も前の昭和31年です。
原作の歴史はもっと古く、シリーズ第1作「The Secret of the Old Clock」(邦題「古い柱時計の秘密」等)が発表されたのは70年前の1930年でした。
原作者のキャロリン・キーンは個人の名前ではなく複数の作家のハウスネームなので作者の死亡によってシリーズが打ち切られる事はなく、今でもアメリカでは新作が発表されています。
本国では今なお人気の高いシリーズであり、ゲームや映画になっている他、小学生時代のナンシーが日常的な事件を解決する「NANCY DREW NOTEBOOKS」及び「NANCY DREW AND THE CLUE CREW」、大学生になったナンシーの活躍を描く「NANCY DREW ON CAMPUS SERIES」、オリジナルストーリーによるコミックス「NANCY DREW:GRAPHIC NOVELS」、果ては隣人を主役にしたスピンオフ作品「RIVER HEIGHTS」まで刊行されています。
日本でも一定の人気はあるらしく、東京創元社からは新訳の文庫本が刊行中、金の星社からも本邦初訳の新作が4冊刊行されました。
犯罪の秘密を探る探偵活動を行っていれば、当然、危険な目に遭う事もあります。
シリーズ第16作「The Clue of the Tapping Heels」(邦題「少女探偵ナンシー」)では、犯罪者に近づきすぎたナンシーが彼らに捕まり、折檻されて縛られたうえに海外へ連れ去られそうになりました。
「やっ、だれだ!」
バンスは、しげみをかきわけて、やってきた。
「やあ、おまえか。またかぎつけやがったな。」
バンスは、あらあらしく叫ぶと、ナンシーの腕をつかんで、らんぼうにひきたてた。オマールは気味のわるい笑いをうかべて、ナンシーをひどくつねった。
【中略】
かれはナンシーを、らんぼうにひきずりはじめた。ナンシーは根(こん)かぎりあばれ、けとばし、叫び声をあげた。
しかしオマールが手つだって、ナンシーの口を手でふさいだ。そしてふたりがかりで、ナンシーを自動車のほうへ運んでいった。
オマールは、ハンカチをとりだして、ナンシーにさるぐつわをかませると、さらに両手をなわでしばりあげ、自動車の床にころがした。
【中略】
キーリー探偵は、むずかしい顔をしてそういうと、波止場へ向かうように、運転手に命じた。
しかしナンシーを乗せた車は、まったく逆の方角へ走り去りつつあった。さるぐつわをはめられたナンシーは、床にころがされ、助けを求めることもできなかった。
【中略】
ナンシーは、さるぐつわをはずされたが、もう助けを求める気力もなくしていた。暗い波止場には人っ子ひとり見えなかった。
船の渡り板に近づくと、とつぜん、ひとつの人影が手すりのところにあらわれた。
≪金の星社『少女・世界推理名作選1 少女探偵ナンシー』P180~184≫
ベスとジョージは、一心に耳をかたむけた。
こつ、こつ、こつ。
もううたがいはなかった。その音は、『たすけて』と、くりかえしているのだ。
「ナンシーが、いる!」
「このへやよ! 早くあけて!」
女給仕が合かぎをドアのかぎ穴にさし入れた。
ドアがぐいと押しひらかれた。ナンシーはドアに足をかけていたのだ。かの女がわきにからだをころがすと、みんなは、どやどやと、らん入した。
すばやく、ベスとジョージが、ナンシーの手をほどき、さるぐつわをはずした。
≪金の星社『少女・世界推理名作選1 少女探偵ナンシー』P193~194≫
邦訳書籍は2冊しかありません(うち1冊は絶版)が、両方とも縛られたナンシーを描いた挿絵が見られます。
いずれも土居耕氏が翻訳を担当。上記の訳文は絶版となっている『少女・世界推理名作選1 少女探偵ナンシー』から引用しました。
軽いタッチの推理小説としても及第点の作品なので、時間に余裕があれば読んでみる事をお薦めします。
原作の歴史はもっと古く、シリーズ第1作「The Secret of the Old Clock」(邦題「古い柱時計の秘密」等)が発表されたのは70年前の1930年でした。
原作者のキャロリン・キーンは個人の名前ではなく複数の作家のハウスネームなので作者の死亡によってシリーズが打ち切られる事はなく、今でもアメリカでは新作が発表されています。
本国では今なお人気の高いシリーズであり、ゲームや映画になっている他、小学生時代のナンシーが日常的な事件を解決する「NANCY DREW NOTEBOOKS」及び「NANCY DREW AND THE CLUE CREW」、大学生になったナンシーの活躍を描く「NANCY DREW ON CAMPUS SERIES」、オリジナルストーリーによるコミックス「NANCY DREW:GRAPHIC NOVELS」、果ては隣人を主役にしたスピンオフ作品「RIVER HEIGHTS」まで刊行されています。
日本でも一定の人気はあるらしく、東京創元社からは新訳の文庫本が刊行中、金の星社からも本邦初訳の新作が4冊刊行されました。
犯罪の秘密を探る探偵活動を行っていれば、当然、危険な目に遭う事もあります。
シリーズ第16作「The Clue of the Tapping Heels」(邦題「少女探偵ナンシー」)では、犯罪者に近づきすぎたナンシーが彼らに捕まり、折檻されて縛られたうえに海外へ連れ去られそうになりました。
「やっ、だれだ!」
バンスは、しげみをかきわけて、やってきた。
「やあ、おまえか。またかぎつけやがったな。」
バンスは、あらあらしく叫ぶと、ナンシーの腕をつかんで、らんぼうにひきたてた。オマールは気味のわるい笑いをうかべて、ナンシーをひどくつねった。
【中略】
かれはナンシーを、らんぼうにひきずりはじめた。ナンシーは根(こん)かぎりあばれ、けとばし、叫び声をあげた。
しかしオマールが手つだって、ナンシーの口を手でふさいだ。そしてふたりがかりで、ナンシーを自動車のほうへ運んでいった。
オマールは、ハンカチをとりだして、ナンシーにさるぐつわをかませると、さらに両手をなわでしばりあげ、自動車の床にころがした。
【中略】
キーリー探偵は、むずかしい顔をしてそういうと、波止場へ向かうように、運転手に命じた。
しかしナンシーを乗せた車は、まったく逆の方角へ走り去りつつあった。さるぐつわをはめられたナンシーは、床にころがされ、助けを求めることもできなかった。
【中略】
ナンシーは、さるぐつわをはずされたが、もう助けを求める気力もなくしていた。暗い波止場には人っ子ひとり見えなかった。
船の渡り板に近づくと、とつぜん、ひとつの人影が手すりのところにあらわれた。
≪金の星社『少女・世界推理名作選1 少女探偵ナンシー』P180~184≫
ベスとジョージは、一心に耳をかたむけた。
こつ、こつ、こつ。
もううたがいはなかった。その音は、『たすけて』と、くりかえしているのだ。
「ナンシーが、いる!」
「このへやよ! 早くあけて!」
女給仕が合かぎをドアのかぎ穴にさし入れた。
ドアがぐいと押しひらかれた。ナンシーはドアに足をかけていたのだ。かの女がわきにからだをころがすと、みんなは、どやどやと、らん入した。
すばやく、ベスとジョージが、ナンシーの手をほどき、さるぐつわをはずした。
≪金の星社『少女・世界推理名作選1 少女探偵ナンシー』P193~194≫
邦訳書籍は2冊しかありません(うち1冊は絶版)が、両方とも縛られたナンシーを描いた挿絵が見られます。
いずれも土居耕氏が翻訳を担当。上記の訳文は絶版となっている『少女・世界推理名作選1 少女探偵ナンシー』から引用しました。
軽いタッチの推理小説としても及第点の作品なので、時間に余裕があれば読んでみる事をお薦めします。
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「鉄拳」美女、海外へ進出
アメリカで発行されているゲーム関連雑誌『girls of gamimg』の第7号へ、「鉄拳6」に登場する女性キャラクターのCGが掲載されました。
黄昏時の浜辺を背景に佇む水着姿のリリを描いた新作CGも収められており、画像自体はインターネット上で見た事がある方も多いと思います。
僅か5ページの分量ですが、「鉄拳6」の女性キャラクターが誌面に登場するとは意外でした。
刊行から1年近く経っている為、本誌を日本の通販サイトで入手する事は困難ですが、アメリカではダウンロード販売が行われています。
英語に自信のある方は支払い方法や閲覧に必要なソフトを確認し、注意事項を熟読されたうえでダウンロードに挑戦してみて下さい。
ダウンロードページへはこちらからアクセスできます。

※この他、表紙が「水着姿のリリ」となっている異装版(Cover.1)もあります。
この雑誌は1冊しか持っていないので詳しい事は分かりませんが、日本のアニメやゲームに登場する女性キャラクターをイラストやCGを使って紹介する雑誌のようです。
この第7号では「鉄拳6」の他、「THE KING OF FIGHTERS XII」や「NINJA GAIDEN Σ 2」、「狼と香辛料」等が紹介されていました。
以下の画像は同誌に掲載された「鉄拳6」女性キャラクターのCGです。
リリのCGのみ疑似3D加工が施されており、付属の紙メガネ(赤と緑のセロハンを片目部分に貼った紙製メガネ)で見るとリリが背景から浮き出て見えるようになっていました(下の画像では再現できていないかも知れませんが……)。


黄昏時の浜辺を背景に佇む水着姿のリリを描いた新作CGも収められており、画像自体はインターネット上で見た事がある方も多いと思います。
僅か5ページの分量ですが、「鉄拳6」の女性キャラクターが誌面に登場するとは意外でした。
刊行から1年近く経っている為、本誌を日本の通販サイトで入手する事は困難ですが、アメリカではダウンロード販売が行われています。
英語に自信のある方は支払い方法や閲覧に必要なソフトを確認し、注意事項を熟読されたうえでダウンロードに挑戦してみて下さい。
ダウンロードページへはこちらからアクセスできます。

※この他、表紙が「水着姿のリリ」となっている異装版(Cover.1)もあります。
この雑誌は1冊しか持っていないので詳しい事は分かりませんが、日本のアニメやゲームに登場する女性キャラクターをイラストやCGを使って紹介する雑誌のようです。
この第7号では「鉄拳6」の他、「THE KING OF FIGHTERS XII」や「NINJA GAIDEN Σ 2」、「狼と香辛料」等が紹介されていました。
以下の画像は同誌に掲載された「鉄拳6」女性キャラクターのCGです。
リリのCGのみ疑似3D加工が施されており、付属の紙メガネ(赤と緑のセロハンを片目部分に貼った紙製メガネ)で見るとリリが背景から浮き出て見えるようになっていました(下の画像では再現できていないかも知れませんが……)。




注連縄と巫女
妖怪とエロチックな戦いを繰り広げる女子高校生の巫女・天乃叉絵夢。彼女の活躍を描いた漫画「バージン・ロープ」は、2008年から2009年にかけて『チャンピオンRED』へ不定期で連載されました。
作者は速野悠二氏。柔らかい曲線によるコミカルなタッチの絵を描かれる漫画家です。

(C)速野悠二/秋田書店
本作は、2006年に完結した「おキツネさまでChu」に続く連載作品(リサーチ不足による事実誤認であれば御指摘下さい)であり、全7話で完結しました。
注連縄を使って妖怪を捕える【人外妖捕縛吏】という職業を設定し、エロチック要素を自然に見せるアイディアは素晴らしく、微エロ+美少女アクションの両方を無理なく楽しめる貴重な作品です(濃厚なエロスを求める方には物足りないかも知れませんが……)。
当ブログで取り上げる漫画作品としては、珍しく新刊書店でコミックスが購入できます。
緊縛、パンモロ、触手責め、レズ行為、乳房露出、羞恥プレイ……。
本作には様々なシチュエーションが描かれており、多くの男性読者の視覚的欲求を満たしてくれます。

(C)速野悠二/秋田書店
女性陣のキャラクターも充実しており、叉絵夢の師匠、お姉様(実姉妹ではありません)、捕縛吏仲間が複数のエピソードに登場します。
彼女達が妖怪と戦うシーンは皆無に近く、見せ場としてはレズ行為が主となりますが……個性豊かな美少女が揃っています。

(C)速野悠二/秋田書店
コミックス全1巻での完結が惜しまれる作品ですが、短期集中で密度の濃いエピソードが描かれているからこそ読み応えがあるのかも知れません。
無駄に話を長引かせず、ストーリーがマンネリ化する前に物語を終わらせた速野氏の潔さに拍手を送りたいです。
作者は速野悠二氏。柔らかい曲線によるコミカルなタッチの絵を描かれる漫画家です。

(C)速野悠二/秋田書店
本作は、2006年に完結した「おキツネさまでChu」に続く連載作品(リサーチ不足による事実誤認であれば御指摘下さい)であり、全7話で完結しました。
注連縄を使って妖怪を捕える【人外妖捕縛吏】という職業を設定し、エロチック要素を自然に見せるアイディアは素晴らしく、微エロ+美少女アクションの両方を無理なく楽しめる貴重な作品です(濃厚なエロスを求める方には物足りないかも知れませんが……)。
当ブログで取り上げる漫画作品としては、珍しく新刊書店でコミックスが購入できます。
緊縛、パンモロ、触手責め、レズ行為、乳房露出、羞恥プレイ……。
本作には様々なシチュエーションが描かれており、多くの男性読者の視覚的欲求を満たしてくれます。


(C)速野悠二/秋田書店
女性陣のキャラクターも充実しており、叉絵夢の師匠、お姉様(実姉妹ではありません)、捕縛吏仲間が複数のエピソードに登場します。
彼女達が妖怪と戦うシーンは皆無に近く、見せ場としてはレズ行為が主となりますが……個性豊かな美少女が揃っています。



(C)速野悠二/秋田書店
コミックス全1巻での完結が惜しまれる作品ですが、短期集中で密度の濃いエピソードが描かれているからこそ読み応えがあるのかも知れません。
無駄に話を長引かせず、ストーリーがマンネリ化する前に物語を終わらせた速野氏の潔さに拍手を送りたいです。
![]() | バージン・ロープ (チャンピオンREDコミックス) (2009/11/20) 速野 悠二 商品詳細を見る |
「キン肉マンⅡ世」の三大ヒロイン
ゆでたまご氏が『週刊プレイボーイ』誌上へ連載している「キン肉マンⅡ世 ~究極の超人タッグ編~」も、いよいよクライマックスが近づいてきました。
時間超人との最終決戦を前に最高のパートナー・カオスを失ったキン肉万太郎は、ネプチューンマンすら勝てなかったライトニング&サンダーと一人で戦う事を決意します。
現在の連載状況は、時間超人戦を目前にした万太郎が【キン肉族三大奥義】をマスターすべく、仲間達と共に大阪で厳しい特訓を続けるエピソードが数週間にわたって展開されています。
年内に「究極の超人タッグトーナメント」決勝戦が始まるか微妙なところですが、過去の対戦を振り返りつつ、今後のストーリーを今のうちから自分なりに予想してみるのも面白いかも知れません。
超人プロレスを描く「キン肉マンⅡ世」シリーズは女性キャラクターの登場率が非常に低く、2002年から2007年まで『Vジャンプ』で連載されたアナザーストーリーにあたる「キン肉マンⅡ世 ~オール超人大進撃~」を含めても数える程しか登場しません(リングにあがって戦う女性となると僅か一人だけです……)。
それゆえ、「キン肉マンⅡ世」に登場する女性キャラクターは希少価値が高いと言えるでしょう。
以下のイラストは、pixivへアップされた「キン肉マンⅡ世」女性キャラクターのイラストです。
作者であるモロク氏の御好意により、フルサイズでの転載が叶いました。
イラスト内容は、二階堂凛子VSジャクリーン・マッスルの対戦風景と女性正義超人のフィオナが可愛らしいポーズを決めているショットです。
前者は、嬉しい事に水着衣装でのキャットファイトが描かれており、血なまぐさい戦いを好んでいたジャクリーンがアックスボンバーを喰らう貴重なシーンが見られます。
肌の露出が多い衣装の巨乳女性超人として人気がある(ようです)ジャクリーンがリングに上がって試合をする場面は原作にはない為、ジャクリーン好きの「キン肉マンⅡ世」愛読者には良い目の保養になると思います。

(C)モロク
諸事情から新作イラストの発表が難しいとの事ですが、二階堂凛子とジャクリーンのキャットファイトを描いた続編を見たいと思うのは私一人ではないでしょう。
モロク氏の今後の御活躍を心から応援しています。
他のpixiv発表作品を閲覧されたい方は、ここからモロク氏のページへアクセスして下さい(閲覧するにはサイトへの登録が必要となります)。
最後になりましたが、イラスト転載許可を頂きました事、モロク氏に厚く御礼申し上げます。
時間超人との最終決戦を前に最高のパートナー・カオスを失ったキン肉万太郎は、ネプチューンマンすら勝てなかったライトニング&サンダーと一人で戦う事を決意します。
現在の連載状況は、時間超人戦を目前にした万太郎が【キン肉族三大奥義】をマスターすべく、仲間達と共に大阪で厳しい特訓を続けるエピソードが数週間にわたって展開されています。
年内に「究極の超人タッグトーナメント」決勝戦が始まるか微妙なところですが、過去の対戦を振り返りつつ、今後のストーリーを今のうちから自分なりに予想してみるのも面白いかも知れません。
超人プロレスを描く「キン肉マンⅡ世」シリーズは女性キャラクターの登場率が非常に低く、2002年から2007年まで『Vジャンプ』で連載されたアナザーストーリーにあたる「キン肉マンⅡ世 ~オール超人大進撃~」を含めても数える程しか登場しません(リングにあがって戦う女性となると僅か一人だけです……)。
それゆえ、「キン肉マンⅡ世」に登場する女性キャラクターは希少価値が高いと言えるでしょう。
以下のイラストは、pixivへアップされた「キン肉マンⅡ世」女性キャラクターのイラストです。
作者であるモロク氏の御好意により、フルサイズでの転載が叶いました。
イラスト内容は、二階堂凛子VSジャクリーン・マッスルの対戦風景と女性正義超人のフィオナが可愛らしいポーズを決めているショットです。
前者は、嬉しい事に水着衣装でのキャットファイトが描かれており、血なまぐさい戦いを好んでいたジャクリーンがアックスボンバーを喰らう貴重なシーンが見られます。
肌の露出が多い衣装の巨乳女性超人として人気がある(ようです)ジャクリーンがリングに上がって試合をする場面は原作にはない為、ジャクリーン好きの「キン肉マンⅡ世」愛読者には良い目の保養になると思います。


(C)モロク
諸事情から新作イラストの発表が難しいとの事ですが、二階堂凛子とジャクリーンのキャットファイトを描いた続編を見たいと思うのは私一人ではないでしょう。
モロク氏の今後の御活躍を心から応援しています。
他のpixiv発表作品を閲覧されたい方は、ここからモロク氏のページへアクセスして下さい(閲覧するにはサイトへの登録が必要となります)。
最後になりましたが、イラスト転載許可を頂きました事、モロク氏に厚く御礼申し上げます。
オリジナルヒロインの漫画同人誌『MARTIAL STAR!!』
本日、東京ビッグサイトの西ホールにて自主製作漫画誌展示即売会「COMITIA 94」が開催されました。
年2回開催の【コミックマーケット】と比べると規模は小さいのですが、専門店では購入できない貴重な創作系同人誌が展示販売されるイベントです(今年度からイベントの規模が拡張されたそうなので、同じ趣味・趣向の方々が交流する場として、今後のさらなる発展が期待されます)。
当ブログへ幾多のイラストを御提供下さった人気絵師のモンコレ氏より、今回のイベントで「創作漫画を展示販売する」と伺ったので初参加をしてきました。

(C)モンコレ
モンコレ氏は「Ryona's Station」のサークル名で参加され、T-08bのスペースへ出展されました(御自身の運営されるブログ「Ryona's Station」がサークル名の由来と思われます)。
展示販売されたのは、変身系ヒロインの三人姉妹を主役にしたアクション漫画『MARTIAL STAR!!』です。

(C)モンコレ
お色気描写やリョナ場面はありませんが、物語背景や登場キャラクターを読者へ説明する本編前の序章にあたるエピソードを丁寧に描き込んだ作品です。
豪快なハイキックによるパンモロ描写は迫力満点。ムジュラバスターでの開脚描写に定評があるモンコレ氏の面目躍如たるパンモロぶりでした。
新たな敵キャラクターのアイディアもあるそうなので、続編への期待が高まるシリーズです。
会場内で『MARTIAL STAR!!』を購入された方には、写真判のオリジナルカード(全3種類。全て描き下ろしイラスト)がプレゼントされました。
モンコレ氏のお話では「購入者だけの特典なので、イラストを公開する予定はない」そうです。
当ブログでも作者様の意見を汲み、オリジナルカードのイラスト紹介は控えました。あしからず御了承下さい。
本書についてはDL販売が検討されているそうです(紙媒体での通販については未定との事)。
詳細は「Ryona's Station」にて発表されると思いますので、会場で購入できなかった方はモンコレ氏のブログを小マメにチェックされる事をお薦めします。
【追記】
モンコレ氏より「表紙に関しては変更の可能性がある」との御連絡を頂きました。(2010年11月18日・記)
年2回開催の【コミックマーケット】と比べると規模は小さいのですが、専門店では購入できない貴重な創作系同人誌が展示販売されるイベントです(今年度からイベントの規模が拡張されたそうなので、同じ趣味・趣向の方々が交流する場として、今後のさらなる発展が期待されます)。
当ブログへ幾多のイラストを御提供下さった人気絵師のモンコレ氏より、今回のイベントで「創作漫画を展示販売する」と伺ったので初参加をしてきました。


(C)モンコレ
モンコレ氏は「Ryona's Station」のサークル名で参加され、T-08bのスペースへ出展されました(御自身の運営されるブログ「Ryona's Station」がサークル名の由来と思われます)。
展示販売されたのは、変身系ヒロインの三人姉妹を主役にしたアクション漫画『MARTIAL STAR!!』です。


(C)モンコレ
お色気描写やリョナ場面はありませんが、物語背景や登場キャラクターを読者へ説明する本編前の序章にあたるエピソードを丁寧に描き込んだ作品です。
豪快なハイキックによるパンモロ描写は迫力満点。ムジュラバスターでの開脚描写に定評があるモンコレ氏の面目躍如たるパンモロぶりでした。
新たな敵キャラクターのアイディアもあるそうなので、続編への期待が高まるシリーズです。
会場内で『MARTIAL STAR!!』を購入された方には、写真判のオリジナルカード(全3種類。全て描き下ろしイラスト)がプレゼントされました。
モンコレ氏のお話では「購入者だけの特典なので、イラストを公開する予定はない」そうです。
当ブログでも作者様の意見を汲み、オリジナルカードのイラスト紹介は控えました。あしからず御了承下さい。
本書についてはDL販売が検討されているそうです(紙媒体での通販については未定との事)。
詳細は「Ryona's Station」にて発表されると思いますので、会場で購入できなかった方はモンコレ氏のブログを小マメにチェックされる事をお薦めします。
【追記】
モンコレ氏より「表紙に関しては変更の可能性がある」との御連絡を頂きました。(2010年11月18日・記)
リリ対キング 決着のマッスルバスター
【イラスト募集告知】 シナチクQUEENのイラスト募集中。詳しくはこちらを御参照下さい。

★現在の通知状況:6名様から御連絡あり★
前評判の高かった家庭用「鉄拳6」が発売されてから、早くも1年が過ぎました。
高額な業務用ソフトの「鉄拳6」が日本全国のゲームセンターに登場したのが2007年11月26日なので、家庭用ゲーム機へ移植されるまで2年近くの歳月を要した事になります(2008年12月18日より稼働が開始された「鉄拳6 BLOODLINE REBELLION」からは約10ヶ月の待ち時間でした)。
オンライン対戦時のタイムラグ問題、オフラインではカスタマイズキャラクター同士で対戦ができない、画面表示の文字が使用するテレビによっては読みづらくなる、画面中央下のモード表示が消せない……等々、不具合や不備が多く、少ない情報だけしか与えれずに長い時間を待たされた鉄拳ファンからは酷評されました。
ある通販サイトのレビューでは「本作で「鉄拳」シリーズを見限った」との書き込みが見られ、作り込みの甘さを指摘する意見も出ています。
悪い評価が圧倒的に多い家庭用「鉄拳6」ですが、名誉挽回の巻き返しをはかってか、バンダイナムコゲームスは「鉄拳タッグトーナメント2」の開発を発表しました。
この衝撃情報が明かされたのは今年9月、「東京ゲームショウ2010」と併催された「闘劇'10 FINAL」での事です。
詳しい情報は公開されていませんが、トレーラー映像から9キャラクター(アーマーキング,風間飛鳥,風間仁,キング,ポール・フェニックス,マーシャル・ロウ,三島一八,リリ,レオ)の参戦が判明しています。
業務用ソフトは来夏発売予定との事。家庭用ソフトに関しては全く情報がありません。
イベントで初公開された実機映像はYouTubeへもアップされており、見逃した方も視聴できます。
現時点の開発状況は不明ですが、年末までに続報がある事を期待したいです。
家庭用「鉄拳6」発売1周年と「鉄拳タッグトーナメント2」の発売決定を祝し、ヒノキ氏より提供を受けたハイクオリティなマッスルバスターのイラストを紹介します。
鋼の肉体を完全再現したキング、羞恥と苦悶が同居した表情で技を受けるリリ。
このような無名のブログへ転載許可を頂けた事が奇跡と思われるくらい完成度が高く、『クイーンズゲイト 格闘令嬢 リリ』の未発表イラストと言われたところで疑う方はいないでしょう。
正面アングルから描かれたリリの御開帳、存分にお楽しみ下さい。
なお、表情差分は特別に描き下ろして頂いた為、ここでしか見られない貴重なイラストとなっています。
イラスト転載許可と描き下ろし差分の御寄稿を頂きました事、ヒノキ氏に厚く御礼申し上げます。

(C)ヒノキ
ヒノキ氏はWEBサイト「踏マレル」を運営されており、「怪物王女」を中心にした自作イラストを定期的に発表されています。
アニメのセル画を思わせるタッチで描かれたエロチックな魅力に溢れる作品が数多く公開されているので、アニメ版の「怪物王女」が好きな方は必見のサイトです。
また、檜名義でpixivへも作品を投稿されているので、こちらも併せて御覧下さい(閲覧するにはサイトへの登録が必要となります)。
檜氏のページへは、ここからアクセスできます。
※商品情報はPLAY STATION 3版。

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前評判の高かった家庭用「鉄拳6」が発売されてから、早くも1年が過ぎました。
高額な業務用ソフトの「鉄拳6」が日本全国のゲームセンターに登場したのが2007年11月26日なので、家庭用ゲーム機へ移植されるまで2年近くの歳月を要した事になります(2008年12月18日より稼働が開始された「鉄拳6 BLOODLINE REBELLION」からは約10ヶ月の待ち時間でした)。
オンライン対戦時のタイムラグ問題、オフラインではカスタマイズキャラクター同士で対戦ができない、画面表示の文字が使用するテレビによっては読みづらくなる、画面中央下のモード表示が消せない……等々、不具合や不備が多く、少ない情報だけしか与えれずに長い時間を待たされた鉄拳ファンからは酷評されました。
ある通販サイトのレビューでは「本作で「鉄拳」シリーズを見限った」との書き込みが見られ、作り込みの甘さを指摘する意見も出ています。
悪い評価が圧倒的に多い家庭用「鉄拳6」ですが、名誉挽回の巻き返しをはかってか、バンダイナムコゲームスは「鉄拳タッグトーナメント2」の開発を発表しました。
この衝撃情報が明かされたのは今年9月、「東京ゲームショウ2010」と併催された「闘劇'10 FINAL」での事です。
詳しい情報は公開されていませんが、トレーラー映像から9キャラクター(アーマーキング,風間飛鳥,風間仁,キング,ポール・フェニックス,マーシャル・ロウ,三島一八,リリ,レオ)の参戦が判明しています。
業務用ソフトは来夏発売予定との事。家庭用ソフトに関しては全く情報がありません。
イベントで初公開された実機映像はYouTubeへもアップされており、見逃した方も視聴できます。
現時点の開発状況は不明ですが、年末までに続報がある事を期待したいです。
家庭用「鉄拳6」発売1周年と「鉄拳タッグトーナメント2」の発売決定を祝し、ヒノキ氏より提供を受けたハイクオリティなマッスルバスターのイラストを紹介します。
鋼の肉体を完全再現したキング、羞恥と苦悶が同居した表情で技を受けるリリ。
このような無名のブログへ転載許可を頂けた事が奇跡と思われるくらい完成度が高く、『クイーンズゲイト 格闘令嬢 リリ』の未発表イラストと言われたところで疑う方はいないでしょう。
正面アングルから描かれたリリの御開帳、存分にお楽しみ下さい。
なお、表情差分は特別に描き下ろして頂いた為、ここでしか見られない貴重なイラストとなっています。
イラスト転載許可と描き下ろし差分の御寄稿を頂きました事、ヒノキ氏に厚く御礼申し上げます。


(C)ヒノキ
ヒノキ氏はWEBサイト「踏マレル」を運営されており、「怪物王女」を中心にした自作イラストを定期的に発表されています。
アニメのセル画を思わせるタッチで描かれたエロチックな魅力に溢れる作品が数多く公開されているので、アニメ版の「怪物王女」が好きな方は必見のサイトです。
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![]() | 鉄拳6(通常版) (2009/10/29) Xbox 360 商品詳細を見る |
![]() | クイーンズゲイト 格闘令嬢リリ (対戦型ビジュアルブックロストワールド) (2010/04/30) 森田和明 商品詳細を見る |
見られるのって……カ・イ・カ・ン?
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先月末の「痛快GANGAN行進曲」を紹介した記事にて、あぶのー丸氏が描かれたキサラ・ウェストフィールドの開脚ショットを紹介しました。
城所剛の【GANGAN必殺技】大阪名物うずしお崩しをアレンジしたバスター技で純白のパンティを晒す姿は、シン・ジーナスのコマンド投げ用に用意された開脚グラフィックがキサラにだけ存在しない事を歎いた日本全国のプレイヤーの溜飲を下げた事でしょう。
作品の転載許可を頂いた直後、あぶのー丸氏はジーナス・バスターの餌食となったキサラの新作イラストを描いて下さり、表情差分と併せて提供して下さいました。
原作に忠実なキサラのパンモロ姿を描いたイラスト2点を以下に掲載しますので、先のイラストと一緒にお楽しみ頂ければ幸いです。

(C)あぶのー丸
このイラストはあぶのー丸氏の運営するWEBサイト「毎日ヒロイン」の2010年10月31日付け記事「本家バスター」でも閲覧でき、リョナイラストの投稿掲示板「リョナ絵2号掲示板」への2010年10月31日付け投稿作品としても公開されています。
表情差分イラストについては、pixivへ発表されたキサラのリョナイラスト集「キサラ・ウェストフィールド」でのみ閲覧可能となっているのでご注意下さい(閲覧するにはサイトへの登録が必要となります)。
最後になりましたが、新作イラストの転載を御快諾下さいましたあぶのー丸氏に厚く御礼申し上げます。
※「痛快GANGAN行進曲」収録。

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城所剛の【GANGAN必殺技】大阪名物うずしお崩しをアレンジしたバスター技で純白のパンティを晒す姿は、シン・ジーナスのコマンド投げ用に用意された開脚グラフィックがキサラにだけ存在しない事を歎いた日本全国のプレイヤーの溜飲を下げた事でしょう。
作品の転載許可を頂いた直後、あぶのー丸氏はジーナス・バスターの餌食となったキサラの新作イラストを描いて下さり、表情差分と併せて提供して下さいました。
原作に忠実なキサラのパンモロ姿を描いたイラスト2点を以下に掲載しますので、先のイラストと一緒にお楽しみ頂ければ幸いです。


(C)あぶのー丸
このイラストはあぶのー丸氏の運営するWEBサイト「毎日ヒロイン」の2010年10月31日付け記事「本家バスター」でも閲覧でき、リョナイラストの投稿掲示板「リョナ絵2号掲示板」への2010年10月31日付け投稿作品としても公開されています。
表情差分イラストについては、pixivへ発表されたキサラのリョナイラスト集「キサラ・ウェストフィールド」でのみ閲覧可能となっているのでご注意下さい(閲覧するにはサイトへの登録が必要となります)。
最後になりましたが、新作イラストの転載を御快諾下さいましたあぶのー丸氏に厚く御礼申し上げます。
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※「痛快GANGAN行進曲」収録。
運命の試練を乗り越えて(香山滋「怪龍島」より)
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香山滋氏の冒険小説「怪龍島」は、昭和23年から昭和24年まで1年間にわたって『探偵少年』及び『少年世界』へ連載されました(雑誌廃刊により掲載誌が変更)。
少年少女を読者層にした作品群の中では最初期の発表であり、同ジャンルの長編としては第一作目にあたります。
恐龍が生き残る謎の孤島を舞台にしたスケールの大きな物語で、スリルと冒険、若干の謎解き要素が含まれた読み応えある作品に仕上がっていますが、秘境の冒険と親子愛を一つの作品内で描く事に無理があったのか、「現代に生き残る恐龍の探索」というキーワードが中盤までしか活かされず、後半になると恐龍の存在は完全に無視されてしまった点が残念でした。
本作には、混血の少女がヒロインとして登場します。
彼女の名前はグリ。恐龍島に住むグリアット族の血を引く美しい女の子です。
グリは物語序盤から登場し、初登場場面で容姿が詳しく紹介されました。
めずらしく昼食後にくだものがくばられた。めずらしいのはそのリンゴばかりではなく、果物かごを腕にかけて一箇ずつくばって歩いているのは、タガログ土人のいつものコックではなくて、ビーチ・ドレスを着た少女だった。はだは小麦色、かみはまっ黒で、眼がはとのように大きくてまつ毛の長い美しい少女だったのである。
≪国書刊行会『怪龍島』P37≫
両親を知らずに育ったグリは数々の試練を乗り越えた末、遂に父母と感動の再会を果たしますが、そこに至るまでの道のりは苦難の連続でした。
小男に誘拐されそうになったり、濁流に巻き込まれ命を落としかけたり、毒薬を飲まされて記憶を失ったり……過酷な運命の試練に襲われています。
逆境にめげず全力で困難に立ち向かうグリの姿勢には、強い意志を持って逞しく生きるヒロインの魅力が感じられました。
ジメジメして、いんきくさいジャングルの中で暮して来たグリには、その花園がまるで天国のように思われた。彼女がその中でいちばん大きくて美しい花をかみにさしてよろこんでいた時、いきなり彼女のうでをぎゅっとつかんだ者がある。
おもわずもふり返ると、それはあのいやらしい一寸法師だった。
「何をするの、はなして。はなしてったら。」
グリは一生けんめいにふりちぎろうとしたが、一寸法師の力は見かけによらず強かった。
【中略】
一寸法師はグリの両うでをねじあげながら、地面にぎゅうぎゅうおしつけた。
残念ながら、グリは、からだこそ小さいが、一寸法師の恐ろしい力には太刀打ちできなかった。とうとうなわでしばりあげられてしまったのである。
「あたしを、しばりあげて、おまえはあたしをいったいどうするつもり?」
【中略】
にくにくしげにあざ笑いながら、一寸法師はくくられて身動きもならぬグリをせなか合せになわでしばって、はんたいがわのがけをゆっくりとのぼりはじめた。
「たすけて――、誰か来て――」
≪国書刊行会『怪龍島』P109~111≫
うずまく濁流に押し流されながら、グリは声をふりしぼってさけびつづけた。
「マリオ!――先生!」
だが、声は、いたずらに烈風と濁流の音にけされてしまって、二人の耳にとどくわけもなかった。
死にものぐるいのロロも、ついそばを流されてゆく。
【中略】
ともすれば、自分のからださえ、しずみかけようとする危険も忘れて、グリはロロを気づかってはげました。
濁流はますます水かさを加え、速度も早まってくる。グリが、しずみかけようとするロロの方へうでをのばそうとしたとたん、後から何か大きなふくろのようなものが流れてきて、つかれきっているグリのからだにズシンとぶちあたった。
「アッ!」
ひと声さけんで、グリは、ぶくぶくとしずみかけた。もう目がくらんで何も見えない。しずみかけながらむがむちゅうで、なんでもいいからしがみつこうと身もだえする手に、うれしや、その大きなふくろをつかまえることができた。
グリは、やっと水面にうかびあがることができた。
≪国書刊行会『怪龍島』P219~220≫
「ありがとう――あたしは少し休ませてもらえば、すぐ元気になれそうだから――ロロを――その犬を手あてしてやってちょうだい――」
「いいとも、そのまえに、さあこの薬を一口のまなければいけない。」
そういってさし出される薬を、すこし、にがすぎるとは思いながらも、グリは、いっきに飲んでしまった。
【中略】
「これでよし。」
ゴソゴソと、一寸法師はベッドの下からはい出して、手をもみあわせてニタリと笑った。
「これで、グリは今までの記憶をぜんぶ失ってしまったというものだ!」
≪国書刊行会『怪龍島』P229≫
この他、昭和28年に愛文社から刊行された単行本のカヴァーイラストにもなっている場面(小男が背後からグリを羽交い絞めにし、胸を短剣で刺そうとしている)も本文中に見られます。
リョナとは言いがたい場面ですが、参考までに紹介します。
さけびながら、ヒョウのように一寸法師に組みかかろうとおどりあがったしゅん間、キラリと短剣がやつの手に光った。
「あとへさがれ、死にそこないのマリオめ。」
くるっと肩をねじって、グリを羽がいじめに後からだきしめた左手で、一寸法師は、グリの胸をおしひろげて短剣のきっ先をぴたりとあてがって、にくらしげに笑いだした。
「フッフ、どうだ! きさまが一歩でもそこから前へ出てみろ。この短剣が、ブッツリとグリのしんぞうにつきささるんだぞッ。」
≪国書刊行会『怪龍島』P242≫

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香山滋氏の冒険小説「怪龍島」は、昭和23年から昭和24年まで1年間にわたって『探偵少年』及び『少年世界』へ連載されました(雑誌廃刊により掲載誌が変更)。
少年少女を読者層にした作品群の中では最初期の発表であり、同ジャンルの長編としては第一作目にあたります。
恐龍が生き残る謎の孤島を舞台にしたスケールの大きな物語で、スリルと冒険、若干の謎解き要素が含まれた読み応えある作品に仕上がっていますが、秘境の冒険と親子愛を一つの作品内で描く事に無理があったのか、「現代に生き残る恐龍の探索」というキーワードが中盤までしか活かされず、後半になると恐龍の存在は完全に無視されてしまった点が残念でした。
本作には、混血の少女がヒロインとして登場します。
彼女の名前はグリ。恐龍島に住むグリアット族の血を引く美しい女の子です。
グリは物語序盤から登場し、初登場場面で容姿が詳しく紹介されました。
めずらしく昼食後にくだものがくばられた。めずらしいのはそのリンゴばかりではなく、果物かごを腕にかけて一箇ずつくばって歩いているのは、タガログ土人のいつものコックではなくて、ビーチ・ドレスを着た少女だった。はだは小麦色、かみはまっ黒で、眼がはとのように大きくてまつ毛の長い美しい少女だったのである。
≪国書刊行会『怪龍島』P37≫
両親を知らずに育ったグリは数々の試練を乗り越えた末、遂に父母と感動の再会を果たしますが、そこに至るまでの道のりは苦難の連続でした。
小男に誘拐されそうになったり、濁流に巻き込まれ命を落としかけたり、毒薬を飲まされて記憶を失ったり……過酷な運命の試練に襲われています。
逆境にめげず全力で困難に立ち向かうグリの姿勢には、強い意志を持って逞しく生きるヒロインの魅力が感じられました。
ジメジメして、いんきくさいジャングルの中で暮して来たグリには、その花園がまるで天国のように思われた。彼女がその中でいちばん大きくて美しい花をかみにさしてよろこんでいた時、いきなり彼女のうでをぎゅっとつかんだ者がある。
おもわずもふり返ると、それはあのいやらしい一寸法師だった。
「何をするの、はなして。はなしてったら。」
グリは一生けんめいにふりちぎろうとしたが、一寸法師の力は見かけによらず強かった。
【中略】
一寸法師はグリの両うでをねじあげながら、地面にぎゅうぎゅうおしつけた。
残念ながら、グリは、からだこそ小さいが、一寸法師の恐ろしい力には太刀打ちできなかった。とうとうなわでしばりあげられてしまったのである。
「あたしを、しばりあげて、おまえはあたしをいったいどうするつもり?」
【中略】
にくにくしげにあざ笑いながら、一寸法師はくくられて身動きもならぬグリをせなか合せになわでしばって、はんたいがわのがけをゆっくりとのぼりはじめた。
「たすけて――、誰か来て――」
≪国書刊行会『怪龍島』P109~111≫
うずまく濁流に押し流されながら、グリは声をふりしぼってさけびつづけた。
「マリオ!――先生!」
だが、声は、いたずらに烈風と濁流の音にけされてしまって、二人の耳にとどくわけもなかった。
死にものぐるいのロロも、ついそばを流されてゆく。
【中略】
ともすれば、自分のからださえ、しずみかけようとする危険も忘れて、グリはロロを気づかってはげました。
濁流はますます水かさを加え、速度も早まってくる。グリが、しずみかけようとするロロの方へうでをのばそうとしたとたん、後から何か大きなふくろのようなものが流れてきて、つかれきっているグリのからだにズシンとぶちあたった。
「アッ!」
ひと声さけんで、グリは、ぶくぶくとしずみかけた。もう目がくらんで何も見えない。しずみかけながらむがむちゅうで、なんでもいいからしがみつこうと身もだえする手に、うれしや、その大きなふくろをつかまえることができた。
グリは、やっと水面にうかびあがることができた。
≪国書刊行会『怪龍島』P219~220≫
「ありがとう――あたしは少し休ませてもらえば、すぐ元気になれそうだから――ロロを――その犬を手あてしてやってちょうだい――」
「いいとも、そのまえに、さあこの薬を一口のまなければいけない。」
そういってさし出される薬を、すこし、にがすぎるとは思いながらも、グリは、いっきに飲んでしまった。
【中略】
「これでよし。」
ゴソゴソと、一寸法師はベッドの下からはい出して、手をもみあわせてニタリと笑った。
「これで、グリは今までの記憶をぜんぶ失ってしまったというものだ!」
≪国書刊行会『怪龍島』P229≫
この他、昭和28年に愛文社から刊行された単行本のカヴァーイラストにもなっている場面(小男が背後からグリを羽交い絞めにし、胸を短剣で刺そうとしている)も本文中に見られます。
リョナとは言いがたい場面ですが、参考までに紹介します。
さけびながら、ヒョウのように一寸法師に組みかかろうとおどりあがったしゅん間、キラリと短剣がやつの手に光った。
「あとへさがれ、死にそこないのマリオめ。」
くるっと肩をねじって、グリを羽がいじめに後からだきしめた左手で、一寸法師は、グリの胸をおしひろげて短剣のきっ先をぴたりとあてがって、にくらしげに笑いだした。
「フッフ、どうだ! きさまが一歩でもそこから前へ出てみろ。この短剣が、ブッツリとグリのしんぞうにつきささるんだぞッ。」
≪国書刊行会『怪龍島』P242≫
ママは水泳コーチ
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★現在の通知状況:5名様から御連絡あり★
かつて日本中の小学校にドッジボールブームを到来させた「炎の闘球児 ドッジ弾平」は、タイトルからも分かる通りドッジボールを題材にしたスポ根物の少年漫画です。
原作者はこした てつひろ氏。
1991年にはアニメ化もされ、複数の機種に対応したゲームソフトも発売されました。
ドッジボール漫画でありながらバスケットボール部員や剣道部員と勝負するエピソードもあり、ユニークなアイディアを盛り込んだバラエティ豊かな内容になっています(もちろん、強敵=ライバルとの試合や特訓が物語の主流ではありますが……)。
主人公・一撃弾平の母親である一撃遥は、少年闘球児の成長やドッジボール勝負を描いた漫画としては貴重な大人の女性キャラクターです。
水泳教室のコーチをしているせいか水着姿で登場する事が多く、一児の母親とは思えない若さとプロポーションを少年読者に披露してくれました。
バストアップの初登場シーンでは非常に色っぽく描かれており、豪快な性格とのギャップが激しい絵柄です。

(C)こした てつひろ/小学館
保護者という立場にあるせいか出番は少ないのですが、顔見せ程度も含め、コミックス全18巻の半分以上に登場しています。
作者の絵柄が変化するにつれて遥の容姿も若々しくなっていき、寺沢大介氏の料理漫画「ミスター味っ子」の味吉法子を思い出しました。
水着描写がベタによる黒一色からハイライト技法を用いて陰影をつけるようになったせいか、腹筋の逞しさと胸の大きさが強調され、よりスタイリッシュな体型となっていきます(下腹部から股間に掛けてのカットラインも、初期と比べて際どくなったように感じるのは気のせいでしょうか……)。

(C)こした てつひろ/小学館
活発で豪快な性格をしており、父親不在の家庭において息子を一人で育てた苦労人には見えません。
厳しい指導と優しいアドバイスで弾平に接し、自分なりの愛情を息子に注いでいます。強力なライバルに負けない不屈の闘志を持った弾平の強さは、このような母の愛情にあると言えるかも知れません。

(C)こした てつひろ/小学館
コミックス全18巻を通読して一撃遥の登場する箇所を調べてみたので、何の参考にもならないと思いますが以下に記します。
彼女が登場するのは、第1巻,第2巻,第4巻,第5巻,第7巻,第8巻,第10巻,第11巻,第12巻,第14巻,第16巻,第18巻の12冊。
私服と水着の着用率までは確認していませんが、前記のように水着姿の方が多かったように感じました。

★現在の通知状況:5名様から御連絡あり★
かつて日本中の小学校にドッジボールブームを到来させた「炎の闘球児 ドッジ弾平」は、タイトルからも分かる通りドッジボールを題材にしたスポ根物の少年漫画です。
原作者はこした てつひろ氏。
1991年にはアニメ化もされ、複数の機種に対応したゲームソフトも発売されました。
ドッジボール漫画でありながらバスケットボール部員や剣道部員と勝負するエピソードもあり、ユニークなアイディアを盛り込んだバラエティ豊かな内容になっています(もちろん、強敵=ライバルとの試合や特訓が物語の主流ではありますが……)。
主人公・一撃弾平の母親である一撃遥は、少年闘球児の成長やドッジボール勝負を描いた漫画としては貴重な大人の女性キャラクターです。
水泳教室のコーチをしているせいか水着姿で登場する事が多く、一児の母親とは思えない若さとプロポーションを少年読者に披露してくれました。
バストアップの初登場シーンでは非常に色っぽく描かれており、豪快な性格とのギャップが激しい絵柄です。


(C)こした てつひろ/小学館
保護者という立場にあるせいか出番は少ないのですが、顔見せ程度も含め、コミックス全18巻の半分以上に登場しています。
作者の絵柄が変化するにつれて遥の容姿も若々しくなっていき、寺沢大介氏の料理漫画「ミスター味っ子」の味吉法子を思い出しました。
水着描写がベタによる黒一色からハイライト技法を用いて陰影をつけるようになったせいか、腹筋の逞しさと胸の大きさが強調され、よりスタイリッシュな体型となっていきます(下腹部から股間に掛けてのカットラインも、初期と比べて際どくなったように感じるのは気のせいでしょうか……)。


(C)こした てつひろ/小学館
活発で豪快な性格をしており、父親不在の家庭において息子を一人で育てた苦労人には見えません。
厳しい指導と優しいアドバイスで弾平に接し、自分なりの愛情を息子に注いでいます。強力なライバルに負けない不屈の闘志を持った弾平の強さは、このような母の愛情にあると言えるかも知れません。


(C)こした てつひろ/小学館
コミックス全18巻を通読して一撃遥の登場する箇所を調べてみたので、何の参考にもならないと思いますが以下に記します。
彼女が登場するのは、第1巻,第2巻,第4巻,第5巻,第7巻,第8巻,第10巻,第11巻,第12巻,第14巻,第16巻,第18巻の12冊。
私服と水着の着用率までは確認していませんが、前記のように水着姿の方が多かったように感じました。
レスラー軍団特集(2) 漫画版「レスラー軍団大抗争!」のクイーン火美子
【秋の連続企画】麗しき巨大ヒロイン「ウルトラレディ」≪1≫≪2≫≪3≫ 開催中

(C)らすP/a-ru/桜光刃/dis/中島至誠/二次剣/モルデンデン
(C)新居こじろ/L85A1/静有希/Shade/バラピ/MAXやすひろ/無論
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昨日に引き続いての「レスラー軍団特集」となります。
今回は、プロレス軍団の対立から宇宙の平和を賭けた戦いにまで物語が広がる「レスラー軍団大抗争!」、同作に登場するクイーン火美子を取り上げます。
プロレス軍団の抗争が基本物語となる【覆面レスラーシール】を原作にした「レスラー軍団大抗争!」は、『コミックボンボン』1987年10月号から1989年10月号まで2年間にわたって連載された漫画です。
作画を担当は続編と同じおうた ごさく=桜多吾作氏。パーソナルデーターの少ないシールのキャラクターを個性豊かに描き、【覆面レスラーシール】の主要ポイントを取り入れた壮大な物語として漫画化されました。
誌面作りにおいても、新作シール情報とのタイアップ記事を掲載し、【覆面レスラーシール】の新情報を知りながら漫画も楽しめるよう配慮されています。
主役はロビン・ゴッド、準主役は上野・サイGO。物語終盤にはクイーン火美子も登場し、【神のベルト】を巡る戦いにロビン達と参戦しました。

(C)桜多吾作(おうた ごさく)/講談社

(C)桜多吾作(おうた ごさく)/講談社
コミックスは3巻まで発売されましたが連載第16回までしか収録されておらず、「レスラー軍団銀河編 聖戦士ロビンJr.」と同じく未完状態です(増刊号掲載の番外編もコミックス未収録)。
プロレス界統一の野望を抱くロビンは改心せず、クイーン火美子も登場していません。
愛蔵版サイズの単行本ならば連載全25回+番外編を全2冊で収録する事が可能なので、続編の「レスラー軍団銀河編 聖戦士ロビンJr.」と併せた『完全版 レスラー軍団(正・続)』の刊行を希望する方も多いと思います。

(C)桜多吾作(おうた ごさく)/講談社
コミックス未登場のクイーン火美子ですが、初出誌『コミックボンボン』では連載第20回目から登場します。
掲載号は1989年6月号(9巻8号)。
扉ページにはヌードのクイーン火美子が描かれ、「クイーン火美子 衝撃の登場!」とのキャッチコピーが見られました。
ラーメンばあさんの正体を暗示させる原作シールを意識したのか、シャワーを浴び終えた後の浴室で初めて姿を見せます。
少年誌の規制にギリギリ引っ掛からないヌード描写には劣りますが、バスタオルを胸に巻いた姿のクイーン火美子を描いたのは読者へのサービスショットだったのかも知れません。

(C)桜多吾作(おうた ごさく)/講談社

(C)桜多吾作(おうた ごさく)/講談社
ロビンのラーメン島上陸から物語は終盤へ突入。神器の一つ【神のベルト】を巡り、四大勢力(ラーメン軍,メン魔軍,正規軍,ビーナトロン)がトーナメント形式の試合で激しい争奪戦を繰り広げます。
友情の為にベルトを手放したロビン、兄のベン・K・ゴッド、メン魔軍の実力者である面魔ラザーニ、そしてクイーン火美子。
バトルロイヤルを勝ち抜いた両軍の精鋭レスラー16名が揃い、遂に最終決戦の舞台が整いました。

(C)桜多吾作(おうた ごさく)/講談社

(C)桜多吾作(おうた ごさく)/講談社

(C)桜多吾作(おうた ごさく)/講談社
全リングでの試合が一斉に開始されたトーナメント戦ですが、さすがのラーメン軍&正規軍の精鋭メンバーも武器を使うメン魔軍とビーナトロンの猛攻に苦戦を強いられます。
ラーメン軍と正規軍が劣勢に追い込まれる中、赤鬼星Z・Eとの戦いで満身創痍のクイーン火美子はSt.アバンメーラへ祈りささげてロビンにパワーを与え、未来への希望を託しました。

(C)桜多吾作(おうた ごさく)/講談社

(C)桜多吾作(おうた ごさく)/講談社

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(C)桜多吾作(おうた ごさく)/講談社

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ラーメン軍の軍団長的な存在のクイーン火美子でしたが、原作における巫女の役割をリング上で果たす結果となり、サポート役に廻された印象を受けました。
最終決戦でレスラーとしての活躍が目立たなかったのは残念ですが、赤鬼星Z・Eとの戦いで一方的に打ちのめされる彼女の姿が見られたのはリョナラーとしては嬉しかったです。
漫画版「レスラー軍団大抗争!」でクイーン火美子のリョナ場面が見られる事については、つるMK-3氏より御教示を頂きました。この場を借りて御礼申し上げます。
つるMK-3氏も気合の入ったリョナイラストを執筆されており、その作品はpixivにて閲覧可能となっていますので、pixiv会員の方はこちらへアクセスしてみて下さい。
【付記】
コミックス未収録の「レスラー軍団大抗争!」最終回ストーリーについては、ブログ「ゆうじの気まぐれなブログ」の2010年9月26日更新記事でダイジェスト紹介されています。画像も豊富に用いられているので、【神のベルト】を巡る戦いの結末が気になる方は、そちらを御覧下さい。
【追記】
クイーン火美子の「風呂からあがったシーン」をアップで見たいと言う御要望がありましたので、リョナシーンと併せて以下に再掲します。サムネイル画像をクリックすると別ウィンドウが開き、フルサイズ画像が御覧頂けます。(2010年12月14日・記)

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(C)新居こじろ/L85A1/静有希/Shade/バラピ/MAXやすひろ/無論
【イラスト募集告知】 シナチクQUEENのイラスト募集中。詳しくはこちらを御参照下さい。

★現在の通知状況:5名様から御連絡あり★
昨日に引き続いての「レスラー軍団特集」となります。
今回は、プロレス軍団の対立から宇宙の平和を賭けた戦いにまで物語が広がる「レスラー軍団大抗争!」、同作に登場するクイーン火美子を取り上げます。
プロレス軍団の抗争が基本物語となる【覆面レスラーシール】を原作にした「レスラー軍団大抗争!」は、『コミックボンボン』1987年10月号から1989年10月号まで2年間にわたって連載された漫画です。
作画を担当は続編と同じおうた ごさく=桜多吾作氏。パーソナルデーターの少ないシールのキャラクターを個性豊かに描き、【覆面レスラーシール】の主要ポイントを取り入れた壮大な物語として漫画化されました。
誌面作りにおいても、新作シール情報とのタイアップ記事を掲載し、【覆面レスラーシール】の新情報を知りながら漫画も楽しめるよう配慮されています。
主役はロビン・ゴッド、準主役は上野・サイGO。物語終盤にはクイーン火美子も登場し、【神のベルト】を巡る戦いにロビン達と参戦しました。

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コミックスは3巻まで発売されましたが連載第16回までしか収録されておらず、「レスラー軍団銀河編 聖戦士ロビンJr.」と同じく未完状態です(増刊号掲載の番外編もコミックス未収録)。
プロレス界統一の野望を抱くロビンは改心せず、クイーン火美子も登場していません。
愛蔵版サイズの単行本ならば連載全25回+番外編を全2冊で収録する事が可能なので、続編の「レスラー軍団銀河編 聖戦士ロビンJr.」と併せた『完全版 レスラー軍団(正・続)』の刊行を希望する方も多いと思います。

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コミックス未登場のクイーン火美子ですが、初出誌『コミックボンボン』では連載第20回目から登場します。
掲載号は1989年6月号(9巻8号)。
扉ページにはヌードのクイーン火美子が描かれ、「クイーン火美子 衝撃の登場!」とのキャッチコピーが見られました。
ラーメンばあさんの正体を暗示させる原作シールを意識したのか、シャワーを浴び終えた後の浴室で初めて姿を見せます。
少年誌の規制にギリギリ引っ掛からないヌード描写には劣りますが、バスタオルを胸に巻いた姿のクイーン火美子を描いたのは読者へのサービスショットだったのかも知れません。

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ロビンのラーメン島上陸から物語は終盤へ突入。神器の一つ【神のベルト】を巡り、四大勢力(ラーメン軍,メン魔軍,正規軍,ビーナトロン)がトーナメント形式の試合で激しい争奪戦を繰り広げます。
友情の為にベルトを手放したロビン、兄のベン・K・ゴッド、メン魔軍の実力者である面魔ラザーニ、そしてクイーン火美子。
バトルロイヤルを勝ち抜いた両軍の精鋭レスラー16名が揃い、遂に最終決戦の舞台が整いました。

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全リングでの試合が一斉に開始されたトーナメント戦ですが、さすがのラーメン軍&正規軍の精鋭メンバーも武器を使うメン魔軍とビーナトロンの猛攻に苦戦を強いられます。
ラーメン軍と正規軍が劣勢に追い込まれる中、赤鬼星Z・Eとの戦いで満身創痍のクイーン火美子はSt.アバンメーラへ祈りささげてロビンにパワーを与え、未来への希望を託しました。

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ラーメン軍の軍団長的な存在のクイーン火美子でしたが、原作における巫女の役割をリング上で果たす結果となり、サポート役に廻された印象を受けました。
最終決戦でレスラーとしての活躍が目立たなかったのは残念ですが、赤鬼星Z・Eとの戦いで一方的に打ちのめされる彼女の姿が見られたのはリョナラーとしては嬉しかったです。
漫画版「レスラー軍団大抗争!」でクイーン火美子のリョナ場面が見られる事については、つるMK-3氏より御教示を頂きました。この場を借りて御礼申し上げます。
つるMK-3氏も気合の入ったリョナイラストを執筆されており、その作品はpixivにて閲覧可能となっていますので、pixiv会員の方はこちらへアクセスしてみて下さい。
【付記】
コミックス未収録の「レスラー軍団大抗争!」最終回ストーリーについては、ブログ「ゆうじの気まぐれなブログ」の2010年9月26日更新記事でダイジェスト紹介されています。画像も豊富に用いられているので、【神のベルト】を巡る戦いの結末が気になる方は、そちらを御覧下さい。
【追記】
クイーン火美子の「風呂からあがったシーン」をアップで見たいと言う御要望がありましたので、リョナシーンと併せて以下に再掲します。サムネイル画像をクリックすると別ウィンドウが開き、フルサイズ画像が御覧頂けます。(2010年12月14日・記)


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レスラー軍団特集(1) 漫画版「レスラー軍団銀河編 聖戦士ロビンJr.」の詳細
【秋の連続企画】麗しき巨大ヒロイン「ウルトラレディ」≪1≫≪2≫≪3≫ 開催中

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今日と明日は「レスラー軍団特集」として、桜多吾作氏の描く「レスラー軍団大抗争!」及び「レスラー軍団銀河編 聖戦士ロビンJr.」を取り上げる事にしました。
初回は(漫画発表順と逆になりますが)「レスラー軍団銀河編 聖戦士ロビンJr.」について紹介します。
今から20年以上前の事になりますが、講談社の少年漫画雑誌『コミックボンボン』に「レスラー軍団銀河編 聖戦士ロビンJr.」が連載されていました。
今も現役で活躍されている漫画家の桜多吾作氏がおうた ごさく名義で発表した作品です。
一般的な知名度は低い作品ですが、「ガムラツイスト」や「ラーメンばあ」が好きだった方には馴染みあるタイトルでしょう。同誌に連載されていた「レスラー軍団大抗争」の続編として1年間連載されました。
1990年にコミックス第1巻が発売されたものの続刊は出版されず、コミックスでは物語が完結していません。
人気低迷による打ち切りなのか後半は物語展開が早く、雑誌連載も未完に近い終わり方でした(気になる方には申し訳ありませんが、説明しづらい終わり方なので結末の解説は省かせて下さい)。
読者サービスのお色気シーンもありますが、ヒロイン役が基本的に少女なのでセクシー度は低めです。

(C)桜多吾作(おうた ごさく)/講談社
連載開始は『コミックボンボン』1989年10月号。「レスラー軍団大抗争!」最終回と同時掲載でした。
担当誌面の8割で「レスラー軍団大抗争!」最終回を描き、残りのページが「レスラー軍団銀河編 聖戦士ロビンJr.」のプロローグとなっています(目次では「聖戦士ロビンJr.」と表記)。
続編の舞台は、ロビン・ゴッドによる太陽系統一から25年後の世界。太陽系の暗黒化を企むG羅の野望を阻止する為に旅立ったロビン・ゴッドJr.と仲間達の冒険が描かれました。
以下、書誌的な情報を中心に簡単な内容紹介と見所のお色気シーンを紹介しようと思います。
コミックスが手許にないので未収録エピソードが連載何回目からとなるのか分からず、その点については触れていません。悪しからず御了承下さい。
まず初出情報ですが、『コミックボンボン』1989年10月号(9巻13号)から1990年10月号(10巻15号)への連載となります(号数が月号表記よりも多いのは、本誌と増刊号で巻次共有している為)。
広告と関連記事も多く、1990年5月号から7月号にかけては「聖戦士ロビンJr. 銀河倶楽部」入会申し込み案内の誌上広告が載りました。
放送中のTVアニメ「レスラー軍団〈銀河編〉 聖戦士ロビンJr.」を紹介するコーナーもあり、かなり力の入った誌面作りを展開しています。
連載状況と簡単な内容については、箇条書きのリストにしてみました。
お色気場面もメモとして記しましたので、参考になれば幸いです。
連載第1回(1989年10月号:9巻13号)
・新シリーズ開始。プロローグ。
連載第2回(1989年11月号:9巻14号)
・冥氷星での攻防。
連載第3回(1989年12月号:9巻15号)
・VS竜氷。
連載第4回(1990年1月号:10巻1号)
・壊王星攻略。
※マーシ・ラメイルのパンチラあり。

(C)カネボウフーズ【画像は、天安峠の隠れ茶屋より借用】
連載第5回(1990年2月号:10巻2号)
・VS猛羅。
連載第6回(1990年3月号:10巻3号)
・VS暗転王&雷拷。
※マーシのパンモロ,スカート捲られ場面あり。
連載第7回(1990年4月号:10巻4号)
・天邪星と禍紅邪のダークパワーが解ける。
※真理(ロビンJr.の母)のヌード,シャワーシーンあり。
連載第8回(1990年5月号:10巻6号)
・VS夢幻竜。
連載第9回(1990年6月号:10巻7号)
・VS虹幻姫。
連載第10回(1990年7月号:10巻9号)
・マーシ&チャチャ星宮救出作戦。
※マーシと星姫が蔦で縛られる場面,氷漬けにされる場面あり。
連載第11回(1990年8月号:10巻11号)
・VS面魔ラザーニ。
連載第12回(1990年9月号:10巻13号)
・ビリー・ジャン・ジョーが仲間になる。
※マリー(キラー・ジョーの妻)のパンチラあり。
連載最終回(1990年10月号:10巻15号)
・VSバトルデーモス=キラー・ジョー。
※マリーが氷漬けにされる。
連載第1回目には、前作「レスラー軍団大抗争!」のキャラクターも年齢を重ねた姿で登場します(この他、回想場面でも顔見せ程度に再登場)。
その中でシナチクQUEEN=クイーン火美子だけは若々しい姿を保っており、羅亜面神殿の守護者として禍紅邪の率いる軍団と戦い、暗黒化した太陽系惑星を救いに旅立つロビンJr.達を見送ります。

(C)桜多吾作(おうた ごさく)/講談社
人気低迷による打ち切りか、連載期間中に物語を描ききれなかったのか、それとも最初から意図した終わらせ方だったのか。詳しい事情は分かりませんが、やや消化不良の感が残る最終回となっているのが何とも惜しまれる漫画です。
昨今、往年の人気漫画が続々と復刊しているので本作の復刻も絶対に無いとは言い切れません。
もし復刻が叶うのであれば、是非とも最終回を加筆して出版して頂きたいです。
なお、本作と同時期に放送が始まったTVアニメ「レスラー軍団〈銀河編〉 聖戦士ロビンJr.」については未見なので、ここでの言及は避けます。
詳しい情報はWEBサイト「聖戦士ロビンJr.銀河倉部」に掲載されているので、そちらを参照して下さい。

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今日と明日は「レスラー軍団特集」として、桜多吾作氏の描く「レスラー軍団大抗争!」及び「レスラー軍団銀河編 聖戦士ロビンJr.」を取り上げる事にしました。
初回は(漫画発表順と逆になりますが)「レスラー軍団銀河編 聖戦士ロビンJr.」について紹介します。
今から20年以上前の事になりますが、講談社の少年漫画雑誌『コミックボンボン』に「レスラー軍団銀河編 聖戦士ロビンJr.」が連載されていました。
今も現役で活躍されている漫画家の桜多吾作氏がおうた ごさく名義で発表した作品です。
一般的な知名度は低い作品ですが、「ガムラツイスト」や「ラーメンばあ」が好きだった方には馴染みあるタイトルでしょう。同誌に連載されていた「レスラー軍団大抗争」の続編として1年間連載されました。
1990年にコミックス第1巻が発売されたものの続刊は出版されず、コミックスでは物語が完結していません。
人気低迷による打ち切りなのか後半は物語展開が早く、雑誌連載も未完に近い終わり方でした(気になる方には申し訳ありませんが、説明しづらい終わり方なので結末の解説は省かせて下さい)。
読者サービスのお色気シーンもありますが、ヒロイン役が基本的に少女なのでセクシー度は低めです。

(C)桜多吾作(おうた ごさく)/講談社
連載開始は『コミックボンボン』1989年10月号。「レスラー軍団大抗争!」最終回と同時掲載でした。
担当誌面の8割で「レスラー軍団大抗争!」最終回を描き、残りのページが「レスラー軍団銀河編 聖戦士ロビンJr.」のプロローグとなっています(目次では「聖戦士ロビンJr.」と表記)。
続編の舞台は、ロビン・ゴッドによる太陽系統一から25年後の世界。太陽系の暗黒化を企むG羅の野望を阻止する為に旅立ったロビン・ゴッドJr.と仲間達の冒険が描かれました。
以下、書誌的な情報を中心に簡単な内容紹介と見所のお色気シーンを紹介しようと思います。
コミックスが手許にないので未収録エピソードが連載何回目からとなるのか分からず、その点については触れていません。悪しからず御了承下さい。
まず初出情報ですが、『コミックボンボン』1989年10月号(9巻13号)から1990年10月号(10巻15号)への連載となります(号数が月号表記よりも多いのは、本誌と増刊号で巻次共有している為)。
広告と関連記事も多く、1990年5月号から7月号にかけては「聖戦士ロビンJr. 銀河倶楽部」入会申し込み案内の誌上広告が載りました。
放送中のTVアニメ「レスラー軍団〈銀河編〉 聖戦士ロビンJr.」を紹介するコーナーもあり、かなり力の入った誌面作りを展開しています。
連載状況と簡単な内容については、箇条書きのリストにしてみました。
お色気場面もメモとして記しましたので、参考になれば幸いです。
連載第1回(1989年10月号:9巻13号)
・新シリーズ開始。プロローグ。
連載第2回(1989年11月号:9巻14号)
・冥氷星での攻防。
連載第3回(1989年12月号:9巻15号)
・VS竜氷。
連載第4回(1990年1月号:10巻1号)
・壊王星攻略。
※マーシ・ラメイルのパンチラあり。

(C)カネボウフーズ【画像は、天安峠の隠れ茶屋より借用】
連載第5回(1990年2月号:10巻2号)
・VS猛羅。
連載第6回(1990年3月号:10巻3号)
・VS暗転王&雷拷。
※マーシのパンモロ,スカート捲られ場面あり。
連載第7回(1990年4月号:10巻4号)
・天邪星と禍紅邪のダークパワーが解ける。
※真理(ロビンJr.の母)のヌード,シャワーシーンあり。
連載第8回(1990年5月号:10巻6号)
・VS夢幻竜。
連載第9回(1990年6月号:10巻7号)
・VS虹幻姫。
連載第10回(1990年7月号:10巻9号)
・マーシ&チャチャ星宮救出作戦。
※マーシと星姫が蔦で縛られる場面,氷漬けにされる場面あり。
連載第11回(1990年8月号:10巻11号)
・VS面魔ラザーニ。
連載第12回(1990年9月号:10巻13号)
・ビリー・ジャン・ジョーが仲間になる。
※マリー(キラー・ジョーの妻)のパンチラあり。
連載最終回(1990年10月号:10巻15号)
・VSバトルデーモス=キラー・ジョー。
※マリーが氷漬けにされる。
連載第1回目には、前作「レスラー軍団大抗争!」のキャラクターも年齢を重ねた姿で登場します(この他、回想場面でも顔見せ程度に再登場)。
その中でシナチクQUEEN=クイーン火美子だけは若々しい姿を保っており、羅亜面神殿の守護者として禍紅邪の率いる軍団と戦い、暗黒化した太陽系惑星を救いに旅立つロビンJr.達を見送ります。

(C)桜多吾作(おうた ごさく)/講談社
人気低迷による打ち切りか、連載期間中に物語を描ききれなかったのか、それとも最初から意図した終わらせ方だったのか。詳しい事情は分かりませんが、やや消化不良の感が残る最終回となっているのが何とも惜しまれる漫画です。
昨今、往年の人気漫画が続々と復刊しているので本作の復刻も絶対に無いとは言い切れません。
もし復刻が叶うのであれば、是非とも最終回を加筆して出版して頂きたいです。
なお、本作と同時期に放送が始まったTVアニメ「レスラー軍団〈銀河編〉 聖戦士ロビンJr.」については未見なので、ここでの言及は避けます。
詳しい情報はWEBサイト「聖戦士ロビンJr.銀河倉部」に掲載されているので、そちらを参照して下さい。
サキュバス対ヴァンパイア
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滑らかなアニメーションと派手な演出で人気を集めたCAPCOM開発の対戦格闘ゲーム「VAMPIRE」シリーズには、世界各国の伝承に見られるモンスターが数多く登場します。
吸血鬼、人狼、人造人間、キャットウーマン、半魚人……等々。
個性豊かなキャラクターの中でも、特に人気の高いキャラクターがサキュバスのモリガンです。
胸元を露わにしたハイレグレオタード衣装(残念ながら生足ではなく、蝙蝠の模様が描かれたパンストを穿いています)が艶めかしく、淫魔らしいエロティシズムのオーラを全身から漂わせています。
他のCAPCOM作品へも出演しており、その実績が彼女の人気ぶりを証明しているとも言えるでしょう。
強大な魔力の持ち主と設定されているせいか、漫画やアニメの戦闘シーンでは劣勢になる事が少なく、リョナとは縁遠いキャラクターでもあります。
しかし、モリガンのリョナ場面が皆無という訳ではありません。
確認できたのは僅か2編ですが、モリガンが強敵との戦いで苦戦する貴重な漫画を描いた方がいるからです。
その漫画の作者は斗童刃氏(肉感的で妖艶な美女に定評のある漫画家・岬ゆきひろ氏の別名義らしいのですが、又聞きの未確認情報なので真偽は不明です)。
1994年と1995年にホビージャパンから刊行された「VAMPIRE」のアンソロジーコミックスへモリガンを主役にした作品を発表しており、前者では吸血鬼デミトリ、後者ではフォボスと戦いました。
このうち、美女の活き血を巡ってデミトリと激しい戦いを繰り広げる「瑪瑙のささやき」では、近距離から発射されたカオスフレアで壁まで吹き飛ばされて激しく全身を叩きつけられ、美しい顔に強烈なパンチを浴びせられ、最後は宙吊り状態で首を絞められます。
モリガンの苦痛の表情は希少価値が高いので、初めて漫画を読んだ当時、彼女を劣勢に追い込んだデミトリの積極的な攻めの姿勢に心から拍手を送っていました。

(C)斗童刃/ホビージャパン

(C)斗童刃/ホビージャパン

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滑らかなアニメーションと派手な演出で人気を集めたCAPCOM開発の対戦格闘ゲーム「VAMPIRE」シリーズには、世界各国の伝承に見られるモンスターが数多く登場します。
吸血鬼、人狼、人造人間、キャットウーマン、半魚人……等々。
個性豊かなキャラクターの中でも、特に人気の高いキャラクターがサキュバスのモリガンです。
胸元を露わにしたハイレグレオタード衣装(残念ながら生足ではなく、蝙蝠の模様が描かれたパンストを穿いています)が艶めかしく、淫魔らしいエロティシズムのオーラを全身から漂わせています。
他のCAPCOM作品へも出演しており、その実績が彼女の人気ぶりを証明しているとも言えるでしょう。
強大な魔力の持ち主と設定されているせいか、漫画やアニメの戦闘シーンでは劣勢になる事が少なく、リョナとは縁遠いキャラクターでもあります。
しかし、モリガンのリョナ場面が皆無という訳ではありません。
確認できたのは僅か2編ですが、モリガンが強敵との戦いで苦戦する貴重な漫画を描いた方がいるからです。
その漫画の作者は斗童刃氏(肉感的で妖艶な美女に定評のある漫画家・岬ゆきひろ氏の別名義らしいのですが、又聞きの未確認情報なので真偽は不明です)。
1994年と1995年にホビージャパンから刊行された「VAMPIRE」のアンソロジーコミックスへモリガンを主役にした作品を発表しており、前者では吸血鬼デミトリ、後者ではフォボスと戦いました。
このうち、美女の活き血を巡ってデミトリと激しい戦いを繰り広げる「瑪瑙のささやき」では、近距離から発射されたカオスフレアで壁まで吹き飛ばされて激しく全身を叩きつけられ、美しい顔に強烈なパンチを浴びせられ、最後は宙吊り状態で首を絞められます。
モリガンの苦痛の表情は希少価値が高いので、初めて漫画を読んだ当時、彼女を劣勢に追い込んだデミトリの積極的な攻めの姿勢に心から拍手を送っていました。

(C)斗童刃/ホビージャパン

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少年少女向け探偵小説の挿絵
【秋の連続企画】麗しき巨大ヒロイン「ウルトラレディ」≪1≫≪2≫≪3≫ 開催中

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情報メディアの発達に伴い、いろいろと規制事項も増えてきました。
数年前までは許されていた表現が現在では不適切とされる事は珍しくなく、その影響でメディア化されないドラマや映画、再放送できない番組も存在します。
インターネット上でも議論百出した「漫画児童ポルノ条例」では、しずかちゃんの入浴シーン、ワカメちゃんのパンチラは規制に該当しないとの事(2010年11月現在での回答)ですが、急に規制対象になる可能性が絶無とは言えません。
事情は異なりますが、このような表現の変化は少年少女向け探偵小説の世界にも見られ、悪人に捕えられた少年探偵役の子供が緊縛や折檻される場面を描いた作品は見られなくなりました。
少年少女向け探偵小説の「お約束」と言えば、子供が悪人に拷問される寸前で名探偵に助け出されるシーンが必ずと言って良いくらい見られたのですが……。
これだけハイテク機器が普及した現代、何十年も前に発表された作品と最近の作品を比較する事はナンセンスかも知れませんが、江戸川乱歩氏の「少年探偵」シリーズによく見られる怪奇官能美を描いた作品がなくなってしまったのは残念です。
……と、ここまでは前説。以下が本題となります。
かつてポプラ社から、江戸川乱歩氏が大衆雑誌や探偵小説専門誌へ発表した小説を子供向けにリライトした単行本が刊行されていました。
乱歩氏が自らリライト作業を行ったのではなく、江戸川乱歩作品と言ってよいのか微妙な作品群ですが、美女と獣の対決が有名な「人間豹」や通俗物の代表作「蜘蛛男」等、子供に読ませても良いのか悩む作品が児童書として出版されていた事は事実です。
現在は全て絶版といるので新刊として入手する事は不可能ですが、1980年代後半の増刷本ならば古書店の棚に並ぶ事も多く、現物を見た事がある方は多いかも知れません。
乱歩氏の創作小説には独特のエロスとマニアックなシチュエーションによる官能美が全編に漂う作品が多く、その妖しく美しい禁断の魅力はリライト作品にも引き継がされています。
ギロチン振子に恐怖する少女、手足を鎖で束縛された令嬢、獣人間に襲われる美しい探偵助手……。
非現実の世界で展開される耽美的風景に興奮した「少年探偵」愛読者は少なくないと思います。
今回、古き良き時代の挿絵をお楽しみ頂ければと思い、手許にある単行本からリョナっぽいシチュエーションの挿絵4点をスキャンしてみました。
刺激に慣れた現代人の目には興奮が感じられないかも知れませんが、どうぞ御笑覧下さい。
元版と改版で挿絵が異なりますが、ここでは改版の挿絵画像を使用しました。

(C)江戸川乱歩/山内秀一/ポプラ社

(C)江戸川乱歩/木村正志/ポプラ社

(C)江戸川乱歩/岩井泰三/ポプラ社
※「暗黒星」収録。
※明智文代が檻の中で熊と戦わされる場面を描いた挿絵(岩田専太郎・画)を復刻。
※「人間豹」収録。

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情報メディアの発達に伴い、いろいろと規制事項も増えてきました。
数年前までは許されていた表現が現在では不適切とされる事は珍しくなく、その影響でメディア化されないドラマや映画、再放送できない番組も存在します。
インターネット上でも議論百出した「漫画児童ポルノ条例」では、しずかちゃんの入浴シーン、ワカメちゃんのパンチラは規制に該当しないとの事(2010年11月現在での回答)ですが、急に規制対象になる可能性が絶無とは言えません。
事情は異なりますが、このような表現の変化は少年少女向け探偵小説の世界にも見られ、悪人に捕えられた少年探偵役の子供が緊縛や折檻される場面を描いた作品は見られなくなりました。
少年少女向け探偵小説の「お約束」と言えば、子供が悪人に拷問される寸前で名探偵に助け出されるシーンが必ずと言って良いくらい見られたのですが……。
これだけハイテク機器が普及した現代、何十年も前に発表された作品と最近の作品を比較する事はナンセンスかも知れませんが、江戸川乱歩氏の「少年探偵」シリーズによく見られる怪奇官能美を描いた作品がなくなってしまったのは残念です。
……と、ここまでは前説。以下が本題となります。
かつてポプラ社から、江戸川乱歩氏が大衆雑誌や探偵小説専門誌へ発表した小説を子供向けにリライトした単行本が刊行されていました。
乱歩氏が自らリライト作業を行ったのではなく、江戸川乱歩作品と言ってよいのか微妙な作品群ですが、美女と獣の対決が有名な「人間豹」や通俗物の代表作「蜘蛛男」等、子供に読ませても良いのか悩む作品が児童書として出版されていた事は事実です。
現在は全て絶版といるので新刊として入手する事は不可能ですが、1980年代後半の増刷本ならば古書店の棚に並ぶ事も多く、現物を見た事がある方は多いかも知れません。
乱歩氏の創作小説には独特のエロスとマニアックなシチュエーションによる官能美が全編に漂う作品が多く、その妖しく美しい禁断の魅力はリライト作品にも引き継がされています。
ギロチン振子に恐怖する少女、手足を鎖で束縛された令嬢、獣人間に襲われる美しい探偵助手……。
非現実の世界で展開される耽美的風景に興奮した「少年探偵」愛読者は少なくないと思います。
今回、古き良き時代の挿絵をお楽しみ頂ければと思い、手許にある単行本からリョナっぽいシチュエーションの挿絵4点をスキャンしてみました。
刺激に慣れた現代人の目には興奮が感じられないかも知れませんが、どうぞ御笑覧下さい。
元版と改版で挿絵が異なりますが、ここでは改版の挿絵画像を使用しました。


(C)江戸川乱歩/山内秀一/ポプラ社

(C)江戸川乱歩/木村正志/ポプラ社

(C)江戸川乱歩/岩井泰三/ポプラ社
![]() | 江戸川乱歩全集 第10巻 大暗室 (光文社文庫) (2003/08/08) 江戸川 乱歩 商品詳細を見る |
![]() | 地獄の道化師―江戸川乱歩全集〈第13巻〉 (光文社文庫) (2005/08) 江戸川 乱歩 商品詳細を見る |
※「暗黒星」収録。
![]() | 人間豹―乱歩〈19〉 (創元推理文庫) (2002/08) 江戸川 乱歩 商品詳細を見る |
※明智文代が檻の中で熊と戦わされる場面を描いた挿絵(岩田専太郎・画)を復刻。
![]() | 江戸川乱歩全集 第9巻 黒蜥蜴 (光文社文庫) (2003/10/10) 江戸川 乱歩 商品詳細を見る |
※「人間豹」収録。
ウルトラの母、貴重なヒロピン場面
【秋の連続企画】麗しき巨大ヒロイン「ウルトラレディ」≪1≫≪2≫≪3≫ 開催中

(C)らすP/a-ru/桜光刃/dis/中島至誠/二次剣/モルデンデン
(C)新居こじろ/L85A1/静有希/Shade/バラピ/MAXやすひろ/無論
【イラスト募集告知】 シナチクQUEENのイラスト募集中。詳しくはこちらを御参照下さい。

★現在の通知状況:5名様から御連絡あり★
極少数の男性ファンから支持を得ている(と思われる)ウルトラの母が初めて登場したのは、今から37年前の事です。
大きな胸、くびれた腰。それまでの「ウルトラマン」シリーズに見られなかった女性型ウルトラマンとして、リアルタイムでシリーズを見続けてきた人々に強烈な印象を与えた事でしょう。
最初はシルエットとして登場したに過ぎず、実質的な初登場=姿を披露したのは「ウルトラマンタロウ」の第3話「ウルトラの母はいつまでも」からとなります。
地球での仮の姿は女性交通指導員ですが、特に氏名は設定されていません。
傷ついたウルトラ戦士の救護や看護活動を中心とする銀十字軍隊長なので、ウルトラの母が前線に立って怪獣や宇宙人と戦う事は基本的にありません。
その為、劇中で女性型ウルトラマンのピンチシーンを楽しみにしていながら、見事に期待を裏切られたと思った方も多かった事と思います(再放送で見た世代ですが、私も「期待を裏切られた」視聴者の一人です)。
強いて言えば、前記の「ウルトラの母はいつまでも」の後半、ライブキングの下敷きになった東光太郎を助け出そうとライブキングに一人で立ち向かった程度ですが、その巨体を必死に動かそうとしたり、火炎攻撃に苦しんだりする場面だけでは物足りませんでした。
そんな鬱憤から約35年。
2009年12月に公開された映画「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」にて、ウルトラの母のピンチ場面を待ちわびていたヒロピン好きの渇を癒す出来事がありました。
敵役であるウルトラマンベリアルに対し、ウルトラの母が自ら肉弾戦を繰り広げるシーンがあったのです。
これには多くのファンが驚いた事でしょう。何と言っても、ウルトラの母の初バトルシーンが見られたのですから。
赤いマントを羽織った姿からは気高い貴婦人のような色気が感じられ、ピンチシーンと言えるか分かりませんが、敵の反撃を受けたウルトラの母が苦悶する姿にはリョナ的要素も感じられました。
ウルトラの母のヒロピン場面を待ち続けた少数の人々も納得できる戦闘シーンだと思います。
すでにDVDが発売されていますが、せっかくなので、「ウルトラの母はいつまでも」のライブキング戦と併せ、ウルトラの母のヒロピン場面の画像を紹介しようと思います。
版権の都合もあり、この記事自体を削除(または内容修正)する事になるかも知れません。そうなった場合は御了承下さい。
余談となりますが、ウルトラの母の本名が「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」で明らかにされました。彼女の名前はウルトラウーマンマリーというそうです。


(C)円谷プロ



※画像の角度は無修正(このアングルで撮影されています)。
(C)円谷プロ
【データー】
1.「ウルトラマンタロウ」第3話「ウルトラの母はいつまでも」
⇒ライブキング戦[本編20分13秒~33秒]
2.「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」
⇒ウルトラマンベリアル戦[本編18分56秒~19分13秒]
⇒ウルトラマンベリアルの攻撃[本編32分40秒~33分00秒]
【情報提供サイト】
WEBサイト「特撮ヒーロー作戦!」
2009年8月3日更新記事「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説/ウルトラの母初バトル?!ホビー誌最新情報」より
※「ウルトラの母はいつまでも」収録。

(C)らすP/a-ru/桜光刃/dis/中島至誠/二次剣/モルデンデン
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極少数の男性ファンから支持を得ている(と思われる)ウルトラの母が初めて登場したのは、今から37年前の事です。
大きな胸、くびれた腰。それまでの「ウルトラマン」シリーズに見られなかった女性型ウルトラマンとして、リアルタイムでシリーズを見続けてきた人々に強烈な印象を与えた事でしょう。
最初はシルエットとして登場したに過ぎず、実質的な初登場=姿を披露したのは「ウルトラマンタロウ」の第3話「ウルトラの母はいつまでも」からとなります。
地球での仮の姿は女性交通指導員ですが、特に氏名は設定されていません。
傷ついたウルトラ戦士の救護や看護活動を中心とする銀十字軍隊長なので、ウルトラの母が前線に立って怪獣や宇宙人と戦う事は基本的にありません。
その為、劇中で女性型ウルトラマンのピンチシーンを楽しみにしていながら、見事に期待を裏切られたと思った方も多かった事と思います(再放送で見た世代ですが、私も「期待を裏切られた」視聴者の一人です)。
強いて言えば、前記の「ウルトラの母はいつまでも」の後半、ライブキングの下敷きになった東光太郎を助け出そうとライブキングに一人で立ち向かった程度ですが、その巨体を必死に動かそうとしたり、火炎攻撃に苦しんだりする場面だけでは物足りませんでした。
そんな鬱憤から約35年。
2009年12月に公開された映画「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」にて、ウルトラの母のピンチ場面を待ちわびていたヒロピン好きの渇を癒す出来事がありました。
敵役であるウルトラマンベリアルに対し、ウルトラの母が自ら肉弾戦を繰り広げるシーンがあったのです。
これには多くのファンが驚いた事でしょう。何と言っても、ウルトラの母の初バトルシーンが見られたのですから。
赤いマントを羽織った姿からは気高い貴婦人のような色気が感じられ、ピンチシーンと言えるか分かりませんが、敵の反撃を受けたウルトラの母が苦悶する姿にはリョナ的要素も感じられました。
ウルトラの母のヒロピン場面を待ち続けた少数の人々も納得できる戦闘シーンだと思います。
すでにDVDが発売されていますが、せっかくなので、「ウルトラの母はいつまでも」のライブキング戦と併せ、ウルトラの母のヒロピン場面の画像を紹介しようと思います。
版権の都合もあり、この記事自体を削除(または内容修正)する事になるかも知れません。そうなった場合は御了承下さい。
余談となりますが、ウルトラの母の本名が「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」で明らかにされました。彼女の名前はウルトラウーマンマリーというそうです。




(C)円谷プロ







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【データー】
1.「ウルトラマンタロウ」第3話「ウルトラの母はいつまでも」
⇒ライブキング戦[本編20分13秒~33秒]
2.「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」
⇒ウルトラマンベリアル戦[本編18分56秒~19分13秒]
⇒ウルトラマンベリアルの攻撃[本編32分40秒~33分00秒]
【情報提供サイト】
WEBサイト「特撮ヒーロー作戦!」
2009年8月3日更新記事「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説/ウルトラの母初バトル?!ホビー誌最新情報」より
![]() | DVD ウルトラマンタロウ VOL.1 (2005/05/27) 特撮(映像) 商品詳細を見る |
※「ウルトラの母はいつまでも」収録。
![]() | 大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE 通常版 [DVD] (2010/04/23) 南翔太黒部 進 商品詳細を見る |
【パイロット版】ウルトラレディ・シャイン 「怪奇怪絶! 飛来の円盤生物」
【秋の連続企画】麗しき巨大ヒロイン「ウルトラレディ」≪1≫≪2≫≪3≫ 開催中

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【空想巨大ヒロインシリーズ ウルトラレディ・シャイン(パイロット版)】
「怪奇怪絶! 飛来の円盤生物」
原案:らすP(「ウルトラレディ・シャイン」より)
文章:新 京史朗
挿絵:中島 至誠
ジリリリリリ。
目覚まし時計の無機質なベルの音が室内に鳴り響く。
「はいはい。いま起きますってば」
柚本紗希は布団の中から手を伸ばし、枕元で鳴り続ける目覚まし時計のベルを止めた。
「あ~、よく寝た。久しぶりの休暇だと思うと快眠できるわ」
紗希はベッドから降りると大きく背伸びをし、窓のカーテンを開けた。外は雲一つない快晴。
風薫る五月の陽光を全身に浴び、しばらく日光浴を楽しむと、そのまま紗希はキッチンへ向かった。
トーストとサラダ、ミルクティーを手早く用意してトレーに乗せると、そのままリビングへ。
ソファーに腰を落ち着け、テレビの電源を入れる。
地球防衛組織の一員である紗希は、殺伐とした激務に勤しむ毎日から解放される休暇が大好きだった。
一人の女性として、ありふれた生活を送れるのだから。
地球では「柚本紗希」と名乗っているが、彼女の正体は宇宙連邦警備軍に所属するウルトラレディ・シャインであった。
太陽系の中でも恵まれた星である地球を新たな植民惑星として狙う宇宙人が増え、その侵攻を防ぐため、数年前に警備軍から派遣されたのである。
警備軍の予想は当たり、シャインが地球へ派遣されたのと時を同じくして侵略者たちが次々と地球に現れた。
シャインの活躍によって侵略者は撃退され、今のところは大事に至らないが、彼女の手におえない強敵が来ないとも言い切れない。
そこで国連が中心となり「地球防衛組織 L.A.S.P」が設立され、地球人自身も自己防衛に力を入れ始めた。
紗希は日本支部の一員であり、入隊二年目ながら数々の功績をあげ、本部から何度も表彰されている。
防衛隊員としても、ウルトラ戦士としても、紗希は大活躍しているのであった。
「次のニュースです。今朝早く、東京都**区**町の上空に巨大な円盤型の飛行物体が現れ、大きな騒動がもちあがっています。御覧の映像は飛行物体の現在の様子です。中央より下の逆三角形部分からムチ状の触手が4本生えた形状である事が確認できます」
アナウンサーの言葉に反応した紗希は、トーストを食べる手を止めてテレビの画面に目をやった。
画面には晴れわたった空に浮かぶ巨大な円盤が映っており、アナウンサーの言う気味悪く蠢く4本の触手も確認できる。
「こ、これは……」
しばらくして画面はニューススタジオに切り替わり、アナウンサーがニュースを読み続ける。
「日本時間の昨夜未明には『衛星観測基地M.A.C』より「巨大な触手が基地内に侵入。円盤型飛行物体より攻撃を受けている」との通信がケネディ宇宙センターの通信指令室へ入電されており、M.A.Cを襲った飛行物体の襲来である事は間違いないと思われます。現在、特に変わった動きは見られませんが、防衛省とL.A.S.Pの精鋭チームは円盤迎撃の準備を進め、円盤を破壊する方針との事です。詳しい情報が入り次第、速報でお知らせ致しますので、東京都内にお住まいの方は続報に御注意下さい」
なんとなく歯切れの悪いニュースだったが、断片的な情報しか入っていなかったのだろう。アナウンサーは早くも次のニュースを報じている。
我に返った紗希はテレビの電源を消し、すぐに出掛ける支度を始めた。
そして、テレビ画面に映った不気味な円盤の姿を思い出しながら呟いた。
「間違いないわ。あれは、円盤生物シルバーブルーメ……」
ララーララ、ララーララ、ラーララララーラー。
紗希が玄関のドアを閉めると同時に携帯電話の着信メロディが鳴った。
「はい、柚本です」
「紗希君か、俺だ。嵐山だ。ニュースを見たか」
「見ました。巨大な円盤型飛行物体の事ですね」
「ああ。今、早田隊長から連絡があってな。俺と井出が出動する事になった」
「それでは……」
「いや、君は休暇中だから自宅待機で構わん。ただ、一つ頼まれてくれんか」
「何でしょう」
「万が一、あの円盤が攻撃を開始した場合、付近の住民を安全な場所まで誘導して欲しいんだ。警察だけでは手が足りんだろうからな」
「了解です。これから**町へ急行し、現場付近で待機します」
「休み中、すまんな」
「いいえ、大した事ではありません。それより、嵐山さんも井出さんも気をつけて下さい」
「ははは、ありがとう。紗希君は優しいなぁ。それじゃ」
通話を終えた紗希が腕時計を見ると7時40分前だった。
(今から**町まで車をとばせば30分程度で着ける)
愛車に乗り込んだ紗希はアクセルを踏み込み、猛スピードで**町へ急ぐ。
(太陽光をエネルギーにするシルバーブルーメが動き出す前に……エネルギーの充電が終わる前に宇宙へ運んで破壊しないと)
人々の感心を集める円盤生物シルバーブルーメは特に動き出す様子も見せず、その巨体を宙に浮かせている。
真下のビルは大きな影に覆われ、まるで夜のような暗さだ。
道路が込み合い、紗希が現場に到着したのは午前8時30分を過ぎていた。
裏道に車を停め、ビルの陰に身を隠した紗希はジャケットの内ポケットから小型電燈のような物を取り出し、それを空高く掲げた。
先端のクリアな球体部分に光が集まり、光の採取量を表す側面のメモリが凄い勢いで上昇する。
メモリが「FULL」になった時、紗希はスイッチを押しながら声高に叫んだ。
「トランスフォーメイション」
次の瞬間、紗希の全身がまばゆい光に包まれた。
シルバーブルーメの一挙一動に集中していた人々の視線が光源に向けられた時、そこに紗希の姿はなかった。
「あ、見ろ。シャインだ」
「本当だ」
「シャイン。気をつけてぇ」
ビル群の中に颯爽と現れたウルトラレディ・シャイン。不気味な円盤の脅威から地球を救ってくれる事を期待し、人々は彼女の勇姿に声援を送った。

(C)中島至誠
空高く飛び上がったシャインは、シルバーブルーメ目指して飛行する。
向こうに浮かぶ円盤のボディが銀色に輝き、太陽光を反射するのが遠目にもハッキリと見えた。
「シルバーブルーメの全身が銀色に輝き始めたわ。エネルギーの充電が完了しかけているようね」
シルバーブルーメは宇宙怪獣の中でも非常に珍しい金属生物である。つまり、金属であると同時に生物でもあるのだ。
円盤状の姿から宇宙警備隊の間では「円盤生物」とも呼ばれている。
シャイン自身は人伝手に聞いただけだが、数百年前、銀十字軍隊本部を襲った際にウルトラマザーが苦戦の末に辛うじて撃退したと言う。
今でこそ第一線から身を引いて久しいマザーだが、かつては銀十字隊の防衛部隊を率いる勇将として名を知られた女性ウルトラ戦士だった。
最悪の場合、全盛期の銀十字隊防衛部隊長すら苦戦させた強敵と戦わなければならない。
シャインの心臓は鼓動を早め、全身から汗が噴き出る。
(でも、逃げるわけにはいかない。私には地球を守る義務がある。例え、この戦いで命を落とす事になっても……逃げるわけにはいかない)
自らに言い聞かせ、シャインは覚悟をきめた。
遂にシャインはシルバーブルーメの姿を目前に捕えた。
(これだけ近づいても無反応という事は、まだエネルギーチャージが終わっていないようね。今なら……)
そう思った瞬間、シルバーブルーメのボディーから耳障りな電子音が聞こえてきた。
ピピピピ……ピピピピ……ピピピピピピピピ。
「しまった。間に合わなかった」
これが充電完了の合図だったのか、今まで沈黙を守っていたシルバーブルーメが活動を開始した。
円形に膨らんだボディ中央部分、そこにある横に長い菱形の赤いランプが激しく点滅したかと思うと、だらしなく垂れ下がっていた四本の触手がシャインに向かって伸びてきた。
「くッ」
あまりのスピードに避ける暇もなく、シャインは両腕を触手に絡め取られてしまった。
「円盤が動き出したぞ」
「シャイン、気をつけてぇ」
「防衛軍は何をやってるんだ」
地上の人々が活動を開始したシルバーブルーメと、それに立ち向かうシャインの姿を見ながら口々に自分の思いを述べる。
両手の自由を奪われたシャイン、彼女めがけて残る2本の触手が向かってきた。
ビシッ。ビシッ。ビシッ。
「キャアァァ」
2本の触手はシャインの全身を容赦なく打ちつける。まるで鞭のような攻撃だ。
ビシッ。ビシッ。ビシッ。
ビリッ。ビリリッ。ビリッ。
打たれれば打たれる程、シャインの体を覆う赤いコスチュームが破けていく。
(このままじゃ、全裸にされちゃう。うッ、うぅぅ。駄目だわ、両腕が動かない……)
容赦ないシルバーブルーメの攻撃は休む事を知らず、あらゆる方向からシャインの体を打ち続ける。
ビシッ。ビシッ。ビシッ。
ビリビリッ。ビリッ。
胸部、腹部、臀部の衣装も面積を狭め続け、どんどん肌が露わになる。
「おい、あれを見ろ」
「防衛軍の戦闘機だ」
「頼むぞぉ、防衛軍」
シャインの危機を助けるようなタイミングで2機の戦闘機が現れた。これぞ、L.A.S.Pが誇る最新鋭の戦闘機【ファントム・ブラッド】である。
「見ろ、嵐山。シャインちゃんが苦戦してるぞ」
「言われなくても分かってるよ。俺にだって目はついてるんだから」
「そりゃそうだ。目がついてなかったら飛行機の操縦なんて出来ないもんな」
「馬鹿野郎。下らねえ揚げ足を取るな」
「へいへい」
「キャップ、キャップ。こちら嵐山。応答願います」
「早田だ。どうした」
「円盤の姿を捉えましたが、シャインが触手攻撃を受けて苦戦しています。1号機搭載のワイルドミサイルの目標を円盤本体から2本の触手へ変更してもよろしいでしょうか」
「援護が必要な状況か?」
「はい。両手を束縛され、思うように戦えないようです」
「分かった。2号機へは私が連絡を入れておく。君たちはシャインの援護を優先させろ」
「了解」
(あれは防衛軍の戦闘機)
激痛に耐えながら、シャインは近づいてくる機影に気がついた。
そう思うと同時に2発のミサイルが発射され、寸分の狂いもなくシャインの両腕を束縛する触手を破壊した。
ブチ。ブチ。
鈍い音と共に2本の触手が切断された。
両腕が自由になったシャインは腕に触手の破片を絡ませたまま、ボディめがけて迫りくる残った2本の触手を捕え、そのまま体を回転させてシルバーブルーメを遠くにみえる山の方へ投げ飛ばした。
勢いよく飛んでいくシルバーブルーメの巨体。その後をシャインも追う。
山の上空で戦えば地上への被害が最小限ですむと考慮したシャインだが、敵も彼女の考えを察知したのか、それとも破壊本能のなせるわざか、スピードが弱まり始めたところで再び進行方向を都市上空へ定め、その巨体を勢いよく逆方向へ向けて進ませる。
「そうはさせないわ」
跡を追っていたシャインは、反対側から猛スピードで迫りくるシルバーブルーメを渾身の力を込めて受け止めた。
バシッ。
「うぐッ」
あまりの衝撃に苦悶の表情を浮かべるシャイン。だが、その両腕はシルバーブルーメの巨体をガッシリと受け手目、都市上空への進行を遮っている。
「うぅぅ。な、なんてパワー。ここままじゃ押し負けちゃう」
シャインが渾身の力を込めてて受け止めているにも関わらず、前進しようとするシルバーブルーメのパワーの方が強く、ゆっくりとだが都市部へ進行している。
「くぅぅぅぅ」
持てる全ての力を出し切ってもシルバーブルーメの進行は止められない。
その時、背後から防衛軍の戦闘機が追いつき、シャインの脇を通り抜けてシルバーブルーメに攻撃を始めた。
ミサイル、小型バルカン砲、レーザー光線。
搭載している武器を駆使しながら休む暇もなく攻撃を続ける。
だが、シルバーブルーメのボディーには傷一つ付けられなかった。
「化け物め。なんて体してやがる」
「宇宙から飛んでくる奴だ、化け物に決まってるさ」
「うるせぇ。お前は一言多いんだよ。無駄口を叩く暇があれば何か対策を考えろ」
「そう言われても……」
「くそぉ」
「こちら1号機。2号機、応答せよ」
「こちら2号機。どうした」
「見ての通り、我々の科学力では円盤に傷一つ付けられん」
「そのようだな。今も井出と同じ事を話し合っていたところだ」
「このまま攻撃を続けるにしても武器のストックがなくなる。一度退却しようと思うのだが」
「しかし、シャインを置いて俺達が逃げるわけには」
「だが、俺達が邪魔でシャインが思うように戦えないのかも知れない。どっちにしろ、武器が使えなくなれば帰還するしかない」
「分かった。キャップの指示を仰ごう」
「うむ」
(防衛軍の戦闘機が帰って行く。武器が尽きたのね)
攻撃を止めた2機の戦闘機が帰還する様子をみながら、シャインは心の中で思った。
(でも、私は逃げるわけにはいかないわ。なんとかシルバーブルーメを倒さないと)
全力でシルバーブルーメを受け止めながら、必死にシャインは考える。
(強靭なボディーは攻めても無駄だわ。私の力でも傷一つ付けられない。可能性としては、頂上にあるエネルギー吸収装置ね。クリアブルーのドームで覆われているけど、あそこが弱点に違いないと思うけど……)
意識が別の事に集中している為か、シャインはシルバーブルーメの千切れた触手が再生している事にも、足元から4本の触手が迫ってきている事にも気づいていない。
何か嫌な予感を覚えたシャインが足元を見た時には、もう遅かった。
物凄い勢いで4本の触手がシャインの両手両足に絡みつき、彼女から四肢の自由を完全に奪った。
「し、しまった」
先程と違い今度は両足も動かせない。シャインは万歳をした格好で空中に磔られてしまった。
「んもぅ。これだから触手は嫌いなのよ」
シャインは絡みつく触手から逃れる為、猛スピードで都市上空に向かって飛び立った。
不意をつかれたシルバーブルーメは彼女の跡を追うタイミングを逃したうえ、勢いよく飛び立ったシャインによって4本の触手を引き千切られてしまった。
細長いゴムの一片を重い物に固定し、もう一片の先端を持って勢いよく引っ張るとゴムが千切れる。この現象をシャインは応用したのだ。
触手の破片が手足に絡んだままシャインは飛行を続ける。
もちろん、シルバーブルーメから逃げるのではなく、彼女なりの算段があった。
シャインの考えでは、このままシルバーブルーメに自分の跡を追わせ、距離が縮まった所で不意に方向転換し、円形に膨らんだボディ中央部分を利用して天井部の真上からゼスペリオル光線で頭脳部分を破壊しようというのだ。
危険な賭けには違いないが、唯一の弱点らしい場所を狙う意外にシルバーブルーメを倒す方法は思い当たらない。
「追って来なさい、シルバーブルーメ」
後ろを振り返りながらシャインは飛び続ける。
シャインの計算通り、数秒の出遅れを取り戻すかのようにシルバーブルーメは物凄い早さで迫って来た。
そして、耳障りな警告音を発した赤いランプの部分から光線を発射してきた。
「キャッ」
予想外の反撃に焦せるシャインだが、体をかすめる光線に傷つきながらも飛行を続ける。

(C)中島至誠
(今だわ)
頃合いと判断したシャインは体を90度回転させると、逆立ちする恰好で円形の出っ張りに体を着地させ、そのまま両腕の屈伸する力を利用してシルバーブルーメの真上まで飛び上がった。
予期せぬ相手の行動に驚いて急ブレーキをかける形で動きを止めたのがシルバーブルーメの運の尽き。この一瞬が命取りとなったのだ。
シャインは腕をL字に組み合わせ、そこへエネルギーを集中させた。
まばゆい光がシャインの組み合わせた腕に集まる。
「ゼスペリオル光線!」
クリアブルーのドームに狙いを定め、集中させたエネルギーを一気に放出させた。
七色に輝く光線は見事にドムーを貫通し、シルバーブルーメの頭脳とも言える制御装置をも破壊する。
「ビビビビー・・・・・・・ピピピピピー・・・・・・ピリピリピリピリ・・・・・・ピッ・・・」
ブザーのような音を断続的に発した後、弱々しいアラーム音となり、最後に音が止んだ。
ボディの至る所に設置された全てのランプが消灯し、シルバーブルーメは巨大な鉄の塊となって高層ビル群の中へ落ちていく。
「あ、いけない」
大急ぎで落下するシルバーブルーメに追いつくと、高層マンションの屋上ギリギリで命を失った鉄塊を受け止めた。
「うぅぅ。お、重い。死んでからも迷惑かけないでよね」
巨大なシルバーブルーメの死骸を抱え、シャインは空の彼方へと飛び去った。
シルバーブルーメの襲来から一夜が明け、再び太陽が空に昇った。
シャインに変身して戦ったのは久しぶりだった沙希は、夕方になって**町から帰宅すると同時にソファーへ倒れ込み、そのまま朝まで熟睡してしまった。
いつもより1時間早く起床し、シャワーを浴びようと脱衣所で服を脱ぎ全裸になった瞬間、沙希は悲鳴を挙げた。
「いやぁぁ。なによ、この傷痕」
シルバーブルーメの触手で叩かれた部分が赤く腫れあがっており、まるで鞭で打たれたような痕跡を淑女の肌に残していたのだ。
変身時は肉体が強化されているので傷痕は目立たなかったが、肉体強度が劣る人間体にはハッキリとダメージの痕跡が刻まれている。
「よりによって、今日は体力測定の日なのよねぇ。こんな体じゃタンクトップやホットパンツに着替えられないわ」
傷痕をさすりながら沙希は呟いた。
「ウルトラウーマンも楽じゃないわね」
その後、宇宙連邦警備軍の後輩であるティアナ(彼女の実母が、あのウルトラマザーなのである)から、近年の研究によってシルバーブルーメの生態が明らかにされた事を聞いた。
ボディを形成する金属物質が個体によって異なり、その強さはボディを形成する金属物質の硬度と比例するらしく、数百年前にウルトラマザーが倒したのは最強高度のシルバーブルーメ・ジュラルミンだと言う。
さらに数日後、シャインが死骸処理の為に宇宙連邦警備軍科学技術部門へ預けたボディーの分析結果から、彼女が倒したのシルバーブルーメは、ボディーの強度は強いが知能は今一つとされるシルバーブルーメ・ブロンズである事が分かった。
この事実を知ったシャインは、自分が倒した円盤生物シルバーブルーメは強かったのか弱かったのか、どうもハッキリせずモヤモヤした気分に陥ったのであった……。
【あとがき】
らすP氏の「ウルトラレディ」シリーズを原作とした二次創作作品です。優れたイラスト作品と接しているうちに創作意欲が刺激され、短編小説として仕上げてみました。
後半の展開は急ぎ足となってしまい、やや龍頭尾蛇の感がありますが、最後まで読んで頂けましたら幸いです。
いろいろツッコミ所があると思いますが、そこは目をつぶって読み流して下さい……。
一点だけ告白させて頂きますが、「シルバーブルーメは個体によって強さが違う」というオリジナル設定は、ウルトラマザーが苦戦した相手をシャインが簡単に倒してしまった事に整合性をもたせようとした結果の後付け設定です。その為、前半と後半ではシルバーブルーメのキャラクターが全く違ってしまいました。
なお、キャラクターの基礎設定は「ウルトラマンレオ」(製作:円谷プロ)及び「ウルトラレディ・シャイン」(原作:らすP)より借りていますが、大幅なアレンジを加えた点もあります。
イメージを崩さないように努力したつもりですが、「これは違うんじゃないか」と違和感を覚えられる箇所があった場合は、どうか御海容下さい。
蛇足ながら、本作のタイトルは三津木春影氏の短編「奇絶怪絶 飛来の短剣」を元ネタとしている事を述べておきます。
【謝辞】
らすP氏と中島至誠氏の御二人より、二次創作許可とイラスト転載の許可を頂きました。記して感謝致します。

(C)らすP/a-ru/桜光刃/dis/中島至誠/二次剣/モルデンデン
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【空想巨大ヒロインシリーズ ウルトラレディ・シャイン(パイロット版)】
「怪奇怪絶! 飛来の円盤生物」
原案:らすP(「ウルトラレディ・シャイン」より)
文章:新 京史朗
挿絵:中島 至誠
ジリリリリリ。
目覚まし時計の無機質なベルの音が室内に鳴り響く。
「はいはい。いま起きますってば」
柚本紗希は布団の中から手を伸ばし、枕元で鳴り続ける目覚まし時計のベルを止めた。
「あ~、よく寝た。久しぶりの休暇だと思うと快眠できるわ」
紗希はベッドから降りると大きく背伸びをし、窓のカーテンを開けた。外は雲一つない快晴。
風薫る五月の陽光を全身に浴び、しばらく日光浴を楽しむと、そのまま紗希はキッチンへ向かった。
トーストとサラダ、ミルクティーを手早く用意してトレーに乗せると、そのままリビングへ。
ソファーに腰を落ち着け、テレビの電源を入れる。
地球防衛組織の一員である紗希は、殺伐とした激務に勤しむ毎日から解放される休暇が大好きだった。
一人の女性として、ありふれた生活を送れるのだから。
地球では「柚本紗希」と名乗っているが、彼女の正体は宇宙連邦警備軍に所属するウルトラレディ・シャインであった。
太陽系の中でも恵まれた星である地球を新たな植民惑星として狙う宇宙人が増え、その侵攻を防ぐため、数年前に警備軍から派遣されたのである。
警備軍の予想は当たり、シャインが地球へ派遣されたのと時を同じくして侵略者たちが次々と地球に現れた。
シャインの活躍によって侵略者は撃退され、今のところは大事に至らないが、彼女の手におえない強敵が来ないとも言い切れない。
そこで国連が中心となり「地球防衛組織 L.A.S.P」が設立され、地球人自身も自己防衛に力を入れ始めた。
紗希は日本支部の一員であり、入隊二年目ながら数々の功績をあげ、本部から何度も表彰されている。
防衛隊員としても、ウルトラ戦士としても、紗希は大活躍しているのであった。
「次のニュースです。今朝早く、東京都**区**町の上空に巨大な円盤型の飛行物体が現れ、大きな騒動がもちあがっています。御覧の映像は飛行物体の現在の様子です。中央より下の逆三角形部分からムチ状の触手が4本生えた形状である事が確認できます」
アナウンサーの言葉に反応した紗希は、トーストを食べる手を止めてテレビの画面に目をやった。
画面には晴れわたった空に浮かぶ巨大な円盤が映っており、アナウンサーの言う気味悪く蠢く4本の触手も確認できる。
「こ、これは……」
しばらくして画面はニューススタジオに切り替わり、アナウンサーがニュースを読み続ける。
「日本時間の昨夜未明には『衛星観測基地M.A.C』より「巨大な触手が基地内に侵入。円盤型飛行物体より攻撃を受けている」との通信がケネディ宇宙センターの通信指令室へ入電されており、M.A.Cを襲った飛行物体の襲来である事は間違いないと思われます。現在、特に変わった動きは見られませんが、防衛省とL.A.S.Pの精鋭チームは円盤迎撃の準備を進め、円盤を破壊する方針との事です。詳しい情報が入り次第、速報でお知らせ致しますので、東京都内にお住まいの方は続報に御注意下さい」
なんとなく歯切れの悪いニュースだったが、断片的な情報しか入っていなかったのだろう。アナウンサーは早くも次のニュースを報じている。
我に返った紗希はテレビの電源を消し、すぐに出掛ける支度を始めた。
そして、テレビ画面に映った不気味な円盤の姿を思い出しながら呟いた。
「間違いないわ。あれは、円盤生物シルバーブルーメ……」
ララーララ、ララーララ、ラーララララーラー。
紗希が玄関のドアを閉めると同時に携帯電話の着信メロディが鳴った。
「はい、柚本です」
「紗希君か、俺だ。嵐山だ。ニュースを見たか」
「見ました。巨大な円盤型飛行物体の事ですね」
「ああ。今、早田隊長から連絡があってな。俺と井出が出動する事になった」
「それでは……」
「いや、君は休暇中だから自宅待機で構わん。ただ、一つ頼まれてくれんか」
「何でしょう」
「万が一、あの円盤が攻撃を開始した場合、付近の住民を安全な場所まで誘導して欲しいんだ。警察だけでは手が足りんだろうからな」
「了解です。これから**町へ急行し、現場付近で待機します」
「休み中、すまんな」
「いいえ、大した事ではありません。それより、嵐山さんも井出さんも気をつけて下さい」
「ははは、ありがとう。紗希君は優しいなぁ。それじゃ」
通話を終えた紗希が腕時計を見ると7時40分前だった。
(今から**町まで車をとばせば30分程度で着ける)
愛車に乗り込んだ紗希はアクセルを踏み込み、猛スピードで**町へ急ぐ。
(太陽光をエネルギーにするシルバーブルーメが動き出す前に……エネルギーの充電が終わる前に宇宙へ運んで破壊しないと)
人々の感心を集める円盤生物シルバーブルーメは特に動き出す様子も見せず、その巨体を宙に浮かせている。
真下のビルは大きな影に覆われ、まるで夜のような暗さだ。
道路が込み合い、紗希が現場に到着したのは午前8時30分を過ぎていた。
裏道に車を停め、ビルの陰に身を隠した紗希はジャケットの内ポケットから小型電燈のような物を取り出し、それを空高く掲げた。
先端のクリアな球体部分に光が集まり、光の採取量を表す側面のメモリが凄い勢いで上昇する。
メモリが「FULL」になった時、紗希はスイッチを押しながら声高に叫んだ。
「トランスフォーメイション」
次の瞬間、紗希の全身がまばゆい光に包まれた。
シルバーブルーメの一挙一動に集中していた人々の視線が光源に向けられた時、そこに紗希の姿はなかった。
「あ、見ろ。シャインだ」
「本当だ」
「シャイン。気をつけてぇ」
ビル群の中に颯爽と現れたウルトラレディ・シャイン。不気味な円盤の脅威から地球を救ってくれる事を期待し、人々は彼女の勇姿に声援を送った。

(C)中島至誠
空高く飛び上がったシャインは、シルバーブルーメ目指して飛行する。
向こうに浮かぶ円盤のボディが銀色に輝き、太陽光を反射するのが遠目にもハッキリと見えた。
「シルバーブルーメの全身が銀色に輝き始めたわ。エネルギーの充電が完了しかけているようね」
シルバーブルーメは宇宙怪獣の中でも非常に珍しい金属生物である。つまり、金属であると同時に生物でもあるのだ。
円盤状の姿から宇宙警備隊の間では「円盤生物」とも呼ばれている。
シャイン自身は人伝手に聞いただけだが、数百年前、銀十字軍隊本部を襲った際にウルトラマザーが苦戦の末に辛うじて撃退したと言う。
今でこそ第一線から身を引いて久しいマザーだが、かつては銀十字隊の防衛部隊を率いる勇将として名を知られた女性ウルトラ戦士だった。
最悪の場合、全盛期の銀十字隊防衛部隊長すら苦戦させた強敵と戦わなければならない。
シャインの心臓は鼓動を早め、全身から汗が噴き出る。
(でも、逃げるわけにはいかない。私には地球を守る義務がある。例え、この戦いで命を落とす事になっても……逃げるわけにはいかない)
自らに言い聞かせ、シャインは覚悟をきめた。
遂にシャインはシルバーブルーメの姿を目前に捕えた。
(これだけ近づいても無反応という事は、まだエネルギーチャージが終わっていないようね。今なら……)
そう思った瞬間、シルバーブルーメのボディーから耳障りな電子音が聞こえてきた。
ピピピピ……ピピピピ……ピピピピピピピピ。
「しまった。間に合わなかった」
これが充電完了の合図だったのか、今まで沈黙を守っていたシルバーブルーメが活動を開始した。
円形に膨らんだボディ中央部分、そこにある横に長い菱形の赤いランプが激しく点滅したかと思うと、だらしなく垂れ下がっていた四本の触手がシャインに向かって伸びてきた。
「くッ」
あまりのスピードに避ける暇もなく、シャインは両腕を触手に絡め取られてしまった。
「円盤が動き出したぞ」
「シャイン、気をつけてぇ」
「防衛軍は何をやってるんだ」
地上の人々が活動を開始したシルバーブルーメと、それに立ち向かうシャインの姿を見ながら口々に自分の思いを述べる。
両手の自由を奪われたシャイン、彼女めがけて残る2本の触手が向かってきた。
ビシッ。ビシッ。ビシッ。
「キャアァァ」
2本の触手はシャインの全身を容赦なく打ちつける。まるで鞭のような攻撃だ。
ビシッ。ビシッ。ビシッ。
ビリッ。ビリリッ。ビリッ。
打たれれば打たれる程、シャインの体を覆う赤いコスチュームが破けていく。
(このままじゃ、全裸にされちゃう。うッ、うぅぅ。駄目だわ、両腕が動かない……)
容赦ないシルバーブルーメの攻撃は休む事を知らず、あらゆる方向からシャインの体を打ち続ける。
ビシッ。ビシッ。ビシッ。
ビリビリッ。ビリッ。
胸部、腹部、臀部の衣装も面積を狭め続け、どんどん肌が露わになる。
「おい、あれを見ろ」
「防衛軍の戦闘機だ」
「頼むぞぉ、防衛軍」
シャインの危機を助けるようなタイミングで2機の戦闘機が現れた。これぞ、L.A.S.Pが誇る最新鋭の戦闘機【ファントム・ブラッド】である。
「見ろ、嵐山。シャインちゃんが苦戦してるぞ」
「言われなくても分かってるよ。俺にだって目はついてるんだから」
「そりゃそうだ。目がついてなかったら飛行機の操縦なんて出来ないもんな」
「馬鹿野郎。下らねえ揚げ足を取るな」
「へいへい」
「キャップ、キャップ。こちら嵐山。応答願います」
「早田だ。どうした」
「円盤の姿を捉えましたが、シャインが触手攻撃を受けて苦戦しています。1号機搭載のワイルドミサイルの目標を円盤本体から2本の触手へ変更してもよろしいでしょうか」
「援護が必要な状況か?」
「はい。両手を束縛され、思うように戦えないようです」
「分かった。2号機へは私が連絡を入れておく。君たちはシャインの援護を優先させろ」
「了解」
(あれは防衛軍の戦闘機)
激痛に耐えながら、シャインは近づいてくる機影に気がついた。
そう思うと同時に2発のミサイルが発射され、寸分の狂いもなくシャインの両腕を束縛する触手を破壊した。
ブチ。ブチ。
鈍い音と共に2本の触手が切断された。
両腕が自由になったシャインは腕に触手の破片を絡ませたまま、ボディめがけて迫りくる残った2本の触手を捕え、そのまま体を回転させてシルバーブルーメを遠くにみえる山の方へ投げ飛ばした。
勢いよく飛んでいくシルバーブルーメの巨体。その後をシャインも追う。
山の上空で戦えば地上への被害が最小限ですむと考慮したシャインだが、敵も彼女の考えを察知したのか、それとも破壊本能のなせるわざか、スピードが弱まり始めたところで再び進行方向を都市上空へ定め、その巨体を勢いよく逆方向へ向けて進ませる。
「そうはさせないわ」
跡を追っていたシャインは、反対側から猛スピードで迫りくるシルバーブルーメを渾身の力を込めて受け止めた。
バシッ。
「うぐッ」
あまりの衝撃に苦悶の表情を浮かべるシャイン。だが、その両腕はシルバーブルーメの巨体をガッシリと受け手目、都市上空への進行を遮っている。
「うぅぅ。な、なんてパワー。ここままじゃ押し負けちゃう」
シャインが渾身の力を込めてて受け止めているにも関わらず、前進しようとするシルバーブルーメのパワーの方が強く、ゆっくりとだが都市部へ進行している。
「くぅぅぅぅ」
持てる全ての力を出し切ってもシルバーブルーメの進行は止められない。
その時、背後から防衛軍の戦闘機が追いつき、シャインの脇を通り抜けてシルバーブルーメに攻撃を始めた。
ミサイル、小型バルカン砲、レーザー光線。
搭載している武器を駆使しながら休む暇もなく攻撃を続ける。
だが、シルバーブルーメのボディーには傷一つ付けられなかった。
「化け物め。なんて体してやがる」
「宇宙から飛んでくる奴だ、化け物に決まってるさ」
「うるせぇ。お前は一言多いんだよ。無駄口を叩く暇があれば何か対策を考えろ」
「そう言われても……」
「くそぉ」
「こちら1号機。2号機、応答せよ」
「こちら2号機。どうした」
「見ての通り、我々の科学力では円盤に傷一つ付けられん」
「そのようだな。今も井出と同じ事を話し合っていたところだ」
「このまま攻撃を続けるにしても武器のストックがなくなる。一度退却しようと思うのだが」
「しかし、シャインを置いて俺達が逃げるわけには」
「だが、俺達が邪魔でシャインが思うように戦えないのかも知れない。どっちにしろ、武器が使えなくなれば帰還するしかない」
「分かった。キャップの指示を仰ごう」
「うむ」
(防衛軍の戦闘機が帰って行く。武器が尽きたのね)
攻撃を止めた2機の戦闘機が帰還する様子をみながら、シャインは心の中で思った。
(でも、私は逃げるわけにはいかないわ。なんとかシルバーブルーメを倒さないと)
全力でシルバーブルーメを受け止めながら、必死にシャインは考える。
(強靭なボディーは攻めても無駄だわ。私の力でも傷一つ付けられない。可能性としては、頂上にあるエネルギー吸収装置ね。クリアブルーのドームで覆われているけど、あそこが弱点に違いないと思うけど……)
意識が別の事に集中している為か、シャインはシルバーブルーメの千切れた触手が再生している事にも、足元から4本の触手が迫ってきている事にも気づいていない。
何か嫌な予感を覚えたシャインが足元を見た時には、もう遅かった。
物凄い勢いで4本の触手がシャインの両手両足に絡みつき、彼女から四肢の自由を完全に奪った。
「し、しまった」
先程と違い今度は両足も動かせない。シャインは万歳をした格好で空中に磔られてしまった。
「んもぅ。これだから触手は嫌いなのよ」
シャインは絡みつく触手から逃れる為、猛スピードで都市上空に向かって飛び立った。
不意をつかれたシルバーブルーメは彼女の跡を追うタイミングを逃したうえ、勢いよく飛び立ったシャインによって4本の触手を引き千切られてしまった。
細長いゴムの一片を重い物に固定し、もう一片の先端を持って勢いよく引っ張るとゴムが千切れる。この現象をシャインは応用したのだ。
触手の破片が手足に絡んだままシャインは飛行を続ける。
もちろん、シルバーブルーメから逃げるのではなく、彼女なりの算段があった。
シャインの考えでは、このままシルバーブルーメに自分の跡を追わせ、距離が縮まった所で不意に方向転換し、円形に膨らんだボディ中央部分を利用して天井部の真上からゼスペリオル光線で頭脳部分を破壊しようというのだ。
危険な賭けには違いないが、唯一の弱点らしい場所を狙う意外にシルバーブルーメを倒す方法は思い当たらない。
「追って来なさい、シルバーブルーメ」
後ろを振り返りながらシャインは飛び続ける。
シャインの計算通り、数秒の出遅れを取り戻すかのようにシルバーブルーメは物凄い早さで迫って来た。
そして、耳障りな警告音を発した赤いランプの部分から光線を発射してきた。
「キャッ」
予想外の反撃に焦せるシャインだが、体をかすめる光線に傷つきながらも飛行を続ける。

(C)中島至誠
(今だわ)
頃合いと判断したシャインは体を90度回転させると、逆立ちする恰好で円形の出っ張りに体を着地させ、そのまま両腕の屈伸する力を利用してシルバーブルーメの真上まで飛び上がった。
予期せぬ相手の行動に驚いて急ブレーキをかける形で動きを止めたのがシルバーブルーメの運の尽き。この一瞬が命取りとなったのだ。
シャインは腕をL字に組み合わせ、そこへエネルギーを集中させた。
まばゆい光がシャインの組み合わせた腕に集まる。
「ゼスペリオル光線!」
クリアブルーのドームに狙いを定め、集中させたエネルギーを一気に放出させた。
七色に輝く光線は見事にドムーを貫通し、シルバーブルーメの頭脳とも言える制御装置をも破壊する。
「ビビビビー・・・・・・・ピピピピピー・・・・・・ピリピリピリピリ・・・・・・ピッ・・・」
ブザーのような音を断続的に発した後、弱々しいアラーム音となり、最後に音が止んだ。
ボディの至る所に設置された全てのランプが消灯し、シルバーブルーメは巨大な鉄の塊となって高層ビル群の中へ落ちていく。
「あ、いけない」
大急ぎで落下するシルバーブルーメに追いつくと、高層マンションの屋上ギリギリで命を失った鉄塊を受け止めた。
「うぅぅ。お、重い。死んでからも迷惑かけないでよね」
巨大なシルバーブルーメの死骸を抱え、シャインは空の彼方へと飛び去った。
シルバーブルーメの襲来から一夜が明け、再び太陽が空に昇った。
シャインに変身して戦ったのは久しぶりだった沙希は、夕方になって**町から帰宅すると同時にソファーへ倒れ込み、そのまま朝まで熟睡してしまった。
いつもより1時間早く起床し、シャワーを浴びようと脱衣所で服を脱ぎ全裸になった瞬間、沙希は悲鳴を挙げた。
「いやぁぁ。なによ、この傷痕」
シルバーブルーメの触手で叩かれた部分が赤く腫れあがっており、まるで鞭で打たれたような痕跡を淑女の肌に残していたのだ。
変身時は肉体が強化されているので傷痕は目立たなかったが、肉体強度が劣る人間体にはハッキリとダメージの痕跡が刻まれている。
「よりによって、今日は体力測定の日なのよねぇ。こんな体じゃタンクトップやホットパンツに着替えられないわ」
傷痕をさすりながら沙希は呟いた。
「ウルトラウーマンも楽じゃないわね」
その後、宇宙連邦警備軍の後輩であるティアナ(彼女の実母が、あのウルトラマザーなのである)から、近年の研究によってシルバーブルーメの生態が明らかにされた事を聞いた。
ボディを形成する金属物質が個体によって異なり、その強さはボディを形成する金属物質の硬度と比例するらしく、数百年前にウルトラマザーが倒したのは最強高度のシルバーブルーメ・ジュラルミンだと言う。
さらに数日後、シャインが死骸処理の為に宇宙連邦警備軍科学技術部門へ預けたボディーの分析結果から、彼女が倒したのシルバーブルーメは、ボディーの強度は強いが知能は今一つとされるシルバーブルーメ・ブロンズである事が分かった。
この事実を知ったシャインは、自分が倒した円盤生物シルバーブルーメは強かったのか弱かったのか、どうもハッキリせずモヤモヤした気分に陥ったのであった……。
【あとがき】
らすP氏の「ウルトラレディ」シリーズを原作とした二次創作作品です。優れたイラスト作品と接しているうちに創作意欲が刺激され、短編小説として仕上げてみました。
後半の展開は急ぎ足となってしまい、やや龍頭尾蛇の感がありますが、最後まで読んで頂けましたら幸いです。
いろいろツッコミ所があると思いますが、そこは目をつぶって読み流して下さい……。
一点だけ告白させて頂きますが、「シルバーブルーメは個体によって強さが違う」というオリジナル設定は、ウルトラマザーが苦戦した相手をシャインが簡単に倒してしまった事に整合性をもたせようとした結果の後付け設定です。その為、前半と後半ではシルバーブルーメのキャラクターが全く違ってしまいました。
なお、キャラクターの基礎設定は「ウルトラマンレオ」(製作:円谷プロ)及び「ウルトラレディ・シャイン」(原作:らすP)より借りていますが、大幅なアレンジを加えた点もあります。
イメージを崩さないように努力したつもりですが、「これは違うんじゃないか」と違和感を覚えられる箇所があった場合は、どうか御海容下さい。
蛇足ながら、本作のタイトルは三津木春影氏の短編「奇絶怪絶 飛来の短剣」を元ネタとしている事を述べておきます。
【謝辞】
らすP氏と中島至誠氏の御二人より、二次創作許可とイラスト転載の許可を頂きました。記して感謝致します。